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短歌と人インタビュー 安野ゆり子-007 2023/12/06前半

私が初めて精神疾患の人と話したのは、mixiで知り合った、ゴールデン街で女給をしていたモデルさんでした。めちゃ美人。ネット活動のさかんな方だったので、今でもときどきネットでお見掛けします。
球体関節人形を作る勉強をしている人でした。恋月姫さんの人形の話でもりあがったことを覚えています。
何回か、夜、飲んだんですが、その時に好きだった人のデザイン(漫画家さんでした)したという天狗のタトゥーを見せてくれました。確か左の方から背中にかけてを覆うようなデザインだったかと思うのですが。
見せてくれる時に、ロングスリーブの袖から腕を抜いて、もろ肌をさっとさらけだしたセクシーさと、暗いゴールデン街の居酒屋の証明に照らされた天狗の妖しさ、今でも覚えてます。と、言いたいのはやまやまで、デザインは忘れて色気だけ今も覚えていますね。
好きな人の意匠だもの見せたいよねそりゃあ。
ということで月刊安野ゆり子インタビュー、今月もいきましょうか。

安野さん公式サイト(私が勝手に作って公認してもらいました! わー!)

まえがき:qbc(無名人インタビュー主催・作家)


登場人物紹介

安野ゆり子:20代後半。歌人、着物YouTuber。労働が苦手。元セクキャバ嬢、現スナック嬢とコンカフェ嬢。俳句もする。遊ぶところは歌舞伎町。障害年金がほしい。夫さんと離婚したいが離婚できないでいる。「一番やりたいことは、生活上のことでは、好きな人と穏やかに暮らしたいってこと」。
夫さん:30代後半。安野さんの年上の夫。文芸団体の運営メンバー。
好きな人:20代後半。夫さんの文芸団体に出入りしていた。かっこいい。

これまでの安野さん

第0回 2023/7/28実施。通常の無名人インタビューを受けていただきました。インタビュー時点での現在過去未来のお話。 
第1回 2023/8/8実施。障害年金がもらえれば、お金の心配がなくなって夫さんと離婚できる。現在、夫さんとは別居中(だが、週一で夫さんは帰宅する)。短歌の鑑賞。
第2回 2023/8/25実施。短歌の鑑賞。夫さんとの馴れ初めの短歌。文芸団体の忘年会で初めて会った話。
第3回 2023/9/6実施。短歌の鑑賞。夫さんとの日常の短歌。「家にある皿の枚数気にしつつ決める今夜は土佐煮もつける」は佳作。
第4回 2023/9/21実施。障害年金不支給が決まる。友人の紹介で中野のスナック「ねえ ムーミン」で週1労働開始。短歌の鑑賞。閉鎖病棟入院時の短歌。入院の理由など。自分の中で、短歌よりも音楽のほうが上だと気づく。
第5回 2023/10/5実施。引っ越しの予定を決める。お金は夫さんが出すが、夫さんは住まない(週一で会う)。短歌の鑑賞。障害者手帳と歌舞伎町の歌。
第6回 2023/11/9実施。中野のコンカフェ「ピンクスカートカフェ」で週1労働開始。短歌の鑑賞。母になりたいかわからない歌。
第7回 2023/12/6実施。 <今お読みいただいている回です。

入院

qbc:何か変化ありましたか?

安野:1週間ぐらい入院してました。

qbc:えー。なぜ?

安野:体の症状としては、髪の毛切りたくなっちゃって。
これは駄目だと思ったので、入院して。

原因としては、引っ越し疲れと、そろそろ5年ぶりの労働の疲れと。
あとね、それがベースにあって、メインの理由が人間関係のバランスが取れなかった。
で、下の階の人に生活音がうるさいって言われたのがトリガーです。

qbc:入院は、その、自分から行くっていうやつですか?

安野:そうですね、任意入院なんです。いつもの病院というか、夏と同じところ。

qbc:いつ入院の、いつ退院だったんですか?

安野:20日に入院して、27日に出てきたのかな。

qbc:なるほど。今の塩梅は、どうなんです?

安野:今は、そこそこバランスは取れてて。
でも、先週はちょっとバランス取れてなくて。

月曜日に退院して、火曜日にスナックで仕事だったんですね。帰って来たら、寝るの3時ぐらいだったんですけど、そこから35時間ぐらい寝ちゃって。途中でご飯食べたんですけど、寝て起きてもの食べてまた寝るっていうので、1日半ぐらい寝てて。

やっぱりスナックでバイトするのは何も嫌なことはないけど、人とちゃんと交わったりとか、少し緊張感を持って外にいると疲れるんだなと思って。

qbc:はい。

安野:あと入院してるといつも9時に寝るのが、やっぱ3時とかに寝たのもあって、先週はちょっとバランス取れなかったですね。
今週はまずまずで。

qbc:バランスが取れないとはどういう意味ですか?

安野:精神的には、死にたいみたいな気持ちになったり。体調的には起きれないとかで、スケジュール的に、これやりたいのに滞ってるなみたいな感じのが、バランス取れないってことですね。

逆にバランス取れてるときは、いろんなやる気もあるし、いろんなことも滞りなくスムーズに進んで、今日もいろいろやってよかったなって思って、気持ちよく寝るみたいなのが、バランス取れてる。

qbc:髪切るって、自分で自分の髪の毛を切るんですよね。
どれくらい切っちゃうんですか?

安野:根元からいっちゃいたくなるんですよ。だから、もう坊主にするしか術がないぐらいにしたくなっちゃう。
過去2回、坊主にしてます。もう修復きかないんで、坊主にしてくださいって、2回やってますね。

qbc:あ、しっちゃかめっちゃかに髪切っちゃうってことなんですね。

安野:そうですそうです。自分でバーッて適当にハサミで切って、次の日に美容院行って、「ちょっと修復無理なんで刈ってください」って言って、バリカンでやってもらって。
あとはそこまでいかなくても、前髪だけすごい短く切っちゃったりとか。

qbc:下の階の人とは、どれくらいの規模のご近所トラブルなんですか?

安野:わかんないですけど、こないだ夫が来たときに、夫経由で、12時ぐらいにウィーンという音がするのと、朝5時ぐらいにスリッパでパタパタいってる音がするって、言われたらしいんですよ。

例えば12時ぐらいのウィーンは多分ドライヤーで、朝5時はトイレ行ってるんだなと思って、これはどうしようかみたいな感じだったんですけど。

ただ元々私、YouTubeとかも撮るんで。
防音とか、めちゃめちゃちゃんとやんなきゃって意識はあって。床に敷くマットみたいなもの、タイル敷きマットみたいなのを買ってて。でもまだ貼れてなかったんですよ。なので退院してすぐそれをやって、とりあえず一安心。

qbc:なるほど。

安野:下の人に出くわしてないってのもあるけど、とりあえずは言われてない。ピンポン押されて家まで来て、うるさいとか、そういうのはないんで。

とりあえず防音対策を寝室にやって、今日このあとキッチンやって、今週中にもう1部屋やって。それで安心して暮らしたいなと。

qbc:労働のほうは、どうですか?

安野:労働は、行くと楽しいんで週2回は続けたいんですけど、ちょっと困っちゃうなっていうのは、やっぱ時間が遅いんで。
仕事ない日は、私10時には布団入ってるんですよ。だから、どうしてもそこで、遅くなっちゃうっていうのがちょっとどうしようかなっていうのがあるのと。

あと、結構冷える。
前の主治医が、体を冷やすなみたいな、鬱は冷えからくるみたいな先生で。体を冷やすなとは言うけど、薬は出さないみたいな先生だったんですけど。
過激だったけど、半分くらいは真実だろうなって、身をもって思ってて。体は冷やさないように気をつけてるんですけど。

でも、どうしても、スナックのカウンターの中とか、コンカフェはお店にお客さんがいないと外で呼び込みしたりとかするんで、そういうのが体的にきついかもなーというのはあって。
楽しいけど、寝る時間と冷えと、引き換えになってるものはあるなって思います。

音楽ライブ

photo by R-photography.

qbc:他には、変化ありましたか?

安野:そうだ、来年ライブイベントをやるための準備を始めました。具体的には、ライブハウスに連絡して日時決めて、出演してほしい人に声かけて、出演者全員決まるってとこまでやりました。

私が主催で、私も出る。私はエレキの弾き語りで。あと、アコーディオンを弾くお兄さんと、あと、クラシックギターで弾き語りする女の子と、アコギで弾き語りする女の子です。

qbc:おお。どうしてまた、ライブイベントをすることになったんです?

安野:やっぱり私はこの先、音楽をやりたいなっていうのがあるので。
そのためには、何かしらやらないといけないから、まずはライブをやってみようかって、かれこれ1年近く前から決めてたんですよ。だいたい去年の12月とか、今年の1月ぐらいから、自分主催でライブやりたいなと思ってて。
でも体調悪いとか、そこまで手が回らないっていうので延び延びになってたんですけど。

クラシックギターの弾き語りの女の子が、4月に京都に行っちゃうっていう話を聞いて、ちょっとこれは自分の具合が悪いとか言ってる場合じゃないということでですね、やっとやり始めました。

qbc:イベントは、いつなんですか?

安野:2月8日です。
やるライブハウスも、もうずっと決めてて、去年見学にも行ってたし。

出演者は基本、全員友達なんですけど。
アコーディオンのお兄さんのライブを、ここ2年ぐらいで見に行くようになって。そのお兄さんを見てたら、自分もすごい音楽やりたくなったので、そういう意味で一緒に出てほしいっていうのと。

あと、お兄さんと一緒に、たまに演奏してるクラシックギターの女の子がいて。その子も仲がいいので、ぜひ出てほしい。すごい良いんですよ、曲。声もいいし、作る曲もいいし、あとギターがすごいうまいっていうので。すごい若いんですけど、好きで。

その子と、あともう1人のアコースティックギターの子は、もう何年ぐらい前から知り合いなんだろ。7年ぐらい前に知り合って。そこまでよく頻繁に会うわけじゃないんですけど、でもお互い知ってる存在で。
で、彼女が去年ぐらいかな、YouTubeでミュージックビデオを上げたんですね。それがすごい良い曲で、感動しちゃって。だからその子にも出て欲しいなと思って。全員知り合いなんですけど、でもそれぞれ私がすごいファンなので、出てくださいって言って、お願いしました。

qbc:他は、何か変化がありました?

安野:あとはないですね。具合が悪いのと入院したのでほとんど終わっちゃったんで。

qbc:男性関係はどうなりましたか?

安野:夫は引き続き、特に何の進展もないっていう。一緒に引っ越しをしてるという、ただそれだけで。

好きな人の方は、割と穏やかにやってますよ。

qbc:なるほど。

安野:でも、なんか、入院した原因に、自分の境界線の少なさっていうのがあるなと思って。

例えばコンカフェで働きなよって言ってくれた不動産屋さんなんですけど。
私のことをすごく気に入ってくれてるのはいいんだけど、すごい頻繁にご飯行こうみたいな感じで。しかもその人は、私にはすごく優しかったりするけど、興味ない人には、えっその対応? みたいなのも結構あるような人で。
ちょっとそういうのが目の前で繰り広げられると、私はきつくて、見てるのが。

恩があるからとか思ってたけど、そこそこ一緒にご飯も行って恩も返したし、働いてるし、ちょっとその人の誘いは断ろうって決めたり。
そういう流れもあって、その人は別に恋愛感情はないから、会わないってすぐ決められるんですけど。

好きな人が、例えば夜中に電話してきてですね、「僕が寝落ちするまで電話切らないで」みたいな感じになっちゃうんですよ。よく。

qbc:あ、相手が?

安野:相手が。そう。

だから2時とか3時にかかってきて、4時とか5時とかまで電話しなきゃいけなかったりとか。電話かかってきて嬉しいんだけど、最初の20分は楽しいけど、その後しんどいみたいなことがいつも起きてて。
もうちょっと、それはちゃんと断ろうと。

でも会うのはすごく会いたいから、割と急に今日会おうとか言われても、なるべく会うけど。でも電話はもう夜中は取らないとか、ある程度喋ったら切って、機内モードにするとかしようって決めて。

昨日も、ちょうど夜中、スナックから帰ってきてお風呂入ってたらかかってきて。
「もうお風呂上がって寝るから切るよ」みたいな感じだったんですけど、「駄目」みたいな風になってたのを、昨日はもう、寝るからって途中で切って、機内モードにして寝たっていう。
そういう進歩が見られたっていう。

qbc:なるほどねえ。

安野:そういう、なんていうのかな。
他人から侵食されやすいっていう性質。qbcさんも、前回、「安野さんは何でもいいよって受け入れてくれる」みたいに書いて公式サイトを作ってましたけど、本当にそれで。
いいところでもあるけど、対人関係ではすごい振り回されやすくもあって。

qbc:うん。

安野:それが、自分の病気とか具合の悪さに直結しちゃってるなっていうのがわかったんですね。それは要改善と思って。
今は好きな人は、ちょっと自分の中では調整しつつ、でも相手にもわかってもらえるように、いろいろ話したりとかっていうのを、自分の中では頑張ってる。相手もそれなりに、だんだんわかってくれるようになってきたかなみたいな。いきなりは無理だけど、って感じでやってますね。

qbc:好きな人って、おいくつなんですか?

安野:28です。同級生ですね。

qbc:好きな人も、このインタビュー読んでいただいてるんでしたよね? 話している内容は、問題ないですか?

安野:好きな人も見てますね。まずいかなと思うことは、「それは言えません」って、私が言うだけだから。質問してもらって、答えるかどうかはこっちが判断します。

三角関係

qbc:好きな人と知り合った経緯を教えてください。

安野:それは、俳句の集まりです。好きな人のメインフィールドは俳句じゃないんですけど、文章とか文芸とか芸術が好きなので、そういう流れで知り合った人ですね。

qbc:好きな人とは、付き合っていることになっているんですか?

安野:付き合ってないんですよこれが。これが難しいとこで。

関係の初めは、もともと私があんまり俳句の会に行ってない頃に、彼がよく来るようになって。だから出入りがすれ違いだったんですよ。その句会のときの写真がTwitterに上がってて、「なんか若いかっこいい子がいるな」と思って、夫にこの子誰って聞いて。

これこれって言うんだよって教えてもらって。へえとか思ってたら、2年前の12月の、いつも行ってる飲み屋さんで、生け花教室があって、そこに彼が来てて、一緒に生け花をしたっていうのが最初。
その後も、句会とかで一緒になったりとかしてて。

「ふくのん」の動画を撮るっていうので、「Adoのギラギラのイメージコーデをして歌ってみた」っていう動画があるんですけど。これの歌ってみたのときに使う写真を撮りに、歌舞伎町に1人で行ったんですよね。

その日、いつものお店で知り合いの女の子がバーテンダーをやってるっていうので行ったら、彼がいて。そのバーテンダーの子が、「ねー皆でカラオケ行きたい」みたいな感じで言ってきて、7、8人で行ったんです、その場で。

それで行ったんですけど、カラオケの飲み放題のお酒が薄くて、飲めば飲むほど酔いが冷めてくんですよ。
でもみんなべろんべろんで、最後の会計とかも私が全部やって、シャキシャキ動いてしまった、みたいなのもあって。あと、お店が「まねきねこ」だったんで、お酒の持ち込み可だったんですね。「飲み放題のお酒が薄いから、コンビニで買って来て」って、その彼に言って買ってきてもらったんですけど。
それがもう朝5時前ぐらいだったから、飲む前に出る時間になっちゃって。「お酒あるから、ちょっとその辺で路上飲み付き合って」って言って、それで初めて2人で飲んだっていうのが、始まりですね。

qbc:すみません、それが何年前でしたっけ?

安野:それがもう2年弱ぐらい前。

それからもう、どっちかっていうと私がすごいハマっちゃって、すごい好きで。
デートしたりもしたけど、すぐブロックされるんですね。ブロックされたから、もう会わないつもりで、夫に「会ってたんだけどブロックされちゃったあはは」とか「ひどいやつだよねー」とかって夫に言ってたんですよ。

そしたらまた復活しちゃって。飲み屋さんで会ったのかな。行くところが一緒なんで、そこで多分会ったとかで、また2人で会うようになって、またブロックされて、みたいなのを繰り返して、今に至るみたいな。
別に付き合ってないっていう。2人で会っててお互い好きだけど、付き合ってないっていう認識なんです。

qbc:夫さんは、二人の関係を知っているんですか?

安野:知ってます。はい。かなり最初の頃から知ってますね。

qbc:好きな人とは、体の関係があるんですか?

安野:そうですそうです。はい。

qbc:夫さんは、それオッケーなんですか?

安野:夫ですか。駄目ですよ。
去年の12月に「離婚したい」って言ったときに、夫から、「好きな人と2人で会わないで欲しい」って言われたんですよ。で、「それは無理」って私が言って。
そうしたら、その瞬間夫がバッて立ち上がって、拳が途中まで出たんですけど、止まって、拳引っ込めて座って。

「その顔見たことある」って言い出して。
「その顔は、なんて答えていいかわからないときのだ」みたいな。
そんなようなことを言ってて。
「自分もその顔をしたことがある。俺は今まで自分の気持ちとかね、言えなかったりとかしたことあるけど」とか。

夫には、私って基本聞かれたらイエスかノーかで全部答えるけど、その時の会話では「イエスかノーの他に、もう埒があかないから、答えたくないっていう答えも言うよ」って夫に言ってて。

夫は、「のんちゃんは答えたくないってことも言えるのに、俺は『答えたくない』とか言ったことがなかった」と。
多分私だけじゃなくてね、いろんな人に、いろんなことが言えなかった、って言うんで、自分でどうやら納得したらしい。

納得っていうか、そうやって、私がその人と会ってることも含めて、まあもうしょうがないなみたいな感じで。
その代わり、ちょっと家から離れたいって言うので、そのまま家を出てったって感じだったんで。
だから、2人では会って欲しくないと夫は思ってるはずですけど。

qbc:なるほど。

安野:私、Suicaで電車乗って、あっちの家とかも行くんですけど。そうすると、家計簿アプリで、どこからどこまで乗ったって出ちゃうんですよ。その家計簿アプリ、夫が見てるんで、私が好きな人といつ会ってるかも多分わかってるんですよ。

だから、私は全然何だろうな、隠してませんけどみたいな感じでやってて。
夫は多分、もうわざわざ多分話題に出したくないって感じなのか、全然そういうことには触れずに、やってるっていう。内心嫌だとは思いますけど。

qbc:夫さんとの肉体関係は?

安野:無いですよ。
もう、4年ぐらい無いと思います。
私が駄目なんですよ。私は夫の体を触ることができるけど、私が夫に触られるのが無理なので。

qbc:なるほど。

安野:そもそも私はセックス自体が別に楽しくないし、お金もらわないとやりたくないみたいなことだったので。別にわざわざやる必要性を感じない。
それよりも夫とは喋ってて楽しいし、私は喋ってて家の中にいて家族やってれば、それで良かったんで。子供欲しいっていう目的があるならするけど、でもそれもそんなにすぐって感じでもなかったから、別に自然としなかったっていう感じです。

qbc:好きな人とのセックスはどうなんですか?

安野:今は多分、人生で初めて楽しいですね。うん。

qbc:安野さんって、どこが自分の魅力だとおもってらっしゃいますか?

安野:自分の魅力?

qbc:安野さんモテるじゃないですか。

安野:それは、自己認識が微妙なとこで、私はあんまりモテてこなかったと思ってる人生なんですよ。確かに、ゼロじゃないから、ゼロとかの人から見たら、結婚もできてるし彼氏も何人もいたじゃんとかって言われちゃうけど。

私、自分の見た目すごいかわいいと思ってるんですよ。
この見た目で、誰とでも人間関係できるし。働くのだけはどうにも苦手だけど、家事も得意だし、もうちょっとモテててもいいんじゃないかと思うんですけど、そうでもないんですよ。

それはその、好きな人にも聞いたんですよ。
「私ってさ、本当にモテてないのか、あるいは結婚してるから声かけてこないだけで、本当は、男同士でいいなとかって言ってるの?」
みたいに聞いたら、「いやゆり子さんの魅力はね、伝わってない」みたいな。

「既婚とか関係なく、ある意味、ゆり子さんのこと、そんなに好きじゃないみたい。好きじゃないっていうか、友達としてはみんな良くしてくれるけど、異性とか性的な対象としてモテてるわけではない」って、男目線で言われて。
やっぱりそっかと思ったんですけど。

qbc:自分自身では、どこが魅力だと思ってらっしゃいますか?

安野:自分の魅力は、最後までよく人の話を聞くことと、どんな話題でもついていけることだと思いますね。

qbc:夫さんからは何て言われますか?

安野:あんまりピンポイントで、ここが好きとかここがいいって言われたことないんですけど。
でもかねがね言われてるのは、かわいいっていうのは言われてて。多分それは内面のことなんですね。夫の前だとすごい、赤ちゃんみたいな言動するんですよ、私。
なんか歌って踊って、すごいアホなこと言うみたいな。それが、かわいいみたい。子供っぽくてかわいいみたいなのが、多分夫が考えてること。

だから見た目がどうとか、話してることがどうとか、それこそ短歌とか俳句をやってて話が合うとか、それだから好きとか、そういうことを言われたことがなくて。
何がそんなにいいんだか、私は夫に関してはわかんないんですけど。

qbc:好きな人とは、結婚したいんでしょうかね。

安野:あっちがする気になったら、したいですけどね。でもあっちは結婚したくないらしいんで。

終わりに

今回のインタビューは、もう、ハッキリと「月刊安野ゆり子インタビュー」をやるぞと思った月でした。
数か月続いて、いつ辞めるのか? 離婚の話が落ち着いたら? みたいなことを考えていたのですが、やっぱり辞められず。辞められないなら、もっとシリーズとして強化しようということで、登場人物紹介とあらすじもつけた次第です。
どうでしょうかね?
「短歌と人」というタイトルも、いつか変わるのかもしれないな、など思いつつ。続きます。次回もお楽しみいただければ幸いです。

編集:なずなはな(ライター)

制作:qbc(無名人インタビュー主催・作家)

#無名人インタビュー #インタビュー #短歌   #安野ゆり子


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