銀座のど真ん中に、トイレ。
みなさん、こんにちは。
毎週月曜日に更新する災害時トイレの連載を今回はお休みして、皆さまにご報告があります。
大変ありがたいことに、2022年11月5日の「朝日新聞土曜版フロントランナー」に掲載していただきました!
朝日新聞の「フロントランナー」は、文化、芸能、スポーツ、経済など、あらゆる分野で時代の先頭を走る人たちの「今」を追い、ここでしか見られない素顔を紹介するコーナーです。
こんなに大々的に取り上げて頂き、心より感謝申し上げます。
そこで、今回は写真撮影の舞台裏を少しだけご紹介させていただきます。
社会の中にトイレはある。
まずは写真です。
これを撮影したのは、銀座四丁目交差点。
どうして、この場所になったのかを説明します。
私はNPO法人日本トイレ研究所の代表を務めている,のですが、日本トイレ研究所は、「トイレ」を通して社会をより良い方向へ変えていくことをコンセプトに活動しているNPOです。
ここで大事なのは「社会」です。
社会というのは大雑把にいうと、人が集まって生活する場や地域のようなものです。この社会をちょっとでもよくしていきたい、暮らしを豊かにしたい、それをトイレという視点で考えてみようというのが、私たちのテーマです。
でも、トイレっていうのは、人に見せるようなものではないので、通常は見えないようになっています。
そのため、トイレでの困りごとなどは、気づかれないし、伝える機会も多くありません。結果的にスルーされてしまうのです。
つまり、声にならないので、なかったことになります。
だからこそ、誰かがその大切さを伝え続けなきゃいけないし、言いにくいことだから聞かなきゃいけない、そんなふうにして共有しながら社会をよくしていくことが必要です。
ちょっと長くなってしまいましたが、
見えないんだけど、社会には必ず「トイレ」があるんですよ、
とっても大切な場所ですよ、
ということを表現するような写真を撮りたい!
とカメラマンにお伝えしました。
それで出来上がったのが、この写真です!
いざ、歩行者天国の真ん中へ
今回の撮影は、天気が重要です。
雨では撮影できないので、何日か候補日を決めて挑みました。
撮影候補となった10月は、けっこう天気が読みづらく、予報が外れるというか、途中から変わってしまうような日が続いていたので、記者の斉藤さんもカメラマンの吉田さんも、かなり融通を効かせてくださったおかげで、晴れ予報の週末を迎えることができました。
当日は、銀座の歩行者天国の時間にあわせて、できるだけ近くまで車で移動。
人が多いので、できるだけ短時間で撮影を済ませる必要があります。
人が集まって、迷惑かけてもいけませんし。
斉藤さんが「うんち帽子」を持ち、スタッフの松本くんが「便器」を抱え、吉田さんの指示のもとで場所を決めたらすぐに撮影という段取りです。
いざ、道路の真ん中へ!
実際に道路の真ん中で便器に座ってみると、かなり緊張しますね。。。
今回の写真を見ていただくとわかるのですが、カメラ目線という設定でしたので、便器に座ってからずっとカメラを注視していたおかげで、周囲を見る余裕がほとんどなかったのは幸いでした。
素に戻って周りを見渡すと
でも、一度だけ素に戻って周囲を見回してしまうタイミングがありました。
すると、カメラマンは吉田さん一人のはずが、なんとその周りに何人もの人がスマホをかまえていました。まぁ、そうなりますよね。
「たしか、あの芸人さんじゃない?」という声も聞こえてきますし、外国の方からは一緒に写真を撮ってほしいと声をかけられました。子どもたちは、うれしそうにこちらをチラ見しています。
「加藤さん、カメラ見て!」という吉田さんの声に、ハッとして、またカメラ目線に戻り、無事、撮影終了です。
銀座の街ゆく人は、こんな私をかなりやさしく見守ってくれていたような気がします。おかげさまで、いい写真が撮れました。
年代、性別、文化、慣習などの違いはあっても、トイレはすべての人に必要です。そして、人に見せるものではないからこそ、その人のことを考え、思いやりをもって、コミュニケーションしながら困りごとなどを共有することが大切だと思います。
避けがちなことを日常の中にやさしく取り込むことで、社会や暮らしは豊かになると信じています。
うんちから健康を考えるweek!
排泄は日々の生活のアウトプットでもあります。排泄の状態から体調を知ることができます。心の状態も身体の状態も影響します。
それに気づくことのできる場所がトイレです。
11月10日(いいトイレの日)~11月19日(世界トイレの日)は、日本トイレ研究所が啓発する「うんちweek」です。
おなかにいい10のことや、おなかにいいレシピ、うんちの7分類など、様々な情報を発信しますので、ぜひサイトをご覧いただけますとうれしいです。
それでは、これからもトイレのことをよろしくお願いいたします。
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