見出し画像

2024年6月24日 「風の時代」はアップデートが必須?

重篤な病気というわけでもないのですが
懸念事項があり、
先日、病院をはしごしてきました。

そもそも病院が苦手なのでかなり苦痛でしたが
診察の結果そのものは
急を要するようなものはなく、
一安心しました。

ただ、病院受診のシステムについていろいろ思うところがあったので
それを書き記しておきます。
受信した病院の1つが、地域でかなり評判の良い開業医さんでした。
ウェブ予約も始めており、
マイナンバーカードの読み取り機もばっちり稼働している、
明るくて広くてきれいな待合のある病院です。
受付や看護師さんもてきぱきしていました。

しばらく、待っていたのですが、
その日は非常に患者が多かったようで、かなりの待ち時間が発生しているという説明を受けましたし
院内のモニターでも
またスマホから見られるHPの表記でも
自分の番が回ってくるのはかなり先であるということがわかったので
一度、外へ出ることにしました。
しばらく時間をつぶして、スマホでHPをチェックしてから
もどってくる作戦です。
しきりに咳をしている人もいる待合に長時間いるのは得策ではないと考えたからです。

しばらく、外で飲み物を飲んでくつろいでから
1時間ほどして院内へ戻ります。
院内の込み具合はさほど変わらず、むしろやや混んでいるぐらいかもしれません。
しっかりした背もたれのある椅子に深く腰掛けて
のんびりと待つことにします。

ところが、前方の椅子に腰かけている、なかなか華やかな柄のシャツを羽織ったひとの様子がやや不穏です。
急に中腰になったり、あちらこちらに視線を飛ばしたりしています。
お年の頃は70代くらいでしょうか、短く刈り込まれた白髪、華やかなシャツや持ち物を見ると
歳を重ねてはいるものの、しっかりなさってはいる様子であります。
しかし、顔は苦虫を噛み潰したような表情です。
こちらをちらと見て、しばらくすると視線を移し、
溜息をついて、テレビの前まで生き、置いてある雑誌を手に取ります。
雑誌といっても昔病院に置いてあったような週刊誌ではなく、
医薬品メーカーや国が出しているパンレットのようなものばかりです。
そのひとは、憤懣やるかたないといった様子で、大きめのパンフレットを手に取り、
席に戻ります。
パラパラとめくっているものの、読んでいる様子はありません。
その間にも、患者がやってきては受付を済ませ、待合に座ります。
しばらくして、そのひとより軽く15ばかりは若い女性が近くに座りました。
そのひとは耐えかねたように「もう10時から待っていますの。3時間もたっているんです」と隣に座った女性に話しかけます。
相手の女性はやや気おされているようでした。
その後も、声をかけれそうなひと、同性で自分と同年配か10歳ほど年下の女性をみつけては、愚痴を言っていました。
そのうちに、耐えきれなくなったのか、看護師にどれだけ待たされているかを何度も直談判していました。
もちろん、「待っていただくしかないんです」と申し訳なさそうに言われるだけでしたが…。

その人が通りすがりの人を捕まえていった愚痴が一つ聞こえてきました。
「私は10時から待っているのに、後から来た人ばかりが先に通される。納得がいかない」というものです。

それを聞くと、なんて、ひどい!と思うでしょうか?
真実は、少し違うのです。
おそらくスマホをつかえるひと、つまり50代から60代までのひとは
ネット予約を利用しており、
病院へ来るまでに予約番号をもらっています。
そして予約番号をもらいにきて、病院の込み具合を確認すると
一度家に帰ったり、別の用事に出かけたりしているのです。
また、予約が出来なさそうなひとでも、長時間かかるといわれると
その場でさっと、外に出る人が大半でした。
ホームページをチェックできれば、今、何番を診察しているかはわかります。
もし、予約が出来なくても、ネットを通じてホームページを見れさえすれば
何とかなるのです。

愚痴を言っているその人は、そういったシステム、
特にネット予約が行われているということがピンと来ていないのだろうと思いました。
多くの人がネット予約を利用しているということを知らなければ、
ただ、あとから来る人が次から次へと診察室に入れているように
みえるでしょう。
しかもそのひとは、待ち時間の間、スマホで動画を見るとか
メールを返すとか、SNSをチェックするということも出来ないのです。

これは結構きついなぁと思ってしまいました。
情報弱者という言葉を安易に使いたくはないのですが
これが情報弱者になってしまうと起きることかというのを
目の当たりにした気がします。

どんどんイライラが募ってくる様子を見るともなく
目の端で見ていたのですが
こういうことの解決法ってどうすればいいのだろうとも思うのです。
新しいシステムのおかげでそれをつかえる人々はストレスが少なくなっているわけです。
しかし、そのシステムを使えない、それどころか、感知できていないひとは
どうすればよいのでしょうか。
ご夫婦で受診されたり、高齢の母とその息子で受診されたりしている方々は
システムをうまく利用されているようでした。
しかし、子どもや孫がいるということや付き添いがあるということだけが
すべての解決方法だとは、思いたくありません。

こういうのってどうしたらいいんでしょうね。

ちなみに、看護師はもちろん、受付の方、お医者さん、どのかたも
とても丁寧な対応をされていました。
なのでサービスだけの問題ではないような気がします。
むしろ、サービスの問題にはしてはいけないように思うのです。
新しいシステムにどのように乗っていくか、
そしてそういうシステムの乗れないひとにどのような手助けができるか、
そういうシステムに載れない人にも使えるようなシステムとは何かという話です。

また、個人的には
新しいシステムには及び腰になりがちですが
心と時間に余裕がある時
そして聞ける人がいる時にどんどんチャレンジしていったほうがいいのだろう、と思いました。
そういう意味でいうと、まだ電子マネーを使いこなせてないので
数10年後くらいにそのせいで情報弱者になってしまう可能性がゼロではないのです。
自分をアップデートしていく必要性に問われるのが、「風の時代」といういことでしょうか。
「風の時代」は厳しい時代ですね。

気に入ったら、サポートお願いします。いただいたサポートは、書籍費に使わせていただきます。