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人口300人の島から来た孤児の人

今回のタイトルにはいくつかウソがあって。ウソではないんだけど「人の目をより引く」的な意味でワードを選んで作りました。感情をあおる目的の言葉ですね。
インタビュー参加者個人のことを言うならば、建築士の試験を受験し、ワーキングホリデーを目指すという点で、そこをピックするのが最もヘルシーなのかと思うのですが。
やっぱり広告的な観点からこういう扇情的な言葉を使ってしまいガチィ。
ということでね、離島出身者のインタビューです。
実は初めてかな。
離島関連で言うと、過去に五島に関連のあるインタビューをしたくらいで、実はあんまり例がない。レアだね。レアだと、やっぱり言葉がそっちに引っ張られるよねえ。
って、無名人の「名」はそういう広告的なレッテル、ラベル、思いこみ、脊髄反射なんかから離れようぜ、そういうものから逃げようぜ、そういうものを無くした果てにある本当のその人らしさを見つけようぜ、て目論見なのに、まああ何やってんだろうね。
人間はメトロノームっていうか、あっち揺れたりこっち揺れたり。赤べこだよね。人間赤べこ。
ままま。今日の無名人インタビューもお楽しみくださいね!!(主催:qbc)

今回ご参加いただいたのは さく さんです!

現在:ゼネコンとか管理職につくのが嫌で行きたい会社に今行けないなら「じゃあワーホリ行くか」みたいな感じで。

qbc:今、何をしている人でしょうか?

さく:先週の日曜日まで、建築の専門学校に2級建築士の試験を受けるために通ってたんですけど、日曜日に国家試験が終わって、今はワーキングホリデーに向けての資金を貯めるためにフリーターです。

qbc:試験結果はまだ出てない?

さく:学科と精通試験が二つありまして、学科試験の方は合格をいただいて、製図試験が日曜日に受けてきたんですけど、それが12月に結果が発表されるのでまだわからないですね。

qbc:テストお疲れ様でした。専門校はどれぐらい通われてましたか?

さく:高校卒業してから、2年制の専門学校に入りまして。その後、2級建築士の国家試験を受けるための学科がありまして、それを前期でやめて先週の日曜日まであったので、大体2年と半年ぐらいですかね。

qbc:途中で辞めたんですか?

さく:前期修業っていう形に。

qbc:あ、後期は行かなくても大丈夫なんですね。

さく:一応講義はあるんですけど、その分の学費とか、資格を取るために学校に行ったので、必要はないかなっていう判断で。結構、生徒の半分程は、前期で辞める方がいるんですよね。

qbc:ワーキングホリデーは、どこに行くんですか?

さく:本当はアメリカに行きたいんですけど、ワーキングホリデーをやってないようなので。日本とその協定を結んでないみたいな話を協会の方から聞きまして。
比較的、カナダなら、アメリカ行きやすいかと思ってカナダっていうことに、一応今なってます。

qbc:フリーターのお仕事はもう決まりましたか?

さく:いくつかのアルバイトの掛け持ちと、設計事務所での設計アシスタントっていう長期アルバイトをしてますね。

qbc:ワーキングホリデーはどうして行こうと思ったんですか?

さく:就活を2年生の卒業間際にしてたんですけど、行きたい会社があってもほとんどが中途採用だったんですよ。
ていうので、自分のやりたいことが比較的デザイン側にあるのに、ゼネコンとか、管理職につくのが嫌で行きたい会社に今行けないなら「じゃあワーホリ行くか」みたいな感じで。
行きたい会社が中途採用しかなく新卒だからいけなくて、新卒採用の場所だと、学校に来てる求人とかはどうしても自分のやりたいような仕事が見つけられなくて。

いつかワーキングホリデーには行こうっていうふうに考えてたんですけど、就職してからだと、とりあえず3年間ぐらい働きましょうみたいなのがあるじゃないですか。そういうのもちょっと苦手で。
今の2年間、1年費用をためて1年ワーキングホリデーに行って、就職ができれば、またいつかワーキングホリデーに30歳までに行く機会があるかもしれないっていうので。

qbc:なぜ、ワーホリに行きたいのですか?

さく:普通ってみんな言うじゃないですか、それがどうも嫌で。
御蔵島っていう離島で育ったんですけど、そっから今東京に住んでるんです。
でもなんか同調圧力に弱いというか、失敗が駄目みたいな感じがどうも世論にある気がしてとか。でもわからないです。僕の知ってる情報が偏ってるだけなのかもしれないんですけど。
社会とか海外の人の考え方とか知りたいっていうのと、僕が絵を描いたりデザインとかそういうのも勉強するためにもっていうので、知識と経験とをつけるためにっていうのが大きいですかね。

qbc:いつ頃から行きたいなと思っていたんですか?

さく:去年の夏、前ぐらいです。
学校の先生の事務所にインターンに行ってまして、就職どうしようかっていう話をしたときに、海外面白いんじゃないみたいな話になりまして。そこから少しずつ考える時間が増えて、こういう決断をしたんだと思います。

qbc:期間はどれぐらいを予定していますか?

さく:1年間ですかね。
来年、冬が明けたらビザを発行しようとしてるので、そこから1年間、費用が貯まり次第。

qbc:今どんな生活をしていますか?

さく:結構、お金が苦しい状態ではあるんですけど何とかいくつかのアルバイトと、設計事務所でのバイトでなんとか1人でやりくりしてるっていう形です。

qbc:日中の時間の使い方ってどんな感じですか?

さく:今、ちょっと10月まで設計事務所のバイトがないので。今は昼間と夕方、アルバイトに入れたら入って、夜はとことん絵を描くみたいな。

qbc:どんな絵を描くんですか?

さく:難しいですね。彫り師の方とかの和彫りとか、アメリカントラディショナルっていうジャンルのタトゥーのデザインが好きで。それをまだ練習中なので、今たくさんその二つのジャンルのモチーフを書いてます。動物とか植物とかが多いです。

qbc:タトゥーが好きなんですか?

さく:いえ。そのデザインが好きっていうのが正しいと思います、僕は。

qbc:どういうきっかけで?

さく:いや、わからないんですけど、特別でも多分そこにも感じてるものがあるんですけど。日本ってタトゥーって入ったら、ちょっと印象悪いじゃないですか。
と言っても、一つ一つの絵が結構かわいかったりとかそういうのが多い気がして。
ていうところで、惹かれていったのかなって。

qbc:画材は何を使っていますか?

さく:画材は、アナログだと鉛筆と筆が多いんですけど、でもiPadを使ってデジタルで描いたりもします。

qbc:絵具は何を?

さく:アクリルですかね。炭も墨汁も使ってます。

qbc:どこかに公開されたりしないのですか?

さく:まだ練習なので、オリジナルとか自分の確立したものがあればしたいんですけど、まだしてないです。

qbc:その他、何か趣味はありますか?

さく:映画を見るのも好きだし、音楽もだしカメラも好きですね、写真を撮ること。
映画は結構、ジャンルは問わないんですけど洋画が多いですね。

qbc:最近おすすめの映画は?

さく:最近おすすめは、ミッドナインティーズっていう映画で、小さい男の子がちょっとワルをして、スケートボードのかっこいい黒人の人に憧れる。日常的に誰もが感じたことあるようなシーンが多いです。

qbc:音楽はどんな物を聞きますか?

さく:最近はずっとMOROHAっていうアーティストさんを聞いてますね。

qbc:写真はどんな?

さく:写真は、ちょっと前までバイクに乗ってまして。
それでいろんなところに行って撮るっていうのが多かったんですけど、維持費とか、ワーキングホリデーとかでバイクを人に譲ってしまったので、最近写真は特別持ち出していないですね。1万円ぐらいの、安いフィルムカメラです。

qbc:性格はなんて言われますか?

さく:同い年の20歳の人たちからは、変なやつとかガキっぽいっていうのが多いんですけど、絡んでる仲いい歳上の人達から言われるのは、20歳にしてはかなり考えてたりっていうのを言ってもらえることが多いですね。

qbc:ご自身では、どう思いますか?

さく:ひねくれてはいると思うんですけど、ただ自分が納得しないと、曲げたくない性格ってある気がしてて。人と食い違ったときに、僕が一生懸命こう伝えようとしても、あっちが、いやいやじゃあそれにしようみたいな感じだと、いやちょっと待てよみたいになって、ちょっと、お前頑固だな、ひねくれてんなみたいなことが多い気はします。

qbc:タバコ吸いますか?

さく:吸ったり吸わなかったり、特別たくさん吸うっていうほどでもないです。

qbc:紙たばこ?

さく:そうですね。

qbc:好きな食べ物は、何ですか?

さく:何でも好きです。全部好きです。

qbc:嫌いな食べ物は?

さく:牛乳単体だと、飲めないです。例えばコーヒーと混ぜたりとかココアと混ぜたりとか。

qbc:牛乳の何が嫌ですか?

さく:いや、もう最近ずっと飲んでなくて。わかんない。

qbc:いつ頃から嫌いなんですか?

さく:もうずっと小学生の頃から、給食に出る牛乳が嫌いでしたね。

qbc:牛乳を飲まなきゃいけない機会って、あんまりないですよね?

さく:そうですよね。だから助かってます。

qbc:先ほどから、カチャカチャ鳴ってるのは、何ですか?

さく:多分ネックレスです。ドッグタグをつけてて、それが鳴ってるんだと思います。

qbc:ジッポーかと思いました。先ほどから音がしてたから。

過去:僕の口から、感情的になって、小中学生のときは「何も知らないんだ」とか「1人なんだ」みたいなことを言うことが多かったんじゃないかなって思います。

qbc:子供の頃はどんなお子さんでしたか?

さく:悪ガキでした。結構何にでも興味を示す方だったと思うんですけど。
例えば、家が元々建ってて、それが解体されて便器だけ残った空き地みたいなところがありまして、消火器も落ちてて。その便器に消火器を友達と、噴射してみたりみたいな。
島が小さいんですよ、人口が300人ぐらいの小さい島で。でも次の日には、全員そのことを知ってるみたいな。比較的やんちゃでもないですけど、自然の中であるものでやんちゃ、いたずらしてました。

qbc:同世代の子どもはいたんですか?

さく:いる学年もあるんですけど、僕のクラスはずっといなかったですね。
小学校3年生までいたんですけど、クラスは2人で。でも3年生の時に、その子が島を出ていっちゃって中学校まで1人でしたね。

qbc:小中学校が合体した学校だったんですか?

さく:そうですね。

qbc:全体で何人ぐらいですか?

さく:今はわからないんですけど、僕がいたときは全体で20人とかでした。

qbc:一番した悪いことは、何ですか?

さく:いや、しょうもないことが多いです。

qbc:悪いこと、毎日してた?

さく:いやあ、そんなしてないと思います。悪いことってよりもいたずらですね。

qbc:小中ってどんな過ごし方でしたか?

さく:一つ上の学年が6人のクラスでして。よくそこに僕は混ざって遊んでたんですけど。
小学校のときはそこと一緒に、夏でも冬でも外に出て遊んでってのが多かったんですけど、中学校入ってから、中学校3年生のときが大きいと思うんですけど、上がいなくなって結構1人だったので周りが大人ばっかみたいな。
ていうので、ゲームにはまったりして引きこもってた。
引きこもるほどじゃないですけど、すぐ帰ってゲーム、みたいなのが多くて。
そこから多分性格は変わってなく、特別、深層的なところは変わってなくて、中学生のときは、やっぱ1人だとどうしても、小中学校なので生徒会とかやらなきゃいけないんですけど。
でも、それでも嫌で。先生たちがもう何人もで、「やってくれやってくれ」みたいな。各教科の先生がいるけど、生徒も僕1人なんで、授業とかの時間丸々1時間あって話っていうのが多くて。でも面白い、結構希少な経験しているんじゃないかなって。

qbc:高校はどうなるんですか?

さく:島に高校がないので、内地の方にでまして。産業化っていう工業と商業両方できるような学校だったんですけど。高校2年生の時にバイクで1回事故を起こしてしまって、それが無保険だったんですよね。
半年ちょっとぐらい。親に隠しながら手続きなり書類なり自分でやって、お金が発生するから、未成年で駄目だっていうので、話をして、その返済はまだ続いてます。

qbc:何かにぶつかったんですか?

さく:車ですね。

qbc:大きい怪我はなくてなによりです。「内地」というのは、何ですか?

さく:島も東京なんですよね。東京っていうと、島も入っちゃうから、内地っていうので「島じゃない場所」の東京を指してるような形です。

qbc:東京から近いですか?

さく:船に乗って8時間ぐらいなんですけど。

qbc:寮とかに住んでるってことですか?

さく:いや、元々僕が里子なんですけど。島は里親さんで兄弟が上に3人いるんですよ。
里親さんの息子娘が3人いて、島に高校がないから出なきゃいけないんですけど、そのために買った家がありまして、そこに住まわせてもらってます。
もし、島で結婚してるけど、旦那さんか奥さんが、実家がどこかにあるなら、そこでそっちの高校に行くっていうのが多いですね。

qbc:ご家族との関係はどんな状況ですか?

さく:実親の父親の方は住所はわからないんですけど、再婚されてて、子供が3人いる。
ていうのと名前も知ってるんですけど、2回しか会ったことがないんですよ。

qbc:人生で?

さく:そうです。
施設経由で。名前とちょっとそこら辺の事情を知ってるぐらいで最後に会ったのが、高校3年生なので、今何をしてるかとか父親がわからなくて。母親の方はもう完全に音信不通らしくて。
中学3年生のときに会ったときに、諸々を聞いた話だと、父親の方が留置所に入るから子供をどうしようもできなくて施設に僕を入れたみたいな話を聞いて。その間に1人だった奥さんが、駆け落ちされて連絡が途絶えてしまって、みたいな話を聞きましたね。

qbc:物心つくかつかないかぐらいの頃に里子に出た?

さく:里子に出たのは6歳ぐらいなんですけど。

qbc:その時まではお父さんと一緒に暮らしてた?

さく:もうそこから施設で暮らしてます。

qbc:何歳からですか?

さく:そこがわからないんですよね。多分、1歳か2歳だと思うんですけど。
僕も今は施設に入ってたときの記憶がほとんどなくて。

qbc:その後に、施設から里子に出たんですか?

さく:そうですね。

qbc:で、たまたま御蔵島に来たと。

さく:そうです。見つかった里親さんが、島だった。

qbc:いろいろな人生でしたね。

さく:結構、一般的ではない経験をしている気がして。それもあって何かこれから何をしていくかとか、今何をやるかとか言ってるんですけど。

qbc:高校から東京に行こうと思ってたんですか?

さく:一応中卒で島で働くこともできるんですけど、ただなんか、セオリーみたいな。
仕事があったとしても高校卒業して島に帰ってくるっていうのが。

qbc:一旦外に出てから、ってセオリー?

さく:そうなんですよ。

qbc:建築、設計を選んだ何か特別な理由がありますか?

さく:最初は絵を描くのが好きで、そこから絵描きながら仕事ができるって思って建築を目指したんですけど、学んでいくうちにそんなことは不可能だってことに気づき。
学校では設計をメインに学んだんですけど、学んでいくうちに僕がやりたいのは設計じゃなくてインテリアデザインとか内装デザインの方なのかなっていうことがわかって。最初は、絵を描きながら食っていきたいっていうのがあったと思います。

qbc:島に来るまでどこに住んいたかは覚えていますか?

さく:サレジオ学園っていう施設に入ってたと思うんですけど、

qbc:それがどこにあるか覚えてますか?

さく:どこだっけな、目黒かどこか。あんまりわからないです。

qbc:幼児ですよね?

さく:いや、普通に大学生とかもいて。

qbc:自分の生い立ちに関して、どう思われてらっしゃいますか?

さく:入る前は先ほど言った通り、何も覚えてなくて。
施設も結構覚えてないんですけど、元々小さい頃は特に体調が悪くて、施設が男だけなんですよ。僕も4歳5歳とかで大学生とかと一緒に暮らしてると、いじめがあって僕がその対象だったってのもあって、6歳で里親さんに引き取られたってのもあると思うんですけど。
その時は何も考えられる頭がないんで、行ったら島だったみたいな感じだと思うんですよね。

qbc:「里親に出たい」っていうのは、自分の意思?

さく:いや、ないと思います。里親、里子っていう知識がないんで。そこは施設の方の判断じゃないですかね。

qbc:自分がここを出ていくんだっていうのはわかったんですかね?

さく:それは、多分認識してたんじゃないですかね。

qbc:そのときの感情は覚えてますか?

さく:基本的に怯えてたとは思いますね。施設には1人の場所がないんで。そんぐらいですかね。

qbc:そこから、島の生活はどうでしたか?

さく:いじめとかはなく、周りも海と山としかないんですけど。
冬は子供たちで山に出て遊んで、夏は毎日海行って。でも、どこか思春期ってなってから、中学生になってからいろいろ思うことが増えていったのかなって。
小学生の頃は特別何かを考えたこともなく、今覚えてる限りでは。
でも里親さんとの喧嘩とかでは、やっぱり僕の口から、感情的になって、小中学生のときは「何も知らないんだ」とか「1人なんだ」みたいなことを言うことが多かったんじゃないかなって思います。

中学生になってから、小学生と比べて先生と話すことが増えて、中学校1年生のときに担任になった先生が、ちょうど内地から来られた先生だったんですけど。
今覚えてるのは、「どうですか」っていう質問がちょっと今でもあんまり好きじゃないんですよ。ちょっとアバウトで。
中学校1年生のときはその先生に「どうですか」っていう質問をされて「比べる相手がいないから、わからない」って答えたらしいんですよね。多分そういうところから、潜在的な考え方とか、多数派、一般的じゃなくなっていったのかなって思います。

未来:安定した日常生活とかよりは、いつまでも何か挑戦してたり新しい経験があったり、自分の考えとか表現していけることが、できたらなって思ってます。

qbc:5年後10年後の直近や、あるいは30年、40年後や死ぬまでの未来に関して、どういうふうに考えていますか?

さく:アバウトな人生プランとして、今後ですと、1年間お金を貯めて1年間ワーキングホリデーに行って、3、4、5年働いてから、もう一度、行ければワーキングホリデーに行って。
その後は、こうするとか決まってないんですけど、ただ、いつか島に帰れたらなっていうのは思うんですけど。
ただ、どこか島を出た人間は、島に帰ると結局仕事はいくらでもあるんですよね。
もしやりたいことがあって島に行くならいいんですけど、妥協して仕事がなくなってお金がなくなって島に帰るとかは、嫌なんですよ。
ていうので、もし何か島に貢献できるようなものが見つかればとか、もし、結婚して子供ができたらとかで帰れたら、なとは思ってるんですけど。
でも一環として、安定した日常生活とかよりは、いつまでも何か挑戦してたり新しい経験があったり、自分の考えとか表現していけることが、できたらなって思ってます。

qbc:シンプルに、島の暮らしって、おすすめできますか?

さく:もしリゾートで暮らしたいとかなら、僕の住んでた島はおすすめできないです。

qbc:どうしてですか?

さく:リゾート地ではないんですよね。ただ、自然に囲まれ、人口300人の中で、のんびりとブラックなこともなく、暮らせるとは思うんですけど。今の島に何か住みたいって思えるような、内地とか一般の方々が思う魅力はあんまないと思うんですよね。
それももし、何かこれから変わったり、変えることができたらなとは思うんですけど。
でもかと言って、少なからず住みたいって言ってくれる方はいるんで。

qbc:民宿に1週間泊まったり、田舎ホームステイで1か月お世話になるような形だったらどうですか?

さく:そうですね。1週間とかなら完全に島の人間は観光客として扱えるからいいかもしんないんですけど、1ヶ月とかなるとちょっと中途半端じゃないですか。島の人間でもなく、観光客だとしてもちょっとずつ島に馴染んでいくんで、まあ面白いとは思います。島の人間がどう思うかは置いといて。
例えば、観光客として来られる方々はお客さんとして接すればいいんですけど、住むってなると話が変わってきて。そもそも、全員知り合いで、輪があって、ちょっとこことここが仲悪いみたいなところもあって。
まず自分を覚えてもらうところから入らなきゃいけないと思うんですよね。
例えば、島の人間は、役所とかいろんな仕事があったとしても、後から島に来た人間が馴染んでいく上で、稼げる場があるのかとか、そういうところで難しかったりはあると思います。

qbc:海外では何を知りたいですか?

さく:環境と、経験と、海外の世論とかも気になりますよね、普通を知りたいですし。
日本以外はわかるじゃないですか。もし1年住めて僕が、その島で言う観光客じゃなくて馴染める人間になれたなら、なおいいんですけど。
言っちゃえば、僕は実親はもうほぼ関係ないし、里親さんも里親さんでいますけど1人身みたいなものなので、何でもできるっちゃ何でもできるから。
ていうのと、結局日本人ではあるから、いつかその魅力とか、日本人の中でも島出身だったり、持ってるものがあるとは思うんで。意識というか、そういうところを使って。ただ海外に、何を求めてっていうのは、難しいですね。経験、考えとかが多い気がします。

qbc:もしも自分が表現したいことが表現できているっていう未来があったとして、それはどういう表現作品になってると思いますか?

さく:作品として表現に限らず、例えば、人との会話で、僕が発する言葉も表現に入ると思うし、今インタビューを僕が受けてても、一つ一つが表現で、個人の作品に限らずていうのが、表現な気がしてて。
あくまでも僕のデザインとかも表現の一つになるかもしれないけど、主に伝えたいこととかは、出会いとか「おん」とかで伝えられたらなって思います。

qbc:「おん」?

さく:あたたかさ。

qbc:ああ。絵は、いつ頃から描かれてたんですか?

さく:多分最初は全部、落書き。今も落書きですけど、誰かのために描くがちょっと得意ではなくて。まあするときもあるんですけど。だから、最初はみんなやるノートの端っこの落書きとか小学生がやるようなやつが、だんだん板書よりも落書きの方がノートを占める割合が増えるとかだと思います。

qbc:どんな気持ちで描いてますか?

さく:わからないですけど、僕が今言葉以外で人に自分をどんな人って表せるものが身近なのが、伝えられるものが、その一つの手段として、絵があるって思うんですけど。
例えばそれが別に音楽だろうが映画だろうが、ブログだろうがいろんな人いるから、でも多分描いてるときは、ただただ、集中して、それについて考えられるというか、熱心になれるから、何かを考えて描いてるって感じはしないです。

qbc:日本の嫌いなところはありますか?

さく:失敗がいけないみたいな。あと、同調圧力が大きいところ。

qbc:「失敗はいけない」っていうと、何か具体的にありますか?

さく:学校だからとか、そういうのもまだ社会に出てないからとかもあるのかもしれないんですけど。手を挙げないとか、自分を出さない方が多い気がするんですよね。
僕は何々をしたい、俺はこうしたいのにっていう人よりも、君がそうするなら僕はこうするよ。ていう、ちょっと自分自身を控えめにする人とか、みんながしないからしないみたいな同調圧力があったりとか、目標が少ないところがちょっと、生きづらいというか、遠慮が多い世界な気がします。

qbc:日本では、何もしない方が勝つって場合も多いね。だから、他人の足を引っ張る戦略は結構有効なんですよ。

さく:今の「勝つ」っていうのは、何に対しての「勝つ」です?

qbc:例えば、会社っていう組織の中で自分がより出世をするとか。

さく:結局、でもそれってお金じゃないですか。
人によって幸せがあるとは思うんですけど、お金があって安定した生活が幸せな人もいれば、僕はやりたいをやっても不安定な生活の方が幸せな気がしてて。

qbc:それは、成功と失敗っていう二元論がない世界って意味じゃないかな。失敗はいけないっていう。
佐藤さんが言ってる世界観は、成功も失敗もない世界じゃないかな。

さく:自分が思ってることがあるのに。まあそれも同調圧力のうちの一つですよね。言えなかったり、感情をあらわにしない。

qbc:東京に来て、どうでしたか?

さく:妥協が多い気がします、人と話してて。ぶつかり合うことがないです。
人が譲れないものを持つとか、それは嫌だってなるよりも、僕は言っちゃうんですけど、俺は嫌だから。
でもそれを周りはしない。いっか、みたいな。
あと最近特に思うのは、周りが就職してって。何かを目指してる人が少なかったりとか。

qbc:東京でもそう感じるってことは、海外に行ってみた方がいいと思いますね。

さく:ただ、東京に、日本にいるからこそ、そう思えちゃってるのかもしれないですけど。

qbc:うん。何か目指そうとしている人たちは、どこにでもいますよ。

さく:そういうコミュニティは日本にも東京にもあるとは思うんですよね。

qbc:うん。

さく:ただ、世論が、どっちがどっちになってるかとか。

qbc:もう日本には見切りをつけました、っていう20代のインタビューは結構ありますよ。

さく:見切りをつけましたっていうのは?

qbc:もう一刻も早く日本を出たいです、みたいな。お試しで海外行くのではなくて、行ってそのまま二度と帰ってきませんとか。

さく:僕もワーホリに行ってからどうなるかわかんないんですけど、ただ、今こっちにいる応援してくれる方とか、話すのはやっぱり日本に帰ってくるベースで話すことが多い。
けど、もし自分の性格なり考え方なりをより社会的に何か住みやすいものが、国が変わってあるなら多分そっちに僕は進むと思う。

qbc:最後に、何か言い残したことはありますか?

さく:難しいですね。
一度、御蔵島を調べて、興味があったら足を運んでもらえればっていうのと、僕は今20歳ですけど、僕はいつになっても夢中に何かに取り組んでいたいので、もしない人がいたら考えてみてくださいって。

qbc:ありがとうございます。

さく:ありがとうございます。

あとがき

今日の無名人インタビューはいかがだったでしょうか? よろしければ、あなたの感想をコメント欄に残していってくださいね。ありがとう! うれしいよ。
離島出身というプロフィールだけを辿って話を聞き進めていったら、孤児だったり、島に対する感情だったりで、独特の雰囲気を持つインタビューになったな、と思います。
不思議不思議。
で、なんと、この勢いで、「御蔵島」単独インタビューしちゃうんですわ。
現在制作中、お待ちくださいませ!

インタビュー担当:qbc

編集:ことり☆

#無名人インタビュー #インタビュー #自己紹介 #御蔵島 #孤児

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