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今のあなたの状態は今のあなたに必要なことだから、それをおかしいと思う必要はない。人

多重人格障害と呼ばれていたものが、今は解離性同一症、解離性同一性障害といわれているんですが。
この無名人インタビューというものを始めてから、私qbcも解離性同一障害の方にインタビューする機会があったわけですが、なんでしょう、結局その人はその人でしかなく、病名は個性になりきれないよね、ということです。
男であるということがqbcの説明に「なってるけどなってない」みたいなもので。
いくら属性、肩書、「名」を尽くしてもその人にはならない。むしろ名札をつければつけるほど、その人らしさから遠ざかってしまう気がして。
もちろん、名札をつけることで、一面のものすごくわかりやすさはアップするんですけれども。その人そのものからは遠ざかってしまう。そんな気がするんですね。
まあ、結論は実は見えています、私qbcには。それはどうするかって。名前を取ったり付けたりを繰り返すんですよ。で、そういう、その名前取付取り外しの連続の中、そういう反復の中にしかその人らしさって現れないんだろうなと。
そのための反復行動のひとつが、まあこれから始まる。
無名人インタビューっていうやつですよ!!!!!
【まえがき:qbc・栗林康弘(無名人インタビュー主催)】

今回ご参加いただいたのは 雪華 さんです!


現在:結構中で交流ができるタイプだったので、それぞれのことは何となく把握はしてますね。中の子たちは女の子の方が多いです。自分の体調に何かアプローチはできないかななんていうふうに情報収集をしているところですね。

きさい:今何をしている人ですか。

雪華:今は家庭教師をしているんですけれども、そこでちょっとお仕事させてもらいつつ、でもどっちかっていうと今は自分の体調を整えたりとか、心の調子を整えたりとか、また後でお話はさせてもらうんですけれども。いわゆる多重人格、解離性同一性障害と言われるようなものを持っているので。そういったところに関して何かアプローチはできないかななんていうふうに情報収集をしているところですね。

きさい:今どんな比率で家庭教師はどれぐらいの時間やってらっしゃいますか。

雪華:家庭教師の案件がそこまでないっていうのもあるんですけど、週2日ですね。ちょっと増やしたいかなと。

きさい:情報収集はどんなことをされてらっしゃるんですか。

雪華:まずはその自分がどういった状態にあるのかというところも知らないといけないですし、あとはその他の同じようないわゆる解離性同一性障害と言われるようなのを持っている人たちにも活動者さんって実は結構いるんですよ。
なので、そういった人たちの例えば動画を見たり、生放送に参加したり、ツイッターで交流をとってみたり、あとはその精神科医の先生のまとめてる動画とかっていうのもあるのでそっちで勉強したり。本当は本まで行ければいいんですけどちょっとなかなか読む時間がなくて。

きさい:そういったものに触れられるとどんな気持ちになりますか。

雪華:安心感と不安感が同時に来るっていう感じですね。

きさい:それは具体的にはどんな感じですか。

雪華:安心感はやっぱりその1人じゃない、同じようなものを持ってる人がいるんだっていうところで。仲間じゃないですけど、同じような悩みを持ってる人がいるんだっていうところで、安心感なんですけど。
やっぱり精神的なメンタル的なところとか。その人の心の中頭の中のあり方だと思っているので、結構大多数の人の言ってることとちょっとずつ違うなとか。あとはその症例にないんだけど、自分はこうなんだよなみたいのがあったときに、結構私たちっていつでも、もしかしたら演じてるだけなんじゃないのかって、私たちっていうのもあれかな、私はかな。
結構演じてるだけで本当はみたいなことも考えていたりするので、本当は違くて病気なんかじゃないんじゃないかみたいな
主として出てくる症状っていうのは、やっぱりあるので。例えば記憶の引き継ぎができないとか、自傷しちゃうとか。たまたまそういったことは今のところないんだけど、でもそういったのがなきゃいけないのかな、みたいな。そういう悩みは常に抱えてますね。肉体的にも精神的にもとか。

あとは過去に重い思い何かがあったとは自分のことは思ってなくて。たぶん他の人に話したらそれはつらかったねって言われるのかもしれないけれど、それを自分で言いたくなくて。ってなったときに、他の人って本当にその例えば壮絶な何かいじめがありましたとか、昔から虐待がありましたとか結構そういう話をよく見るんですね。っていうところでそもそもきっかけも違うし症状も違うし、本当に同じものと言っていいのか私は本当は何なんだろうかみたいな不安感は、ずっと抱えているんですよね。

きさい:調べ始めたのは、いつ頃からですか。

雪華:調べ始めたのは本当に自分が症状が出始めてすぐの頃なので、何年前だろう3年ぐらい前からかもしれないですね。

きさい:そのときはどんなことがあったんですか。

雪華:当時仲良くしていた人も実は解離があって、その中でそういうのがあるんだって思ったときに、元々自分の性別に対して違和感があったんです。っていうところが切り分けられたのかなっていう子が生まれて、そこからあれよあれよという間にどんどん増えていっちゃったみたいな感じで。

きさい:最初に生まれた子が女の子だったっていう意味ですかね。

雪華:そうですね。

きさい:今は何人ぐらいいらっしゃるんですか。

雪華:今は、一応その名簿を作ってるんですけど、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16。16人ですね。

きさい:それぞれに対して、雪華さんが主なのかどうかもあると思いますが、雪華さんは覚えてるというか、どんな人かわかるんですか。

雪華:結構中で交流ができるタイプだったので、それぞれのことは何となく把握はしてますね。

きさい:自分自身はどんな人だって言われると思いますか。

雪華:優しい、真面目だねって言われることが多いですね。

きさい:そう言われることに対して自分ではどう思いますか。

雪華:全くそんなことはないと思ってます。

きさい:それはどんな理由ですか。

雪華:私別にみんなに対して優しい博愛ではないんですよ。イメージとして鏡みたいなものを想像してもらえるとわかりやすいのかなって思うんですけど。
例えば、優しくしてくれたからよくしてくれたから、その人に対してはよくあってほしいから私はよくしようっていうだけなんです。だから、逆にないがしろに扱われたりとかずっと汚い言葉を使っているような人に対しては、そもそも会話をしなかったりとかっていうところも普通にあるので。優しいというよりかは、あなたたちが優しいんだよ、私に優しくしてくれたから恩返しをしてるだけだよっていう感じですね。

きさい:そんな気持ちなんですね。真面目な人っていう言葉に対してはどうですか。

雪華:真面目な人っていうのも他の人がそういうなら真面目なんだろうなっていうのが正直なところで、その真面目っていうのも、あんまりいい意味での真面目と捉えてないです。
肩の力を抜くのが下手すぎる愚直っていう方が正しいんだろうなみたいな。真面目、真面目なのかなって思うなみたいなところがありますね。

きさい:なるほど。例えばっていうようなところってありますか。

雪華:結構どんなことに対しても全力投球するかやらないかみたいなところがある。その上でやってみて駄目だったら引けばいいじゃんみたいな感じのスタンスなので。
例えばですけど、飲食店のアルバイトってそこに対して配膳を出すとかは、もちろん気を使うところはありますけど必要以上にチャカチャカやる必要ってないじゃないですか。最低限お客さんが不快にならなくて、上司から怒られなくてっていうラインでできてれば何も問題はないはずなんですよ。できないんですよね。

きさい:どんなふうにこだわってしまうんですか。

雪華:例えばですけど、配膳をするってなったら、なるべく音を立てないようにかつ素早く。小さいお子さんがいるんだったらその出す時にフォークと小さいお皿をお持ちしましょうかって声をかけちゃうとか。極論いらないじゃないですかこのムーブって。あったら嬉しいないってことですね。
人によっては余計なことって言ってしまうようなこともこの無意識のうちにやっちゃうみたいなのがあるので、真面目っていう愚直かなって。

きさい:最近良かったこと。悲しかったことってそれぞれ何かありましたか。

雪華:最近良かったこと。良かったことは、本当にまずはこういう機会をいただけたこともすごく良かったなと思います。
なんていうかな。うちの中のメンバーの話になっちゃうんですけど。みんな仲いいんですよ。結構、中でわちゃわちゃよくお話してたりとか。

あとはそういうその私じゃなくて、私達を受け入れてくれる人がいて、その人たち、その人も中に複数の人格がいる人っていうのはあるんだけども、その人とすごく親身な話がいろいろできてるっていうのは嬉しいかなって感じですね。

きさい:何で出会われた方ですか。

雪華:元々ネットの人でしたね。ネットで知り合って。今週末もまた遊びます。先週も実は遊んだけど。
さっきちらっと話した、知れば知るほど不安になるっていうところの共有先ができたっていう言い方をすればいいのかな。そういう感じのことがありました。これがめちゃめちゃ嬉しかったです。

きさい:いつ頃、そのお話を共有したんですか。

雪華:結構早かったですね。出会って初めて通話をして、その次の通話ぐらいでもこの人話してもいいなって思って話しちゃいました。

きさい:結構最近ですか。

雪華:そうですね。2ヶ月前ぐらいかな、まだ。

きさい:逆に良くなかったなっていうことは何かありましたか。

雪華:良くなかったなっていうことは、ちょうど今日の話ですけどなんかすごく調子が上がらない日ってどうしてもあるんですよ。
これ結構今までなかったことで困ったなっていうことで。私が主な人格として回してて、その私がやらかしたんですけど、オーバードーズしまして。そのオーバードーズの原因っていうのが、中の人たちの不安が一気に流れてきちゃったっていう。
どうしたらいいかわからないっていう混乱と不安が一気にもう五、六人分を引き受けるんですね、下手すりゃ。ってなったときにどうしようもなくなって、初手の段階で1錠でいい安定剤を2錠飲んだんですよ、頓服を。
その後、ちょっとうつらうつらして目が覚めてもう1錠飲むかって飲んじゃったんですよね。

その後も別の人格さんが、さっき出てきた今仲良くしてくれてる人に対して、ちょっときつく当たってたりとかいうので、若干トラブルになってて。こっちの人も追い詰められてODしちゃったりみたいな感じで。これはある意味その人格が複数いることならではの悪かったこと。悪かったことっていうかは、トラブルかなって感じですね。

きさい:なるほど。今は少し落ち着かれてますか。

雪華:今はだいぶ安定はしましたね。

きさい:普段感情の部分っていうのはどんなイメージなんですか。

雪華:どんなイメージ。私達の場合は、1人1人がちゃんと人としてあるっていう意識でいるので。なんていうかな。基本的にその人が持ってる感情はその人のもの
ただ楽しいとか嬉しいはいっぱいお話しして感情の直接の共有じゃなくて、他の人にお話してシェアしてね、つらいことも同じだよっていう感じでやってるんですね。
だから初めてのことだったんですよ、他の人の感情が流れてくるっていうのが。びっくりしましたね。

きさい:何か心当たりはありますか。

雪華:仲良くしてくれてるさっき話した人っていうのが、今お付き合いをしている人なんですけれども。真面目に結婚を考えようかというふうになったときに、向こうはちゃんと正社員として働いてて、実は私正社員経験というのがなくて、経済的な不安とかあとはどこに住むみたいな話とか、いろんなその将来に対する不安と自分の経済的な不安っていうところかな。

きさい:性同一性障害についてお話したいかなっていうような事前にお話いただいてたかと思うんですが、そちらの方はいかがですか。

雪華:ここも昔から抱えていた違和感で。何となく考え方が女性っぽいねって言われることは昔から多くて、そういうときに男性っぽい女性っぽいって何だろうみたいな。その人らしいじゃ駄目なのかな。っていうので、何かスカートをはきたいとか、そういうのよりも何で自分らしく言っただけで、性別という枠に収められちゃうんだろうっていうのはちょっと疑問だったんですね。
その中で、とはいえやっぱり男子的なノリ女子的なノリっていうのは特に高校時代って顕著だったりするじゃないですか。思春期っていうところ、そういうところの成長もしてきてっていう中で、どうもこの感覚違うなって。楽しいんですけど、同級生の男子と話してて思ってて。
その頃から自分の体にもなんで、例えば胸がないんだろうとかそういうのを考え始めてて、っていうのが根幹にあるのを見ないふりをしてたんですよ。でも肉体男だし、見た目男だったらそっちで過ごした方が絶対に有利じゃんっていうだけ。そしたら割れたんですけど人格が。

ここはちょっと二つが絡んでくるところなんですが、中の子たちも女の子の方が多いですね。今主人格で話している私、雪華も、女性人格としてやらせてもらってて、やっぱりなんでって思うんですよ。なんでないんだろう。逆に何であるんだろうとか。どうしてこう、自分も今日ちょっと服買いに行ってたんですけど、レディスとメンズのコーナーってわかれてるじゃないですか。
なんでレディースの服を見てるだけで、自分が奇異の目にさらされているような気分にならなきゃいけないんだろうみたいな。そんなことはないと思うんですけどね。みたいなのがすごくあって、そういうところは、何か時々自分がどっちつかずな存在になっちゃった気がして、物悲しくはありますね。

きさい:今の理解者としてお話できてるっておっしゃってたお友達の方は、それに関してもご存知ですか。

雪華:そこも知ってくれていて、もうそれだったらって言って、メイクも一緒に勉強しようよって言ってくれたりとか、この服かわいいと思うんだけどどうかなって一緒に服を見に行ってくれたりとか。そういうところで一緒にいてくれる。一緒にいて、自分主体で話を盛り上げているように見せかけてこっちにちゃんと振ってくれるっていうところをしてくれるので、感謝してもしきれないですね。

過去:自分の感情を置いていきがちだったんです。心を殺すじゃないですけどっていうのがあって。そんなんしてたから、俺らみたいなの増えたんだろうって言いたいですね。

きさい:過去のパートっていうところに入っていきたいと思います。具体的に聞いていきたいんですが、子供のときはどんな子でしたか。

雪華:子どものとき。ここが難しいところで、私の子どものときってなると肉体的な子どものときのことを思い出そうと頑張るんですけど、あんまりわからなくて。というのもですね。その成長してくる過程で生まれた人格、形成される人格って誰でもあるじゃないですか。それとちょっと違ってるんですよね。
これ本当にイメージ的なところになっちゃうのであれなんですけど、私達の今動いてる人格って誰も元々の肉体の人格じゃなくて。簡単に言うと、小中といじめを受けていたりとか、実家の家庭内の不和とかがあって、元々の体の人格さんがもう人格であることを捨てちゃったんですよ。もういいよって感じで。というところなので、そんなに覚えてはいないんですけど、赤ちゃんの頃は、何となくわかるかな。

雪華:ちょうどflashが流行った時代だったんですよ。

きさい:2000年代に入ってからですかね。

雪華:いわゆるインターネット黎明期って言われてる頃で。父がネットにすごく強かったので、結構ぐずるとアンパンマンのマーチ流してとか、見たいとかいう子どもって多いじゃないですか。あのノリでマイアヒをねだるんですよ。あとはflash倉庫を見て育ったりとかしていて。当時からすごく優しすぎる子だったとは聞いてます。

例えばなんですけど、上級生からお前かわいがってやるよみたいなノリの暴力的ないじめを受けていた時期がありまして、それに対してうち親も当然守ろうとしてくれてはいたので、お父さんもお母さんも、出るとこ出ようかって言ってくれたんですけど、でもこういういいところがあるから一緒にいるんだ、やめてって庇ったらしいんです。

きさい:その上級生さんを、ですか。

雪華:そうそう。あとは四つ下に妹がいるんですけど、妹が歯が生えてきたときにすごく噛みぐせが強くて、半年ぐらい消えない噛み跡が残されても絶対に怒らなかったりとか。
すごくその変に大人にならなきゃって、大人びて背伸びをして我慢をしている子だったんだろうっていう感じですね。

きさい:当時のお気持ちとしてはどんなふうだったんですか。

雪華:当時どんなだったんですかね。

きさい:あまり意識はないんですか。

雪華:たぶんずっといじめられ続けているのであれば、いじめすらなくなるともはやただの無視になるじゃないですか基本的に。それが嫌だから、いじられ役に入ってしまおう。先生からは良い子っていう目線を向けてもらっていればいざというときには助けてもらえるだろうみたいな。感情を切り捨てて打算で動いていたんだと思います。

きさい:さっき妹さんが出てきましたが、ご家族に対する当時の感情はいかがでしたか。

雪華:当時はいろいろあって実家がすごく環境が悪かったんですね。だからひどいときは本当に目の前からいなくなって欲しいとかどうも本当に死んでしまったらいいのにとか思ってた時期もありました。今はそんなことはないんですけどね。

きさい:それは、先ほど聞いた幼少期よりはあとの頃ですか。

雪華:幼少期の頃は何を考えていたのか本当に思い出せなくて。幼少期の行動で唯一覚えているのが、電気のカバーってやつじゃないですか。あれを大掃除のときにお尻で叩き割ったことだけなので。外して置いてあったやつになぜか座って割ったらしいですね。そこしか覚えてなくて。怪我なくてよかったです。
そういう仄暗い感情が出てきたのは中学以降かなって感じです。

きさい:中学以降から自分としての記憶もあるっていうイメージですか。

雪華:これは、今すごく昔の人の記憶を引っ張り出せる人たちが後ろから教えてくれてるような感覚で。もしかしたらその人に代わった方が話はわかりやすいかもしれないし面白いかもしれないかなとは思います。

きさい:ご自由になさって大丈夫です。雪華さん史を作っていきたいようなイメージで、小さい頃のお話をさっきお聞きできて、中学以降はどんなお気持ちだったのかなっていうところをちょっと聞きたいですかね。

雪華:中学以降としては、幼稚園からの幼なじみが、環境の変化で結構性格ガラッと変わる時期じゃないですか、中学校って。あれがあって幼稚園小学校で仲良かったメンバーに結構ないじめを受けまして。でもなぜか家で遊んでたりはしたんですよね。
そう考えると何を考えてたんだろう。まさに防衛反応だったのかな。居場所を提供していればこれ以上ひどくはならないだろうみたいな感じだったのかな。

きさい:高校、大学はいかがですか。

雪華:高校に関してはすごくすごくすごく楽しかったです。

きさい:そうなんですね。

雪華:ここはちょっと他の子に話してもらった方がわかりやすいと思うんで、ちょっと変わりますね。

きさい:はい。

マイ:おはようございます。

きさい:おはようございます。お名前をお聞きしても大丈夫ですか。

マイ:中の人格の交代人格の1人です。マイって言います。

きさい:マイさんよろしくお願いします。

マイ:よろしくお願いします。高校の頃の話であってましたかね。

きさい:ぜひ聞かせていただければと思います。

マイ:高校の頃は、高校の選び方がすごく変で、ここの学校の生徒会に入りたいって思って受験頑張って本当に通っちゃったんです。
そこですごく趣味の合う友人や生徒会活動とか文化祭実行委員とかすごくすごく毎日が充実してて充実しすぎて学業をおろそかにしたタイプでした。

きさい:そのときはどんなことが楽しかったですか。

マイ:本当に、たぶん生まれて初めて学校に行くのが楽しかったです。
例えば、朝起きて学校行って友達と普通に喋ることも楽しかったですし、授業もなんだかんだ楽しいんでたかな。生徒会でいろんなことをいろいろあれこれやってみようっていうのも楽しかったし、たまたまなんですけど、PTA会長がうちの父だったんですよ。校長先生とも仲が良くて、私達が当時生徒会副会長やっていたので、3人で結託して悪巧みしてみたりとか。そうしたこととか、あとは文化祭の実行委員で朝6時から夜の9時まで学校でずっと仕事してるみたいなのも楽しかったなーって。
The青春っていう青春から一風変わった青春までまで幅広く楽しんでました

きさい:なるほど。マイさんがお話しやすいのって何か理由があったりするんですか。

マイ:はい。ちょっと変な話にはなっちゃうんですけど、私達のこの体の下に2人流れちゃった子がいるんですね。そのうちの1人はたぶん私なんです。っていうのも、ちょっとスピリチュアル的な話になっちゃうんですけど、この体が結構いわゆる見える感じるっていうタイプの子で、今回は生まれられないで帰っちゃうんだなって思って上に戻っていくときに、お兄ちゃんですよね。この元々の人格の子が、はいって言って手を引っ張って自分の中に入れてくれたんですよ。だからずっと中で見てた
幼稚園の頃とかはそれが本当に無自覚だったので、なぜかずっと本人が椅子を半分だけ私に譲って座ってくれてたりとか、周りから見るとずっと半ケツみたいなね。
そういうのがあったりしてね。ただ高校の頃からっていうのが、やっぱりその私の自意識がはっきりしてきたのがその辺なので、記憶をたどっていくとそこから先は私が意思をはっきり持ってたっていうだけなんですけど。

きさい:そうなんですね。高校以降のことってどうでしたか。

マイ:高校以降のことは、大学は一応ストレートで入れたんですけど、大学にうまく馴染めなくて、一人暮らしをしてたときに、結構ひどいレベルの鬱になっちゃって。夜寝るじゃないですか。朝目が覚めて、喉が乾いたトイレに行きたい.、でも布団から体が動かないみたいな。しょうがないから寝て、夜ぐらいにまた目が覚めて、トイレに行きたい喉が渇いた。これは死ぬって思って何とか這いずり出してお水いっぱいだけ飲んで、お手洗いに行って。ご飯は日によって食べたり食べなかったりみたいな。誰からの連絡も返さないし、時々友達と喋ってても寅ロープってお守りに持っといた方がいいのかなみたいな。でも首つってしんどいらしいしな、どうしようかな。練炭?密封大変だなみたいなことばっか話してました。あの時期は。

きさい:馴染めなかったのはどんなお気持ちだったんですか。

マイ:なんていうんですかね。たぶん大学のシステムそのものが合わなくて。一個大学って勉強をする場所っていうよりは将来やりたいことのための助走期間だったりするって私は思ってるんですけど。
私立大学で結構90分まるまる教授の過去話だったりとかまたその学校の歴史を学ばされたりとかってあるじゃないですか。当時、家がすごく貧困に喘いでいたのを知ってて、奨学金の貸与型で行かせてもらったんですよ。親に借金してもらってまで勉強してる内容が、教授がテレビに出た話90分なのって思った瞬間に耐えられなくなっちゃって。そこでポキっといっちゃった感じですね。

きさい:その頃、医療には図られてましたか。

マイ:かかってなかったんですよ。自分が鬱っていう自覚がなくて。LINEあまりにも家族LINEに既読つけなさすぎて、家とくされまして家族、ボロボロの状態を発見されて、いいから帰ってこいって言われて実家に強制送還されて、いいから病院に行ってこいって言われて診断うけたみたいな感じでした。

きさい:そこから今までって何年ぐらいありますかね。

マイ:6年ぐらいですかね。

きさい:6年くらい。その間をどんなふうに過ごされてましたか。

マイ:仕事をしてみようって頑張ってみたりとか。あとは、家出もしてたりとか。働こうっていう頑張るんですけど、うまく馴染めないというか、うまく自分がさっきちらっと雪華ちゃん話してたかな。やらなくていいことまでやっちゃって、心労抱えて鬱再発して悪化しちゃうみたいなので続かなくて。っていうのでずっと今まで長く続いて半年みたいな感じで仕事を続けていました。

きさい:何種類ぐらいお仕事経験されましたか。

マイ:塾と家庭教師と携帯販売。コールセンター、無印良品くらいですかね。なので、業種としては接客もやりましたし教育、コールセンター、営業みたいな感じですね。

きさい:ありがとうございます。今、どうしましょうか?ここから過去総括して過去の雪華さん史がこうやってできていたかなと思うので、総括して未来の話もしようかなと思うんですけど、マイさんからまた交代されますか。このままいきますか。

マイ:そうですね。そしたら今メインで雪華ちゃんともう1人まわしている子が男の子で1人いるのでその子呼んでくるので、ちょっと待ってくださいね。

アゲハ:おはようございます。

きさい:はい、こんにちは。お名前は何ですか。

アゲハ:カタカナでアゲハ。アゲハチョウのアゲハですね。

きさい:アゲハさんですね。ありがとうございます。雪華さんに、今どんなこと考えてるかってお話とマイさんに昔のことのお話聞かせていただいたんですが、これからぜひ過去を総括して未来への話もしていきたいというところです。

アゲハ:了解です。ありがとうございます。

きさい:総括としてアゲハさんに聞くのがどれくらいぴったりくるかわかんないんですけど、人生を今までの人生で3章に分けると、どんなふうに分けられると思いますか。

アゲハ:3章に分けるとか。たぶん区切りは中学校まで、人格が分かれるまで、今から先って感じだな。

きさい:まず中学校までで分けた理由は、どうしてですか。

アゲハ:中学校までってぶっちゃけ人生楽しくなかったんですよ。あいつらは。ずっといじめられてたし、なんか家もどんどん不穏になって空気感だけはピリついていくしみたいな。でも自分は中学生で何もできることはないし、っていうので世界がすごく狭くて暗かった。

きさい:そこから高校を挟んで、第2期ですかね。

アゲハ:高校は、誰が話したんだ。マイさんか。マイさんがすごく楽しかったっていう話をしてたんですけど、そこで1回持ち直したんですよ。
持ち直してああいうことやってみたい、こういうことやってみたいっていろんなことがようやく見つかって。なんていうんですかね。起承転結の承と転ぐらい。転の前半ぐらい。1回うまくいくかなって思ったけど。またやっぱり大学行くとすごく駄目で、どうしようって思い悩んでた時期がそこの第2期かなと。

きさい:なるほど。第3期はいかがですか。

アゲハ:あれですよね。こんな中に16人もいたら、そりゃあここで分けるでしょっていうだけなんですけど。

きさい:中にたくさん人格がいる期のような感じですか。

アゲハ:そうですね。これからたぶん統合していったりとか、ちょっと増えていったりとかそういうことはあれど、元の1人に戻れることはたぶんないんですよ。だから、今だったら1色で進んでたものが一気に16色に広がった人生みたいな。じゃあもうこっから好き放題やるしかないじゃないですかもう。

きさい:元の1人に戻ることはないってのは、結構ポジティブなイメージなんですか、それともネガティブな部分を含めますか。

アゲハ:どっちもですね。どっちもだけど、もう戻れないだろうなっていう不可逆っていう意味ではある意味ネガティブかもしれないし、必要があって別れたんだったら、せっかく別れて1人の人間として、主人格の雪華とか他の人たちが尊重してくれているんだったら、その16人が16人全員その人の人生楽しんだらいいじゃんか。じゃあ戻る必要なくねっていう感じ。そういうとポジティブな方かな。

きさい:全体的にはポジティブですかね。

アゲハ:そうですね。

きさい:ありがとうございます。過去のことで話し残したこと全般ありますか。

アゲハ:話残したこととしてはなんかあるかな。例えばですけど、高3の勉強合宿があって、その前日に、風呂から出てきたら父が母の首を絞めてるんですよ。なんのこっちゃって思って慌てて止めて、これは大人の力が必要だって思って。
祖父の家が同じマンションにあったので。妹たちに見せたくなかったんで呼んできてって頼んで。来てもらって仲裁に入ってもらって自分は外に2人を連れ出したんです。妹と弟がいるんですけど。
そのときも自分の感情を差し置いて、まずは何とかしなきゃみたいな。結構その自分の感情を置いていきがちだったんです。心を殺すじゃないですけどっていうのがあって。そんなんしてたから、俺らみたいなの増えたんだろうって言いたいですね

きさい:アゲハさんから雪華さんに?

アゲハ:雪華っていうか、たぶんZoomのあれで名前が出ているから言っちゃうんですけど、元々のタクトには言いたいですね。おめえもうちょっと言いたいこと言っとけって。我慢しすぎだ。

未来:売れなくてもいい、ただ一人でも誰か悩んでる人のちょっとしたひだまりにでもなれたら、きっと俺らの人生に意味はあるし、そういうことをしたくて今までずっと動いてきたので、そこはぶれちゃいけないところだろうなって思ってます。

きさい:これから5年後10年後、あるいは死ぬときまでのイメージで構いません。どういったイメージを未来についてお持ちですか。

アゲハ:未来についてかあ。まずは今回こういうお時間を取っていただいた理由の一つですけど、俺ら千差万別の症状を持ってるんですよ。1人1人全然違うし、生まれも違ければ、俺は元々の主人格だったところから雪華とアゲハにわかれたんです。

他にもたぶん伝わるよな。うち最近夢の中で、オルトって人格が生まれて。水星のアルテミットワンって名乗ってるんでめっちゃおもろいんですけどあいつ。あいつどっから来たんだみたいなそういうやつもいるし、そこに性同一性障害とかも乗っかってくる中で、自分たちのことを発信することで少しでも誰かが安心できたり、できるような何かをしていきたいのが一つ。
その今支えてくれてる人と一緒に幸せになるために仕事しようっていうのが一つ。その二本柱かな今は。

きさい:お仕事ってどんなことされたりとかありますか。

アゲハ:本当は本を書きたいです。
俺たちみたいな人生経験をしてる方ってなかなか外に出せないことが多いと思うんですよね。

奇異の目で見られるって誰だって嫌じゃないですか。ただ、自分たちは割と出せるので、その辺は。だから、そういうところで、発信できる、こういうものを持っている立場の人間として何か発信もっとしていきたいな。

きさい:なるほど。発信できる強みですね。それは人生経験を書くような本ってことですか。

アゲハ:そうですね。だから本当にエッセイみたいな。

きさい:なるほど。出版したいっていうようなイメージですかね。

アゲハ:そうですね。出版して。

きさい:できたら一番いいですかね。

アゲハ:そうですね、別に、売れなくてもいいんですよ。売れなくてもいい、ただ一人でも誰か悩んでる人のちょっとしたひだまりにでもなれたら、きっと俺らの人生に意味はあるし、そういうことをしたくて今までずっと動いてきたので、そこはぶれちゃいけないところだろうなって思ってます

きさい:今までも何か、働きかけられてきたことがあるんですか。

アゲハ:実は、ちょっと前まで配信者事務所に所属してたんですよ。

きさい:そうなんですね。

アゲハ:なんですけど、そこってVだったので、俺らしさが出ないんですね。っていうのとちょっと内部のゴタゴタがあってやめたんですけど。そういう発信をしてみたりとか。

あとは俺らとしての情報発信するためのTwitter、Xか、Xのアカウントと作ってはいるんですけど、結構そういうアカウントって今だと同じ病気を持ってる人たちの中で、闘病というかなんていうか、ある意味その同じ病気の人たちを集めて大丈夫だよ、こういうこともあってね、それはこうだったよみたいな話、意見交換する。支援団体の開催イベントみたいな感じに今なってるなって思う。そうじゃなくてもっとオープンにするためにはどうしたらいいかなっていうのは考えているところですね。

きさい:なるほど。御本っていうのとも繋がりそうですね。

アゲハ:そうですね。

きさい:もしずっと主人格のままだったら今どんな人生になってたと思いますか。

アゲハ:ずっとですか。あいつのままだったら成人式は迎えられなかったんじゃないですかね。たぶんどこかで蒸発してるか、海に沈んでるか。どっかに吊り下げられているかになってたような気がします。あんまりいいイメージがないかな

きさい:今の状態の方がポジティブに捉えられますかね。

アゲハ:そうですね。中で愚痴言い合ったりするんで。

きさい:どんなことをお話されるんですか。

アゲハ:本当に。この前笑った愚痴があって、うちの中に来、来るって書いてライって読む男の人格が1人いるんですけど、夜食に焼きうどん作ったんだけどさーっていきなり話してきて。美味しくなかった、醤油入れすぎて失敗したわーと言って。
知らんわみたいな。そんな話をしながら2人でコーヒーを飲むみたいな。中に団欒スペースみたいなのもあるので。中でわちゃわちゃやってますね。

きさい:なるほど。その飲食は実際に体でしたんじゃなくて、この胸の中でしたんですか。

アゲハ:そうですね。中にリビングって言われる場所があって、イメージとしてちょっと広めの談話室みたいなのを想像してもらうとわかりやすいんですけど。その中で、何か本読んでたら、隣にコーヒー持って座ってきて、「聞いてくれ」って。何かと思ったら焼きうどん失敗の話。

きさい:アゲハさんの隣にという感じですかね。

アゲハ:そうそうそうそう。

きさい:他の方々の症状とか聞いてやっぱり違うなって思われることが多いっていうお話ありましたが、自分の特徴、自分のその人格の特徴ってどんなところだと思いますか。

アゲハ:まずみんな仲がいいっていうのが、これ結構ポイント強いなと思って。結構他の方たちの中で、もうあいつは消した方がいいとかいう話をしてるっていうのは発信されてるんですよ。そういうのがつらくてとか。
あとは中で、その他の人格を攻撃しちゃう人がいたりとか。いわゆる攻撃人格って言われるんですけど。あとはなかなか言うことじゃないけど、自傷をしちゃうような子がいたりっていうのがある人が多いみたいなんですけど。
うちのメンバーは、ないんですよね。記憶の共有ができないとかいう話をよく聞くんですけど、基本的に共有してくれますし、抜けてるところは今も後ろでこんなんあったよってメモを渡してくれたりもしてるので。なんだろう。
すごく協力関係という意味では恵まれてるのが俺らなんだろうなっていうところ。

きさい:ちょうどインタビュー終了のお時間に近づいてきましたので、最後に聞きたいんですが、言い残したことってありますか。

アゲハ:言い残したことなんだろう。悩みとか困ったこととかあったら、誰かに吐き出すでもいいですし、あと自分っておかしいのかなって思っても、今のあなたのその状態は、今のあなたに必要なことだから。それをおかしいとか思う必要はないし、周りがどうこう言ってたとしても、あなたはあなただから、自分に対してそんなに過剰に自分の首を絞めるじゃないけど、そんなことはしなくていいんじゃないって。変なこと言ってきてるやつがいたら、ちょっと距離取って縁側でお茶でも飲んだらいいんだよっていうことはみんなに言いたいかな。とくに今の社会の人たちにはね。

きさい:すごく心強い人が多いと思います。それは雪華さん自分でたどり着かれた考えがいろいろ情報収集してる中で何かに出会ってそう思うようになったとかありますか。

アゲハ:ちょうどこの前見つけた本で、誰が書いていらっしゃるのかちょっと忘れちゃったんですけど、逃げたっていいんだっていうのを書いてくださってて。その考えがちょうど今自分が持ってる、今自分の状態って自分が必要だからそうなってるんでしょ、環境が合わないんだったら無理そこに合わせる必要ないじゃんっていうところとマッチしたので、今そこが合わさってこんな考えになってます。

きさい:ありがとうございました。

アゲハ:ありがとうございました。

あとがき

私も心が沈んだとき、似た経験をしている人を探してインターネットの海をさまようことがあります。ただ、たいていある程度までは共感できるのですが、完全に同じ経緯で同じ経験をしている人って、他人である以上、いないわけで。
そのことに、解決策が見つからない、と暗い気持ちになることもあります。
同時に、自分が「世界で一人目の先駆者」なんだと果てしない気持ちになったりもします。そんなこと考えてないでとっとと行動できたらいいんですけどね。

実は偶然、雪華さんとは元々知り合いだったのですが、逐一人格が交替しているのを聞きながらのお話は初めてでした。聞いていると通じ合うようだったり、新鮮だったり。
一つの偉大な「先駆者」との出会いに感謝です。それでは!

【インタビュー・あとがき:きさい】

【編集:さりあ】

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