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夢だけを見て夢を全部誰かが叶えてくれるような社会だったら僕は夢しか見ない人

いやあ、60分一本勝負の無名人インタビュー。ですが。
喋る人は60分でたくさん喋れるんです。
本日の無名人インタビューもよろしくお願いいたします。
【まえがき:qbc・栗林康弘(無名人インタビュー主催)】

今回ご参加いただいたのは 濱野柊介 さんです!


現在:今は、あ、俺、宇宙人かもなと思います、普通に。

qbc:現在、何をしているんですか?

濱野:具体的な活動というと、勉強しか言えませんが、自分と向き合っているなと感じています。

qbc:自己探求しているんですね。

濱野:そうですね。人との会話の中でも、自分自身を理解し始め、新しい一歩を踏み出すという状態です。実際の仕事は一時的に全てやめています。

qbc:夜のお仕事をやっていた期間はどれくらいですか?

濱野:ホストクラブは1ヶ月だけど、キャッチは4日、サパーは2日、ボーイは約3ヶ月ぐらいです。自分でいうのも何ですが、割と頭が良くて、他の人の経験から学ぶことが難しいんです。自分自身で経験しないと学べないタイプなので、それが愚かなところで、自分で考えることが得意です。仕事で何をすべきか、論理的に考えて理解することができるので、それぞれの仕事は比較的短い期間でした。

qbc:なるほど、短期間で様々な夜のお仕事を経験されたんですね。その経験はどうでしたか?

濱野:確かに、夜のお仕事には様々なタイプがあります。例えば、ホストクラブは上から下への搾取が行われる場所です。ホストクラブ自体がホストからお金を搾取し、そのホストが客からお金を搾取する仕組みです。上から下への階層的な搾取が行われているんですね。

一方で、風俗産業は違います。そこではオーナーはほとんど利益を得られません。例えば、歌舞伎町で店舗を借りるのにお金がかかりますし、女の子にもお金を支払わなければならないため、実際にオーナーはほとんど収益を得られないのです。そのため、「風俗」の仕事は想像よりも悲惨ではありません。むしろ、ホストクラブとは異なり、女の子たちがオーナーに対して搾取されることはほとんどありません。

逆にキャバクラは違います。キャバクラは利益を上げることを前提にしているので、搾取が不可避になります。

「ガールズバー」と呼ばれる場所は、高額なシャンパンを客に入れるのではなく、日常的な会話を楽しむ場所です。昼の喫茶店でオーナーと常連客が楽しむような雰囲気が、ここでも提供されるのです。お金を払うことで、夜に特別なサービスを受けることができるのです。

そして、サパーは夜のお仕事を経験した人々を案内する場所です。アフターバーとしても知られており、笑い声で盛り上げる一方で、普段話すことのない悩みや心の内を引き出してホストやキャバ嬢に伝え、次の接客に生かす手助けをします。

この夜の世界は人と向き合う時間が多い反面、苦しむ人々も多くいます。サパーは特に、人々の悩みを背負う場所であり、お酒の量が尋常ではないため、精神的に苦しむ人々も少なくありません。

qbc:夜職で働いていたときの気分というか、気持ちの面ってどんな感じでしたかね?

濱野:僕は当時お金が欲しかったです。夜を制することができれば昼を制することができると考えたので。
昼に稼いで、余ったお金が夜に流れると考えたので。だったら夜職をして夜の人と繋がれば、夜の店に行くようなお金も繋がれるから、そこで人脈形成して、昼になんか殴り込んでやろうっていう気持ちでした。

qbc:はいはいはいはい。

濱野:ただそれをするには、僕自身がちょっと人間的に人と向き合うさじ加減ができない人間だったなって。

人と向き合う量って人それぞれ決めると思ってて。この人とこれぐらい向き合おうってその人に入れ込むの、家族じゃなかったら100%向き合う必要なんてないと思うんですよ。
でも僕はこの中でできる限りその人の人生に責任を持ちたいと思って関わってたから、その人の苦しみをそのまま背負うことになってしまって。100%とは言わないですけど、70パーぐらい、でも他の人が30パー背負うところを、70パー不幸を背負うことになって苦しくなっちゃって、鬱が始まるみたいな。

qbc:はいはい。

濱野:でも、ガルバ以外の夜職が長続きしなかった理由は、自分が人の不幸背負い込んじゃった分、きつかったからなんですね。
ガルバは、あれは昼職の人を接客するんですよ。僕は四谷でやってたので、ビジネスマンしか来なかったんですね。

qbc:浅草のガールズバーはヤクザが来るって言ってましたからね。

濱野:マジすか。浅草、ヤクザ来るんだ。

qbc:場所で全然違うって言ってましたよ。

濱野:やっぱり特性はありますよね、やっぱり場所の。

qbc:とはいえ、やってない夜職もあると思うんですけど、これからやってみたい夜職ってありますか?

濱野:女性用風俗とスカウトはまだ興味があります。やってないので。

qbc:スカウトって、どういう?

濱野:女の子に話しかけて、女の子に、この店どう?って。この店に入らない?たとえば、AV女優やらない?とか。

ただ、これからもう昼で活躍していくルートができてきたので。
友達と一緒にある事業を始めようとしてて、それでもし自分が有名になったときに、過去にこういうことやってましたっていうのが流されたら、僕はいいけどその友達に不幸が、火の粉が降りかかるのは良くないなと思って。
友達から、どうですか?どういう職業ですか?ってのを聞いて、経験してないからわかってあげられないけど、それぐらいのさじ加減でもいいのかなって。何か経験しないとその人の心がわからないから、その人の身になるためにも経験しないとって思ってたんですけど。諦めるのも必要だなって、人生。諦観も。

qbc:自分と向き合っているっていうのは、何か具体的にこういうことしてるんですよってありますか?

濱野:生きる中で、常に失敗に対して、自分はなぜ失敗したのか、今後どのように改善すればいいのか、また誰に迷惑をかけて、誰に感謝するすべき、感謝しなければならないのかってのを明確にさせて、その人たちに謝って、どういうところ悪かった俺はこういうところ悪かったと思う。ここも嫌だった、そうなんだってじゃあ何で?っていうのを、作業を繰り返してたんです。
だから、自分との対話を通して感じたものを人にも伝えて、人から伝えられたものをさらに自分に吸収して、っていう作業の繰り返しです。

qbc:伝えるっていうのは、具体的に直接言うっていうことですか?

濱野:あ、もう言います。具体的にこれこれが悪かった、何が悪かったかなって言います。それで縁が切れようと、切れなかろうと、絶対に言います。
ごめんねって、ありがとうって、その上でどう思った?って。

qbc:今、仕事に就いてないですよね。どういう繋がりの人に言うんですか?

濱野:それこそサパーやってた時にも、もちろんキャッチやってたときの人にも、職場辞めるときにも、ごめんなさい、もうできないですって。
で、そっからも僕は関係性が基本続くので。辞めた職場の人に聞いて、ここが悪いんじゃない?とか。絶縁したいって言われたときも、ごめんなさいって。僕がそこまでの人間じゃなかったんですよね、僕これが悪かったから絶縁されると思います、その中でもしこれがあったら続いてたなって思うことあった?って聞いて。何かそうやって、自分の周りの人間をとにかく大切にして生きてますね。

qbc:あーなるほど。夜職を辞めた後に自分と向き合ってたんじゃなくて、夜職やってるときから、もう自分と向き合ってるってことですね?

濱野:はい、ずっと向き合い続けてきてますね、人生。

qbc:なるほど。ありがとうございます。私の勘違いでした。
ちなみに何歳ぐらいの頃から自分と向き合うようになりました?

濱野:人間、人格を変えないとって思ったのは、12歳ですね。何か内気な子供で、人に何か話すこともできなくて。盛り上げるとかができなかったので、なんか俺もさんまさんとか島田紳助さんみたいな人になりたい、じゃあ自分のどこが悪いんだろうっていうふうに考え始めてから、それがきっかけです。友達が欲しいって。孤独がきつかったので。

趣味・性格:苛烈

qbc:今の趣味ってなんですか?

濱野:趣味は、散歩と映画鑑賞と読書と漫画と。あと、カメラですね。

qbc:なるほど。散歩って、どのぐらい散歩されます?

濱野:一日15キロとかですかね。多かったら40キロとか。

qbc:毎日です?

濱野:毎日です。

qbc:どこら辺からなんですか?

濱野:四谷から東京駅こえて田町まで歩いて往復してみたりとか。僕、四谷に住んでるんですけど、四谷って山手線の中心にあるので、山手線で行きたい駅、歩いてみたい景色があれば、そこら辺周辺ガーッて歩いて散歩する感じです。

qbc:あぁ、なるほど。なんかこの辺いいなって思うところってありました?

濱野:それぞれにいい土地があるんですけど、東京のいいところは、これはニューヨークにも言えると思うんですけど、なんかみんなやっぱ疲れるからか、ちゃんと大きい公園が点々と所在するというところにいいなと思います。

qbc:なるほど。

濱野:緑があるっていう。それも小さな緑じゃなくて、気休め程度の木がポンポンある感じじゃなくて、大きい緑がバーっとある。代々木公園であったり新宿御苑であったりっていうのがあるっていうのは、素敵なことだなって。
ちょっと遠くまで行けば多摩とかあって、河川敷があってっていうのが素敵だなって。

qbc:多摩は歩いていったんですか?

濱野:ごめんなさい、多摩はもちろん電車で行きました。バーベキューやろうって。申し訳ないです。

qbc:いやいや、全然。散歩好きの方なので、歩いたりする可能性もあるなと思って。

濱野:そうですね。ちなみに吉祥寺までは歩いたことあります、四谷から。
いや、もっと先かな。四谷から三鷹を越えたあたりまで歩いたことあります。

qbc:そうすると20キロぐらいになるのかな?

濱野:なりますね。ははははは。

qbc:それはどういう時間帯?

濱野:夕方ぐらいから。
僕は鬱で仕事しなくなったりとかもあって、お金がなくなったときもあるんで、電車代がないと。電車代ないからもう歩くしかない。でも見たい、でも友達と会いたい。あ、もう歩くしかないやって思って30キロ歩くみたいな。

qbc:なるほどねぇ。あとそうですね、最近気になった作品は?読書でも映画でも良いんですけど。

濱野:宮崎駿の「君たちはどう生きるか」はすごく良かったです。

qbc:あ、よかったです?

濱野:よかったです、よかったです。

qbc:ネタばれもあることなんで、ざっくり、どう良かったみたいな感想を言うとすると?

濱野:キャスティングが。内容は正直もうどうでもいい、面白いかって言われたら、正直大して面白くない作品だなと思ってて、他の宮崎駿の作品に比べると。ただ、キャスティングから現れる彼の意図しているものがすごく良くて。

最初彼の映画を見たときに、『君たちはどう生きるか』って題名で、なんかナメてんなと。映画をつくる宮崎駿が、俺たちはどう生きたって映画ならいいけど、「君たちはどう生きるか」って何様だよお前、鬱陶しいなと思って見始めたんですよ。でもところが見てみると、映画の中にたくさんオマージュした部分もちりばめられてて。

宮崎駿の生涯を見る人に伝えてくれてると。宮崎駿はこうやって生きたんだ、じゃあ俺たちはこう生きたいなって思わせてくれるっていう点で、すごいメッセージ性の強い映画だなって。
あ、メッセージっていう傲慢なものではなく、見た人にエネルギーをぶつけてエネルギーを吐き出す、そういう強さがあるすごくいい作品だったなって。

qbc:性格はどんな性格?周りの人から何て言われます?

濱野:周りの人からは過激だって言われます。

qbc:過激。

濱野:苛烈。

qbc:苛烈。それは行動?性格?言動?

濱野:行動がですね。
例えば突然スキンヘッドにしてみたり。例えばストーリーに120個ぐらい連投して、過激なメッセージ書きまくったり。例えば社会人は馬鹿だみたいな。自分がやりたいことを決めて、やりたいように歩まないのかみたいな。だから躁状態。

僕、躁鬱っていう精神疾患で、躁の時か鬱の時かで、統合失調症に見えたりそういうのがあるんですけど。精神疾患ほぼオールコンプリートしてて。
だから落ち着いてないとき、病気になっちゃってるときは異常な人に見えるんですけど。

qbc:病名は、いつ頃診断されました?

濱野:診断されたのは、2019年の11月14日に彼女と喧嘩したあと、彼女が警察を呼んで、精神病棟に無理やり運ばれて、7ヶ月入院して、そっからが精神病の診断の始まりですね。

qbc:振り返ってみて、精神病の傾向ってありましたか?

濱野:強くあります。夏ぐらいになるとテンションあがって。大体高3からかな。でも鬱だけで言うと、中三あたりから鬱はあったなって。勉強できない、学校行きたくない、家でずっと寝ときたい、ゲームはできるみたいな。高校も中退してて。

qbc:自分では、性格をどう思います?

濱野:落ち着いてて穏やかだなって。人が大好きで、落ち着いてて、寂しがり屋だなって思います。

qbc:それを端的に表すエピソードとかってあります?

濱野:子供のときから人と遊ぶというより、本を読んで過ごす時間が長かったです。

qbc:子供のとき、この本好きだったなみたいなのってあります?

濱野:ズッコケ3人組とか。あとファンタジー小説が好きでした、ミヒャエルエンデとかの。

qbc:ハリーポッターとかではなく?

濱野:ハリーポッターとか代表的なやつは、僕、結構色眼鏡っていうか、メジャーどころが嫌いなところがあって。みんながあんまり読まないとか、逆にみんな知ってるけどみんな逆に手を出さないところに手を出したいみたいなのとかが好きでした。ズッコケ3人組とか、はてしない物語とか、みんな知ってるけどみんなは読まないじゃないですか。ただハリーポッターとか、みんな逆に挑戦したがるから、そこは嫌だと。なんかひねくれてるんですね。

qbc:身近な人、家族、恋人、親友とか、本当プライベートに近い人たちは性格について何て言いますか?

濱野:家族は、寂しがり屋だよねって。
恋人とかも、寂しがり屋だよねって言いますね。
あと、友達とかも、一応親友に関しては、僕、シュウって言われるんですけど、柊介だから。シュウは宇宙人だよねって。なんか地球人からしたら異物にしか見えないって。

qbc:宇宙人だよねって言われて、自分自身ではどう思ってるんですか?

濱野:言われて、当時は何をもってして言われているのか分からなかったし、意図してることが読めなかったのですが、今は、あ、俺、宇宙人かもなと思います、普通に。何か思考形態が人と違う。
何かその、何事をやるにしても何かをやるんですよ。理由が必要、意味が必要。服を着るにしても、ただ着るんじゃなく、ブランド理念だったり。食べるにしても、なぜこれを食べるのかみたいな、そういうところにどうしてもしつこくやってしまう性質があって。
もちろんその生理的欲求を満たさなければならないレベルにハードな状態のときは何も考えないですけど、余裕がちょっとでも生まれたら、常に意味を考えてしまう性質があって、そこはちょっと変わってるのかなって。

qbc:ちなみに、その意味を考えるエピソードで言うと、直近だと何を考えました?

濱野:僕は普段、味が好きでマルボロのアイスブラストを吸ってたんですけど。マルボロのアイスブラストの理念って、冒険とか男の力強さとかだったりするんですね。
ただ僕、ちょっと今は躁鬱がだんだん落ち着いてきて、ピアニッシモというJTが買い取ったブランドがあるんですけど、アメリカの。ピアニッシモって、音符で静かとか落ち着きとかを意味するんですよ。で、ピアニッシモって女性が吸うようなブランドで、女性のような賢さを手に入れたいし、落ち着いてたいし、周りから苛烈でない人に見られたい。じゃあピアニッシモ吸いたいなっていう風にピアニッシモ吸うようになりました。

qbc:初めて聞きました、味以外で選ぶんですね。
ストーリーっていうか、ブランドメッセージを記憶するっていうのは、タバコ以外にも覚えてるんですか?

濱野:タバコ以外だったら、例えばThe North Faceだと冒険とかあって、ディオールとかだと勇敢とか。それぞれのブランドごとにメッセージがあるんですけど。
キリスト教の十字架で言えば、キリストの背負った罪、キリストが人々の罪を背負ってくれて、そこでクロムハーツが、みたいな。なんだろう、それぞれの物事を関連させて覚えてます。
源泉を覚えていて、源泉から派生してこのブランドできてるから、源泉がわかればこのブランドにはきっとこういう意味があるな、みたいに予想して。
で、予想と違うと、このブランドを考えた人は何かを思って作ったはずだ、みたいな。
そういうことを面白いと思って、そのブランド買ったり。

過去:そこに理由がなかったんですよ。僕、理由が大事なんで。とにかく考えてしかものをやらなかったし、勉強もやらなくていいと思ってました

qbc:子供の頃のお話を伺いしたいんですが、どんな子供でいらっしゃいました?

濱野:今お母さんがいるんで、お母さんが多分喋った方がいいかなと思うんすけど、どうですか?僕が喋った方がいいですか?

qbc:いや、基本とちょっとずれちゃうので。

濱野:僕、子供の時は、んー、えーっと、子供の時のどういう話をする方が面白いですかね?

qbc:これを聞くのは、現在と過去が同じ地続きなのか、それとも何かしら変化が起きたのかっていうのを聞きたくて。

濱野:子供のときは、とにかく周りに興味がなくて、周りを馬鹿にしてました。周りの人間を全員自分より下だって見下してたし、自分ができることを周りができないことに苛立ちを隠せなかったんすね。

qbc:それは何歳ぐらいの記憶ですか?

濱野:4歳ぐらいとか、6歳かな。4歳ぐらいから何かちゃんとした自我が芽生えはじめて、6歳ぐらいになって小学校入ったときには、もう全ての物事には正解があると思い込んでたので。

qbc:なるほど。揉めたりしませんでした?見下してしまうと。

濱野:完全に見下してたので、揉めることすらなかったです。何か言ってんなって。馬鹿だなこいつって。
今は、この世界にもし1つ答えがあるとすれば、カオスと無限が延々と続く物事しかないってことだけで。正解はなくて、それぞれに正解があっていいと。
悩み苦しみ、正解を探すその過程こそが美しいと思うようになったんですけど、当時は何者にも絶対的な答えがあると思ってました。

qbc:どんな遊びしてました?

濱野:1人で頭の中に物語作って遊んでましたね。誰かになりきったりとか。
自分を主人公に置いて、漫画のキャラクターを脇役において、ドラゴンボールの孫悟空と戦ってボコボコにしてるみたいなストーリーを自分の頭に繰り広げて、親が電話とかしてる中、リビングで1人で暴れてる。で、親に見られたら、見ないでみたいな。

qbc:物語は、孫悟空とクリリンが戦ってるとかじゃなくて?

濱野:各漫画の最強キャラだけが登場するんです。孫悟空、ナルト、ブリーチの一護とか登場して、たくさん登場して、全員戦いやるんすけど、結局、悟空がカメハメハで地球一発で壊せるから、一護よりも強いしみたいな。
結局、悟空は第何宇宙の人だけど、俺は神だからみたいに思って、悟空本気出せばクビ一発よとか。今やるなら、ビルマ登場させてビルス登場させてとかするんすけど、そいつらはもう俺からしたらもう、俺が手をこうするだけで一瞬で消えるわみたいな。そんな感じですかね。

でも今だったらもっと、正直少年ジャンプは先の展開が全部読めるんで、なんかどっちかっていうと、なんかビックコミックとかの3丁目の夕日みたいな、ああいうのどかな風景の中に、自分が人々にどう影響を与えるかな、じゃあ日常の中に人々の幸せをどう描くかなみたいな。そこに登場させるっていうか、自分が作家として誰と誰の関係性の中に、これを読んだ人が、自分が大切な人が読んだら、その人の心にどういう心理的変化を起こして、福音になるような小説にできるかなみたいな方が、面白い。

qbc:さっき12歳で内気になるのをやめようと思ったっておっしゃってたんですけども、何かきっかけがあったんでしょうか?

濱野:友だちが全員、俺の作った人格にだけ興味があるなって思ったんすよ。
内面に興味があるのではなく、俺の取り繕った俺にしか興味ないな、皆、って思って。そいつらが好きそうな自分をその人ごとに演じて、で運動会になると人が集まって、親に友達がたくさんいるねって言われるけど、誰も俺を見てないと思ってるから。
人間って、全員孤独だって。孤独でしかないというふうに思い始めて。

誰か1人でいいから心の繋ぎが強い人が欲しいと思い始めて、人格をまず変えないとって。このままじゃ駄目だって。人格を変えた末に、それをまず好きになってもらって。分人じゃないですけど、その人ごとに見せる面が違って、人格を変えるごとに自分という本来の自分もちょっとずつ変わっていくはずだと思って、いろんな人と関わっていろんな人のいいところを吸収して学んでいこうみたいな感じになりましたね。
孤独っていう絶望感に打ちひしがれたことがきっかけです。

qbc:なるほど。孤独って、どんな気持ちでした?

濱野:死んでるな、死と変わらないなって。周りが真っ暗闇で自分だけが生きてるなら、何もないのと一緒だから、死んでるのと生きてることの違いがわかんねぇって。

qbc:なるほど。このときって、どんな環境? というか。
12歳で生きてるのと死んでるのと変わらないなって感じるのは、考え方として結構成熟してるなと思ったんですね。それは何かの影響でしょうかね?

濱野:MONSTERって浦沢直樹の漫画を結構読んでたんですよね。
MONSTERって作品は、人を助けようとした1人の天才外科医と、人を闇に陥れようとするヨハンという登場人物によって成り立つんですけど、人を闇に陥れるような人物を救ってしまったがゆえに、苦悩する主人公を描いてて。そういうのを見る中で、俺ってどうなんだろうって考えさせられるようになり、日々。
自分が孤独だったのは、人と会話してても心の繋がりを感じないところから生まれたんだと、何かを読んだからっていうより、人とコミュニケーションをとっても誰もわかってくれないし。
親は、お母さんは、なんか自分よりIQが低かったし、お父さんはアスペルガーで、まぁ会話が成り立つ家庭ではなかったので。なんか、うーんっていうのがありますね。
14歳あたりで、完全に理路整然と、自分の中で、こういうところが自分が人に好かれない理由だみたいなのを頭の中に思い浮かべていて。

qbc:中学校は、この時は行かれてたんですか?

濱野:行きました行きました。青雲中学っていう、長崎の一番偏差値の高いようなところに行ってました。

qbc:どうでした?中学校時代。

濱野:きつかったっすね。何か軍隊みたいな学校で。それこそ海軍とか、陸軍とかの、陸自海自の元先生を学校に招聘して、寮監やらせたりするような学校だったので。言うことは絶対みたいな。そこに理由がなかったんですよ。
僕、理由が大事なんで。とにかく考えてしかものをやらなかったし、勉強もやらなくていいと思ってました、自分が頭いいと思ってたんで。実際、模試の成績は何回か一ケタ台でしたし。定期の成績は最下位近かったんですけど。なんで、いいやって。俺、宿題も一回も出さなかったし、授業も聞かなかったし、適当にやってました。
ただそこにいる人にも、医者の養成学校だったので、何か医者にしかなる気がない人たちと関わってるの苦痛でした。頭はいいけど、未来が狭いから話が盛り上がらないんですよ。教養が狭いんですよね。勉強のことしか話さない人たち。

qbc:寮生活だったんですか?

濱野:寮と通学生とあるんですけど、寮の人の方がカーストが高かったです、僕の世代は。

qbc:濱野さんは通学生?

濱野:通学生でした。はい。

qbc:ありがとうございます。ここで鬱になる?鬱の傾向が見える?

濱野:始まりました。はい。

qbc:きっかけは分かります?

濱野:誰も理解者がいないことですね。はけ口がなかった。やっぱり、多分ある程度の年になったらみんな考えるから、こういう話をちょっと大学生とかだったらみんなでして盛り上がるじゃないですか。僕、俺も実はあって。それを中学生が1人で背負い込むのはちょっと体が追いついてないのか。肉体が脳を動かす、心を動かすと僕は思ってるので、肉体が追いついてなかったかなっていう。
だからそれで、お風呂の浴槽の縁に首を当て続けて、自傷行為って知らなかったけど自傷行為のようなものをしてみたりだとか当時ありましたし。自死願望みたいなものはその時からありましたね。死にたいなみたいな。

qbc:うん、うん。高校生は?

濱野:だんだん何か高校も普通にさぼるようになって、しょうもないと思って。あと授業全く聞かなかったので、数学って算数と違って考えても答えが出ないじゃないですか。で、英語は文法を理解してないんで得点取れないし、っていうのがあって。
あ、僕、帰国子女なんすよ。だから英語は何か、リーディングはできたけど、リスニングもできたけど、単語覚えてないから、もうリーディングもできないようになっちゃっても模試の成績もだんだん落ちてきて、現代文以外。

で、プライドが保てなくなってきて、俺は勉強ができる以外のプライドの拠り所がなかったので、当時。で、学校にも行かなくなって、何かあるとき友達に映画見に行こうって誘われて。さぼれない、俺さぼったことないから、お前さぼり続けてるから、なんか俺を連れてってくれよってなんか言われて、学校さぼったんですね。で、それ見つかって、学校さぼったの俺がそそのかしたみたいな話にされて、俺、友だちってやっぱしょうもないなって。やっぱ人と関わるのって意味ねえなって、なおさら思って。高校中退したんすよ。

なんすけど、そっから通信に通い始めたんですけど、通信の高校は僕はワルばっかだと思ってたんすよ。そしたら、現実は何か頭がかなり弱い、なんか学校の勉強についていけないか、コミュニケーション能力の低い人たちばっかりだったんで、なおさらきつくなって。
そこも通えなくなって、そこで高1の秋まで我慢すれば、高2から他の人と、浪人生と混じって予備校に行けるよみたいな話を聞いたんですね。
で、予備校行ってみたんですけど、自分が思うより予備校も先生のレベルが低いと。僕は予備校って、小学校のときは進学塾通ってたんで、レベルの高い教師を想像してたら、レベルが低くて。
で、なんか、わーって愚痴を言うんすけど、愚痴を言う相手もいい高校出てるわけじゃないから、話がかみ合わなくて。そこもきつくなって辞めて、家でひたすらゲームしてるみたいな感じでした。

だから、ずーっと長い鬱でした。
本当にきつかったですね。で、高3になって、長崎県では一番有名な北九州予備校っていう大手の予備校に通い始めて、わー、いい先生がいる、楽しい、みたいな。

qbc:はいはい。

濱野:でも予備校の秋ぐらいになって、また鬱が来て、僕、春から夏まではテンションが高いんですけど、秋から落ちるんですね。で、こいつらも結局、俺の作った人格に興味があるだけだった、みたいな。つまんねぇこいつらと思って、全員切って。で、結局1人になると孤独だから、やる気も起きないしみたいな。

で、大学受験も途中で、12月ぐらいになって、本来何か受験勉強みんな本腰入れるタイミングで、ネットのスカイプちゃんねるっていう掲示板で出会ったキャバ嬢と最初付き合うことになり、初めて女の人と付き合うことになって。
で、そっから受験期まで、親に勉強合宿行ってくるとか言って、そのキャバ嬢が東京に住んでたんですけど、東京行きのチケットは向こうに出してもらって行ってみたいな。

で、ひたすら遊び暮らしてて。1月ぐらいに第1志望の慶応の法学部は落ちて。で、上智の経済に受かると。でも受験勉強初めて1ヶ月ぐらいで、もう合格判定出てたんで、もう受かるとは思ってたんで、過去問とかずに。
でもコンプレックスもすごくて。えー上智なんだ、東大じゃないのに慶応でもないの、みたいなのがあって。もうコンプレックスの塊で、人は信頼できないし、お金はどんどん遣ってキャバ嬢にもらってくることを覚えちゃったから、普通のバイトはもうできないし、みたいな。
キャバ嬢からは飲み会には行くなとかめちゃくちゃ抑制されて、20キロ太ったら100万やるとか言われて、実際に20キロ太ったりとか。

で、そこで苦しみながらキャバ像とようやく別れられて、ちょっとずつ痩せてきたタイミングで、あ、大学に入って飲みサーに入ったんですよ、飲みサーほとんど行けなかったんけどね。大学2年に東大の飲みサーに入れてもらって、縁があって。
で、なんかそっから人生また楽しくなりました。いろんな人が、俺の外側じゃなくて俺の中身を見てくれるみたいな。優しいよねとか、ちょっとした気遣いとかにちゃんと向こうも気づいてくれる。お水がなったなくなったときに水を入れてると、向こうもちゃんと水を入れて返してくれるとか。それをお互いに見てるよとか言うんじゃなくて、お互いに行動で返し合うのが当たり前の世界に入って、人の心の痛みに気づける人たちと関わるようになって、そっからそういう広がりがどんどんできてきて。
でも、酒飲み過ぎで、本格的な躁鬱を発症してしまい、精神病棟に7ヶ月入れられみたいな。

qbc:はいはいはい。

濱野:そこで当時の人たちは全員俺のこと嫌いだったんだとか思い始めて、全員切るんですけど。で、東京にまた出るまで、長崎で長い時間療養してて、で、大学4年の6月にまた出てきて、躁になったので夜職始めて。で、また辞めて、ってのがあった感じですかね。

qbc:じゃあ、7ヶ月の入院というのは長崎に一旦帰った?

濱野あ、東京の吉祥寺病院に4ヶ月、福岡の福大病院に3ヶ月でした

qbc:で、また大学復学して通ってですね?

濱野:あ、大学も通えませんでした。結局、鬱状態がひどくて。

qbc:あ、卒業しなかった?

濱野:まだ在学中です。

qbc:あ、大学生なの?

濱野:大学生です。とはいえ休学中なのでThe大学生かっていうと。まぁ、勉強はしてますけど。

qbc:籍はあるってことですね?

濱野:籍はあるってだけです。授業出てるとか単位取るっているよりかは、教授に個人的に会いに行ったり、神父様に会いに行ったりとか。
何かの宗教を僕は信じてるっていうわけじゃなくて、ただ、大いなるものがあるなってのはわかったので、何となく。仏教だろうとイスラム教だろうとキリスト教だろうと、全部信じてるし全部信じてないみたいな。
自然だろうと海だろうと山だろうと、科学ベースで考えたときに事実のものは事実だとして、現在解明できない素粒子レベルまでいって分析できたら、人って未来が全部予測できるっていう話があるんですけど、素粒子のあの動きはずっと一定ではない、だとしたら俺らの意思が介在するのも当然だし答えがないのも当然じゃない?って。だったら俺らの意思ってそこにあるよね、っていうことで。

米沢藩を立て直した上杉鷹山さんっていう人がいるんですけど、その人の「為せば成る為さねば成らぬ何事も成らぬは人の為さぬなりけり」っていう言葉があるんですけど、そこに意思、良さ、正義があれば道は開ける、その人個人個人の正義があって、考えることがあって、思うことがあれば、きっと道は開ける。逆にそう思うことが良さなんじゃないかって思うようになりましたね。

未来:現実を見ないと夢をかなえられないから、現実を見てるだけで。夢だけを見て、夢を全部誰かが叶えてくれるような社会だったら、僕は夢しか見ないです。

qbc:5年10年、30年40年、最後死ぬっていうところをちょっとイメージしていただいて、未来って、今どういうふうにイメージされてますかね?

濱野:未来ですね。未来かぁ。やりたい職業が多すぎて、全部かなえようと思ってるんですけど。
例えば、まずは脚本家になりたいな。
次、映画監督やりたい。
次、歌手やりたい、作曲家やりたい、プロデューサーやりたい、写真家やりたいとか。
もうばーっとあるんですけど、全部やろうと思って。
全部やって、どれか一つ当たれば、全部やれるじゃないですか。残りのやつ、その知名度とか、その人気でやれるようになるじゃないすか。
もしくはバイトしながら、自分の仲間内でそれを披露しあってもいいなと思ってて。別にそんな大きくなりたい、大きくなったんだったらなったでいいし、ならなかったらならなかったでいいし。
ただ、死ぬとき、大事な人がちゃんと横で自分を笑顔で見送ってくれるような死に方がしたい。泣かれたくないなって。だから志村けんみたいな、あんなに大人数に大切に思われるかわからないけど、一人、自分を大切に思ってる人が自分が死ぬときに、自分の横で笑ってくれて、あなた馬鹿だったねって言ってくれるような生き方をしたいなと思ってます。

qbc:なんかやりたい職業に共通項ってあります?

濱野:芸術、人の心の隙間を埋められることですね。
誰しも心に隙間はあると思ってて、その隙間を短期間でもいいし、たった瞬間見てる間の、写真であればたったの5秒、目を一瞬でも引き付けたり、例えば彫刻であれば手を引き付けられたり、相手の頭の一瞬を奪いたいなっていう。
考えることから逃げさせる一秒を作り出したいと思ってます。

qbc:なるほど。いつ頃からそう感じるようになりました?

濱野:それはもう、今回、精神病棟に本当は入らないといけないレベルにひどかったんですけど、躁鬱が。キャッチをやった頃。
ただ、その後で自分が、自分にとって人生の大きな学びを経験したことで、あぁしんどいときにしんどいって周りの人に言えなくても、自分が生み出した物によって、寄り添ってもらってるって気持ちになれたら、それは幸せなことだなと思うようになりました。
それがきっかけですね。自分がしんどかったからっていう、自分本位の経験です。

qbc:未来に、場所として、どこにいたいとかってあります?

濱野:大きな、でっかい無人島かをみんなで金出して買って、そこでみんなで暮らしたいです。

qbc:みんなというのは、この場合は誰ですか?

濱野:自分が心の絆を感じてる友人たちと。

qbc:あらためて、自分はどんな人間だなと思います?

濱野:考える人だなって。

qbc:なるほど。もしもの未来の質問というのをしてるんですよ。
自分の何がうまくいけば、自分はもっと今の状態じゃない、脚本書いたりとかそういう芸術活動をしている状態になれていたと思います?

濱野:不満は、まぁ人生に無いっすね。
もしもっていうか、もしもは自分で作り出すもので、そのために努力するもので、なのでもしもって言ったら逃げ、逃げじゃないけど何かそれを立てて行動すればいいんすけど、行動しないやつは何してんのって俺は思っちゃうんで。
俺は実際もう自分で140字小説書いてストーリーに上げてるし、やることやって、自分は友達とこうやってやろう、じゃあそのために何していくべきかってやってるんで。
だからもしもって無いです。もしもがあるなら、自分が関わってきた人々が全て悲しまずにいられたら、ぐらいなもんすね。

qbc:なるほど。なんかこう精神的に…

濱野:あ!もしもあります、もしもあります。ありました。運動神経めっちゃ良かったらよかったっす。

qbc:あー、なるほど、はいはい。

濱野:それぐらいっすね。

qbc:運動神経はそんなに良くない?

濱野:まあ、普通よりちょっといいかなぐらいで。メッシとかみたいなあの身体能力とかバランス感覚とかあったらなみたいな。
分析官にしかなれない。分析官には、努力と時間があればなれるのかもな、みたいなのありますけど、なんか。ぐらいですかね。
なんか人々のパラメータって全員100だと思ってて。これはガールズバーで教わったんですけど、上司に。何かが秀でてると、何か欠けてることと同等なので、いいとこだけを見つめるってことは、その人の苦しみをから目を背けるってことで。それって傲慢だなって思っちゃうから、したくないです。

qbc:またもしもの質問なんですけど、もしも感情が混乱して、自分が満たされない、その不満が爆発するっていうことが起きるとしたら、それはどんなきっかけで起きると思います。

濱野:自分以外の人が全員死んだらですかね。地球上にいる自分以外の人が全員死んだら。

qbc:何か質問として難しいんだけど、それ、なんでそうなるんですかね?周りの人がいなくなると。

濱野:本当にもう仮になんですけど、もし仮に。
全員が一度は考えたことあると思うんですよ、自分だけがもしかしたら主人公で、全員が全員主人公で、その他の人が全員NPCだった場合、ゲームの終了のときに、死んだ後突然、席がポトンと落とされて、その席に座らされて、「どうでしたか?人生」って聞かれたら、僕は絶望すると。
俺が真剣に生きたこの現実が、ただの娯楽でしかない人々によって描かれたものだったんだ、ザ・トゥルーマンショーだったんだなって思った瞬間が絶望の瞬間ですね。

qbc:うんうん。

濱野:でもその瞬間、俺は喜ぶと思います。
というのは、個々人にそれぞれの物語があって、パラレルワールドのようにあって、みんながみんな自分にとって幸せな現在を絶対生きたという確証が得られるみたいな。だって主人公になったってことは、きっとその人に何かご褒美がないとおかしいから。だから、絶望を感じると同時に、めちゃくちゃ幸せな気持ちになって満たされると思います。
だから混乱ですよね。混乱の絶頂。だから絶望と嬉しさで、もう意味わかんないことになって泣いちゃうと思う、その瞬間は、涙が止まらないみたいな。

qbc:ストーリーへのこだわりがあるなと、お話お伺いして思っていたんですけど。
これは、どうしてこだわりがあるかって、ご自身で説明ができますかね?

濱野:自分自身が、物語がないと動かないからです。何かやれって言われてもやらないし、こういう利益があるよって言われても動かない。
ただそこに、これにはこういう歴史があってこういうふうになって、俺らはもう一度偉大になる。やっぱり人が動くのって物語でしかないなって思ってて、僕自身がそうだから人に当てはめてるわけではなくて、歴史を見ても、歴史的に大きな事件の裏側には大きな物語が存在したなって。その人たちの心の隙間を埋める物語があったなと思ってて。
だからこそ、やっぱり人の心の隙間を誰かが悪用しないように、小さいことから物語を埋めれるようにって思って。その上で、自分が物語を悪用しないように善き人であり続けたいという願いを感じてますね、日々。

qbc:それが明確になった時期って、いつだったんすかね?

濱野:最近ですね。もちろん最初の躁鬱のときに、人々の心を動かすのは物語だって気づいたんで、めちゃくちゃヒトラーの当時の音声とか映像とかを漁って。断言した方が人の心を動かしやすいとか、人を動かすには声を低くとか。
馬鹿女を。ごめんなさい、馬鹿女ってのはそういう意味じゃなくて、簡単に人の心に寄り添ってあげられるような女の子には声を高く話した方がいいなとか。逆に、やっぱり人との壁が厚い人に対しては低い声でガツンと言った方がいいとか、勉強しましたけど。

それを悪用しようとしてたんすよ。でも、そうじゃなくて。
みんなを幸せにっていうのは、出会いがあって。躁鬱の、1回目の躁鬱が終わって、鬱になって家に帰ってきたときに、スカイプちゃんねるという掲示板でまた出会ったんですけど、その人がずっと僕に影響を与え続けてくれてるんですけども、今は縁を切られたんですけどね。
なんか、こうしたらあんまりよくないんじゃないとか、こういう人は嫌いとか言ってくれる、あるお姉さんがいて、その人から文学とかの良さを教わりました。会った時期としては2020年の11月とかなんですけど、それからその人との関わり合いが始まって、僕が友達がいない時期をずっと支えてもらったんですけど、その人に、人の優しさとか、温かみとか、ただ寄り添ってくれるとか、何もできない人に対する施しの大事さとかを教わって、人の心を何か本当の意味で授けてもらったなって。そっからが僕の新しい人生の始まりだなって思いますね。

qbc:今直近ですぐにこれをやりたいっていう、心の隙間を埋める活動は?

濱野:今やってるのは、恋愛系ですけど、140字小説書いてて。140字小説が、自分の彼女、なんか彼女って言っていいんかちょっと曖昧な関係の人がいるんすけど、でもちゃんと大事に扱ってるんです。その人にとって、読んでて楽しいみたいな作品であることが、僕にとっての嬉しさだったりします。

qbc:なるほど。どれぐらいの頻度で書いてるんですか?

濱野:毎日書いてました、当時は。今はちょっと躁鬱がちょっと収まって、体力落ちたんで書けてないんですけど。当時は、毎日書いて、毎日今日どう?みたいな感じを渡してましたね。
なんかイメージとしては、カツセマサヒコさんが昔やってことをやりたいなみたいな。140字小説で、エモいっていう言葉をあんなに広げたのってカツセマサヒコさんだと思ってて。カツセマサヒコさんとかこんびにこさんが写真とかで表現してきたっていう歴史があって、で、だんだん下火になってきたけど、だからこその良さがあると思ってて。
なんでもかんでもみんながエモいって表現する時代が終わって、じゃあその中で終わったと思った土壌にちょっと花を咲かせるって楽しそうだなみたいな。みんなが当時エモイっていってた頃は俺も嫌気がさしてたけど、今でこそなんかみんなもう目を向けなくなったから、ひねくれてる俺からしたら楽しいなって、思ってます。

qbc:なるほど。自分はリアリストだと思いますか?それともロマンチストだと思いますか?

濱野:ロマンチストだと思います。

qbc:結構、現実主義的なところもあるかなって。

濱野:現実を見ないと夢をかなえられないから、現実を見てるだけで。夢だけを見て、夢を全部誰かが叶えてくれるような社会だったら、僕は夢しか見ないです。

qbc:濱野さんは、どうして今の濱野さんになったんですかね?

濱野:人との出会いだと思います。

qbc:それは誰ですかね?3人挙げろと言われたら?

濱野:3人挙げろと言われたら、躁鬱状態から帰ってきて、誰もいなくなって焦土になった人間関係に花を咲かせてくれたお姉さんと。
あと、カイっていう上智大学の飲みサーに新しく入ってきた後輩の男の子と。
あと、今の、彼女とも言えない関係性の中で、自責思考について深く教えてくれた恋人だったりしますね。

qbc:最後に言い残したことは、ありますか?

濱野:願ったことはきっと叶うと思います。
なんか僕は、自分自身、物理的な豊かさではなくて心の豊かさが欲しいとずっと願い続けてきた人生だったんで。ようやくまあ、10年経って、今、心の豊かさが叶ったなって思ってて。今僕の周りにはちゃんと人がいますし、僕に何かあった時にちゃんと…。なんか…泣けてくるな…。
なんか向き合ってくれる人が欲しいと思ってきて。で、向き合ってくれるようになったんですけど、それと同じで、物理的な豊かさも手に入れたいと思ってるんですよ。他の人を幸せにするために。
だから、職業が無くて困ってる人に、一緒になんかやろうぜって。狩ろうとするんじゃなくて、一緒にそいつの持ってるものを活かすみたいなことをやりたいんですけど。それはこれからだなって思ってて。そういうことも出来るようになりたいって今は思ってて、こっから10年間かけてまた願いをかなえていくんだろうなって思ってるんですけど。
まぁ願って向き合い続ければ、きついけど必ず叶うんだろうなって。そう思いますね。

qbc:ありがとうございます。

あとがき

おののけおののけ、お馬が通る、ってな。ほんとさ、年齢と能力って関係ないんですよね。
やってるやつはやってるし。やってないやつはやってない。
そしてできるやつを叩く社会だと、できるやつは潜ってしまってあんまり表に出なくなる。
こっそり活躍してしまう。
微温的悪意、微弱な悪意がこの国を亡ぼす。若い人に未来を。

【インタビュー・編集・あとがき:qbc】

【文字起こし・編集:mii】

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