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第10回 断水のとき、これがあれば自宅のトイレを使うことができる

みなさん、おはようございます。
毎週月曜日の更新する災害時トイレの連載です。

令和4年5月25日、「首都直下地震等による東京の被害想定 報告書」が発表されました。避難所避難者だけでなく、在宅避難者や帰宅困難者にとってもトイレ問題が発生するので、とにかく深刻です。

そこで今回は、震災や水害などで水洗トイレが使えなくなった時の必須アイテムについて説明します。

テーマは「第10回 断水のときでも、これがあれば自宅のトイレを使うことができる」です。

個人や組織、地域のトイレの備えにつながることをできるだけ分かりやすくお届けできるように頑張りますので、よろしくお願いいたします。

水洗トイレが使えない

水洗トイレは、当たり前ですが断水したら使えません。集合住宅の場合は停電でポンプが動かなくなると、断水すると思います。地震で給水管や排水管が壊れたり、下水処理場や浄化槽が被災しても水洗トイレは使えません。

こんなとき、避難所や屋外に設置される仮設トイレを使うことになるのですが、災害時は仮設トイレがすぐに来るわけではありません。かなり時間を要するでしょう。
それに、真っ暗な夜や大雨のときなどに外のトイレに行くのは大変です。エレベーターも止まっているので、トイレのたびに階段を下りていくことになります。

携帯トイレって?

そんな時に役立つのが「携帯トイレ」です。(中央防災会議が作成する防災基本計画にも登場するアイテムです。)

携帯トイレは、断水時や排水できないときに、トイレの便器に取りつければすぐに使用できます。また、平時から使用しているトイレ室を利用するため、いつもと同じ環境でトイレを使えることも利点です。

携帯トイレとは袋式のトイレで、以下のイラストにあるように主に洋便器に取りつけて使用します。袋の中に吸収シートもしくは凝固剤を入れて、それで大小便を固めます。

作成:NPO法人日本トイレ研究所/災害用トイレ普及・推進チーム


携帯トイレの使い方

携帯トイレを便器に直接取りつけてしまうと、便器の水がついてしまい、交換時に周辺を汚してしまうので、まず、便座の下の便器部分に45L程度のポリ袋を便器に被せて、便座を下ろし、その上に携帯トイレを取りつけることをおすすめします。
ポリ袋はつけっぱなしにしておいて、携帯トイレのみを交換すれば、水が滴ることはありません。

携帯トイレを使った後の処分について

使用後の携帯トイレは、概ね可燃ごみとして収集・処分されますが、念のため市町村に確認することが必要です。災害時は、すぐに回収することができないので、各自で一定期間、ベランダや庭、倉庫など、生活空間と異なる場所に保管することが求められます。

ニオイ対策も必要ですので、消臭剤や防臭袋、蓋付きの容器に入れるなどして工夫してください。

最後に、携帯トイレは大小便を補完しておく機能を担うアイテムですので、しっかり吸収・凝固すること、一定期間保管しても液体に戻らないこと、ニオイ対策が施されていること、一定の強度を有する袋であることなどをチェックして選んでください。

以下の災害用トイレガイドを参考に、ぜひよいものを選んでください。

参考
携帯トイレの使い方


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