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【御蔵島】人口300人の世界を知る【前編】

御蔵島(みくらじま)って知っていましたか?

私qbcは知りませんでした。
wikiによれば。

御蔵島は、伊豆諸島に属する日本の島。伊豆七島の一島。行政区画は東京都御蔵島村。
東京都心の南約190キロメートル、三宅島の南南東19キロメートルの太平洋上に位置する。島はほぼ円形をしており、面積20.55平方キロメートル、周囲16.4キロメートルで、中央に標高851メートルの御山を擁する。島全体が豊かな原生林で覆われているため、島としては珍しく水に恵まれている。

Wikipedia

とのこと。
この島について話を聞くことになったきっかけは、一人の「無名人インタビュー」参加者でした。

お名前は さく さん。
20代の、御蔵島出身の男性です。
インタビュー自体は、スッと円滑に進み、シュッて終わったんですが、彼が終了後に「島についてもっと話したいと思って」と言ったんです。
不思議と私も島について知りたいと思っていて、すぐに「そういうインタビューやりましょうか」と答えました。

その結果が、今からみなさんに読んでいただくインタビュー記事です。
人口300人の世界、全員顔見知り。島に学校が一つしかないから、高校に通いに島を出る。
東京に生まれて東京に育った私にとっては、まったく未知の世界の物語。
シンプルに「知りたい」と思いました。「全員顔見知り」の世界を。
どうぞ、お楽しみください。(前後編です。後編はこちら

これが御蔵島だ!!

御蔵島:全員顔見知りの島

qbc:今、島とはどんな関係にある人なんでしょうか?

さく:生まれは島じゃないんですけど、6歳から中学卒業までの15歳を育ってて、それ以前の記憶があまりないんで、地元というか、何か故郷のような感じですかね。

qbc:御蔵島は、どんな島なんですか?

さく:利便性とか、住みやすいかって言われたらそんなことはないんですけど。
ただ、歩いててすれちがったら挨拶してくれるとか、人口が300人だから、なんか全員知り合いっていうところで、村の温かさというか。そういうところでは暮らしやすいような。
島にはあるものが東京にはないし、島にないものが東京にはあるって感じですかね。

島!
島の空!
島の猫!

qbc:温かさって、具体的にどんなことですか?

さく:例えば魚がたくさん釣れたらご近所なり親戚に分けるし、1匹大きい魚が釣れたらさばいてから切り身を分けたり、畑で収穫があればそれも分けるしみたいな。
小中学校があって登校するときに行ってらっしゃいってみんな言ってくれたり。今回僕が帰ったときは、家族じゃないけれどその島の方々がおかえりだの大きくなったねとか、そういうのを言ってくれるっていう、そういう温かさ。

qbc:島の人は、お互いにみんな知ってるんですか?

さく:そうですね、全員知ってます。
だから今東京に出ていって、島に帰ると誰々がもう亡くなったとか、この子は誰々のこれ、みたいなのとかよくありますね。

人口70万VS人口300人

qbc:今、ちなみにいま、さくさんはどちらに住まれてるんですか?

さく:今、東京都の江戸川区に暮らしてます。

qbc:東京と島、比較するとどうですか?

さく:もう6年近くこっちで暮らしてるから慣れちゃってるってのもあるんですけど。
島で暮らしてても、東京にはちょくちょく来てましたし。

東京への移動は船がメイン。特に冬場は、船が接岸できないこともある。
島にはヘリポートもあって、ヘリでも移動手段も。

qbc:江戸川区と御蔵島っていうのは違いがあるっていうのを前提とした質問なんですけど、違いは特に感じない?

さく:あるとは思うんですけど。何かちょっとアバウト過ぎて何が違ってちょっと。

qbc:江戸川区の人口は約70万人だね。東京都島、どっちが楽しいですか?

さく:何かを目指すなら圧倒的に都内とか内地にいる方がいいと思います。
ただ、ゆっくり暮らすとか、その地に根付くとかなら、圧倒的に島の方がいいんじゃないですか。

qbc:暮らすなら「島」、という魅力がわからなくてですね。

さく:満員電車が好きっていう人がいれば、内地で支障なく何もストレスもなく暮らせるんでしょうけど。
村の端から端まで15分あれば歩けちゃったり、ブラックな企業とか全くないので。
それで、例えば食費や水道光熱費はかかりますけど、遊ぶお金なんて島の人は大体釣りになっちゃうし。そういうところで魅力はたくさんあると思います。
伝わってますかね。

伝わってると思う!(オオミズナギドリという鳥です)

qbc:東京以外に住んだことがない人に伝えるとすると、どうでしょう?
私は生まれた時から東京都民で、ちょっと感覚がかけ離れすぎていて。
ナカザワさんは、新潟の結構田舎の出身でしたけど、さくさんの話す島の感じと自分の田舎は近いんですか?

ナカザワ:私の田舎は、圧倒的に御蔵島の方が近いですね。
今、合併しちゃっててもう住んでいたときの自治体はないんですけど、今3、4000くらいしかいなくて。

◆2022年10月現在のそれぞれの出身地の人口
・さくさん:東京都御蔵島村→295人
・qbc東京都小平市天神町→6,504人
・新潟県長岡市某町→4,563人
※ちなみに
・御蔵島村→前月から増減なし
・小平市→前月から368人増
・長岡市→前月から171人減

ナカザワ調べ

qbc:みんな顔見知りって世界は、住むには良いんですかね?

ナカザワ:人によると思いますけどね。
でもなんだろうな。きっと島だと、300人みんな知ってるんですよね。
さくさんは、江戸川区に300人知ってる人いないですよね?

さく:いないですね。
でも多分ここの溝を超えていかないと、島の生活の感覚を理解していただきにくいんですよね。

qbc:いやあ、今すぐ理解するために聞いてるのではないから全然大丈夫ですよ。自分の知らない世界があるっていうことを知っておくだけで十分ですよ。
で、どうしてその世界を理解できないのか? という疑問を抱えてさえいれば、運が良ければいつかそれを解くヒントに出会って、理解できるときが来るから。来ないかもしれないけど。

「全員顔見知りの島」を出る

さく:今は外に出たからこそ島が良いと思うんですけど。実際中学生まで島に暮らして、12から15の思春期の時期っていうのもあって、島がすごい嫌ではあったんですよね。

例えば僕は同級生がいなかったんで、自分が全部ネタになっちゃうわけですよ。それはそれで面白いんですけど、そういうところが当時は嫌だったり。自分の実家が店をやってるとかもあって、自分についての話がよく聞こえちゃうっていうのもあって。
今となってはもう全部いい思い出になっちゃうんですけど。
実際、島の人はみんながそれで楽しんでるし。

高校がないんで、みんな一緒に島を出るんですよ。で、島に帰ってきたときの楽しみって、島で今、何々があって誰々が何してるって話をみんなで共有することなんですよね。

なんだか味わい深い写真。

ナカザワ:東京の高校に入って、すぐに島も良いかもって思いましたか?

さく:島を出て一番最初って、友達がいないんじゃないですか。内地の人たちは、中学が一緒の人がいたりとかで、入学式してからすぐグループとか友達があるんですよね。
だから、急にアウェイな感じになって不安だって感じたときには、島の全員知り合いが良かったなって感じました。

qbc:島から江戸川区って、すぐに馴染めましたか? 馴染んだきっかけは?

さく:いや、時間だと思うんですよ。他の同世代の島から出た人たちとかの話を聞くと、やっぱそれぞれ内地の適応の仕方があって。その適応の仕方で、影響され方で目指すものが違ったりとか。
島を出た後、島に帰ってこない人とかもいて。連絡が取れない状態で。内地の人と結婚してそのまま内地に住んでとか。帰ってくるとかあるかも知れないですけど。
島の人間は、島に帰れば仕事がたくさんあるんですよ。だから、島を出てから島に帰ってくるときに、理想を求めてとか挑戦しに島に帰ってくるのは全然いいんですけど、内地で仕事がないからとかで帰ってくると、何かちょっと肩身が狭いというか。
こんな話はあまりしないんですけど、そういうイメージがあるみたい。この前1個上の人と話してて、そうなんだって感じて。

qbc:島は、メンタルの部分で、開放的なんですかね?
私の偏見で「田舎=保守的」というイメージなんですけれども。

さく:田舎にもいくつか種類があると思うんですけど、例えば僕の島は完全に観光業がメインになっちゃってて。ただ、住んでる人たちは300人で、信号機もコンビニもないよっていう島で。
で、その内地の田舎で観光地でもないような田舎もあるじゃないですか。多分、イメージがそっちな気がしてるんですよ。
御蔵島は、夏のシーズンになるとイルカと泳ぐために日本中から人が来るような場所で、外国人もいることもあるし。っていうので、比較的オープンだったりな感じです。

ヘリポートの写真ありました!
島の小中学校の屋上からの1枚だそうです。

イルカの島

qbc:年間何人ぐらい観光客ってくるんですか?

さく:調べたら出てくるとは思うんですけど、島民の数の半分くらいの観光客が来るんで。
他の宿はわかんないんですけど、僕の家が宿の営業してるんで、大体2泊3日で船に乗ってイルカを見て。イルカのシーズンが決まってるので、そこに集中してるって形ですかね。

qbc:観光客の方たちは、どんな人が多いですか?

さく:大学生とか遊びに来る人ではなく、イルカを撮りにきた写真家とか、何らかの活動をしている人とか。でもわかんないんですね、島の人がそういう人との関わりが多いだけで。

qbc:観光客の人とふれあうのは、どういう感じ、どういう気分なんですか?

さく:島の人、みんなお酒が好きなんで。一緒に飲んで観光客の話をアテにして焼酎飲んでたり。
店に、島の人が集まって飲むんですよ。大体、5時6時って。で、その日釣れた魚とか自分たちで作ったくさやとか持ち寄って食べるんですけど。そこに観光客が通ると、一緒にやってくか、みたいな感じで。10人くらいで。

お店の前に招き猫。

島アルコール&島フィッシュ

qbc:島って、焼酎文化なんですか?

さく:魚が釣れるんで合うのは日本酒なんですけど。日本酒は高いから、いつもは焼酎みたいな。あと、島それぞれの焼酎もあるんで。

qbc:お魚は何がとれます?

さく:ムロアジ、タカベ、カンパチ、ヒラマサ、イシダイ、アカハタ、キハダマグロ。

立派なカツオ!!!

qbc:キハダマグロも釣れるんですか。

さく:キハダマグロは桟橋から釣れるんですよ、難しくはあるんですけど。
あとカツオ、シイラ、ササヨ。ササヨ以外は、大体夏に釣れる赤身の魚ですね。
あとカジキマグロ。年に1回上がるかどうかなんですけど。
それから伊勢エビもとれます。イカも、ヤリイカ、コウイカ、アカイカとか。

写真見ただけで最高に楽しいしかなさそう。

⛩️⛩️⛩️ 祭 ⛩️⛩️⛩️

qbc:島の歴史ってわかりますか?

さく:いつから人が住み着いたとか全く分かんないですけど。ただ江戸時代に、八丈島を目指して島流しをするんだけど、その途中で御蔵島に漂流してっていう歴史があったことくらいしか。
でもなんか島の決まりとして、島流しで来た人とは交流を持っちゃいけないとかあったらしいとか。

ナカザワ:その他に、伝承とか昔話みたいなものってありますか?

さく:昔話でいくと、伊豆諸島の島々の神様が集合するときに、御蔵島の神様が一番せっかちなので早く集まるから、島の人もせっかちな人が多いとか。三宅島はのんびりしてるとか。
御蔵の人はせっかちだけどしっかりしてるから、それの褒美として水が綺麗になった、みたいな話とか。作り話なんでしょうけど。

ふさわしい写真が見つからなかったので猫ちゃん置いておきます。

qbc:島のお祭りってどんな感じでしょうか?

さく:年に一度、8月の第1日曜日に御蔵島例大祭があります。
夜店と盆踊りみたいな。屋台とかが神輿の前日2日間に行われて。で、神輿の前日の朝から山に行くんです。神様にまつる榊っていう種類の木を取りに、大体朝5時半ぐらいに集合していくんですけど。島の小・中学生とか、行けるよって人達が集まって。

わらわらと人が集まる。
神社!

山の奥に本殿がありまして、そこで榊を取って、12時に帰って普通に解散する人はして、島の若者とか準備をする人たちは神輿に榊を飾り付けたり、神輿を締める縄とか締め直したり、旗とかを立てたりして準備して。
その日の夜からみんな飲みだして。朝、神社の神主さんのところに集合して。本殿と別に村の方にも神輿を納めている神社がありまして。朝大体9時10時からスタートして、村中練り歩いて、大体夕方の5時6時ぐらいにまた神社に納める。

ピントが甘くても隠しようのないお祭り感!

qbc:全員参加?

さく:そうですね。どうしてもしょうがない、船の着岸作業とかヘリコプターとか、そういう交通手段に関わっている人たちはどうしようもないんですけど。
でも大体の人は、もう島の年1回のイベントなんで、総出で。休憩する場所になっている家の人人たちは、もう準備に準備を重ねてっていう。
そのぐらいですね、祭りとかイベント事は。
あ、正月に、観光のイルカに行くための船の安全祈願というか、海の神様がいるんで、そこに酒と米と塩を祀って、それぞれの家の持つ船からお菓子とか餅とか赤飯を、元は餅だけだったんですけど、それを村の人たちに配って安全祈願するというイベントもありますね。

qbc:江戸川区に来てるなら、三社祭は見ましたか?

さく:見ました。島を出てすぐ行ったんです。結構大きな祭りだって。
三社祭の神輿って、長い距離を1日かけて歩くみたいなイメージで、見て、一気にがっかりしちゃって。
島は、すごい急な坂道で神輿を担いで、屈伸とか飛び跳ねたりするんで。ただ歩いてくっていうのは、大変さはまた別であると思うんですけど。
神輿には、祭に合わせて来てくれた観光客の人たちも入ったりするんですけど、それが自分の知ってる祭だったんで。

qbc:この動画に映っている人たちは、みんな知り合いってことですか?

荒々しい!!!

さく:ほとんどみんなわかります。

qbc:すごい世界観だな。

さく:でも島の祭りは、コロナでもうずっとできてないです。

ナカザワ:ちなみに、人口は減少気味かと思うんですけど、担ぎ手は足りてるんですか?

さく:もう年々、減ってきてしまってて。島の人たちは担ぐ時間が長くなったりするので休めなかったり。
担ぎ方にコツがあるんで、観光客の人だけで神輿を担ぐと崩れることがあるんです。
動画で、神輿の動きが止まっているところがあるんですけど。

ここ! 白い法被の人が神輿を止めていますね。

さく:神輿を担いで回っている時に、大体の村の人たちは、神輿の神様に対して、家の前とか店の前に家族が出てきて、もっとうちを見てください、1年間でこうなりましたよということを伝えるんですが。
若い衆、小若衆ってのがいまして。小若衆は中学生以前の子供で、若い衆ってのが島の大体若い人たち。若い衆も小若衆も担ぎ手なんですが、その若い衆の一部の人たちは、大体白い法被とか着てて、もっと家の村を見ろみたいな感じで、所々で神輿をせき止めるんですよ。みんなが行きたい方向と逆に押すんですよね。

ナカザワ:それでちょっと、さっきの動画で止まってたんですね。

さく:そうですそうです。だから、スムーズにいって5時に終わったりする年もあれば、7時とかまでかかるときもある。
でもそれはもうせき止める側じゃなくて、押す側が下手くそとかタイミングが悪いとかもあるんで。そこも面白いところなんです。

qbc:お祭りに参加する人たちの精神状態って、どんな感じなんですか?

さく:神輿を担ぐ前々日から夜店があって、みんな段々酔いを重ねてくるんですよね。で、前日の夜店で酔っ払って次の日祭りだからって帰るんですけど、朝神主さんの家に集合するときには、飲める人は全員酔っ払うまで焼酎飲んで、もうほぼ酔っ払いの状態で担ぎ始めるみたいな感じですね。
いつもは温厚な人とかが「おめえ何してんだよ」みたいな。本当に坂とか崖の横とか担ぐんで、危ないと崖に落ちたりとか。それで木とか石で顔を切ったりとか。

パワーあふれてますね!
ちなみに、こちらがさくさんだそうです!

最後神社に納めるときとかも、石畳の階段なんで、下に潜っちゃって神輿に押されて頭蓋骨とか割っちゃったりとか。それで緊急ヘリが内地から飛んできて運ばれるとか。そういう事故もあるので。
自分のなかでは危ない祭りってイメージはないんですけど、そういうことも楽しんでいて。
ただ、民宿が神輿だからってお客さんを取らない時期でもあるので、外部の人の参加は難しくもあるんですが。

ナカザワ:島のためのものだから。

さく:韓国客の方は、やっぱりリピーター多い気がします。島の人も、一緒に飲んだ人はすぐ覚えるんで。何年も続けて来てくれたり。

島での暮らし

qbc:学校はどうだったんですか?

さく:御蔵島は村立の小・中学校がありまして、僕がいたときは小中あわせて生徒30、20人とかだったんですけど。

qbc:病院は?

さく:病院じゃなくて診療所なんです。ちょっと歳いった人の軽め病気とか、骨折ったぐらいなら大丈夫なんですけど。
手術はできないので、ガンとかそういうのがあったりしたときは、1回島から出て、内地の大きい病院に行ったりとかが基本ですね。

qbc:他に、何か困ったりすることってあるんですかね?

さく:船がつかないっていうのは、特に冬はよくあって。

qbc:海が荒れる?

エグいきれい海!

さく:そうですそうです。1ヶ月近く船がつかない時もあると、食べ物も危ないとか。
ガスは、外からプロパンガスを持ってきてるんで、ガスが切れ始めるとか。
そういうところは不便ですね。冬の船とかで、給食の献立の牛乳がもうないとか。

qbc:電気は?

さく:電気は、村に水力発電所と火力発電所かな? があるんで。
でも、やっぱ高いですね、ガスと電気は。

ということで後編へ!

前編、いかがだったでしょうか?
感想は、ぜひコメント欄にどうぞ。
後編は恋愛や結婚、島の未来がテーマ! 
後編はこちら

この記事は無名人企画インタビューです

無名人インタビューのコンテンツのひとつです。記事は、「無名人ツーリズム」マガジンに格納されます。ぜひご登録ください。

考えていること:偏った考えの存在に気づくために

分からないから不安になり、知らないから思いつくこともできない。
だから、考えられもしない。
でも、生きることは行動で、生きるために動かなければならなくて、動いた結果の先に、知らないものに突然出会ったりする。
そして、その知らないものに対して、分からないから不安になり、恐怖し、攻撃しようとしたりする。
そういう未知との遭遇の時に、どうするのか。

インターネットの時代になって、SNSを誰もが使い、情報を発信し、情報を受信するようになった。
フィルタリングされてない情報がむき出しの生の肌にぶちあたって、ひどい痛い目に遭うことも少なくない。
誰もが冒険者になったのだ。とでも言えば、かっこいいんだが、実際はLv1のキャラが操作説明もろくろく知らず冒険の目的も分からないまま、ボスキャラ級のイベントに参加させられているようなものだ。実際は。

知らないことは怖いです。
知識は転ばぬ先の杖です。
経験が一番かもしれないが、何もかもを「知る」には神様になるしかない。神様に、あなたなれますか?
無理ですよね? じゃあどうしますか。どうするんですか。

インタビューという道具が残す軌跡は、誰かのための本になるのかもしれないなと思った。
知識の詰まった本。そしてそれは人生の地図みたいなもので。

最初、ここの見出しは「考えていること:偏った考えを打ち砕くために」だった。でも、「偏った考えの存在に気づくために」と変えた。壊すんではなくて、まずは「知る」ことが先決だろうと思う。
知った後、どうするか。それはそんなの私の知ったこっちゃない。
勝手にしやがれ。
ただ、知ったその先にどうするかというのも知る機会があるように、デザインはできたのかもしれない。
この人工の庭で誰もが幸福を謳歌できますようにと思う。幸あれ。

いただいたサポートは無名人インタビューの活動に使用します!!