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dot.49 三角形はどれだけ歪でも角さえあれば三角形と言えるということなのか

そんなことやっていいの?

あなたに親友がいたとして、その親友には奥さんがいます。

あなたはその親友の奥さんのことを好きになってしまいました。

好きになったのは親友の奥さん。
想いを伝えますか?
黙って見るだけで過ごしていきます?

その気持ちに気づいた親友があなたに奥さんを譲るよ!なんて言ってきたとしたら、どうしますか?

親友の奥さんも、あなたのところに来たいと言っているそうなんです。

いやいや、普通はそんなことあり得ないんですけど、
もしそうなったとして、あなたは親友の奥さんを受け取りますか?



登場人物が誰も少し変なんですよね。

三角関係なんですけど、一方的な感情ではなくて
相互関係が成り立ってしまっているんですよね。

親友は奥さんを譲ると言う、奥さんもあなたのとこに来たい、あなたは親友の奥さんが好き。

でもあなたの好きな相手の旦那は親友。
書いていても段々麻痺してきましたので、
本題へいきます。

「細君譲渡事件」

って言葉を聞いたことがありますか!?

「細雪」、「痴人の愛」などで知られる作家、
谷崎潤一郎とその奥さんである千代子と
「田園の憂鬱」、「都会の憂鬱」などで知られる作家
佐藤春夫の3人による奇妙な三角関係のことです。

しかも1度は譲るといいながら、それを撤回したり、和解したりとしっちゃかめっちゃかの大騒動の末で、
結果として奥さんの親友に譲るという展開なんです。

撤回した話は「小田原事件」と言われているそうです。

今回は三者が連名でことの成り行きを公表したことを指しています。

それが「細君譲渡事件」です。

この出来事が昭和5年―1930年、8月18日のこと。
こんなことは現代でも起きているのかもしれませんが、わざわざ3人連名で公表するってことはありませんよね。

しかもそれなりに名のある作家同士が奥さんのやり取りをするなんてちょっと言葉にするのを憚られるような行為をやってしまうというのが耽美な世界を描いていた小説家という職業の人間だからでしょうかね。

中学生のとき、「細雪」に興味を持ち、読み始めましたが、あまりにも大人すぎる世界に中編で挫折してしまった宗田からしてみると、やはり谷崎潤一郎という人物は大人すぎる人物ですね。

正三角形でも、二等辺三角形でも、鈍角でも鋭角でも、直角二等辺三角形でも、どんなに歪な形になっていても、角が3個あれば三角形。

ほかの人から見たらどんなに変なことでも、
誰かに迷惑をかけていないのであれば、
世間的なことなんて気にせずにやっていい。

とは言いきれませんが、そんなこともあるってことですね。

だいぶ大人といわれてもいいような歳になった宗田でも、こんなことはなかなか理解が追い付きませんが(笑)


以上です。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
それではまた。

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