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【無名人インタビュー】若い時は酒とタバコだったけど走り屋で野菜ソムリエ持ってて今はお子さん3人の子育て中で最近ネルドリップにハマってる人

今回ご参加いただいたのはしんのきいくみさんです!
note blog 

▷イントロ

遅筆卒業したと思ったらできていなかったqbcです。みなさん年末に向けて体調はいかがでしょうか? 私はなんか今年はコロナもあって体重増えるわ体力衰えるわでまあもうほんとう、大変な一年でした。厄年でしたしね。健康面の悪化が。
ということはさておき、しんのきさん回です。
中野美紀子さんオンラインサロンメンバーの方ですね。
中野さんのnote

中野さんの無名人インタビュー

しんのきさんのブログを事前チェックしていたら、ああ野菜ソムリエの方なんだなと思ってインタビューを始めたら、コーヒーのネルドリップの話から始まり、育児の話になり…いつのまにかしんのきさん本体にたどり着いていた、みたいな感じでした。
私は何を言っているのか。
北海道からお届け、しんのきさん楽しんでお読みください!


1、ネルドリップ

qbc:よろしくお願いします

しんのき:よろしくお願いします。

qbc:どういうインタビューにいたしましょうか? 毎回聞いてるんですけど。

しんのき:難しいな。何話そうかなと思っていたんです。

qbc:あら。さらっとブログなど拝見した限りでは、はっきりしているのかなと思っていました。

しんのき:ほんとうですか? 大変ふわふわとしております。今、これといって特別売り出してるようなことをしているわけでもなく。

qbc:お料理ではないんですね?

しんのき:お料理をやろうと思って、やっていたのが2年ぐらい前ですね。

このブログをみてお料理だと思ってました。

しんのき:でもなんか違うなあと思って、そこで一回止まってて。ずっと止まったままフラフラしていたんですけど、最近急激にネルドリップが好きになってしまって。
なんかそれがなんかなるんじゃないかっていうのを、周りの皆さんが期待の目で見てるんですけど。

qbc:なるほど。どれくらい前からネルドリップに関心がでてきたんですか?

ちなみにネルドリップとは紙ではなく布フィルターで抽出する方法です。
詳しくはこちらを! ご確認ください。

しんのき:ネルドリップは2020年の6月に入ってですね。
もともと、コーヒーを止めるつもりだったんです。体質改善の実験をいくらかやっていて、その中で「あれ? 確かコーヒー飲むと体冷やすって言うよねー。体冷やしたらよくないなぁって、体温を上げていきたいなー」なんて思いまして。でもコーヒー好きなんですよ。
子供三人目が2才になるし、もう別にカフェインを気にしなくてもいいし。

qbc:はい。

しんのき:じゃあ思いっきり楽しんでから卒業というか、コーヒーお休みの期間を作って、それで体に出る影響がもしあったとしたら、その後の飲み方をちょっと考えていこうかなと。例えば頻繁に飲むのか、時々飲むのかっていう加減を自分の中で分ければいいのかなって。
カフェイン、ノンカフェインの選び方とか。本当にいいのか悪いのか、全く体感のない、情報だけのとこにいるんですよね。なので、ちょっとそれをやりたいなと。

qbc:はいはいはい。

しんのき:それで、止めようかなと考えだしている時に、コーヒー屋さんで一杯コーヒーをいただいていたんです。そうしたら、ちらっと目に飛び込んだのがインドネシアスマトラハニーっていう名前のコーヒーだったんですよ。
「あ、なにー?」っと思いまして。お店の人に質問をしました。「これってインドネシアのコーヒーなんですか?」って。インドネシアのコーヒー豆でした。インドネシアと言えば美紀子さんです※。
もちろん我慢できなくて、そこでコーヒー豆を買いました。淹れてもらったのは、ブレンドコーヒーだったんですけど、インドネシアスマトラハニーを100グラムほど買って。ペーパードリップで淹れました。そしたら美味しかったんですよ。笑
※美紀子さんはインドネシアに住んでいます。

qbc:なるほど、偶然が重なってゆく、と。

しんのき:そうです。この偶然も何かを意味しているって直感がするし、コーヒー飲み続けたいなーって思って。
で、ふと気づくとドリップ用のペーパーが残り少ない訳です。で、買い足すかと思った時に、使い捨てることがもったいないって気持ちになったんです。

qbc:確かに。一杯一枚ですもんね。

しんのき:みつろうのエコラップを使い始めてもう一年以上になるんですけど。

qbc:みつろうってメーカーの名前?

しんのき:ハチ、ハチ。

qbc:あ、虫のハチ?

しんのき:蜜蝋(みつろう)のエコラップです。KoKeBeeっていうブランドなんですけど、私はそこのアンバサダーとして一年間ほどワークショップを開いたりして活動していたんですよ。最近更新の勉強会に参加したんですけどね。
プラスチックフリーをはじめ、世の中を使い捨てから循環型にさせていきたいという気持ちを持っているところなんですが、気づいたら私もその中にいたようで。
それまでね、もう子育てなのでオムツだって紙おむつでずっと使い捨てで来てたりしていたし。

こちらがみつろうエコラップのメーカー様でございます。

しんのき:そういう循環型にしようとしている時に、ペーパードリップだと一杯入れたらポイっと捨てるんですよ。
そのゴミ箱に捨てるシーンだけが自分の中に残っていて。なんか違う気がして。そこから何か方法がないかなと思ってたどり着いたのが、ネルドリップだったんですね。

qbc:なるほどなるほど。

しんのき:それで、器具をそろえようとなったんですが、ついついこういうのが欲しいああいうのが欲しいで、ワンセット買い揃えようとしたんですが、コーヒーのサーバーは持っているし、最低限の買い物にしたいなって思ったんですよ。なので、持ち手にワイヤーが付いていて布をひっかけるタイプのものを買いました。800円以下の買い物でした。
800円以下の買い物でペーパードリップから移行させようと思ってたんですけど、そこが大変な沼地になっておりまして。笑

qbc:沼地だったんですね。笑

2、続:ネルドリップ

しんのき:ネルドリップになって、まず淹れ方が分からなかったんですよ。紙の時と同じように淹れていいのかも分からなくて。豆の量とかお湯の量とかも違うのかなとか。
それまでずっとペーパードリップで飲んでいたので。30とかから飲んでたから10年は飲んでますね。あれ違う! 25,6才のバイクに乗った時ぐらいから飲んでるから、15年ですね。

qbc:へぇーーーすごい。

しんのき:ずっと淹れ方が一緒だったので、淹れ方って全然気に留めてなくって。だけど自分の好みにいつも淹れている感じだったんですよね。
だから、YouTubeでネルドリップでの淹れ方を検索して飲み始めました。いくつか検索したんですけど、みんな淹れ方が違うんですよ。笑。
共通点はあるんですけど、微妙に皆さんそれぞれに違っていて。

qbc:面白いですね。

しんのき:なので、たまたま自分が気に入った動画を参考にして、豆の量を14グラム、お湯の抽出量、最終的に飲める部分の量を200mlにしてみました。それをまず基本にしました。
お湯の温度をどうしようか悩みました。それまで結構適当だったんですよね。お湯沸いてからちょっと冷めればいいかなぐらいしか思ってなくて。でも、せっかくなので測ろうと思って測り始めました。

qbc:はい。測った。

しんのき:何度から始めたんだったかな? 90℃? 95℃? 96℃? 96℃くらいかな?
スマトラハニー自体、酸味も苦味もあって、柔らかく甘さのある感じのコーヒーだったんですよ。

qbc:すごい複雑な味ってことですね。

しんのき:笑。その甘味もさることながら酸味と苦味のバランスをどうしたもんだかなと思い、来る日も来る日もまずは同じ温度で淹れ続けることができるかっていうのを試したんですよね。
同じ温度で淹れるっていうのができるようになるのに1週間かかりました。
ポットのお湯が冷めるんですよ、当たり前なんですけど。いかにそれを淹れてる間に冷ましてしまわないようにお湯を作っておくかに1週間かかりまして。
淹れてる間に5℃くらい変わっちゃうんですよ。おかしいなと思って。後にね、蓋がちょっと開いて温度計さしっぱなしにしていたので、そこから熱が逃げてたっていうのが分かったりとか。

qbc:なるほどね。

しんのき:些細な事なんですけど。そこで淹れられるようになってきたら、1℃差ぐらいで順に淹れてくようにして。好きかな嫌いかなと、ずっと来る日も来る日も。ただただそれをずっと繰り返して、今はお湯の温度80~85℃ぐらいで飲むんですけど。

qbc:ネルドリップになると味はどう変わるんですか?

しんのき:味は、初めて淹れた一杯を口にした瞬間、台所で一人で、うわーーーって言いました。笑
うわぁーーーって言って。そのまろやかさが初めてのまろやかさで。

qbc:なるほど。

しんのき:まろやかでおいしいっていうのはふわっと聞いてたんですよね、お店の方から。
ネルドリップで淹れたいって相談して、豆の引き具合を変えてもらったりもしてて。
でも、こんなにまろやかだと知らなくって、一叫びしました。その一叫びからもう出られない。

qbc:へぇーいいですね。私、多分飲んだことないんじゃないのかな、ネルドリップ。

しんのき:あ、ほんとうですか? 私もずっと飲んだことなかったと思います。もしかしたらふらっと立ち寄ったおしゃれすぎる喫茶店とかで人生のうち一回か二回かは飲んだかもしれないですけど。全くそこには関心がない時に出会っているので、データ外ですよね。

qbc:その最初の喜びから、今は温度はどういうふうにアレンジされてるんですか?

しんのき:最初は酸味が消えることにこだわってたんですよ。あまり酸味が好きではなかったというのもあるんですけど。酸味が消える温度帯がとても高い温度で。95℃を超えるとその豆の中では酸味がふっと消える感じになります。同時に苦味も出てきて、温度が1℃違うだけで変わるんですよ、困ったことに。
そうこうしてるうち1ヶ月経ち、なんか苦味の中にえぐみのような感じが生まれてきたんです。

qbc:低い温度でやったんですか?

しんのき:高い温度で淹れました。酸味を飛ばそうとみていたので93~96℃ぐらいだったと思います。苦味をキャッチしすぎて、後口にずっとえぐみのようなものが残り続けて不快だったんですね。

qbc:あんなに美味しかったネルドリップがね。

しんのき:はい。飲み終わって一時間ぐらい経ってもまだ口の中にコーヒーが居座ってる感じがあって。
なんか気になって気になってしょうがないみたいな。なんだったんだろうあの後口? っていう疑問だけが後を引いてるんで、ちょっと嫌だなって思って。
で、そこからどんどん温度を下げていってみました。

qbc:酸味が消えてはいるんだけれども、苦みとえぐみがでちゃうんですね。

しんのき:酸味は消えてはいるけど、この感じの代わりに出てくるものの感じが好きじゃないって思って。

3、お米とパン

しんのき:すごいですね。こんなどうでもよさそうなコーヒーの話ばっかりして。笑

qbc:いえいえ、しんのきさんのキャラクターがよくわかるエピソードですよ。
実験というか、調べたりするのがお好きなんですかね?

しんのき:調べたりするのが多分好きだと思われます。振り返ると、思い当たるところが。

qbc:料理研究されていた時も同じ感じだったんでしょうか?

しんのき:料理に関しても同じ感じでしたね。ご飯と味噌汁に特に出ているかもしれませんね。お米をどれにしようとかっていうのを、昔はそんなに気にしてなかったんですけれども。

qbc:はいはいはい。

しんのき:今、子供が上の子が6才で、真ん中の子が4才で、一番下がもう少しで2才です。3人なんですけど。
上の二人が、引っ越した時に全身皮膚炎を起こしたんですね。いわゆるアトピー症状が出て。
で、病院たらいまわしになって、「お前ら全員アトピーだ」とか言い放つお医者さんに会ったりとか、そのうちにステロイドの使い方をとても丁寧に説明してくださる若い女の先生に出会って。
その後、食生活の改善も始めるようになりました。その2人の痒みを、どう治すかっていうのと向き合って。末っ子が鉄欠乏性貧血とわかってから、もっとそれが加速しまして。
qbc:はい。

しんのき:皮膚は内側からできている、体は食べ物からできている。ストレスで蝕まれるものがある。体に負担なものを摂取することもある。とか、体の仕組みをよく考えるようになりました。
良かれと思って玄米を食べさせたり。でも玄米だと子供の消化にあまりよろしくないなと思ったので、分づき米にしたりとか。下の子が離乳食期とかだったりすると、消化の負担を優先して考えて、おかゆみたいなのからスタートして玄米に近づいていけば、負担にならないかなとか考えたり。2才位までは薄い分づき米の方が良いなと思ったり。

qbc:私も玄米食なのでイメージ分かりますね。

しんのき:ある日、夫が家事の負担を軽くするために、朝の用意も大変だから「毎朝パンにしたらどうか」って言ってくれたんですよ。ものすごい抵抗があったんです、その時は。パンってよろしくないんじゃないかっていうイメージと、だけど好きで食べてるところもあって。毎朝じゃないけど一週間のうちに1回から2回ぐらいパンを食べてるわけですよ。
じゃこの体に良くないんじゃないかって言うだけのこの疑問の不安を、せっかくね家事の負担を軽くしてくれようって思ってくれてるんだから、ここはありがとうございますと受けてみたらどうか、突っぱねる事ないんじゃないかと思って。
結構心苦しかったんですけど、毎朝パンを食べることを続けてみました。ありがとうと言って。そこから何ヶ月かな? 8月から始めての9,10,11、三ヶ月経ったところで子供たちが痒がってる箇所が増えたんですよ。

qbc:なるほどね。合わなかったんだね。

しんのき:今まで掻いてたところじゃないところを掻き始めたのが三ヶ月目だったんです。
その時たまたま、パンが体にどういう負担をかけてるかっていうお話を聞く機会があって。それで明日から「ご飯にします」って言って、完全にご飯にしたところ、子供の体が急激に良くなっていったんです。
でも真ん中の子の足にかさぶたみたいなのがついたまま、ずっと取れなくって。いろんな可能性を考えた上で、お米の産地を北海道から変えてみました。北海道は昔からお米の産地だったわけじゃないですよね。なので、品種改良が多く入ってることを考えて、昔からお米を作っている土地のお米に変えました。
そうして二ヶ月近く経った時に、足を見たらつるんつるんの綺麗な足になってました。
と、いうように、一つ一つ検証して突き詰めると何かが分かるっていうのを楽しんでいる節はあります。極端ですよね。パン好きでパン教室も行ってパンの資格も持ってたりするんですけど、

qbc:資格も持ってるんですね。

しんのき:だけどどっかパンがいけないんじゃないかっていう疑問があって。でも具体的にそれが分からなくて。
で勧められた時にちょっと嫌悪感があって、それを押し殺してパンに切り替えようとして。でも、毎朝買ってきた食パンって絶対飽きるんですよ、途中で。毎朝なので。絶対飽きるもんかって切り返して、家族に人気だったメニューを、製パン会社の懸賞に添えて応募して当たったり。
でも家族内で、私と次男の食欲が極端に減っていったんです。体に合わないんじゃないかと思いました。

qbc:パンが合わないって、グルテンが合う合わないとかいうのですか?

しんのき:おそらくは、小麦の摂取によってグルテンの合う合わないと、リーキーガットも症状が出てる可能性がありますね。

qbc:リーキーガット?

しんのき:腸内を荒らしてしまうんですよ、小麦の性質で。腸壁に小さな穴が開いてしまい、小さいから血が出るわけではないんですけど、そこからいらないものが腸壁から体内に漏れ出る症状が、リーキーガットに当たるんですけど。

qbc:牛乳があわないとか、そういう感じの?

しんのき:あ、そうですね。腸に合わない。

qbc:うどんは大丈夫ですよね?

しんのき:うどんは大丈夫だったんですよ。良くなってからうどんをちょいと試したりしたんですよね。なんでもないんですよ。おそらくグルテン量、摂取量、もしくは品種かなと思うんですけど。同じ小麦でも育てる畑は違うんですよね。

qbc:私もパン合わないかもって思いますね最近。翌朝もたれてる気がするんですよね。

しんのき:すごいですね。その体感。キャッチできるアンテナが素晴らしい。

4、しんのきさんとは何者なのか

しんのき:会社員時代に食品会社に勤めていました。食品の素材や、素材を加工した水煮の缶詰とかレトルトとか。
農産品がとても多くて、ある日たけのこの千切りを売りたいなーっていうのを言われた時に、じゃパンフレット作るので1キロのサンプルもらっていいですかって言ってもらったんですよ。独身ですよね。一週間にわたって朝昼晩ほぼ毎食たけのこの千切り。食べ方を変え、味付けを変え、1キロ食べきって風邪引いたんですよ。

qbc:はいはいはい。

しんのき:そのぐらいのめり込んで「これならこれ!」って一品食べ尽くして知り尽くして、パンフレットを作りました。
私は営業事務という職に就いていたので、いつも最終的に食材を使っている方からお電話であれこれ一緒に話してたんですね。で、私の上司とか食材を使ってる側の会社の上司の方とか、みんなすっ飛ばして私と現場の間だけで作ろうと思いました。
残業しちゃいけないって言われていたから、分かりましたって、残業しないでずーっと家で作り続けました。いいんだよ残業してってって言われたら、分かりましたって言って。家では朝までずっーとやって。
ちょっと複雑な思いされてる方がいたので、朝早く行ってタイムカードつけないで、早朝おじ様組と一緒にやってみたりとか。
それをやろうと思ったことで、自分の一般業務をいかに短縮するかという仕事の効率化もして。最終的に退職時には会社の中で「商品に対してどういう情報を届けるのが必要か」ということで取り上げていただけるようになりました。
それで、新しく入ってきた子に引き継ぎをして、無事退職ですね。

qbc:いやなんかほんと…

しんのき:なんでしょうね。やるったらやるんでしょうかね。

qbc:ご自身では、自分のことをどう思われてるんですか?
自分はこういうタイプだ! みたいな。真面目とか、おおらかとか、冒険心溢れるとか・

しんのき:真面目ちゃんだなぁと思うのと、ずっと昔ですけど、不思議ちゃんだなあと思ってます。

qbc:そんな不思議ちゃんではないと思ってますよ。

しんのき:ネパール人の方に、あなた不思議ちゃんだねって言われて、不思議ちゃんってあだ名をつけられたんですよ。
ネパール人の方がやってるカフェに行ってたんですけど。そこで紅茶の表面にお店の中のライトが光って見えてキラキラして見えてるのがとても綺麗だったので、それを一生懸命簡単な日本語で伝えようと思って必死になっていたところ、「あなた不思議ちゃんだね」って言われて。笑

qbc:それくらいだと感性豊かって感じかなあ。

しんのき:私の現在までを簡単に言うと、20歳から25までは毎日お酒飲んでタバコ吸って。車いじりも好きでした。
仕事が終わったら朝まで飲む、仕事をする、そこからまた飲みに帰るみたいな感じの生活でしたね。

qbc:そんなにですか。

しんのき:ひどかったです。でもそんな一番ひどい生活をしてた中で、ある日バイクに乗りたいなと思ったんです。今からバイクに乗るためには、私は事務職をしていて体力があるわけではないから、できるだけ体力を付けながら免許取りにいくけれども、運動機能低下させるようなことは控えようと思いまして。

qbc:真面目ですね。

しんのき:学生時代にそういう研究を最終的に論文で出して卒業していたので。喫煙が運動機能に影響しているぞということで喫煙をやめよう。その時に吸っていたタバコを最後にして、箱の中にまだ残ってるのは友人にあげて。飲酒もちょっと負担になるので、じゃあ私バイク乗りたいからごめんね、今日から飲まないですって。そして毎日筋トレ。

qbc:えー、アメブロの写真、全然そんな風に見えないですよ!

しんのき:写真はほんとそうですね。載っている写真、不良に見えないですね。

qbc:北海道の人とはいえ、肌も白くて喫煙していたようには見えない。

しんのき:昔は丸焦げでしたけど、10代はね。事務職についたら漂白したように真っ白になって。どんだけ日に当たらないのか。笑。
バイクに乗ってみても女のくせにってなるのも嫌だし。女性ライダーっていう言葉が使われるぐらい、女がバイクに乗るっていうのが世間とはちょっとずれてるみたいだし。

qbc:そうですね。

しんのき:なんかあったら助けてあげようかみたいな目線が恥ずかしかったんです。その辺でへっぴり腰になるのだけは嫌だと思って。速さは求めないので、美しい姿勢でライディングしたいってこだわって。メンテナンスもして大型のスポーツバイクに乗ってました。

5、子育てに正解はない

qbc:しんのきさんは別に真面目っていうわけではないですよね?

しんのき:不真面目なところ多いですよ。でも、子育てを始めてから真面目すぎて困ってましたね。遊びがなくなってしまった感じで。

qbc:忙しいですもんね、6才4才2才なんて。

しんのき:忙しいのと、しなければいけないって自分で自分を締めつけてしまっていたんです。あれをやらなきゃいけない、これもやらなきゃいけない。こうすべきだ、ああすべきだ。これはどうしたらいいんだろうって、正解だけを一生懸命考えてしまって。正解を求めると散財しますよね。
なんていうんでしょう。いろんなセミナーとかに行って、そこでヒントを受けようと思うだけならいいのですけど、結論をもらってその結論を正解だと思って子育てに挑むと、失敗するんですよね。

qbc:なるほどね。

しんのき:子育ての参考例として聞いて、「あ、そうだ! こうだったんだ」って気付きがあった時に初めて学べると思うんですけど、遊びをしていない私にはそんな余裕は微塵もなく。
とにかくこの人が素敵だと思ったらもうその人のところに行く、を繰り返して。
あーもうそんなことさせてもらって、夫に大感謝ですよね。
それでもまだまだ真面目くされていて、子供はいるけど趣味起業するべきだっていうのがずっと残ってたんですよ。それに気付いたのが先日なんですけど。

qbc:先日なの?

しんのき:本当に先日な感じですね。今月とかそういう話ですね。

qbc:野菜ソムリエとかのお話ですか?

しんのき:そうですね。野菜ソムリエは会社員時代に役に立つだろうなと思って、勉強したくて取ったんですよね。農産品扱いだったので。

qbc:そういうところが真面目ですよね。

しんのき:会社員時代の名残りですが、それを今も活かさなければいけない、という謎の執着があって。
じゃあそこで野菜ソムリエとして何かするのか、っていうのを一生懸命考えてもつまらないし、時間ばかりかかっちゃうんですよ。資料作りとかに疲弊しちゃって。

qbc:なるほど。

しんのき:どんなにこの野菜が素晴らしく栄養価があると言っても、食べる人の体で栄養の吸収も違うっていう実感もあるし。無理やり食べさせることも無いんじゃないかなとちょっと思ってて。笑
うまく私の中で処理しきれないんですけど、野菜嫌いな人にどうやって野菜を食べさせるかというアプローチみたいな所に行きそうで。ネガティブなことを正そうみたいな感覚になると、気持ちが悪くなるんですよ。

qbc:まぁね。

しんのき:うちの子野菜食べないんですー! うちの子いつもこればっかりしか食べないんですー! って聞くんですが、ちなみにじゃあどんなの食べてるのっていうのを聞いたら、めっちゃ野菜食べてるんですよ、その子。こんなに食べてるしょー、すごいよーって感じなんです。
野菜嫌いっていう言葉も色々あるなと思って。お母さんの感覚で決められてるんですよね。

qbc:うんうん。

しんのき:じゃ何するんだろうが全く決まらないままただひたすらネルドリップをYouTubeでだだ流しするっていう目標に、今のところ入り口にたどり着いたんですけど。

6、子育てする前は自分が一番子供でした

qbc:今後、どういう方向に進んでいこうとされていますか? ネルドリップ方面ですか?

しんのき:このままネルドリップはずっーと続けたいです。その中で仲間が増えたら楽しいなと思ってます。それをまだの方に教えようとか、良さを伝えようっていう感覚は別にそんなになくて。
私はネルドリップにわーっていうほど感激しましたけど、人によってはもうちょっとドライな方がいいと思ったらペーパーだし。

qbc:あぁなるほどね。

しんのき:私みたいにちょっと始めてみようかなって思う人がいたら、私の入っていった入口がこういうところだったよ、っていうのを見せてあげれてたら楽しいかな、参考になるかなと思ったり。
とある友人から私のネルドリップの投稿に対して、昔私もやっていたっていう意味で「#元ネル部」っていうハッシュタグを入れてくれたんですよ、コメントの中に。
そこから#ネル部っていうのをつけるようにして。付けることで自分が検索しやすいようにしたんですけど。
別に一人で勝手に始める活動なので、ぽつ、ぽつっとやりたい人が、私もやりたいっていう人がいれば、一緒にやる? っていうくらいの。

qbc:なるほど。

しんのき:一緒にやれればいいなーくらいですね。
ただただ淹れてるだけで、一体何が起きるのかっていう。その先に私が何を淹れるのかなっていう実験ではあります。何が起こるか分からない、どうなるのかっていうのはすごくワクワクするところです。
初めから「こういう講座にしようと思って何かをやりだす」というのが今までなんですよ。

qbc:なるほど。目的ありきで始めたのがこれまで。これからは目的ありきではなく始めると。
すごいな。淡々とその自分のやりたいことをやって行くっていうパターンですかね。どんな感じの方なんですかね。まだ本心をおっしゃっていただいてない。本当はもっと激しい方なんですかね、実はね。

しんのき:全てはコスチュームプレイだなって思ったことがあります。
あのOLの格好だって、出勤する時はお気に入りのチェックのワンピースを着て出勤するんですよ。そこからロッカーで事務服に着替えてシャキッと出てくんですよ。でも仕事が終わると徒歩5分のところに引っ越したので、5分後にはすべてを着替えてフルフェイス被って出てくんですよ。

qbc:なるほどね。じゃオンとオフっていうか全然違うことになっているわけですね。

しんのき:やってるとこどっか似てるんですけどね。バイクに乗ってツーリングのDVDを作ってたんですけど、お笑いDVDが出来上がるんですよ。楽しかったねっていうのを全力で残して。その遊びの部分がツーリングにはあって、バイク仲間にはあって。
お仕事をしててもいろいろ届いた消耗品の荷物を開けて、残ったダンボールをちょっと時間空いたなーと思ったらそれで三角の立体のものを作って、自分の鼻に装着して鼻高々みたいな、それを写真に撮るとか。笑。なんか届いた緩衝材で洋服を作ってみたとか。

qbc:全然あのその何? 50分間猫被ってた感じだったんですかね? そうですよね。やっぱり全然違いますよね。

しんのき:そういうのはありますね。子育ての中では何が出るんだろうなーと思って。多分何も遊んでなかったから、すごく行き詰まっていたと思うんですけど。
子育てする前は一番自分が子供でしたからね。

qbc:なるほどなるほど。

しんのき:とっても大切な後輩が結婚式に呼んでくれたんですけど、恥ずかしかったですよ。子ども達も連れていったんですが、結婚式のカードとかに立体の鼻を装着した自分の写真がのっかってるわけですよ。めっちゃ嬉しそうなんですよね。
その遊びを思い出させてくれたのが、あのきらさんのアフロだったり。

きらさんを知らない方はこちらをご覧ください!

しんのき:ごめんなさいちょっとお待ち下さい。

qbc:あ、どうぞどうぞ。

しんのき:今子供がマイクの線をひっぱっちゃって線が抜けました。今ずっと手元で寝てるんですけど、抱っこ返しをした時に。

qbc:末っ子?

しんのき:そうです。眠れなかったらしく。

qbc:素敵なお母さんですね。

しんのき:子育てに対しては枠だらけでデビューしているので。

qbc:ん? 何だらけ?

しんのき:枠(わく)ですね。こうやらなきゃけない。今だったら、自己肯定感を育くまなきゃいけないみたいな。

qbc:あ、そんなこと言うんですね。大変だね。全然、そのまま育てていいのにね。しんのきさんだったら、全然そのままでいいんじゃないですかね。

しんのき:あ、ごめんね線が絡まっちゃった(赤ちゃんに言ってます)。男子男子女子なので、ずるいんです。かわいいんです。

qbc:いやー大変だ。かわいがられますね、そしたら。

しんのき:ね。なんなんでしょうね、私ね。ネルドリップした時に、自分のやりたかったおかしさみたいのにちょっと気づいて。

qbc:きっかけだったんですよね。コーヒーが気付かさせてくれた。

しんのき:こんなことしていいんだみたいな。今ちょうど、子育ての中であの段ボールで作った立体的なつけっ鼻をつけたような気持ちです。笑

qbc:あーなるほど。野菜ソムリエを活かしたいとかは、子供に対してもいいことをするってことになるから、それで許されたんですかね。
でもコーヒーは子供飲めないし、むしろやめたほうがいいみたいなことを言っていたのに、飲み始めたらおいしくて、転げるようにネルドリップ沼にハマっていくという。

しんのき:まだまだ出られませんね。

qbc:ブログの写真見た時、本当にザ・ママ料理研究家って印象だったんですよね。やわらかい感じだけど、すごいびしびし指導してきそうなイメージ。
3人のお子さんの子育て中で、今ほんと忙しいですよね。

しんのき:朝起きる、保育園の準備をする、小学生を送る、保育園に行く、帰ってきてお昼ご飯までに2,3時間しかないんですよね。末っ子を子育て支援センターに連れてく、そしたらご飯を食べる、昼寝をしたと思ったら小学生が帰ってくる、勉強一緒に見る、遊びに行くのを見る、散らかった部屋を片付けたら、保育園に迎えに行って、帰ってきて、晩ご飯食べて、風呂入れて一日が終わりですよね。

qbc:いやー大変。

しんのき:なので金曜の夜はBABAR婆(バババー)に行かせてもらいたいっていう。
※「BABAR婆」は中野美紀子さんのオンラインサロンで行われているバーチャルバーです!

qbc:なるほど。今日はこれからですか?
※インタビューは金曜日でした!

しんのき:そうですね。最近の私の楽しみが土曜日の朝の寝不足っていうか。深夜1時ぐらいまでやってるんですが、いつも12時とかそれくらいに入って来てくれる方がいるんですけど、その方が入ってきたら「はぁ金曜、いい金曜日だったな」と思って寝るっていう。
いい話をして遊んでくれるんですよね。美紀子さんの村の仲間たちが、私の遊びを応援してくれるんですよ。

qbc:ほんとに中野さんのサロンは結束硬いですね。
最後に、言い残してしまった、これを言わなきゃいけなかった、みたいなことがあればいただきます。

しんのき:言い残しですか?

qbc:あ、なければないでも大丈夫ですよ。

しんのき:笑(沈黙)

qbc:ある?

しんのき:今、言い残していること...浮かばないです。

qbc:なんだ。笑。それなら大丈夫です。

しんのき:何にもいいもの浮かびませんでした。

qbc:締めの一言っていう訳じゃないので大丈夫ですよ! では、ありがとうございました、楽しかったです。

しんのき:こちらこそ。ありがとうございました。ものすごく久しぶりに自分の人生を振り返りました。

qbc:笑。中々振り返る機会ないですからね。ではバーを楽しんで、皆さまによろしくお伝えください。

しんのき:はい。また遊びたくなったらいつでも来てください。

qbc:笑。ではありがとうございました。宜しくお願いします。

しんのき:ありがとうございました。

▷アウトロ

私ほんとにネルドリップ飲んだことない? て思って記憶を探ったら飲んでましたわ。
確かに口当たりのまろやかさがぜんぜん違ったって記憶が。

吉祥寺の武蔵野珈琲。

それから、しんのきさんが紅茶の表面が店内の照明を受けてきらきらすることを表現しようとした、てとことを編集している時には、スペイン語には海の表面が太陽の光を受けてきらきらする言葉があるんだよな、って思いだしました。まあいろいろやんな。
世の中のありとあらゆるものに名前がついているわけではなく、その名前のついていないものを誰かに伝えるには、既存の表現を編集して伝えなくてはならないわけですが、その過程のもがきを私たちは不思議ちゃんと言ってやりすごしてるだけなのかもしれませんね。

というところで子育て問題。子育てに正解はない、ということに気づくのにすごく時間がかかるみたいで、こういうのはもうほんと大変ですね。
なんか大げさですが、正解がある=真理があるというキリスト教的ギリギリ感の支配によるものなんですかね。神様が作ったこの世界が不完全であるはずがない、だからなんでも数式で、公理で世界は表現されるんだという宗教的情熱によって起きた科学の精神はほんとにものすっごい発見をしてばっかりで現代文明を作り上げた原動力ではありますが、結局その考え方に支配されてしまうと、まだ分かってないものもコントロールしようとしてしまって、で結局分かってないからコントロールが失敗して、支配を試みたものは落胆、失望、自己嫌悪に陥ると。このあとお母さんたちのインタビューが続くのですが、多くの方が「子育ての正解」について考えたことがあるようですし、それから面白いのは、アジアに行った方は、日本ではないアジアで「正解がないことを当たり前に思っている社会に生きる人たち」を目の当たりにして、そもそも「正解」というものの概念自体に疑いを持つようです。
で、海外から、「正解はなくていいんだよ」と言う。戦前戦後以降でしょうか。このようにふつうに海外に行った人たちが戻ってきて(現代ではネットで海外にいつつ)本邦の問題点を指摘するのは。留学してきて国直すって言ったらもう遣唐使ですよね?

それからインタビュータイトルですが、なんかいろいろありまくったので、「人」にしました。迷ったあげく、人にしました。人だというのは最初から分かっていたことですが、人は人だし、人に間違いないし、やっぱり、人、なんだなと。
しんのきさんのインタビューは、2カ月ぶりに読み返して分かったことですが、けっこうメルクマールになっていて、その人というものに接近することに関する知見がたくさんふくまれていました。
まあこれも正解ではないですがね。

マガジンで過去インタビューも読めますよ!


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