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ペーパードライバーのための運転の教科書【最終章】自力でペーパードライバーを克服する


自力でペーパードライバーを克服しよう

第2章でペーパードライバーを克服するための方法を紹介しましたが、自動車学校やペーパードライバースクールに通うのはやはりお金がかかります。ここでは、自力でペーパードライバーを克服しようと考えている方向けに私が普段ペーパードライバー講習で行っているノウハウをご紹介します。

最初に気を付けて欲しいのはいきなり一人で練習をしないことです。どんなに事前に予習をしたとしても運転免許を取ってから全く運転していないペーパードライバーがいきなり車を運転するのは危険です。特に初めて練習する時は必ず家族や友達を助手席に乗せて練習してください。

練習メニューも簡単な事から繰り返し練習して、運転に慣れてきたら段々と難しい事に挑戦していくことがポイントです。次のような手順で進めていくと無理なく上達できるので参考にしてください。また、交通ルールや運転操作については別の章でも詳しく解説していますので、ここでは大まかな流れだけ説明していきます。

1.広い駐車場で基本操作の練習

“運転に自信がつくまで駐車場で練習”

まず近くの公園やホームセンター、ショッピングセンターなどの広い駐車場で基本操作から練習しましょう。特に屋上駐車場が広く車も少ないのでおすすめです。

最初はハンドル操作とペダル操作の練習から始めましょう。駐車場の中をゆっくりと旋回して、右回りと左回りを繰り返しましょう。ハンドル操作に慣れてきたらアクセルペダルやブレーキペダルも積極的に踏み込んでみてください。

この練習で意識して欲しいのは目配りになります。久しぶりの運転だと余裕がなくなり目線が近くなりやすいです。早め早めと目線を先に向けて、スムーズにハンドル操作とペダル操作ができるようになるまで繰り返し練習してください。

それから、駐車場で練習する際に気を付けて欲しいのはお店の警備員さんです。ホームセンターやショッピングセンターなどの駐車場には監視カメラが設置されている事がありますので、目立った行動は禁物です。

ずっとグルグル旋回しているとさすがに目立ちますので、適度に車を停めたり場所を変えたりしましょう。練習時間も10分~20分くらいで切り上げるのが無難です。


2.交通量の少ない道路で交差点の練習

“最初はひたすらまっすぐ走行するのがベター”

広い駐車場で基本操作を練習した後はいよいよ路上の練習になります。路上に出る時がもっとも緊張する瞬間になります。路上の練習を始める時のポイントはまず交通量の少ない道路を選ぶことです。

最初はひたすらまっすぐ直進し続けて、アクセルとブレーキで速度が調整できるように練習してみましょう。直進に慣れてきたら次は交差点を左折してみましょう。左折する時のポイントは曲がるスピードとハンドルの回し具合です。

運転にまだ慣れていない間は左折する時のスピードが速いとハンドル操作が間に合わず曲がり切れません。左折する前にブレーキでしっかりと減速してから左折するように心掛けましょう。

また、ペーパードライバーの方は焦ってハンドルを回しすぎてしまう傾向がありますので注意してください。左折が上手く出来るようになったら次は右折になります。右折は対向車(直進車と左折車)の優先になるので、対向車が来ていないかよく確認しながら交差点に近づきましょう。

対向車との距離が微妙にある時に右折するかどうか迷いやすいですが、安全第一を考えて対向車との距離に余裕を持って右折するように心掛けましょう。

3.二車線以上の道路で進路変更

“まずは周りに車がいない時に進路変更してみよう”

ペーパードライバーの方にとってハードルが高いのがこの進路変更。走行しながらバックミラーを見るは運転操作に余裕がないとなかなかできないです。

最初は進路変更の操作自体がスムーズでできるようになることが目標です。従って、練習場所は交通量の少ない道路を選んで、後ろに車が来ていない時を見計らって進路変更を繰り返すと良いです。

慣れない内はバックミラーを見る時にアクセルが緩んでしまって速度が遅くなってしまったり、進路変更する時にハンドルを必要以上に回し過ぎてふらついてしまったりしやすいので気をつけましょう。進路変更の操作に慣れてきたら、少し交通量の多い道路で進路変更してみてください。

4.交通量の少ない住宅街の走行

“交通量が少ない場所ほど危険はいっぱい”

交差点や進路変更にある程度慣れてきたら、住宅街の走行に挑戦してみましょう。交通量が少ない住宅街は一見すると安全そうに見えますが、実際はその逆です。

道幅が狭い道路、見通しの悪い交差点、自転車や歩行者の飛び出しなど交通事故が起こりやすい場所です。特に車体感覚がある程度掴めていないと全く対応できないので、運転操作に慣れていない内は住宅街を通るのは避けるのが無難です。

住宅街を走行するポイントはまず速度を押さえることです。時々、住宅街でも平気でスピードを出すドライバーを見掛けますが、そのドライバーが交通事故を起こすのは時間の問題だと思います。

車や自転車などの飛び出しに備えて速度はおおよそ時速20~30kmが目安で、見通しの悪い交差点はカーブミラーを活用して車や自転車などが近づいていないか確認しながら走行するように心掛けてください。

また、反対から来る対向車との行き違いが非常に難しいのですが、最初は積極的に停まって相手の車に避けてもらうのが無難です。

5.車庫入れの練習

“車庫入れは一日にして成らず”

車庫入れが大の苦手という方は多いと思いますが、教える立場からしても車庫入れを教えるのは難しいです。車庫入れはどうしても身に付くまでにたくさんの練習が必要なので、途中で挫折してしまいがちです。

練習方法もただ闇雲に練習するだけでは上達しにくいので、第6章で車庫入れの手順を参考に練習してみてください。また、練習する際に気を付けて欲しいのが周りの車です。

私のスクールでもホームセンターやスーパーマーケットなどの駐車場で車庫入れの練習を行いますが、車庫入れの練習をしているとどうしても目立ってしまいます。今までにも車庫入れの練習中に他のドライバーにクラクションを鳴らされたり、駐車場の警備員さんに注意されたことが何度もありました。できる限り車の少ない広い駐車場を選んだり、適度に場所を変えたりして迷惑を掛けないようにしましょう。


駐車場の王

また、車庫入れの練習にとても役に立つツールがあります。当スクールのお客様にも必ず紹介するのですが、「駐車場の王」というスマートフォンのゲームアプリになります。このゲームの最大の特徴はハンドルの操作がかなりリアルなことです。指で画面を触ってハンドルを回すのですが、本物の車と全く同じ動きをするのでバックの動きを理解するのにもってこいです。AndroidもiPhoneも無料でダウンロードできるので是非車庫入れの練習に役立ててみてください。


おわりに



運転教室スタートライン

最後になりましたが、ペーパードライバー克服に向けて少しでも前向きな気持ちになりましたでしょうか。ペーパードライバーの方にとっては車の運転は一歩間違えれば大きな事故になるので、なかなか車を運転する気になれないのは普通だと思います。

私も学生の時に免許を取るかどうか本気で悩んだ時期がありました。私は昔からおっちょこちょいでそんな自分が車を運転しても本当に大丈夫なのかと。でも、20年以上車を運転してきて思ったのは、車が危険な乗り物になってしまうかどうかはドライバー次第だと。

車の運転なんて楽勝だと言わんばかりにスマホ片手に運転するドライバーをたまに見かけますが、取り返しのつかない事故を起こして後悔する日が必ずやってきます。私は今でも車の運転は危ないと思って運転しています。この本を読んでいるみなさんもきっと車を運転することに不安を感じている方だと思いますが、不安を感じるくらいが安全運転にはちょうど良いです。

これから車を運転し始めて何十年経った時にペーパードライバーだった頃の自分を懐かしく思う日が来ると思いますが、今の気持ちを忘れないで欲しいですね。

それから、私は現在も中部地方でペーパードライバースクールをやっておりますので、もし車の運転について困ったことがありましたら気軽にスクールにご連絡ください。みなさんが一日でも早くペーパードライバーを克服できるように心から願っています。最後までこの本を読んで頂き、ありがとうございました。

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