見出し画像

第3回 水道の仮復旧までに約1か月間もかかる

毎週月曜日の更新する災害時トイレの連載です。
災害時のトイレ塾生のみなさま、おはようございます。
#勝手に塾生かよ

月曜の朝に公開すれば、午前に読んでいただけるのかも、そして会社や学校などで話題にしてくれるかも、と淡い期待を抱いています。

トイレの備えにつながることをできるだけ分かりやすくお届けできるように頑張りますので、よろしくお願いいたします。

第3回は、水道の仮復旧までに約1か月間もかかる、です。
水洗トイレに必要なものとして、真っ先に思いつくのは?
あたりまえですが「水」ですよね。
便器に水を供給するには、河川などから取水した水を処理する浄水場が機能していることが前提になります。また、浄水場からポンプ場を経由して各建物に水を運ぶ配水管が必要になります。これらの様々なポイントで電力を必要とするため、大きな災害で停電すると断水します。

つまり、停電すると結構な確率で断水する、ということを憶えておいてください。とくに集合住宅の中高層階は、断水の可能性大です。

阪神・淡路大震災のときは、約127万戸が断水して仮復旧が完了するまでに約1か月間を要しました。また、東日本大震災で被災した地方公共団体へのアンケート調査では、上水道の仮復旧までに要した日数は、平均35日間でした。
大規模な災害が起きると、1ヶ月程度は断水が継続してしまうということが分かります。

出典:阪神・淡路大震災の復旧・復興の状況について平成21年12月、兵庫県

断水したのであれば、水を確保すればよい、ということになりますが、どのくらい必要だと思いますか?

節水型便器だとしても1回あたりの洗浄水量は概ね6~8リットル程度です。私たちは1日に複数回トイレに行きます。仮に5回行くとしたら30~40リットルの水が必要になります。500ミリリットルのペットボトルが60~80本になります…涙
ちなみに、災害時に必要な飲料水の量は、1人1日3リットルぐらいといわれています。飲み水の確保すら大変なときに、毎日、トイレに必要な水を人力で確保するのは現実的でありません。
断水で洗浄水が確保できない場合、どのような方法でトイレ機能を確保するのかを検討することが必要です。
その方法は、別の回に説明します。

今回は、大きな災害が起きると約1か月間、水洗トイレが使えなくなる、ということを知っておいてください。

それでは、今日も一日、おだやかでありますように!

おまけ
これまでの災害でトイレがどのようなことになっていたのかを小冊子にまとめました。以下のサイトからダウンロードできますので、参考にしてください。



この記事が参加している募集

#みんなの防災ガイド

2,797件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?