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一人の人に12時間インタビューし続けて分かったこと

あれは2022年の9月24日のこと。
私は思いつきから24時間インタビューを始めた。19時から始めた。
インタビューは、StandFMで生配信する。企画の意図は、その放送欄に書いた。

24時間無名人インタビューは、「人に24時間インタビューをし続けるとどうなるのか」という素朴な疑問を無暗な行動力で実践した実験的インタビューエンターテイメント企画です。>体力の限界があり、12時間インタビューになりました!

この説明だけではちょっと言葉が足りない。
私は通常、1時間の無名人インタビューというものを行っている。かれこれ300人以上にインタビューしてきた。インタビュアーは私一人ではなく、私がトレーニングしたインタビュアーが10人くらいいる。インタビューを組織的に行って日々研鑽している(研鑽!)。

その過程の中で「1時間じゃインタビュー時間たりなくないですか? 人間ってそんな1時間ていどで分かるものじゃないですよね?」という疑問(というか提案)が浮かびあがった。

確かに。確かに短いかも。
でもだらだら続けてもな。
でも確、かめてみたいな。
と思って! 思った! 思ったんです!
ということで24時間インタビューを開始させました。
募集したところ、比較的すぐ応募がありまして。

ちなみに募集記事はこちら。

応募いただいたのはこちらの方です。

双方の体調や日程など調整して、応募から約一か月後に24時間インタビューを開始した所存。

今回のこの記事は、その12時間インタビューの報告です。
企画時に24時間でしたが、体力の限界を感じて、休憩を挟んでの12時間インタビューに変更した所存。
刮目せよ!


9/24 19:04~ 001:いつもの無名人インタビュー

インタビューメモを公開します。通常の無名人インタビューを60分行いました。上の録音は、通常の無名人インタビューがどのように行われているかの参考にもなります!!

◆現在
・大学4年。22歳。
・地理学、電車が好き、観光列車
・旅行:新しい場所が好き
・47都道府県制覇(3分の2)
・広く浅く:料理リュージ、
・旅:そこにしかない料理と、人
・話しかけられることが多い
・周りから言われる性格:好奇心旺盛、すなお、ひとあたりもいい。
・自分で思う性格:二面性があって。人と会う時の顔と、一人の顔が違う。暗い。
・身近な人から言われる性格:消えそう。失踪しそう。気がついいたら連絡がとれない。
・自分が好きか嫌いか:基本的には好き。
・好きな食べ物は?:辛いもの、濃い味付けのもの。あまから、ソース。
 ・ゆーりんちー、ラーメン、ぎょうざ
 ・ラーメン:1とんこつ、2みそ、3家系
・四国旅行:愛媛、香川。直島、しまなみ海岸サイクリング。
・プレ卒業旅行。
・実家は福岡。
過去
・子供:外遊びが好き、2歳下の弟がいて。虫をめっちゃ捕まえて。ドッジボール、鬼ごっこも好き。内気、人見知り。
 ・虫、捕まえて飼う。殿様バッタ。
・小学校:3回くらい引っ越し。小2くらいまでは怒られ気味。
 ・小2:福岡>大分県。人見知りで大人しかった。が、なじんできて、3学期ではっちゃけた。
 ・4年くらいから大人しく。男の子っぽいのが「女の子」になった。
・中学校:中学デビュー。
 ・中1:大人しかった自分を変えたい。生徒会に立候補。楽しい。合唱部。
 ・中2:福岡。方言の違いとか、文化の違いに戸惑って。月に2回くらい休み。吹奏楽部
 ・中3:先生と部活の友達が集まってくれて、楽しい。成績が良くて楽しかった。
・高校:進学校。勉強ができると過信していた。
 ・下から数えて3位。挫折。辞めた。
 ・定時制高校に再入学。4年。
 ・楽しかった。
 ・昼コース。校則もない。
 ・バドミントン部、アルバイト、学校。
 ・親ともめた。就職か進学か。
・大学:神奈川。
 ・楽しかった。
 ・2年:コロナ。
・電車をいつから好きになった?
 ・母方の祖父が国鉄で働いていて、父が新幹線の運転士になりたかった、母親も電車好き。
 ・外観、デザインが好き。相模鉄道が好き・そうてつ。
未来
・電車の運転士になりたい。新幹線の運転士になりたい。
 ・ダメなら指導員になりたい。定年まで働きたい。
・旅行はいつから好きになった?
 ・3-4ヶ月に1回くらいの頻度。
 ・1年の時に韓国行く予定が、ダメになった。
 ・現地で見たい電車がある。
・どんなときの自分は好き?
 ・好きなことをしている時の自分
 ・自分が主導権を握っている時の自分が好き。
 ・ここ1年くらいで。自己分析。
・進学校に行くことで、良い人生が歩めると思った。
・見るのが好き
・一人でいることが好き。
・家族関係:あんまり仲良くない。兄弟は仲いい。
終了

インタビューを要約すると、
現在:大学4年生。電車が好き。二面性のある性格。
過去:高校中退、落ち込む。親と揉める。定時制高校再入学。明るくなっていく。大学楽しい。
未来:「自分が主導権を握っている時の自分が好き」。就職鉄道会社。新幹線の運転士になりたい。

インタビューした感じは、ちょっと変わった感じのする大学生。電車が印象的でした。
が、ここでけっこう重要なことをインタビュー参加者は言わなかったんですよね。これは24時間あるからという本人の気持ちがあったからかもしれないし、私の質問感度が低かったからかもしれません(アーメン私のインタビューセンス)。
一つは恋愛に関して。もう一つは家族に関してです。家族仲が悪いとは言っていますが、家族というくくりだけの話では終わらない内容ですた。
とまれ、次の回へ。

9/24 20:13~ 002:お友達の満腹小僧さん登場

今回、24時間インタビューするにあたって、休憩時間を設けるために、友達を代理で用意して、友達にインタビューしてる間は本人はお休みしていいよ、という仕掛けを用意しました。
この「お友達インタビュー」が実はめちゃくちゃ良かったです。
通常の無名人インタビューは1対1で、1,参加者のセルフ目線と、2,インタビュアー目線という目線ですが、これが「お友達インタビュー」になると、3,お友達からの目線、というのが増えるわけです。
「1,参加者のセルフ目線」というのはあくまで自己評価なわけで、例えば「私って暗いです」とインタビュアーが言っていたとしても、「3,お友達からの目線」で「〇〇ちゃん明るくてめちゃ天使」って言ったとすれば、現実的なふるまいとしては、おそらく「明るくてめちゃ天使」が正なんだと思います。

ここで私なりの感覚で、言葉通りに受け取るとちょっと誤解されそうですが。
私自身はあんまり人の言ってることを信用していないです。
個人を信じていないというより、人間の意識を信用していないです。
人間って結局、お腹が空いている時は怒りやすいし、恋人がいる時は欲しくないと思ったりもするが、いる時はいないとダメだなって思ったりするし、天気の悪い日はたいてい気分も下がり気味になる。
で、こういった環境に左右されまくる人間の心、人間の発言をどこまで信用していいかっていうと、信用してないです。
あるのは事実だけ。だから、友達から見えている自分というのが、社会的な意味での本当の自分なんでしょうね。
って、でも、だからといって自分の話す言葉が無意味ってわけではないです。むしろ、その現実に左右されまくり、現実とは違う場合さえある自分自身の言葉というのは、それこそ自分自身です。
他人から「明るい」といくら言われようが、自分が「暗い」と思えば暗いんです。それでいい。それがあなたの物語だから。あなたの価値観、世界観、人生だから。自分の価値観で他人を測るな、というのはそういう意味で私は言っています。
でも、その自分の物語と、現実、さらにいうなら他人の物語とは違うものだ、という前提は理解しておかないといけない。
で、さらにさらに言えば、無名人インタビューは、その人それぞれの、現実とは違っているかもしれないという個人の物語を聞く場所です。聞く営みというか。ドキュメンタリーで演劇で文学で小説です。

9/24 21:10~ 003:高校退学

私、だいぶ鼻声ですね。体調良くなかったんだな。。
1で通常無名人インタビュー、2でお友達登場ということで、3はその振り返りという感じから入りました。
お友達が途中で入ったこともあり、時間的なこともあり、リラックスした雰囲気で話していますね。
深夜に3時間インタビューラジオとかいいのかもしれないなあ。
内容的には、高校辛かった話です。

9/24 22:22~ 004:定時制高校へ

定時制高校に行ったと。
あ、インタビューの信仰ですが、高校退学のあたりから時系列で現在にどんどん近づいていってます。
高校を退学し、定時制高校に再入学するという展開。気持ちは辛いって感じです。
学校で、スクールソーシャルワーカーさんに家族について相談するんですが、ここで登場する方がナイスなパフォーマンスしてくれて、参加者さんの人生を具体的に解決してくれたそうです。大事ですね、相談すること。機能する役所というか。

9/24 23:10~ 005:宗教3世です

私が相当疲弊してるね!!
「宗教みたいだけど、悩みは言葉にすると解消する! しかし問題は解決していないのでまた悩む! 問題は行動でしか解決しない」ということを冒頭で力説してますね。
22:10くらいから宗教3世だということを告白してますね。
話してくれるまでに5時間を要した!

9/25 0:10~ 006:宗教3世のお悩み

冒頭、宗教のことを話せて良かった、と。
「話すことで消化したい」
という理由でこの24時間インタビューも受けてくれたみたいです。
めちゃくちゃタイミング良かったんですね。

9/25 1:05~ 007:お友達の川辺さん

深夜にめちゃ明るいお友達に出ていただきました。
大学時代のご友人ということで、現在の参加者さんのことがよくわかりました。
お友達インタビューはやっぱり良いですね。お友達もなんか不思議明るい感じで、参加者さんの性格がまた見えてきた感じでした。
と、ここで予定通りならばこのままインタビューは続くはずだったのですが、私の体力の限界があり、24時間インタビューを12時間に変更。さらに今日のインタビューはここで終了、という形をとらせていただきました。
眠いっていうよりも、やはり人の話をここまで聞き続けるってのは思った以上に体力を削られるものなんだなと思った次第。

9/25 9:00~ 008:大学生のころから

明けて朝9時からのインタビューです。
気持ちがさわやかになったところで、大学時代の話ですね。
宗教の家から離れ、一人暮らしでの大学生活を始めた参加者さん。
大学のテーマは、「3恋愛、2きらきらした良好な友人関係、1都会の女」でした。
聞いている感覚としてはですね、うきうき女子大生って感じです。

9/25 10:17~ 009:ダメ彼氏?

なぜかめちゃめちゃ恋愛の話になり、マッチングアプリについて雑談したり。私が使っていたモテるプロフィールのキーワードの話もしています。
恋愛の話でめちゃくちゃ楽しそう。

9/25 11:27~ 010:良い彼氏できた

東大ダメ彼氏と付き合う。別れる。
で、学内の人と仲良くなって付き合う。
出会いと別れを繰り返し、自分に合った人を見つけるというストーリー。
やっぱり失敗しないと成功しないなあ。

9/25 12:05~ 011:宗教3世

大学に入り、宗教家族の親元から離れて暮らして約3年。4年生になるかならないかのところで、実家に帰ってご両親とお話されたそうです。
きっかけとしては、恋人と付き合うことで精神的な安定もあったそうです。あと、就活向けの自己分析。小さいころから自分を見直していくうちに、家族関係が大きかったことに気づき、で、で、ご両親と話にいこうと。
泣きながら話したそうです。
でも、ちょっと意外というか、そういうものなんだなと思ったのは、ご両親の考え方が、ちょっと優しくなっていた、厳しくし過ぎていたと反省して変わっていたということですね。
離れて暮らすことは大切だなと思いました。

9/25 13:10~ 012:最後に言い残したことは?

新たなインタビューではなく、全体の振り返り、しめくくり。
泣かずに話せたのが自分の中ではびっくり、みたいな感じでした。
12時間話続けてきた結果、相手のことが60分の時よりもすごく理解できた、その人のことが分かったって感じになったかというと、むしろそうではなくて。
むしろ、見えにくくなったまであるかも。
そもそも、毎日一緒に暮らしてる家族でさえ、その人のことは分からないし。
そもそも、人間について「分かる」と思っちゃうこと自体がNGで、常に変わり続ける人間という生き物を、常に集中力、緊張を持って受け止めなければいけないなと。
人間は、常に流動的で、同じ人間は、同じ人間なんて、時間軸の中に一瞬たりとも存在し得ないんだと。同じ人間だと思ってるものがそこにいるだけ。
自分自身の中でさえ、自分が理解できているわけではないし。
そして、12時間あっても時間は足りない。
だって、聞くことなんて山積みになってるんだから。
人間は、永遠に話し続けるって!!!

最終回だけ文字起こししました!

まとめ

24時間インタビューでの収穫ポイントとしては、
・44歳は24時間もインタビューの体力もたない。脳天に杭打たれた気分。
・「友達インタビュー」は有効。
・たくさん話しても、その人がめちゃ分かるってわけでもない。
 人間の認知の問題なんだと思うんだけど、そんなに情報量あっても処理しきれない、60分が適切。

来年も、たぶん、いや必ず? やります!!

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