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TENTIALに入社してからの激動の1年半を振り返る~part1~

こんにちは、神宮寺です。
ご無沙汰しております。

久しぶりの投稿になってしまいましたが、元気に暮らしています。

noteを書こう書こうと思いながら、今の職場で働き始めてすでに1年半以上が経過してしまっていました。全然節目のタイミングでもないですが、これまでどんなことをやってきたのかを振り返ってみようと思います。
(※決して会社をやめるわけではありません)

広告運用者から事業会社のマーケターにキャリアチェンジして、どういう気付きがあったのか?を当時を思い出しながら書いていきます。

マーケターという仕事に興味がある人にぜひ読んでほしいなと思います。
では、いきましょう。

◆今、何をやっているのか?

現在は、株式会社TENTIALという会社で働いています。

TENTIALは、ウェルネス領域におけるブランド事業を行っている会社です。
商品のカテゴリは、大きくSleep、Foot、Workの3つに分かれており、プロダクトとしては、リカバリーウェア、リカバリーサンダル、機能性インソール、ワークウェア、枕、マットレスなどなど約70種類の商品を販売しています。
今、私はこの事業において、マーケティングの責任者とSleepカテゴリのブランドマネージャーを兼務しています。

◆TENTIALってどんな会社?

念のためTENTIALについてもう少し詳しくご説明します。

「健康に前向きな社会を創り、人類のポテンシャルを引き出す。」

これが私たちのミッションです。

会社が立ち上がった経緯として、代表の中西の健康に関する原体験があります。
彼はプロサッカー選手を本気で目指していた中で、高校時代に突如心臓の病気を患い、夢を諦めざるを得ない状況になりました。
その後、飛び込んだビジネスの世界では、自分がこれまでスポーツを通じて得られたコンディショニングの知見がほとんど活用されていないことを知りました。

「コンディショニングを高めれば、もっと仕事の成果が上げられるのに…」
「普段から体をケアしておけば、もっと多くの新しい挑戦ができるのに…」

そういった人類の眠ってしまっているポテンシャルを引き出すために、TENTIALを立ち上げました。

そして、今では私も含め、多くの仲間が挑戦する人のコンディショニングを支える商品を作り、一人でも多くの人に届けられるよう尽力しています。
お陰様でここまで順調に成長を続けられております。

▼参考記事

◆なぜ神宮寺はTENTIALに入ろうと思ったのか?

私が一番興味を持ったのは、スポーツやアスリートの知見をビジネスの世界に還元しようとしている点です。

私自身も実は大学まで部活動をしており、中学~大学までほぼスポーツ一色の生活を送ってきました。
当時の私は、自身が凡人であることを認識していたのでプロになるなんて発想は当然なかったですし、これに全力を注いだところでその後の人生に役に立つとも思っていなかったのですが、ただ単純に楽しいから没頭していました。

社会人になってからもスポーツへの関心は強く持ち続けていたものの、仕事の中に組み込むことは特に考えていませんでした。
広告代理店で長らく広告運用の仕事をしていた中でも、自分の好きな商品を担当したいと思ったこともなく、むしろ自分の関心の有無にかかわらず結果を出せる運用者が優秀だと考えていました。

しかし、代理店をやめて事業会社のマーケターになろうと決断したときに、その考えが大きく変わりました。

マーケティングは、自分が価値があると信じているものを世の中に広める仕事であるため、企業のビジョンや提供するプロダクトに共感ができなければ(自信が持てなければ)、自分の中に「熱」が生まれず、パフォーマンスも発揮できないと考えました。

そして、自分が高い熱量で取り組める興味のある分野は、スポーツと健康でした。(※実はかなりの健康ヲタクでもあります)
TENTIALはまさに、スポーツ×健康をテーマにしている会社であり、強く関心を持つきっかけとなりました。
入社後もギャップはなく、決して信念をぶらさずに品質の高いプロダクト作りをしているので、何の不安もなく全力でマーケティングに打ち込むことができています。

加えてもう一つ、TENTIALで働くことを決めた理由があります。

それは、社員のモチベーションの異常な高さです。
私自身、とにかく成長がしたくて次の環境を探していたこともあり、一緒に働く人の温度はすごく重要視していました。

ネガティブが蔓延している職場において、新しいチャレンジをすることは非常に難易度が高いと思いますが、
TENTIALはまさに真逆で、社員全員が高いモチベーションで日々挑戦を続けていました。
「世の中にはこんな会社あるんだな~」としみじみ思うくらい、TENTIALの文化に衝撃を受けたのを今でも覚えています。

以上2つの理由から、私はTENTIALで働くことを決めました。
当時はまだ社員数も30名前後の規模感だったこともあり、入社時の年収は代理店時代と比べると下がりましたが、金銭価値以上にこの環境で得られる経験価値は代えがたいと思い、入社を決断しました。

全員で高尾山に上ったりします

◆入社初期の心境

正直なところ、入社前はかなり不安でした。
広告運用には一定の自信はあったものの、事業主のマーケターとしてやる以上は、自社商材で必ず結果を出さなければならないからです。

広告代理店時代は、もちろん手を抜いていたことはありませんが、予算を多くいただいているクライアント様に優先的にリソースを使うなど、全体最適でやってしまっている部分は当然ありました。

そういった中で、TENTIALという1社1ブランドでしっかりと結果を出せるかどうかは正直未知数でした。
「もっとやってくれると思ったけど、期待外れだったな」と、早々に烙印を押されてしまうのではないかという不安に押しつぶされそうでした。

当時は、今以上にオンラインに偏った売上構成で、Web広告の成果が落ちることは事業の停滞に直結する状態だったので、成果を落としてはいけないというプレッシャーがすごかったです。
(※裏をかえせば、広告のパフォーマンスが高められれば、事業を大きく伸ばすことができる状態でもありました。)

私は、まずは自分の得意領域である運用型広告の改善から着手することにしました。

◆CPAではなく、売上と利益を追う広告運用

まずは、日々の数値が更新されているスプレッドシートを見てみると、これまで見てきたレポートとは全く異なっていました。

代理店時代は、IMP、CLICK、CTR、CPC、CV、CVR、CPAがレポーティングされ、あらかじめ設定されたCPAとの乖離を埋めるために運用を調整していました。

しかし、TENTIAL(というか事業会社なら当然ですが)では、売上、粗利、顧客数、客単価、ROIなどの数値の中に広告費やCPAという項目がある感じで、これまで毎日憑りつかれたように追い続けてきたCPAは、それほど重要ではないと気付かされました。

厳密に言うとめちゃくちゃ重要ではありますが、CPA目標を達成できていないと絶対ダメというわけではなく、その分客単価を高めればCPAの許容値は上がるし、既存顧客のF2転換率を高めることでも解決は可能です。
CPAはあくまで中間指標であるとリアルに認識をすることができました。


◆広告経由の売上がわからない?

広告のROIを最大化することで、売上や利益が伸ばせることは理解できましたが、肝心の各広告チャネルごとの売上がシートには載っていませんでした。

確認をしてみると、広告のCPAは管理画面上で確認して、先ほどの売上管理シートで売上が伸びているかを確認して、広告を踏むべきか抑えるべきかを決めているとのこと。
広告の入稿URLを確認してみると、生のURLが入稿されていたため、計測ができる状態ではなさそうな状況でした。

しかし、管理画面のCPAほどアテにならないものはありません。
間接CVが含まれますし、ビュースルーCVが含まれる媒体もあるため、媒体によって乖離する率は大きく異なります。

さらに、たまたまオーガニック流入から売上が伸びることもありますし、既存会員向けのメルマガやキャンペーンで売上が伸びることもあるので、他の要因によっても売上は大きく変動します。

広告単体の売上が見えない限りは、打ち手の検証に「感覚」の要素が混ざってしまい、精度が高められません。

そのため、まずはこの課題を改善することにしました。

社内各所に確認をすると、売上等の受注データはBigQueryに入っていて、ここから取り出すことができるとのことでした。
BigQueryを確認してみると、GAのパラメータを付けることで、そのパラメータと売上や購入件数などを紐づけることができそうでしたので、まずは配信中の全広告の入稿URLを差し替えることにしました。

入稿URLのルールと生成シートを作り、黙々と変更作業を行いました。
代理店時代から、この手のルール作りは何度もやってきていたため問題なく進められましたが、一方で、作業についてはレポートや入稿をサポートしてくれる方々に対応をして頂いていたので、自分で全部作業をしてみて、すごく恵まれた環境であったことを身に染みて感じました。

膨大な時間をかけてURLを変更したものの、その時点からデータ取得が始まるため(※過去のデータはない)、管理画面CVとの乖離などを加味した適切な判断ができるようになるまでには2ヶ月ほどかかりました。

◆はじめてSQLを書いてみる

パラメーターの設定が完了したものの、BigQueryからデータを取り出して、レポートに反映させる必要がありました。
そのためには、SQLを書く必要があるとのこと。
全く触れたことがなかったので、何をどうすればよいのかわかりませんでした。

社内の詳しいメンバーに教えを請い、超基礎的なところをインプットしていただき、広告のダッシュボード作成に着手しました。
何度もエラーを出しながら、Web上の情報やYoutubeで勉強したりしながら、なんとか欲しいデータをスプレッドシートに抽出することに成功しました。

この売上データを各媒体の広告費と紐づけをすれば、ある程度運用の指針となるダッシュボードは完成します。

広告費などはそれまでもデイリーで更新されていたものの、更新方法を聞くと毎日手動で更新していたとのことだったので、取り急ぎAdveronix(という無料ツール)を使い自動化をしました。(現在はATOMに切り替え)

これでなんとか広告の正確なデータを毎朝確認する状態を作ることができました。

◆蓋を開けてみると・・・

やはり想定をしていた通り、管理画面の数値はまったく参考になりませんでした。

上述のダッシュボードに記載された正確な数字をもとに、ROIの高いプロダクトと低いプロダクトを判別。
同時に、各プロダクトにおけるLTV(30日~365日)のデータも可視化しました。(これはSQLの力量が足りなかったので、お願いして作ってもらいました)

正確なCPAに加え、LTVを可視化したことで、広告費がきちんと回収ができるかどうかを見極められるようになりました。
そしてまずは広告費の回収見込みが薄いプロダクトの広告をドラスティックに停止し、ROIの高いプロダクトに徹底的にリソースを割き、CPAを改善しながら広告費のアクセルを踏んでいきました。

◆やっとCPAの改善に最大注力できるように

数字がクリアになったことで、リソースをかけるべきプロダクトが見えてきたため、そこに注力することにしました。

これまでのnoteでも繰り返し書いてきましたが、配信設定まわりで改善できる幅には限界があり、やはり重要になるのはクリエイティブです。

代理店時代は、社内に何人もデザイナーがいて、要望に沿ったクリエイティブをたくさん作って頂いていました。
しかし、当時のTENTIALにそんな潤沢なリソースはありませんでした。

そんな状況の中でいかにして広告クリエイティブのPDCAを回すか、色んな方にヒアリングして考えた結果、CANVAを活用するという結論に至りました。
高度なクリエイティブは作れませんが、CANVAを使えば素材さえしっかりしていればある程度のものは素人でも制作ができます。

多くの広告運用者は経験があると思いますが、詳細に作りこんだデザイン性の高いクリエイティブで必ずしも成果が出るわけではありません。(むしろ逆効果のことも多々あります)
なので、大変ではありましたが、まずは自分達(マーケター自身)でCANVAを使ってしっかりと数を検証できる状態を作りにいくことにしました。

自らCANVAでクリエイティブを作り、それをそのまま入稿して検証。成果を確認して、また次のクリエイティブを自分で制作。
スタートアップ感満載の手法で高速でPDCAを回すことで、広告の成果はみるみる改善していきました。

◆簡易撮影スタジオを社内に設置

クリエイティブPDCAを高速で回すことで成果が改善できた一方で、素材が枯渇するという問題に直面しました。

文字だけで表現できることには限界がありますし、バナー内のコピーを少し変えたくらいでは大きな成果改善はできません。見た瞬間に訴求したい内容が伝わるかが運用型広告のクリエイティブにおいては重要になります。

しかし、「もっとこういう訴求をしたい」と思っても、それを伝える素材がなければ、検証ができません。

その課題を解決するべく、自分たちでオフィスのスペースを利用し、広告素材の撮影をしてみることにしました。

最初はスマホで照明もない環境で撮影したため、今振り返るとお世辞にも褒められたクオリティではありませんでしたが、そんな広告でも成果の改善につながることが見えてきました。

この検証によって、それまでは「現状ある素材でどう見せるか」を考えていましたが、「伝えたいことから逆算してどういう素材を作るか」という発想に切り替えることができたことは大きかったと思います。

一方で、低クオリティのままではブランド毀損のリスクがあるので改善が必要でした。
クオリティ改善のため外部への撮影依頼も検討しましたが外部への依頼となると、撮影回数の制約があり、かつコストもかさんでしまいます。
結果的にPDCA速度が遅くなり、成果が悪くなってしまう可能性がありました。

様々な手法を検討した結果、社内に簡易の撮影スタジオを作ることにしました。
オフィスの座席数を削り、性能の良いカメラと照明器具と白背景を購入し、だれでもいつでも撮影ができる環境を準備しました。

広告の成果が落ちてくると、「よし、じゃあ明日撮影するか」という感じで、信じられないくらいフットワーク軽く、高速でPDCAを回すことができるようになりました。
広告のみならず、ECサイト上の一部のコンテンツもそこで撮影をしているため、今でも毎週のようにオフィスで撮影が行われています。

社内の簡易撮影スタジオ

◆入社後4か月目から数字が軌道に乗り始める

入社してから3か月間一心不乱に改善活動を続けた結果、4ヶ月目から売上・利益ともに目標を大きく上回る達成ができるようになりました。
(※もちろん運用型広告以外にも様々な施策を実行した結果ではあります)

結果的には、入社時点では大きくビハインドしていた通期の目標も達成することができました。

広告代理店から事業会社に移って、もちろん大変なことは数えきれないほどありましたが、これまで培ってきたスキルを活かして、貢献できたことは大きな自信になりました。

そしてなにより、自分が大好きな商品のマーケティングをして、多くの方に商品を購入して頂けたことがすごく嬉しかったです。

◆続きは次のnoteで

入社してちょうど半年たったタイミングでTENTIALの第4期が終わり、また新たに高い目標を追うことになりました。そして、ここでもまたたくさんの試練に直面しました。

次のnoteからは、広告運用者としてではなく、マーケターとしてどういう課題に直面し、乗り越えたのかについて書いていきたいと思います。

◆入社初期の総括

当時の私は、忖度なく、TENTIALに入ってよかったと感じていました。(※今も思っています。)
自社の製品を知ってくれている人・使ってくれている人に会うたびに、率直にうれしかったですし、マーケターとしてもっと頑張ろうと思えました。

そしてなによりも日々新しいことにチャレンジができ、経験したことのない課題に向き合い続けることで、自分自身の成長も実感することができました。

事業フェーズが変われば、役割も変わるし、役割が変われば、求められるスキルも変わる。常に自分自身のアップデートが求められ、それにこたえるために成長し、変化を体感することができています。

入社前は「1商材のマーケティングをやり続けるのは飽きそう」という懸念も少なからずありましたが、まったくそんなことはありませんでした。

TENTIALでは、毎月のように新しい商品をローンチしているため、色んな商品のマーケティングが経験できますし、複数の商品を繋ぎあわせてブランドを構築していく過程も経験することができます。

自分の頑張りや成長がブランドの成長につながっていることをダイレクトに体感でき、それがモチベーションにもなるので、私自身は事業会社で働くほうが向いてたんだろうなと思っています。(大変なことも山ほどありますが笑)

最後まで読んでいただきありがとうございました。
次回のパート2もガッツリ書いていこうと思っているので、ぜひ楽しみにしていてください。

それでは!

あ、ちょっと待ってください

最後に1つだけ大切なことを。すみません!

ほんのすこしでもTENTIALで働くことに興味がある方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にご連絡ください!(Twitterでもなんでも)

特に、
・マーケター
・デザイナー(マーケティングチーム所属の)
を探しております!

それ以外にもカジュアルな情報交換等もぜひぜひぜひ!という感じですので、ご興味ある方、ご連絡お待ちしております!


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