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無名人インタビュー:愛とセックスのインタビューの人
愛してますか? セックスしてますか?「愛とセックスのアーカイブス」というインタビュープロジェクトを7年!もやっている、そんりちゃんにインタビューしました。私とそんりちゃんは二人とも未婚。まだ結婚したことのない二人で、愛とセックスについて一時間語りあいました。その、答えは・・・??
なんてな。私、キンキキッズの「愛の塊」が好きで、同い年の演歌歌手さんに歌ってもらったりしてたんですけど。愛(はきれいごと)の塊。
そんりちゃん回、楽しんでいただけたなら幸いです!
今回ご参加いただいたのは朴成理(ぱくそんり)さんです!
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1、愛とセックスのインタビュー
qbc:無名人インタビューを受けてみようと思ったのはなんでなんでしょう?
そんり:面白そうだなっていうのと、なんか似たようなことやってるなと思って。
私は愛とセックスをテーマに匿名でインタビューをしているんですけど、今年で7年目になりました。内容が内容だけに、なかなか参加者が集まりにくいのですが。
それで、インタビュー受けるってどんな感じなのかなって思ったのと、これが宣伝にもなればなっていうのもあって。
qbc:どんなインタビューにしていきましょうか?
そんり:困りますね。自分が話すのはあんまり慣れてないので。何を話せばいいのか。
qbc:私も質問されると困りますね。何を話したらいいんだろうって。
そんり:そうですね。でも過去の無名人インタビューをいくつか拝読したんですが、みなさんあんなにスラスラ話してるもんなんですか?
qbc:人によりますよ。ずーっとしゃべり続けるタイプの人もいますし。でも20分くらいでいったん途切れますかね。話したかったことが一通り喋りつくされたみたいな。
そんり:じゃあ、何でインタビューを続けてるか、みたいなテーマでお願いします。
qbc:分かりました。7年ちょっとってすごいですよね。始められたきっかけが知りたいですね。
そんり:私、来年で47になるんですけど、39あたりの時に人生に惑うというか。私、未婚でまだ一度も結婚してないんですけど、子どももいなくて。どんどん女性として終わってく恐怖みたいのもあって。
そういう女性である自分っていうものをわかりやすく求められているのが、セックスだと思うんですけど。ちょうどその前に大きな失恋をしまして、恋愛してた相手がセクシャルマイノリティの方だったんですね。そこが恋愛関係になることはないじゃないですか。
qbc:ミスマッチですね。
そんり:そうそう、愛があればとか・相手をまるごと受け入れるのが愛だとか・愛は許すとかね。相手を生きたいように生きさせてあげるのが愛だとか。
愛についていろいろみんなきれいごと言うけど。
qbc:そうですね。愛はきれいごとの塊。
そんり:それは理想かもしれないけど。当時の私は、理想的な愛を実現しようと努めはしたんですよ。それが真実だと思って。でも、嫌だと。私は相手の心も体も両方欲しいんだと。
qbc:むずかしい愛ですね。
そんり:だけど、愛とセックスってみんな結びつけてるけど、本当にそこってイコールなの? って思い始めたんですよね。世間的にはセックスと愛はイコールっぽい感じで、それが正しい形みたいな。
そこが一つであれば揉めることもない。今の日本の社会制度としては当然それが一番正しい道なんですけど、でも、私はそうじゃない気がしてて。
家族は愛してるけど、家族とはセックスできないんですよ。する人もいますけどね、いらっしゃるけど。
qbc:思ったよりも多いみたいですね、近親相姦。
そんり:セックスって愛の結晶みたいに思われてるけど、単純にただセックスしたいときだってあるわけじゃないですか。だけどそれだけじゃ虚しいだけだったりとか。
愛とセックスの概念ってひとそれぞれあるんだよねって思って。じゃあ、みんなどう思ってんの? というところから始まりました。それを単純に自分が知りたかった。
同性愛者だとか異性愛者だとか、あなたはどういうセックスしてますかっていうことを訊いてるわけじゃなくて、あなたにとってセックスというのは、人生においてどういう位置を占めてますかとか、今のあなたにとって愛は・セックスは、どういう意味がありますかとか。
あと、私は外国語が話せないんで、外国の方には訊けないんですけど、どこの誰とでも話せる話題だって思ったのが、すごく大きかったんですね。そうこうやってるうちになんとなく止めれられなくなって、細々と7年。
qbc:ほんと、続きましたね。
そんり:やっぱり人の愛とセックスを聞いてると楽しいですし、自分が。やってくうちに、最初は単純に聞きたいみたいなのから、インタビューする意義みたいなものに、だんだん変わってきたんですけど。
私には、セクシャルマイノリティの友人とか知り合いが何人かいて、私自身はヘテロだけど日本人じゃなかったりして、セクシャリティが違うとか国籍が違うとか性別が違うとか、結局そこに偏見ってあるじゃないですか。対 人間として向き合うなら、そこは関係ないはずなのに。
でも、このインタビューの時は、そういうのをあえて細かく分けてるんですね。年代と職業とセクシャリティっていうのを細切りにして、みんなにインタビューしてるけど、でもみんな言ってることってそういう切り方してても、やっぱり全然そことは関係なくて。
でも、そんなの関係ないよねっていうの証明するためには、一人一人訊いていくしかないんですよね。
qbc:そうですね、地道な証明の積みあげ。
そんり:付け焼き刃みたいに、人ってみんな一緒だよって言っても、何も説得力が無いじゃないですか。それをそうなんだよって言うために、一人一人本当に訊いていくしかない。
このインタビューを続ける意義みたいなの、なんとなく分かってきてるんですけど。
たぶん、これからも変わるだろうし。私にパートナーみたいのができたりしたら、私自身の考え方も変わるかもしれないし。インタビューを受けてくれてる方々が、そういう自分を映す鏡でもあるし。だからすごく楽しくて、止められなくて。
2、インタビュー! インタビュー!
qbc:どれぐらいのペースで、どういう募集の仕方なんですか?
そんり:最初は自分から声をかけて。知り合いとかに。そうしているうちに、ゲイ向けのWEBマガジンでジェンクシーっていうのがあるんですけど、そちらの編集者の方から、連載しませんかっていうので、月一で連載させていただいたんです。
それが終わったのが2018年。そのときに私も疲れちゃったんで。もう連載も終わったし、ここで終わってもいいかなって思ったんですけど、知り合いがPodcastでこれやったら面白いんじゃない? て言ってくれて。
genxyさんこちらですね。
qbc:魅力的なコンテンツですからね。やめるのはもったいない。
そんり:Podcastも盛りあがってきてた時期で、これなら顔出ししなくても良いし、もうちょっとみんな参加してくれるんじゃないか? ってのもあって、じゃPodcastでやってみようかって。
2019年からPodcastを開始して、でも今年のコロナで、5月からお休みしてます。
内容が内容なので、どうしても、個室でのインタビューになっちゃうんで。
qbc:あーインタビューってリアルでやってるんですね。
そんり:そうです、全部対面。
それもあって、2020年の5月から休止状態なんです。Podcastを一緒にやってたクリエイターの子が、コロナの影響なのか何なのか、心身崩しちゃったのもあって。
qbc:トラブルが続くことありますよね。
そんり:インタビュー自体は、止めようと思ったことは何回もあったんですよ。募集かけても応募していただける方は少ないし。内容も内容だし、そんな頻繁にはね。無名人インタビューさんだと、わりと頻繁に更新されてるじゃないですか。
qbc:多いと週8とか録りますね。
そんり:本当はね、それくらいできたら一番いいんですけど。そういう風にはなかなかいかない。でも、内容が内容なんでサイレントユーザーが多いんですよ。見てます聞いてますって声は少なくて。でもビュー数とか見ればわかるじゃないですか。一人でもね、誰かの心に響けば。
qbc:まーセックスは気になりますよね。セックスについて、ふざけないで話すってのもめずらしいし。
そんり:真面目に愛とかセックスについて話すのって、照れ臭いじゃないですか。それに、愛とセックスですごい悩んでるって言うと、厨二病みたいにも思われかねないし。
自分が特定されるのも嫌ってのもあると思うんですよね。だから今までインタビューにご協力してくださった方々って、本当にみなさん、匿名ですけど、知っている人が声を聞けばわかっちゃうと思うんですよ。
文章と写真の時は、写真を見ればわかっちゃうし。そんな中でみなさん、インタビューも快く受けてくださって、率直にお話してくださって。参加いただいた方々の思いも考えると、こんなとこで止められないなっていうの、ありますよね。
qbc:面白いなあ、やっぱり。
そんり:私、そんなに良い人間じゃないんですけど。普段は悪態ばっかりついているし。でも、この気持ちだけは本当です。本当にありがとうございます。みなさんがいて、本当にこれが続けられてるし。だから、みんなすごいなって思ってます。
私は、他人のフンドシで相撲を取ってるだけなんで。
qbc:インタビューって受け皿みたいなもんですよね、引き出す場でしかないかなって思います。
そんり:本当、そう。こういう場だからこそ、私も遠慮なく訊ける、っていうのもあるし。相手側からしたら、安心して話せるっていうのもあるかもしれないですし。
逆に、関係が近すぎると愛とセックスって話しにくいってあると思うんで。そういう意味では役得だなとも思うんですけど。
qbc:看板を作った人の勝ちってところもありますよね。
そんり:やってることはすごく単純なんですけど、単純すぎて誰もやってなかったというか。
始めようと思ったときに、検索したんですよ。でも見あたらなかったんで、じゃあやろうって。無いんだ!こんな単純なことなのに誰もやってないんだ!って思って。私、自分から能動的に動くタイプじゃ無いんですけど、これに関して言えば、やろうって決めて一ヶ月以内でもう1回目をアップしてたんで。こういうのスピぽくって気持ち悪いんですけど、やるべくしてやったんだなって。さすがに7年目なら、このセリフを言ってもいいかなって思います。
qbc:7年はほんと、すごいですよ。
インタビュー、メチャクチャ楽しいですよね。インタビュー自体がね。
そんり:楽しいです。みんなやった方がいい、って思うぐらい楽しいです。
qbc:しかも、インタビューを受けた方も楽しいって言ってくれるんですよね。
そんり:それが一番うれしくないですか?。
qbc:うれしい。こっちはうんうん聞いてるだけなのにね。
そんり:聞いてるだけなのに、こんなに喜んでくれてるみたいな。
インタビュアーとして思うことなんですが、嫌な言い方すると、受ける側の方は、その人の一部分だけを切り取られるわけじゃないですか。でも、インタビューする方は、痛くも痒くもないというか。自分が出て自分のことを赤裸々に話すわけじゃないから。
なので、インタビューを通して、私も少しずつ人に感謝できるような真人間になってきてます。
qbc:すごい。インタビューで人格改造できてる。
インタビューやってて、コミュニケーションの本質の部分を感じますね、話すこと聞くことで交流が生まれて、何かしら気持ちよさがあるというか。
意思疎通できたということ自体に快楽がある。
そんり:やっぱり人って、このコロナ禍で特に感じましたけど、実際に会って話して、分かろうとする、分かってもらおうとする行為、つながってたい感覚が、人にはすごくあるんだなって。
セックスって三大欲求の一つですけど、別に性欲って解消しなくても死なないし。だけど、痴情のもつれで殺したり殺されたりって、いつまで経っても絶対に無くならないじゃないですか。みんなたぶん、セックスっていう粘膜接触だけを求めてるわけじゃないんだよねって。
3、未婚者二人の語る愛と性
qbc:愛とセックスは、バラバラのものだって認識なんですか?
そんり:昔は愛とセックスはイコールであって欲しいって、すごく願ってた気がします。乙女だったころは、少女漫画の世界とかロマンチックな恋愛映画の世界みたいな感じで思ってたんですよ。今でも、そうあれば一番いいなとは思ってますけど、理由が違う。単純に社会制度の面でね。面倒が減るじゃないですか。浮気したりされたり、感情が揺れたり社会制裁を受けたりっていう。
qbc:結婚は人生に仕掛けられた罠ですからね。
そんり:だけど、愛とセックスをイコールと見なそうとすると、すごく苦しくなる人もいるんですよね。愛とセックスがイコールな人もいますよ。それですごく幸せっていう人もいる。
私の中では正解はなくて、正解があればこれをやってないと思うし。一番迷ったり悩んだりしてるのは私自身だと思うんですけど、インタビューをさせていただくたびに、自分の中の新しい気づきが出てくる。
じゃあ私にとって愛とセックスとは何ですか? というのは、この企画をやってる以上「こうです」とは言えなくて。誘導みたいになるのが嫌で。個人的に話したり、こう思うっていうのは当然ありますけど、このインタビューをやってる人っていう立場では、明言するのを躊躇いますね。
qbc:自分が企画の一部になってるんですね。
そんり:今の時点では、愛とセックスはイコールであってほしいなっていうメルヘンチックな願いもあります。でも、一緒にするのは厳しいよねって感覚もあります。
だから、質問は、「あなたにとってセックスとは何ですか?」「愛とは何ですか?」って一つずつにしてます。
qbc:細かい部分まで考えられてるんですね。
そんり:愛とセックスがイコールっていうのは、キリスト教とか西洋の影響が強いのかなって。
qbc:結婚制度を強化するための思想ですよね。一夫一妻、一対一の関係性を美化する、強化する考え方。
そんり:無理がある気がする。
qbc:基本的におかしいんですよね。無理。でも、その手の本は、ものすごくドラマチックなストーリーにしたてあげられてる。
そんり:感動ポルノじゃないけど。
qbc:感動ポルノですよ。感動ポルノじゃないと一対一は維持できない。
そんり:愛の概念も時代によって変わるし。
qbc:愛なんて多義的な言葉、意味をもたせすぎて言葉として機能できてないですよ。厳密には使えない。「なんか汎用的に良いもの」って共通認識でしかない。
そんり:人によっては愛なんてわかんないっていう人もいる。今の時代の模範回答の愛っていうのを体現していこうとすると、決意しかないと思うんですよね。その人を一生愛して、それを実行に移していくしか、たぶんもう体現しようがない。
qbc:だから愛は語れない。愛を持ちだしたら、この話のゴールは見えないなって。で、別の角度から言えば、愛って言っとけば何とか場がごまかせるみたいな。
そんり:そういうのも、腹が立つじゃないですか。何でもまとめられちゃうみたいな。
qbc:困ったら愛って言っとけみたいなね。
そんり:そういうことへの反発心もあるんでしょうね。みんな簡単に愛って言うけど、あんたたち愛って何か分かっとんの? って。
こんな感じで、愛とセックスについては永遠に話が終わらないし、今こうやって話してるだけでも、すごく楽しいなって思って。
qbc:楽しいですね本当。回答が無いから。
そんり:人によっては、答えの無いものなんて下らないみたいなのもあるかもしれない。別にそういう考えがあっても、全然良いと思うんだけど。
でもやっぱり私は、どうしてもここに魅せられるものがある。だから細々とでも続けていけたらいいな。たぶん「セックス」ってワードがダメで、noteでは18禁になっちゃってるんですけど。本当は10代の子とかもいっぱい出て欲しいし、童貞・処女でも話して欲しい。法律上セックスしたらダメだからって、セックスしたことがないからって、そのことを考えてないわけでは無いと思う。
qbc:むしろ考えてますでしょ。
そんり:実際にそういう体験が無いから、いろいろ考えてる人っていますし。完全にファンタジーとして考えてる人。
qbc:性教育とかよりも、愛とセックスのインタビューを聞いてもらったほうがいいのかも。
そんり:私は性教育を受けたことが無い世代なので、実際性教育って何をやってるのかわかんないですけど。
もっと、みんな自由に好きにしていいものだと思うんですよね、愛もセックスも。模範回答があってはいけないものだと思いますので。ただどうしても正解、答えが無さすぎて、逆に正解を求めたいのかな。
あと、やっぱり人生で一回も悩まない人って、たぶんいないんじゃないかなと思って。
qbc:セックスは悩むかもしれないけど、愛で悩まない人もいるんじゃないの? そういう概念を持たない人もいますよね。
そんり:いるのかなあ。誰の手も借りずに今、命がある人って、いないじゃないですか。
それなのに、まったく愛も何も感じたことが無いっていう人がいるんだとしたら、いやきっといると思うので。ぜひ話を聞いてみたいって思います。そしたら自分が愛って思ってるものが壊れるかもしれない。
qbc:確かに。自分の常識の崩れる瞬間ですね。
そんり:今、セクシャリティだとアセクシャルっていって、性的欲求をまったく感じないっていう人もいて、そういう人のお話はまだお伺いしたことないんですよ。
あとアロマンスっていって、恋愛をまったくしない方もいるらしいんで。本当に今は縦・横・斜めっていろんなジャンルがありすぎて。性癖もありすぎるし。
qbc:その分類って家族OKとかも入ったりするんですかね?
そんり:近親相姦ですよね。
qbc:そう。近親相姦OKかどうかって。法律で禁止してるけど、性の対象としてそういう人もいるでしょ。
そんり:いるにはいると思います。娘の処女を父親が奪うっていう通過儀礼がいまだに残っているところもあるみたいだし。
「えー、近親相姦じゃん」って思うけど、でもそれが小さいときからそういうもんだって思って育ってきたら、それは儀式として終わるだけのことなんですよね。周りからの情報が無ければ、おかしいって思わない。
qbc:おかしいっていうか、別におかしくはないですよね。
そんり:そこでは普通。私は絶対嫌ですけど。もう、そんなのは考えられないって世の中で生まれ育ってきているので。
父親となんて、考えただけで本当に死にたくなる。
qbc:年齢とかもなー。やっぱり子どもは無理だって思うもん。
Facebookの宗教を書く欄みたいに、性対象も細分化して記入していくのかな。
そんり:メチャクチャ細分化して、みんなが分けるのが嫌になってうんざりしたときになって初めて、境い目自体が無くなるんだと思うんですよ。あと1世紀はかかりそうだけど。
qbc:そうだよね。だって一括りにできないよ。一人一人みんな違うもん。
そんり:できないよ。できないけど、いわゆる少数派からしたら、まず自分たちの存在を知ってもらうことが先なので。
4、100人の愛とセックス
qbc:愛とセックスは繊細ですね。
そんり:実際にインタビューしてて、そこまでたくさんのセクシャリティの人にお会いできてないですけど、それでも、あなたが好きなら別に何でもいいよ、みたいな。
qbc:性についてって、なかなか共感できないもん。理解できないもんね。しようとしなくても良いと思うんだけど。
そんり:いるんだ、そうなんだ、で本当は良いはずなんですよ。なのに、そこに対して気持ち悪いとか理解できないとか言う人たちもいるしね。
qbc:異性愛者同士でも細かすぎて意味がわからない人多いよねってところですね。むしろ性対象が違う人のほうが理解し合えるんじゃないかと思って。
そんり:例えば女性同士で話してて、ああいうのタイプなんだよねとか、ああいう男性セクシーだと感じるとか、例えばセックスしてるときはこういうしぐさがたまらないとか、こういう体位がいいとか、あるわけじゃないですか。
そういうのが、もっともっとメチャクチャ細かく、本当はあるはずなんですよね。
qbc:あ残り10分ちょっとだ。この非常に面白いコンテンツを、今後どういう風にしていきたいですか?
そんり:今7年だから、とりあえず10年。途中で半年とか空いているところもあるので、実質10年とは言いがたいですけど、まず100人にインタビューはやりたいですね。たぶんあと2~30人で100人。
qbc:100人の愛とセックス。
そんり:たとえ、もし私がこの企画もうやりたくないって思ったとしても、一人でも話したいっていう人がいるんだったら、そういう方がいる限りは続けるつもりではいます。
使命とまでは感じてないですけど。
qbc:いやもう使命感あるでしょ。
そんり:いやいや、一番楽しませてもらってるの、たぶん私なんで。
qbc:一次情報に接してますものね。一人一人の話している表情まで見られているわけですから。
そんり:そうです。本当は自分が楽しいだけっていう感じかな。
あと、人って生きてたら考えが変わるじゃないですか。だから、二度三度と受けていただくのも面白い。実際そういう方もいらっしゃるんですよ。
qbc:恋人同士でやってもらうとかは? お互いが理解するためのきっかけみたいな。
そんり:やってないです。でもご希望とかあれば。でもそれは有料で、悩み相談みたいにしようかな。
悩み相談っていうか、傾聴っていうんですか?qbcさんはインタビューやってるからお分かりだと思うんですけど、みなさん自分の答えってもう持ってるんですよね。だから、ふん、ふんって聞いててあげれば、自分でいつのまにか答えを話してる。
qbc:わかります。ねー不思議ですよね。「あ、自分で気づきました」って自分で言いますからね。
そんり:ジグソーパズルを持ってきて、バーンってばら撒いたけど、話しはじめてみたら、あれ? このピースとこのピースが合わさって、いつのまにか、ほらできたじゃんって。これでしょ? あなたが組み立てようとしてたのはって。
みなさん、インタビューなんて答えられませんとか、話すことないですとか、仰るんです。でも結局、何かありますよ。「無いです」っていう方がいらっしゃるんだったら、その方は「無い」っていうのを持ってるんで、「無い」を話してくれれば良い。だから、誰でもインタビューお願いしますってなるんですけど。
qbc:場が、その人に話をさせるんですよね。テーマがあって、インタビュアーがいることで。
そんり:そう。だから場を提供してるだけって感じですよね。一人でも多くできればいいなって思ってます。
かといって、人によって、内容によっては、聞いててしんどいなってなることもあるし。
でも、最終的には楽しい思いさせてもらってるし、できれば一人でも多くの方に見たり聞いたりしてほしいなって。WEBのコンテンツ上、どうしても18禁みたいになりますけど。
qbc:難しいですねー。ぜんぜん全年齢対象なのに。
そんり:セックスって言葉がダメなんでしょうね。人によっては聞きたくない話も出てくる場合もやっぱりあるし。
本当に老若男女見て欲しいし聞いて欲しい。なんならもう、私の姪っ子もやっと小学校上がったぐらいですけど、見てほしいわ。
qbc:そうですね。重要なことなので。
そんり:生きていく上で必須だと思うんですよね。
qbc:愛とセックスが充実してると楽しいので。
そんり:あった方が生活の満足度が上がる気がするんですよ。みんなそこはわかってるから、捨てきれない。あると思う。
qbc:愛は終わっちゃうけど。
そんり:終わっちゃうんですか?
qbc:終わるでしょって思わない?
そんり:恋は終わるけど、愛はわかんない。
qbc:えー。
そんり:恋は終わりますよ、確実に。
qbc:愛していたっぽいけど、終わった感じがして。終わってないのかもしれないけど。連絡取ってないけど、やっぱり思いだしたりするみたいな。こういうの、でも愛が終わってるでしょ。
そんり:それも愛だよって思いますよ。一緒にいないと愛じゃないっていう人もいる。本当に人によるんですよ、愛の形。
一人の人の中でも変わる。今のあなたにとっての愛と、今のあなたにとってのセックスなんて、変わる。今日インタビュー受けて、明日変わってるかもしれない。
それで全然良いんですよ。答えがない。今の時点で、みんな何かしら、答えというかぼんやりしたものを見ているだけで。
qbc:いいですね、一年間毎日365日の愛についての日記みたいな。今日は、こういう、愛。昨日は愛をこう思ってたんだけど、ちょっと考えすぎかなって思ったから今日は軽めの愛みたいな。毎日考えると変わってくるじゃないですか。愛日記。
そんり:それ、面白い!昨日はこう思ってたけど、今日はこうだとか。
qbc:誰々と会って自分の中での愛の意味が変わる。友達カップルを見て自分の愛が影響を受ける。
小さな子どもの親子連れを見て、愛を問い直すとか。
そんり:今日の私、なんか愛に溢れてる。で、次の日に上司がメチャクチャむかついて、本当にもう、みんな死ねと思ったりとかね。
qbc:確かにね。毎日レベルで違うわ愛。増減する、愛。
そんり:溢れてる日と無い日。
qbc:誰も近寄ってきてほしく無い日とかもあったり。
そんり:カミソリみたいなね。誰かの愛に共感できる日もあれば、共感できない日もある。
qbc:概念について毎日毎日考えるっていうのは面白いですね。
そんり:一言でもいいんですよね、今日はある、ないとか。メチャクチャ面白い。
qbc:今日、自分に愛があるかないかって、問うたことないですもん。恋人と会ったりする時は思ったりするけど、一人でいるときにあるかないかって考えない。
いろいろ考えると、たとえば自分に対して愛してもいいんじゃないかと思ったりとかなりそう。あった方がポジティブになりやすいし。やっぱ面白いわ、愛は。
あ、最後に言い残してしまったことってある?
そんり:特にないですね。今話したことを、うまくまとめていただければ。
あと、qbcさんとぜひ一緒になにかしたいですね。
qbc:ね、やろー。ありがとうございました。
そんり:楽しかったです。ありがとうございます。
あとがき
そんりちゃんそんりちゃんてなんでちゃんづけなんだよっていうとちゃんづけのほうがかわいいからですね。
ということでいかがでしたでしょうか。インタビュアー同士のインタビュー。たくさん喋ったなと思います。
たぶん共通しているのはね、お互い、インタビュアーという立場がないとうまく喋れないのではないかな。生きるための方便としてのインタビューであって、人の役に立ったりとか言ってるけど、お互いそう言ってるんだけど、そんなの屁理屈であって私たちはそうしないと気持ちよく生きられない。生き方の処方はいくらもあるよと。
最近できたそんりちゃん自作サイトも見てね!
編集協力:有島緋ナさん
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