見出し画像

TENTIALに入社してからの激動の1年半を振り返る(part2)

こんにちは、神宮寺です。

今日は前回のnoteの続きになります。


想像以上にたくさんの方に読んで頂き、さらにこのnoteをきっかけにmeetyなどでたくさんの方とお話をさせていただき、書いてよかったなと思っております!
もし前回のnoteをまだ読んでいない方は、こちらのnoteの前に読んでいただけると嬉しいなと思います。

今日は、入社後半年のところからお話していきます。
ではいきましょう。

◆そんなこんなで始まったTENTIAL第5期(2022年2月~2023年1月)

TENTIALは、2月が期初となるため、2022年2月からTENTIALの第5期がスタートしました。

part1のnoteにも記載した通り、なんとかかんとか4期の通期目標は達成でき、私個人もありがたいことに4期(下期)のMVPに選んで頂き、会社としても個人としても波に乗っている感覚がありました。

期が変わるタイミングで、第5期の新しい目標が設定されました。
具体的な数字は書けませんが、「これがスタートアップか!」という感じの高い目標でした。

もちろん期が変わっただけで数字が劇的に伸びることはありません。
しかも、2月は1年の中で最もアパレル商品の売上が低迷する時期です。

前月までもフルスロットルで頑張っていたので、
季節的に売上が落ちる+目標が上がった ことで新しい期の開始早々からかなり厳しい状況に追い込まれていました

入社翌月から続けていた5か月連続の目標達成も、ここで途絶えてしまいました。
売上の金額自体はなんとか横ばいをキープしても、高くなった目標とは乖離しており、焦燥感が強くなっていきました。

◆神宮寺の新しい役割

実は、この第5期が始まるタイミングで私は新しい役割を頂きました。
肩書きでいうと、「ウェルネス事業部 副部長」です。

当時は、TENTIALブランド事業がウェルネス事業部という1つの部となっており、その中に商品開発チーム、マーケティングチーム、セールスチームなどのチームがぶら下がっていました。

私は、2021年9月からマーケティングチームのマネージャーをしておりましたが、5期が始まるタイミングで上記の副部長という役割も担うことになりました。(マーケティングチームのマネージャーも引き続き)

ちなみに、部長は中西CEOが兼務していて、副部長は私と商品開発チームのマネージャーの相川さんの2人という体制でした。

ということで、マーケティングのみならず、事業全体をどう目標達成に導くかという、一つ高い視座のミッションを与えて頂き、高い壁に直面することになりました。


◆運用型広告だけでの限界

とまぁ役割は少し広くなりましたが、日々向き合うものはそこまで大きく変わらず、売上と利益です
早急に手を打たなければ、ズルズルと未達を続けてしまいます。

この状況が起きている要因として、一番大きかった部分は、「運用型広告での売上の伸びが停滞した」ことでした。

前回のnoteで詳しく書いた通り、私が入った当初はまだまだ改善できる余地がたくさん残されていて、それらを潰していくことでどんどん売上は伸びていきました。
しかし、ある程度まで最適化が進むと、そこから劇的に売上を伸ばすことは至難の業です。

もちろんよくできる部分は無数にありましたが、PDCAを回しながら徐々に数字が伸びていくものであり、急速に売上を伸ばすことは難しいです。

◆売上をどう伸ばすか

そんな状況をどう打開すべきか、脳みそが破裂するまで考えました。(破裂はしてないです)
考えれば考えるほど、この状況を打開するのは難しいと感じました。

まず、前提を整理するとこんな感じでした。

①コストをほぼかけずに売上を作れるもの

・既存顧客からの売上(CRM)
・オーガニックの売上(SEO、PRなど)

②コストをかけながら売上を拡張するもの

・広告(運用型、アフィリエイトなど)

売上のトップラインを伸ばすためには、②の新規顧客をどれだけ増やせるかにかかっています。
一方で利益の源泉は、①のほうで担保されており、①の売上によって②に投資できる金額が決まってしまいます。

その金額を増やすためには、②の広告の費用対効果を劇的に高めるしかないですが、それができたらこんなことには悩みません。
特に運用型広告は、配信費用を増やせば増やすほど、CPAは上がる傾向にあります。

ではどうすべきか?

まずは、①の既存顧客の売上を伸ばします。
これはトップラインを伸ばすためというよりは、新規顧客にアプローチするための余力を増やすためです。

とはいえ、ここも劇的には伸びません。なぜなら、顧客数という上限があるためです。(新規顧客がどんどん増えないと伸びにくい)
F2転換率を上げていくなどの施策を実行しますが、即効性はありません。
ただ、中長期で見たときに超大事な部分なので、ここは取り組んでいきました。

そして問題は、②の新規顧客へのアプローチをどう増やすか。
先ほど、運用型広告は配信費用を伸ばせば伸ばすほど、CPAは上がるといいました。
配信予算を上げて、CPAを上乗せして(ROIがあっていない状態で)顧客を増やすのは、シンプルにお金がもったいないと考えました。

そこで、とある施策を拡張することにしました。

◆とある施策とは?

少し話は遡ります。
運用型広告だけで拡張することの限界は、実は前期の後半には察していました。

そこでいくつかの施策の検証を開始していたのですが、その中の一つがYoutuberとのタイアップ施策でした。
TENTIALの公式Twitter等を見てくださっている方はご存じかもしれませんが、これまで多くのYoutuberさんとタイアップをさせて頂きました。

その最初の検証を行ったのが、2021年の12月でした。
通期の目標達成がかかった瀬戸際だったので、思い切って大規模なYoutuberさんとのタイアップを敢行しました。

◆なぜYoutuberに至ったのか?

検討当初は、数ある施策の中の一つという認識ではいました。
考えられる施策を調べ、話を聞き、実際に自分のお財布からお金を出してでもやりたいか?という検討を繰り返していました。

だいたいの施策は、検討により却下されます。
もしくは、きわめてリスクを下げた状態で、テストトライアルをするという流れになります。

私が新しい施策を実施する際に、重要視している指標は以下の3つです。
①拡張性があるか
②商品との相性がいいか
③新しい顧客にリーチできるか

①拡張性があるか

まずは「拡張性」の部分について解説します。
どんな施策も最初に実施するときは、ある程度リスクを伴います。
そのリスクに見合うリターンがあるかどうか。その指標の一つが拡張性です。
再現性といったほうがわかりやすいかもしれません。最初の検証がうまくいったのち、どれだけ多くの売上を作れる見込みがあるかどうかを大切にしています。
逆に拡張性がなければ、できるだけリスクは背負いたくはありません。

Youtuber施策にはきちんと拡張性があると感じました。

理由は以下です。
(1)視聴者は同じジャンルのYoutuberを複数見る傾向にある
自社製品に合うジャンルを見つけることでそのジャンル内での拡張が可能になります。

(2)いろんなYoutuberがやっているある程度"型化"された企画がある(モーニングルーティンや100の質問など)
ジャンルが違っても、商品を効果的に訴求できる企画を見つけることでジャンルを拡張していくことができます。

(3)同じ企業案件を何度もやっても違和感がない(※案件数が多すぎるのはよくないが)
すごく相性の良い方がいれば、何度かにわたって案件をお願いすることが可能です。

②商品との相性がいいか

次に「商品との相性」について解説します。
これはいろんな要素を複合的に考える必要があり、端的に説明するのが難しいのですが、以下のポイントで考えてみるとそこまでズレない気がしています。

結論から言うと、
・じっくり考えて購入する商品(価格が高い、等)
・文字や静止画だけでは伝わりにくい商品(肌触りがいい、香りがいい、等)
という商品が相性がいいと考えています。

Youtuberタイアップ施策は、前提としてリーチ効率が高い施策ではありません
CPV等の指標で考えたらもっと安い施策はたくさんあります。

ではなぜわざわざYoutuber施策を実施するのか?
それは、ユーザーの購買意欲を順を追って高めていくことができる施策だからです。

1個20円のチョコであれば、そこまでじっくり購買意欲を高めていく必要はありませんが、1着2万円のパジャマであればそうもいきません。
ただ知ってもらったからといって買ってもらえるわけではありませんし、わざわざ検索してサイトにきてもらえる数もごくわずかです。
2万円のお金の使い道がたくさんある中で、そのパジャマを買う理由をちゃんと作ってあげる必要があります。

以上の考察を踏まえ、購買意欲を高めるためには、
・話し手(=Youtuber)への共感/憧れ
・話す時間の確保
・複数接触の創出

が必要であり、それを満たせるのがYoutuber施策だと考えました。

▼話し手
とにかく発言に説得力を持たせられる方を探します。
「この人が言うなら間違いない」と思える方を選ぶことで、懇切丁寧に説明する手間と時間をある程度省くことができます。
再生数が多いとか、チャンネル登録者が多いとかの定量的な数字ではわからない部分も加味する必要があります

▼話す時間の確保
ここがYoutubeならではの部分で、InstagramやTiktokでは実現できない部分かなと思います。
しっかり商品の魅力を伝えるには、少なくとも2-3分の尺は必要で、他のメディアでこの時間を確保するのは難しいですが、Youtubeであれば問題なく時間を確保することができます
さらに、企画をしっかり練ることで、自然な流れで商品の紹介につなげることができ、いきなり商品の宣伝をするよりも、ユーザーの情報の受け入れ態勢を作りあげたうえで、商品について説明することができます。

▼複数接触の創出
1人の人に聞いただけではあまり買いたいと思わなくても、短期間に複数人から聞くとちょっと気になってしまう、という経験は誰しもがあると思います。
Youtubeではその状態を意図的に作りだすことができます。
Youtubeを見ていると、同じジャンルの人の動画がレコメンドされてきたり、同じ企画(モーニングルーティン)の動画がレコメンドされてきます。
このレコメンドを利用し、同じジャンル×同じ企画で複数人のタイアップを実施をしていくことで、意図的に複数接触を作りだすことができます。タイアップの実施数を増やしていくことでどんどん動画が蓄積され、複数接触率を高め、購買意欲を高めていくことができます。

③新しい顧客にリーチできるか

これはマーケターにとって永遠のテーマではありますが、特にWeb広告を中心にプロモーションを展開しているとこの課題に直面しやすいと思っています。

昨今のWeb広告のターゲティングは"ほぼ全自動化"されており、その動きは今後も加速していきます。

自動化の仕組みを超ざっくり解説すると、蓄積されたCVデータをもとに、よりCVしてくれそうな人に広告を出すよう勝手に調整してくれるというイメージです。
発生した10件のCVのうち、9件が20代男性であれば、20代男性に配信が寄っていきます。

つまり、最適化が進めば進むほど、これまでのCVデータから外れる人へのリーチは減っていきます
CPAが下がるという利点はありつつも、新しい顧客層へのアプローチができないというデメリットがあります。
(この課題はWeb広告内でも解消する術はありますが、一旦ここでは割愛させていただきます)

話を元に戻すと、マーケターにとって新しい顧客にリーチできる施策は非常に重要であり、Youtuber施策はその役割を十分担える施策だと感じています。

そもそもターゲティングや最適化という概念がないため、タイアップするYoutuberの視聴者にそのままリーチすることができます。
Youtuberのジャンルを広げていくことで、どんどん新しい顧客にリーチをすることができます。
(実際結果として、Youtuber施策ではWeb広告よりも高い新規顧客率が出ており、これまでリーチできていなかった顧客層に拡張することに寄与しています。)

以上の理由から、
Youtuber施策はTENTIALがチャレンジする価値のある施策だと判断し、思い切って実施を決断しました。

◆やってみてどうだったのか?

上記の通り、あれやこれやと分析&仮説立てを繰り返して、「この施策はいけるはず!」という気持ちは30%くらいありつつも、実際にやってみるまではとてつもなく不安がありました。

運用型広告は、配信してから改善していくことができますが、Youtuber施策は出したあとにそこから改善することは不可能です。
やるべきことをやって、あとは祈るしかありません。

2021年12月に最初に実施をしたときは本当にドキドキしたのを今でもよく覚えています。
公開されたあと、何度も何度も注文履歴を確認し、「売れた!」「また売れた!」というのをずっと繰り返していました。

結果的には、目標としていた数字は達成でき、成功と呼べる成果を出すことができました。

この施策は、私がTENTIALに入ってからやってきた仕事の中でも最も印象に残っている仕事の一つです。

◆Youtuber施策を積極的に拡張

過去の回想シーンが少し長くなってしまいましたが、第5期の高い目標達成に向けて、Youtuber施策に白羽の矢を立て、ここにリソースを振って本格的に攻略することにしました。

キャスティング会社様にご依頼させていただくこともありましたが、
コストを抑えながら数を担保するために、直接様々なYoutuberさんにメールやDMでアポイントを取り、実施の交渉を行いました。

それにより、様々なYoutuberさんとタイアップをさせていただき、ジャンルや企画の検証を繰り返していき、弊社なりの選定基準や成功パターンを構築することができました。

結果的に、売上を拡大するための武器の一つに昇華させることができました。

◆それでも埋まらない目標とのGAP

しかし、現実はそんなに甘くありません。
Youtuber施策だけでは、目標とのギャップは埋めきれず、ビハインドが続いておりました。
気付けばもう期の半分が過ぎていました。

「このままでは、本当にまずい。なんとかしなければ。」
という焦燥感が日に日に強くなっていきました。

◆第5期の上期が終了

そんなモヤモヤを抱えたまま、第5期の上期が終了しました。
この状況を打破するために下期、どのようなことを行い、どんなことが起きたのか、次のnoteで書いていきたいと思います。

◆総括(入社7か月~12か月)

この期間を振り返ると、とにかく自分の無力さを痛感した日々でした。

自分がこれまで培ってきた武器だけでは太刀打ちできない壁に直面し、どうすれば打開できるかもがき続けていました。
何が正解かわからず、ただ今のままではだめだという事実だけがそこにあり、暗闇の中を走り続けている気持ちでした。

当時はかなり苦しかったです。
しかし、振り返ってみると、この期間にいろんなことを考え、自分の考えの浅さや視野の狭さ、視座の低さに気付くことができたような気がしています。(今もまだまだ全然ではありますが)

世の中に商品を浸透させることは、こんなにも難しいものなのかと実感をしました。
自分たちができることは競合もたいたいのことはできてしまう。

「自分たちにしかできないことはなにか」「自分たちにしか届けられない価値はなにか」を考え、限られたお金とリソースをどこに使うべきかを決めるのは、本当に難しいことだと痛感しました。

この使い道を間違えたら、そこには敗北が待っている。だからといって何もしなければ、その先にも敗北しかない。決断を先延ばしにしても、もちろん敗北。

改めて、そういった厳しい環境の中で勝ち切らなければならない状況に置かれていることをきちんと認識でき、自分がもっと強くならねばならないと感じられたとても貴重な期間だったなと思っています。
30歳を超えて、こんなチャレンジングな経験をできることはとても幸せだなと思います。(当時は本当にキツかったけど)

※いい思い出のように語ってますが、現在進行形でずっとチャレンジングな状況ではあります。(笑)

◆最後に

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
次回は、TENTIAL第5期の下期(神宮寺のTENTIAL入社後12か月~18か月目)の話をガッツリ書いていこうと思います!

このnoteを読んでいただいたのでなんとなくおわかりかと思いますが、TENTIALは非常にチャレンジングな環境です。
本気で世の中をウェルネスな世界に変えにいきます。

会社のフェースが変わるので、仕事内容もどんどん変わります。自分も気付かぬうちにどんどん自分がアップデートされていきます。
このチャレンジングな環境で一緒に戦って頂ける仲間を探しております!

興味があればぜひどなたでもどんな職種の方でもお話させていただきたいのです!

今、特に
・マーケター
・Webデザイナー(ECサイトの制作/改善)※業務委託大歓迎です
の職種が足りていなくて困っております!

ちょっとでも気になった方は、特に深く考える前に一旦TwitterでDMください!
Meetyでも全然大丈夫です!

それでは、また次回のnoteもお楽しみに!


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?