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【企画インタビュー】1人の人に12時間インタビューした結果


12時間インタビューの集大成ぽい12時間目の配信について、文字起こしをしました。

以下、読むにあたっての予備知識、気づいた点です。
・2022/9/24に12時間インタビューを実施、その模様をstand.fmにて生配信しました。
・配信は、配信媒体が「連続120分までしか生配信できない」仕様上、1時間に1枠ずつ行いました。
・配信全体に関する記事はこちら。

この記事は、12回目の配信の文字起こしです。
・12回目を文字起こしした理由は、
 ・インタビューというよりかは12時間インタビューを振りかえる内容で、
 ・これを読むことが「人間を理解する」という行為の参考になるかと考えたため。
・ただしインタビュー記事の品質として見劣りする点があることも先に述べておきます。
 ・なれなれしい。12時間話した結果、インタビュアーが参加者になれなれしいです。「あなたの言っていることはわかりますよ」感があり、第三者が読むにはすこし精神的湿度が高く感じられる。
 ・単体では完結していない。当然だが、インタビュー参加者のプロフィールがないので、単にわかりづらい。
 ・読むにあたって、インタビュー参加者のプロフィールを簡単に紹介すると、宗教3世、大学4年生、女性。
 ・構成がない。特に段取りなし、台本なしのインタビューなので、読み手に分かりやすい構成が作られていません。風景を見て、読み手なりの視点で内容を解釈する必要が過度にあります。

と、いうことで、以上を黙認いただいた方は、ぜひぜひ、本文をご堪能くださいませ。

今回ご参加いただいたのは ゆうこ さんです!

1:顔合わせないほうがいい

qbc:最後ですね。いかがでした? ほぼほぼ終わった後の話になっていいと思っていて。
最後は、インタビュー終わったよ、みたいな感想を話していけたらと。どうでした?

ゆうこ:なんか私、こういう自分の話をするとき、絶対泣いちゃうんですよ。なんか勝手に涙が出て。

qbc:そうだね、泣くもんだね。わかります。

ゆうこ:年上の人とか怖くて、先生とかも怖くて。別に何でもないのに、話すだけで泣いちゃうとかも、子供のときに結構あったんですけど。
泣かずに言えた、喋れたっていう。私にとっては大きな進歩。

qbc:顔合わせてないからですかね。

ゆうこ:確かにそれはあるかもしれない。

qbc:話してるときの気持ちって、どうでした? 平常心?

ゆうこ:はい、穏やか。こういう事実があって、みたいに話して。

qbc:私も、父親が死んだ話は、2、3年できなかったな。人に話すとちょっと涙が出そうになる話だった。

ゆうこ:ラジオっていいですね。

qbc:顔合わせないほうがいいのかもね。
どうですか、受けてみての感覚感情は。

ゆうこ:結構感情が先行しがちなんですけど、今回のインタビューは、感情が先行して詰まっちゃうってこともなく、自分の中では結構話せて、人に。人にというか他人に。
他人に泣かずにこういうことを言えるようになった。
そうなったぐらいには、当時の自分はすごくつらかったけど、こういうことがあったな、ありましたっていう、過去は過去として、何か言えるようになっているんだなって、自分の中での成長を客観視できました。

qbc:普通に分析しながら話していらっしゃいましたよ。
感情が先行して泣いて話していた人には思えなかったですね。

ゆうこ:バリバリ泣き虫な、めっちゃ泣く人でした。

qbc:今回が前代未聞だったってこと?

ゆうこ:何か気づいたら前代未聞だ、みたいな。そういえばちゃんと泣かずに言えてるんじゃん自分で、すごくね、みたいな。

qbc:始まる前は、ボロボロ泣くかもしれないと思っていた?

ゆうこ:絶対泣くと思ってました、私。特に宗教とか親の流れは、絶対泣くだろうなって思って。

qbc:全然そんなことなかったよね。何でですかね?

ゆうこ:始めは、顔出しすると思ってたんで。顔出しがなく、あと自分の部屋で一番自分が安心する場所でゆっくりリラックスして話せているのが、大きいです。

qbc:私はずっと顔出さないでインタビューやってるんだけど、顔出しちゃったら、駄目じゃない? 見られてるって意識って結構強くない?
表情を作らなきゃいけないし、変な顔できないじゃん。考えてるときの顔ってそんなに見せにくいし。
今、すっきりした? どういう感覚ですか?

ゆうこ:マイナスかプラスかって言ったらプラスで。なんかすっきりっていうよりも、なんか消化しきれてないものが、黒かったものが、今はグレーぐらいに変わってる状態で。白に近づくのがいいみたいな。
白が完全に消化し切れたっていう状態だとしたら、また今はグレーの状態で。今回のインタビューを終えて、またグレーが薄まった。より白に近づいた、みたいな感じ。
1枚剥がしてもらった感もあります。

2:好きにしたら

qbc:今、自由になった感じですか?

ゆうこ:そうですね。何か我慢してた。これでも我慢しなくなった方っていうか。
友達からはもっと頼ってほしいとか言ってたんですけど、これでも成長した方なんです。

qbc:あとインタビューして感じたのは、真面目さですね。あと、制服がいいって言ってましたね。順序正しさ、秩序みたいなものが好きなのかなって。

ゆうこ:確かに。私は、私が真面目な性格もあって、それに従ってちゃんと仕事をしていればそれが仕事になるというのが、私はそれが苦ではないし。
なんか肩苦しいって思う人もいるかもしれないんですけど、私はその中に自由を見いだせるんですよ。

qbc:今でも一番になりたいって思う気持ちはありますか?

ゆうこ:ありますね。それが揺らぐと不安定になるっていうか。
今私のことを一番だよって言ってくれるのは今の恋人じゃないですか。だけど、それがいなくなったらどうしようって、めっちゃ不安になるときあります。

qbc:もっと高みを目指そうみたいな気持ちもあるんですかね?

ゆうこ:自分はもっと成長したい、向上したいです。

qbc:それはなぜ?

ゆうこ:年齢イコールレベルだと思ってて、ドラクエとかレベルが上がるゲームあるじゃないですか、経験値とかゲットして。
年齢もそれと同じで、このときに戻りたいとか思ったことは今まで一度もなくて、常に今がいいし、明日はもっと絶対良くなるし、来年の方がもっといい人に、もっとたくさんいろんな人に出会えてる自信があるし。
そこに自信めっちゃあって。なのでそのためにも、もっと言語化ができるようになったり、向上させていきたいなって思ってます。

qbc:人と一緒にいると疲れるって言っていましたが、今後は人前で無理しなくなりますかね?

ゆうこ:ちょっと悩んでいて。来年の4月からどうやって新しい人と接しようかなって。
例年通りいっちゃうと、いろんな人に愛想振りまいて疲れちゃうのがデフォルトなんです。
なので、でも自分から話しかけに行かないのは、自分がいろんな面白い人と出会うきっかけを失うことでもあるし。なかなか難しいな。どうしたらいいですかね?

qbc:好きにしたらっていう。人間関係って、今SNSでめちゃくちゃ増やせるようになったわけじゃない。家族や会社、友達以外にもいろんなところに居場所ができるようになって。
ただ、その会社でガンガン上を目指していくんだったら、全力で仲良くなっていくっていうのもいいと思うけど。
それで疲れるのはよくない? そこで生きたいんだったら。

ゆうこ:そうですね、なんか自分の将来のためになるなら、ガンガン媚売って生きていきたいですね。

qbc:いいんじゃないそれで。
不満のある仕事をしていたとしても、家帰ってきて好きなことがあったり、好きな人がいれば、それだけで十分人生幸せじゃん。一か所でもそういうところがあると気力体力回復するし。
今、ゆうこさんはパートナーさんとの関係がそんな感じになってると思うんで、多少無理してストレスかけてもいいじゃん、って気がするけどね。

ゆうこ:それって物理的な距離があっても?

qbc:物理的に離れることになるの?

ゆうこ:来年から遠距離になるんですよね。

qbc:どれぐらい離れるの?

ゆうこ:向こうは東京で、私は西日本のどこか。

qbc:厄介だね。まあ、最悪、彼氏のいる東京に行って働くってルートもあるかもね。

3:そうではない、わかってない、という感触

インタビュー、途中でお休みは入れたけど、12時間インタビューしてどうでした?
長時間話して、変わりました? 話しやすくなりました?

ゆうこ:はい、それはもう、最初の1時間目と比べたら。

qbc:疲れないの?

ゆうこ:12時間ならまだいけますね。

qbc:本当?

ゆうこ:はい。

qbc:私は、私自身の感想は、結局やっぱ人ってわかんないなっていう感じかな。
何かあったときに、ゆうこさんはどういう行動をとりますかっていうことに関して、その回答はできるようになってると思うね。
何かあったときに右に行く人ですよ、こういうときなら左だと思う、みたいなことには回答できると思う。
正答率は6割ぐらい、7割ぐらいになるかもしれない。
でもそれって、その人がわかったことになるの? っていう。そうでもないし。それは例えば長く暮らした家族に対してもそう思うし。
人間を「わかる」って思っちゃいけないものかもしれないな。

何かね、もっとはっきり見えるものがあると思ったんですよ。ここまで話せば。
でも実は、60分だけ話したときよりも、わかんなくなってんのね。

わかりづらくなってる。ゆうこさんはこんな人だなみたいな雰囲気はわかるんだけど。

わかんなくなったわ。出来事の羅列を聞いて、このときにこう考えてたんだよ、こう感じたんですよって、そういう説明をできるようにはなってるのね、ある程度。
宗教3世の人で、親に自分の気持ちを打ち明けて、親からも気持ちを打ち明けた人がいるんですよ。それは、アルバイトとか恋愛とか、そういう人生経験が、細かいトライアンドエラーを繰り返した結果、気持ちを打ち明けることに挑戦する力を養ったっぽいんですよ。
すごいですよね。
自分の中だけに閉じこもらなかったっていうところと、高校のソーシャルワーカーさん、定時制の先生たちの影響が大きかったんだろうなと思うんだけど。

みたいなことは、答えられるんだけど。じゃあそれって、その人がわかったことになるの? って。いやそれは、そうではない、わかってない、という感触なんだよね。
っていうふうに、12時間話して、思ったことですね。

ゆうこ:でも1つ、今もそうだし、人って何か、昨日qbcさんが、人間はもう既にこの人ではないみたいな、なんか人間は常に変わっていくから、この人が本当にその人なのかわからないっていう話をされていたじゃないですか。
常に流動的に変わっていってるのではないかって。

qbc:変わってる変わってる。そういうふうに感じてて。
インタビューがドキュメンタリーっていうのは、要するに、デッサンみたいに、すごい何本も線を書いて「っぽさ」を浮かびあがらせるしかないというか。
だってこの瞬間この瞬間で、変わっていってるんだからさ。
人間は、その人は、そういう手法じゃないと表現できないと思ってるのね。

でも一方で、明確に1本の線で引かれた絵もあるじゃない。これだ、みたいな。それはキャラクターであって。人間はそういうのじゃなくて、残像でしか表現できないというか。
でも、12時間以上話せばそうじゃなくなるのかなみたいなことも思い描いたんですけども、余計にわかりづらくなってしまったみたいな。

そもそもわからないものが、よりわからなくなってしまった、みたいな。
60分のドキュメンタリーという形であれば強かったイメージが、12時間話してしまうと、もうどこを切り取っていいかわからなくなってしまう。
ゆうこさんは、今の彼氏のことを、わかってると思います?

ゆうこ:いや、でもまだ知らない部分あるし。今後も彼は絶対に変化するだろうし。だから何か今、私のことが一番って言ってくれてるけど、でも今後出会っていく出来事とか人によっては変わってしまうことは。しょうがないのかなと。
一番って言ってくれるのは嬉しいんですけど、でも、いつかそうではないときも来るって、覚悟をちょっとしてる。

4:最後の質問

qbc:12時間お話して、最後に言い残したことってあります?
12時間話したけど、話す内容は、実はまだあったなとは思いますね。やっぱり聞き切れないなーみたいな。永遠に聞き続けるしかないんだろうなって。聞いても相手のことはわかるわけではないんだけれども、でも聞こうとする姿勢が失われてしまったら、もう永遠に相手のことはわからない、みたいな。

ゆうこ:18時間ぐらいでちょうどいいですかね。私もちょっと足りない。

qbc:だから普段やっている60分のインタビューは正しかったんだなって思った。
あと、シンプルにお友達から見た視点のインタビューは面白かった。

ゆうこ:私もそれは、すごい呼んでよかったなって思いました。

qbc:ね、すごいびっくりした。本当良い。良い。
言い残したことを。

ゆうこ:言い残したことを。

qbc:いやもう全て言い残してしまったみたいになるな。そのときその場でその人に話を聞くっていうのは、生きてる醍醐味みたいなところある気がするね。

ゆうこ:言い残したこと、ないですね。
高校3年生のときのことは、話すことがもっとあったんですけど、でも自分でもびっくりするぐらい忘れてます。忘れてました。
何かがあったのは覚えてるんですけど、思い出せなかったです。

qbc:親と何かあった?

ゆうこ:親ともそうだし。スクールカウンセラーの先生との過程がめっちゃ重要なのに、4年たったら、少なくとも2年前までははっきり言えてたんですよ、こういうことだったって。
だけど、もう忘れてますね。
自分の中では重要なことじゃなくなってるっていうことに、驚きました。びっくりするぐらい思い出せなくて。

qbc:それは、もしかしたら5年後にやったら違うかもしれないし。
この12時間で、何か変わったことあります?

ゆうこ:なんか私も何か変わるかなって思ったんですけど、変わらなかった。
多分ちょっと何か変わるかなって期待してしまったが故かもしれない。

qbc:明確に大きい変化が起きたってわけじゃなかったよね。友達インタビューは良かった。それは間違いなく新鮮な感じだった。
全然違うんだね、自分で思ってること、友達から見て思ってもらってることって。
60分インタビューを友達に読んでもらって、一緒に感想をもらうみたいなことも、もしかしたら新しい発見があるかもしれない。
ただ、宗教3世としてどういうふうに考えて行動したかっていうのは、非常に参考になる人がいらっしゃるんじゃないかなとは思いました。

ゆうこ:私、終わって時間がたってからじわじわとくるタイプなので。

qbc:そういう意味では疲れてない?

ゆうこ:今感じてないですけど、自分では意識していないけど、心は絶対疲れる。

qbc:私は昨日の深夜、インタビュー直後にすぐ眠れなかったですよ。

ゆうこ:疲れすぎてってことですか?

qbc:精神が張りつめてて眠れなかった。
最後の質問の回答は、以上で大丈夫ですかね?

ゆうこ:はい。

qbc:じゃあ本当、12時間インタビュー、初めての試みに協力いただいて、いろんなお話をお聞かせいただいて、ありがとうございました。楽しかったです。

ゆうこ:qbcさんも、本当にありがとうございました。

あとがき

12時間インタビューをやってよかったか?
よかった。
またやりますか?
やる。いつかやる。

今回の大きな発見=収穫をまとめよう。
12時間話したって人はわからない。むしろわかりにくくなったまである。
「友達インタビュー」はすごい! ぜひまたやる、やろう。
レギュラーの無名人インタビューはいい!
 ・構成がある。あんまり考えなくても流れができてく。
 ・インタビュアーと参加者の親近感が、近すぎず遠すぎずほど良い。
 ・高い集中力が維持できる。

みなさま、お付き合いいただきまして、誠にありがとうございます。

インタビュー担当:qbc

編集協力:生きにくい釘

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