見出し画像

2000万円注いだアイドルグッズを破壊したオタク

AKBに2000万円を注ぎ込んだオタクがグッズを大量破壊したニュースを知っていますか?

14年間も応援してきたアイドルの熱愛報道を見たオタクが、居ても立ってもいられなくなってグッズを全部破壊したらしい。
まるでカルト宗教の洗脳が解けたかのような、彼の行動は多くのアイドルオタクの心を揺さぶったことでしょう。

村上春樹が地下鉄サリン事件の関係者に取材して書いた『アンダーグラウンド』で崩壊したオウム真理教に残された信者に「月の裏側に一人残されていたような恐怖を自分のことのように想像しながら、その状況の意味を何年も考え続けた。」と述べたことがあった。
まさに、この出来事はその心情に近いのではないかと思いました。
今まで信じて打ち込んできたモノが無意味だと気付いた時を想像すると恐ろしいですよね。

最近はアイドルをただ応援するだけの事を「推し活」なんて言葉を変えて流行っているけど、やっぱりアイドルってただの他人だと思うんですよね。当たり前ですけど、自分の生活を犠牲にしてまでやることじゃないんですよ。
私は潜在的には可愛いモノが大好きなんですよね。アイドルとかもキラキラして可愛いなと思うし、絶対にどっぶりハマれるタイプだと思う。だからハマったらダメだなって思うんです。

むかしこの漫画がバズっていましたけど、やっぱりアイドルって逃避なんですよね。

芥川賞を取った『推し、燃ゆ』という小説があります。アイドルを応援している事だけが生き甲斐の主人公が最後には、自分がアイドルと全く交わらない他人な事に気付くのです。
この小説は少しだけ救いがあって、彼女が"推し"のために書いたブログはアイドルファンの中で人気なんですよね。ファンの間には一目置かれているみたいな存在だったんですよね。

今回のグッズを破壊したオタクは一日だけ応援したアイドルを超えたと思う。彼の14年間アイドルファン人生最良の日は、2000万円も積み重ねたグッズを破壊した日なんだと思う。舞台にはいないけど、アイドルのライブ以上に誰かの心を揺さぶるパフォーマンスだったんじゃないでしょうか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?