見出し画像

ペーパードライバーのための運転の教科書【第四章】すぐに役立つ交通ルール講座


交通ルール講座

みなさんも自動車学校で学科教習を受けたと思いますが、学科教習が特に嫌いだったという方も多いと思います。何と言っても覚える事が多過ぎるのと学科試験の合格基準が90%以上と超難関でしたよね。実際の路上に出てみれば交通ルールを守っていないドライバーばかりで、何のための交通ルールなのか分からなくなります。

これでは交通ルールを覚えようとする気も失せてしまうのが普通の感覚だと思います。ただし、その交通ルールも最低限のルールは知っておく必要があります。交通ルールを守らないドライバーでも全てを無視している訳ではなくて、押さえる所は押さえて運転しています。

また、膨大な交通ルールも実はあまり使わないルールも多くて、実際の運転で頻繁に使うルールはごくわずかです。ここでは、よく使う交通ルールだけに厳選して解説していきます。

1.信号の意味

“黄色の信号は原則止まれ”

信号というと、本当に身近なものですよね。普段から信号を使って交差点を通ったり、道路を横断したりしていると思います。しかし、信号の本当の意味はちゃんと理解している人は意外と少ないと感じます。例えば、信号の黄色の意味はしっかりと理解されているでしょうか。こちらに二つの意味がありますが、どちらかが本当の意味です。

・注意して進むことができる
・進んではいけない

え?注意して進むことができるじゃないの?と戸惑った人が多かったと思いますが、実は「進んではいけない」が本当の意味になります。このように勘違いして覚えてしまっている部分もあると思いますので、信号の意味を順番に見ていきましょう。


信号の意味

まずは、青色の信号。青色の信号は「直進し、左折し、右折することができます」という意味です。ここでのポイントは「できます」という部分になります。決して「進め」という意味ではなく、進める状況であれば進んでもよいという意味になります。反対に直進、左折、右折できないという場合があります。

例えば、左折する場合に左折先の横断歩道に歩行者がいる場合があります。こういう場合はもちろん歩行者の方が優先になりますので、横断歩道の手前で止まって横断者が横断するのを待ってそれから左折することになります。次は黄色の信号になります。黄色の信号は「停止位置から先へ進んではいけません」という意味になります。

黄色の信号は原則止まれという意味になります。ただし、黄色の信号には例外があります。信号が黄色に変わった時に停止線が近すぎて止まれない場合がありますよね。こういった場合に無理に止まろうとすると急ブレーキになってしまいます。急ブレーキをかけてしまうともし後ろに車がいる場合に追突されてしまう危険があるので、黄色の信号に変わった時に停止線に近づいていて、安全に停止することができない場合はそのまま進むことができることになっています。

次は赤色の信号になります。赤色の信号は「停止位置をこえて進んではいけません」という意味になります。ただし、これも色々な場面があります。例えば、交差点で右折をしようと対向車が途切れるのを待っている時になかなか対向車が途切れないという場合がありますよね。

こういう右折待ちをしている場面で信号が赤色になってしまうということがあります。赤色の信号は進んではいけないという意味になるので、交差点の中でも止まるべきなのかな?と考えてしまうと思います。でも、交差点の中で止まってしまうと他の車の邪魔になってしまいますよね。こういった場合には信号が赤色になってしまったら、対向車の車も止まり始めるので、それを見届けてから右折し始めれば大丈夫です。


次は青色の矢印信号になります。青色の矢印信号は「矢印の方向に進むことができます」という意味になります。信号の変わるパターンは青色→黄色→赤色と信号が赤色になると同時に右矢印が出る信号交差点が多いです。この場合、信号自体は赤になっているので止まる必要があるのですが、右折する車だけはそのまま進むことができます。

反対に矢印が出ていない直進車や左折車は進むができません。ここで補足がありまして、右矢印の信号はUターンすることもできます。初めて聞いた人も結構いると思いますが、実は平成24年の法改正により右矢印でUターンができることになりました。


点滅信号

最後は点滅の信号になります。点滅というのは信号がついたり消えたりする訳ですが、みなさん点滅の信号はどんな場所にあるイメージがありますか?住宅街や深夜の交差点など交通量の少ない場所によく設置されています。黄色の点滅は「他の交通に注意して進むことができる」赤色の点滅は「停止位置で一時停止し、安全を確認した後に進むことができます」という意味になります。

点滅信号は黄色と赤色がセットで使われることが多く、その場合は黄色の点滅の方が優先になります。赤色の点滅信号は停止線で一時停止をしなければならないことも忘れないでください。信号の意味について見ていきましたが、残念ながら信号をちゃんと守らないドライバーも多くいるのが現実です。したがって、信号を守っていれば必ず安全という訳でもないので、そういうマナーがないドライバーのことも念頭に置いて運転することも大切です。

2.車線通行帯の使い方

“片側2車線の道路はエスカレーターと同じ使い方”

みなさん、エスカレーターを使う時ってどんな風に使っていますか?地域によって多少の差はありますが、大抵横2列になって追い越す人が通りやすいようにどちらかに寄りますよね。

車の運転も同じで車線が2車線以上の道路では追い越す車のために道を空けるのがマナーになります。ここでは車線を使っていく上でのルールや注意点について説明していきます。


車線の使い方

まずは片側2車線の通行方法になります。交通ルールでは「車は同一の方向に2つの車両通行帯があるときは、左側の車両通行帯を通行しなければなりません」となっています。片側2車線というのは、道路の真ん中にある中央線から左側の車線が2つある道路になります。

こういった道路では原則左側の車両通行帯を使って走ることになります。反対に右側の車線はどういう時に使うかというと、前の車を追い越す場合や交差点を右折する場合に使います。追い越しや右折をする目的がなければ、左側を通行するようにしましょう。


車線の使い方2

次は片側3車線以上の道路になります。片側3車線以上ということで中央線から左側に3つ以上の車線がある道路になります。交通ルールでは「もっとも右側の車両通行帯をあけ、その他の車両通行帯を速度に応じて通行する」となっています。

先程の片側2車線の道路と似ていますが、一番右側の車線は、片側2車線のときと同じで追い越す場合や右折する場合に使います。それ以外の車線は速度に応じて通行するということになっていますので、左の車線から遅い車、速い車と車の種類やスピードよって使い分けることになっています。

ただし、原動機付自転車、軽車両(自転車など)、小型特殊自動車(トラクターなど)は速度が遅いので、一番左側の車線を走行しなければならないことになっています。


進行方向別通行区分

次は車線にある標識や標示になります。車線には図のような「進行方向別通行区分」と呼ばれる標識や標示があります。標識などで示されている矢印の方向には進むことができますが、矢印以外の方向に進むことは禁止されています。

知らない道路を走っているとこういう標識に気づくのが遅れてしまい、行きたい方向に行けない場合がよくあります。そういった場合は無理に進路変更をすると危険なのでとりあえずそのまま矢印通りに進んで別のルートを考えましょう。


進路変更禁止

最後に進路変更の禁止された標示になります。図に注目すると車線の間の線が黄色になっていますよね。この黄色の線は進路変更が禁止されていることを示しています。トンネルやカーブ、交差点の近くはこのような黄色の線で区画されていることが多いので注意しましょう。

ただし、例外もあって駐車車両や障害物などを避けるために進路変更をすることはできるようになっています。車線についての交通ルールを説明していきましたが、このルールを知らずに何となく走っているとそれが原因で後ろの車からあおられてしまう場合があります。道路はみんなが利用する場所なので運転する時はバックミラーをよく見て周りのドライバーに迷惑かけていないか気にするように心掛けてみましょう。

3.交差点の通行方法

“交差点の通行方法を制する者は安全運転を制する”

交差点は歩行者や自転車、自動車など多くの人や車が行き交いますので、交通事故も毎年多く発生しています。交通事故の約60%は交差点で起きていると言われています。ここでは、どのように交差点を通行すれば、安全に通行できるか周りの邪魔にならないかという所を説明していきます。


左折の方法

まずは左折の方法になります。交通ルールでは「車は、左折するときはあらかじめできるだけ道路の左端に寄り、交差点の側端に沿って徐行しながら通行する」となっています。

ここでのポイントは3つあります。1つ目は「道路の左端に寄る」です。なぜ寄せるのかというと、まずは周りの車に左折する意思を伝えるためです。もう一つは道路の左端を走る二輪車や自転車を巻き込まないためです。


左折の方法2

その次は「交差点の側端に沿う」というのが2つ目のポイントになります。交差点の側端というのは交差点の曲がり角の部分になります。要は交差点を曲がる時は小回りをしてねと意味になります。特に交差点を大回りしてしまうとセンターラインを越えてしまい対向車とぶつかってしまいますよね。

その次は「徐行しながら通行」というのが3つ目のポイントになります。徐行というのは「車がすぐに停止できるような速度」を意味しています。横断歩道を歩行者が横断していることがありますので、いつでも止まれるように徐行してしましょう。

次は右折の方法になります。交通ルールでは「車は、右折しようとするときは、あらかじめできるだけ道路の中央に寄り、交差点の中心のすぐ内側を徐行しながら通行する」となっています。

文章のベースは左折の文章とほぼ同じで左折と違う部分に注目すると、「道路の左端」というのが「道路の中央」となっています。中央線がある道路だと中央線に寄せる。なぜ寄せるのかというとまずは周りの車に右折する意思を伝えるためです。

2つ目の理由は後続車が追い越しやすいように道を空けるためです。右折する車が中央線に寄せずに対向車を待っていたりして、後ろの車が追い越せずに渋滞している光景をよく見掛けます。


右折の方法

交差点の中の通り方は「交差点の中心のすぐ内側」となっています。交差点というのは2つ以上の道路が交わる部分を言います。交差点の中心は図のひし形の標示の部分になります。

内側という表現が少し分かりにくいですが、車側から見てひし形より手前側が内側、ひし形より向こう側が外側になります。外側は反対からも右折してくる車がいるので危険ですよね。

また、「すぐ内側」というのは交差点の中心(ひし形)に近い部分の内側を意味しています。右折した先にも車が停まっていますのでショートカットして右折するのも危険です。右折する速度は左折と同様に徐行になります。


優先関係

次は交差点での優先関係になります。交差点の優先関係は少し複雑で止まれの標識や中央線の有無や道幅の広さによって変わってきます。まずは同じ道路を走る車同士の関係になります。交差点を直進する車、左折する車、右折する車の3パターンがあります。

この場合には直進と左折する車が優先になり、右折する車が直進や左折する車に道をゆずる必要があります。右折車が直進車と左折車に道をゆずるがというルールはあくまでも同じ道路を走行する車同士の関係になります。例えば、横から車が来た場合にはまた別のルールがあります。

走行している道路が違いますので、道路同士に優先関係があります。信号がある交差点では交差する道路は赤信号で停まっているので関係ありませんが、信号がない交差点については道路同士に優先関係があります。


止まれの標識

まずは「止まれ」の標識がある場合になります。止まれの標識が付いていない道路を走行している車の方が優先になります。住宅街などの見通しの悪い交差点にこの止まれの標識が付いていることが多いです。さらに止まれの標識がある車は一時停止をする必要もあります。左右から車が来ない状況でも一時停止をする必要がありますので注意してください。


優先道路

次に止まれの標識がない場所では優先道路というルールがあります。例えば、中央線が図のように交差点の中まで通り抜けている場合は、中央線が交差点の中まで通り抜けている道路の車が優先道路になります。ちなみに中央線がない交差点では道幅が広い道路の車が優先になります。ここでは交差点の通行方法と優先関係について紹介しましたが、一般のドライバーはあまり意識していなかったり、交通ルールをよく知らなかったりするのが現実です。特にこの交差点の優先関係は複雑さ故にあまり浸透していないので、相手に道をゆずるつもりで運転することが大切です。

4.標識と標示


“標識はよく使うものだけ覚えておけばOK”

交通ルールといえばやはり標識だと思いますが標識や標示の種類はとても種類が多く、標識だけでも100種類以上もあります。考えただけでも気が遠くなってしまいますが、道路上で見掛ける標識や標示は意外と限られていますので、ここではよく使う標識・標示を中心に見ていきましょう。


車が進入することを禁止しています

これは一方通行の出口に設けられている標識で、車が進入することを禁止しています。住宅街などは一方通行になっていることが多く、一方通行を逆走する車が進入してこないようにこの標識が設けられていますので間違って進入しないように注意しましょう。


指定された方向以外には進行できない

この標識は交差点において指定された方向以外には進行できないことを意味しています。例えば、図の標識で言うと標識には直進と左折にしか矢印が付いていませんので、直進と左折はできますが右折は禁止されていることを意味しています。


駐車や停車を禁止した標識

これは駐車や停車を禁止した標識です。2つの斜め線がクロスして引かれているものが駐停車禁止の標識で、斜め線が一つ引かれているのが駐車禁止の標識です。駐停車禁止の標識は駐車と停車の両方が禁止で、駐車禁止の標識は駐車のみの禁止で停車をすることが出来ます。


これは転回(Uターン)を禁止した標識・標示です。大通りでは転回禁止になっている場合が多いので、標識などをよく確認してから転回するようにしましょう。


この先車線の数が減る

「車線数減少」はこの先車線の数が減ることを予告しています。したがって、自分が走行している車線がなくなってしまう可能性があるので早めに進路変更する準備をしましょう。それに対して、「幅員減少」は道幅が狭くなりますので、対向車との行き違いに十分に気を付けましょう。


最高速度

これは標識や標示によって示されている速度を超えて運転することを禁止した標識です。ちなみにこの標識などで最高速度が指定されているものを規制速度と言います。反対にこの標識などで最高速度が指定されていない場合は法定速度というものがあり、原動機付自転車が時速30km、原動機付自転車以外の車種は時速60kmが最高速度になります。


歩行者専用

「歩行者専用」は住宅街などの生活道路に多く設けられている標識で、歩行者専用の道路であることを意味しており、車の進入を禁止しています。ただし、認められた車(自宅の駐車場がある、緊急自動車、郵便配達など)だけは通行することができます。「横断歩道」は横断歩道の近くに設けられている標識で、ドライバーに横断歩道の存在を知らせています。また、◇のマークの標示は横断歩道の手前に設けられているものです。これらを見かけたら、横断している歩行者がいないかしっかりと確認しましょう。


今まで説明した標識を本標識と言いますが、補助標識はその本標識に意味を補足する役割があります。例えば、左の補助標識は指定方向外進行禁止の本標識の下に「8-20」という時間帯を示した補助標識になります。この補助標識が加わると結果として午前8時から午後8時の間は右折が禁止されているという意味に変わります。また、右の補助標識には矢印が描かれた補助標識になりますが、これは範囲を示しており右矢印が本標識の範囲の始まり、両側に矢印があるのは中間、左矢印が範囲の終わりを意味しています。例えば、駐車禁止の標識にこの補助標識加わると図のように駐車禁止の範囲を示すことになります。ここでは、標識と標示について説明していきましたが、意外と忘れてしまっていませんか?これからは道路にある標識や標示を意識的に見てみてください。その意味が分かるようになると知らない場所を走る時にもとても役に立ちますよ。

5.駐車と停車

“運転者はその場にいれば駐車違反にならない?”

車で出かけるとそのお店に駐車場がない場合が時々あります。有料駐車場なども見当たらない時は路上駐車をすることになりますが、道路上では駐車や停車が禁止された場所がたくさんあります。特に駐停車することが危険な状況になる場所や邪魔になる場所が禁止になっています。禁止された場所に停めてしまうと免許の減点や反則金を取られますので注意して下さい。

まずは駐車と停車の意味になります。ざっくりいうと駐車の方が長く停めること、停車の方が短く停めることになります。この長い短いというのが時間ではっきり決まっているものと時間は関係ないものと分かれます。駐車の意味の1つ目は「運転者が車から離れていてすぐに運転できない場合」になります。運転者がその場にいない状況になります。これは時間に関係なく1分でも駐車になります。2つ目は「車が継続的に停止する場合」になります。これはたとえ運転者がその場にいたとしても駐車になります。要するに長く停まることになりそうな状況になります。その例としては、客待ち、荷待ちになりますが、駅前などで友達や家族を待つという行為も該当します。客待ち、荷待ちも時間に関係なく駐車になり、1分でも待てば駐車になります。さらに5分を超える荷物の積みおろしも駐車になります。荷物の積みおろしだけが唯一時間によって駐車か停車かが変わってきます。5分を超えれば駐車、5分以内であれば停車になります。


駐車と停車の意味

それに対して、停車は駐車にあたらない車の停止になります。例えば、人の乗り降りのための停止があります。2つ目はさっき説明した5分以内の荷物の積みおろしになります。その他、運転者がすぐに運転できる状態での短時間の停止が停車になります。特に勘違いしてはいけないのが、ドライバーがその場にいれば駐車にならないという訳ではありませんので注意して下さい。次は駐停車が禁止されている場所になります。駐車と停車の両方が禁止されている場所と駐車のみが禁止されている場所に分かれます。まずは駐停車禁止場所になりますが、全部で10か所あります。


駐停車禁止場所

かなり数が多いのですが、特に重要なものを紹介していきます。まずは標識になりますが、一個前の内容を参考にしてください。それから特に周りの迷惑になりやすいのが交差点付近やバスの停留所になります。5mや10mの目安は普通自動車の長さが1台5mになります。今度は駐車禁止場所になります。


駐車禁止場所

その中でも特に気を付けて欲しい場所は駐車場などの出入口になります。ここでは駐車と停車について見ていきましたが、みなさんも出かけ先で駐車する場所がなくて路上駐車することもあると思いますが、駐車違反は周りの車に迷惑をかけるばかりでなくペナルティもかなり大きいので注意して下さい。

#練習 ,
#トラウマ
#自動車
#運転
#交通事故
#道路
#高速道路
#教習所
#信号機
#免許
#安全運転
#ペーパードライバー
#標識
#教習
#交通ルール
#駐車
#車線変更
#運転のコツ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?