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無名人インタビュー:福祉系心理職約30年の人
みなさんはテレビ番組「それいけココロジー」という番組をご覧になったことがありますでしょうか? 私が部屋からテレビを投げ捨てたのは20年以上前。ってことは、捨てる前に見てたってことは、もう20年以上前なんですね。めっちゃ心理学が流行ってて、それはすこし前の脳科学ブーム、今のマーケティングブーム(ほんとは行動経済学ブームなのかな?)みたいな感じでした。まあ今でも診断系ってので残ってるわけですがその心理学ブーメーションの残り香は。
ああ私の思い出話になりさがってしまった。ということで心理に関わる福祉職に長年たずさわっておられたeyeさんのインタビューでございます。艱難辛苦を乗り越え人間万事塞翁が馬で御覧じろ。
※あとうそです、すみません、テレビ投げ捨ててません!!? ただ見なくなっただけです。ずっとスペースシャワーTVだけ見てましたんですわ。
今回ご参加いただいたのは eye さんです!
qbc:どんなインタビューにいたしましょう?
eye:私のnote、読んでいただいているかどうかわからないんですが。どんなことが一番聞きたいですか?
qbc:それでは、まずは、今、何をされてる方なんでしょうか?
eye:名前に福祉系心理職って書いてるんですけど。
障害者の就労支援事業所のサービス管理責任者っていうのをしていまして。
資格としては、臨床心理士と公認心理士と、あと精神保健福祉士を持ってます。
今やってる就労支援ていうのは6年くらいなんですけど。その前にスクールカウンセラーやってたりですとか、精神障害者のデイケアみたいなのやってたりで、合計で20年ぐらい心理とか福祉の業界に携わっております。
qbc:今のお仕事って、具体的にどういう感じのお仕事なんですかね?
eye:就労移行支援ていうところが、障害者の就労の訓練ですとか。たとえば、パソコンとか軽作業みたいな、そういうお仕事の訓練だったりとか。あと、マインドセットって言うんですかね、そういったところですとか。あとは、就労にあたってどんなことを気をつけなきゃいけないかといったお話だったりとか、ビジネスマナーだったりとか。そういったところを、まず訓練しています。
あとは、実際に就職活動を一緒にやっていったりですとか。それから、実際に就職をされたあとに、定着支援て言いまして。職場にやっぱり定着できないと意味がないので、職場に定着するための。たとえば、企業と調整を行ったりですとか、ご本人様の相談に応じたりですとか、そういったところをやっております。
qbc:eyeさんは、そのお仕事の中で。たとえば、教えたりするっていうのは別の先生がいらっしゃる感じですかね?
eye:それぞれのスタッフがやってるんですけれども。私が担当してるのはストレスマネジメントっていって、心理系のプログラムを担当してます。
qbc:学校みたいに時間割があって、それを受けていくような感じなんですかね。
eye:イメージ的には、それに近いと思います。
qbc:で、担任の先生みたいな、チューターがいるような感じの構成です?
eye:いちおう担当制なので、各職員が何名かずつ担当を持って。就活のほうへ導いていくっていう感じですね。
qbc:定着支援とかはチューターがやる?
eye:チューターというか、職員がやってます。
qbc:なるほど。じゃあ、クラスを受け持つ、教えるっていうのプラス、担当として何人のか持つ、みたいなやり方なんですかね。
eye:実際にいらっしゃるのが20名くらいなので。1人が4、5人ぐらい担当を持っている形になっていて。基本的には1つの部屋で訓練を行ってます。
qbc:なるほど。面白いですね。
「無名人インタビュー」だと、訓練所に通ってる人とも話したことがあって。それを取材している行政系の広報をやっている子もいて、ようやく中の人が出てきたみたいな感じです。
お仕事について、もうちょっと抽象的な、こういう感情になりますとか、こういうことに気をつけてますっていうのが聞きたいですね。お仕事、どんな感じです?
eye:やっぱり一番は、中にいらっしゃる利用者さんの希望するところ? たまに、希望するところが突飛な方もいらっしゃるんですけど。でも、基本的には希望に沿ったところに、近いところに行けるようにっていうところと。
あとは、けっこう自信をなくして来られてる方が多いので。自信の回復っていうところを中心に関わってます。
qbc:あー。けっこう若くても、うつでダメージを受けて。間に挟んで、そちらの就労支援みたいなのを受けられる方もいらっしゃる?
eye:そうですね。
qbc:何歳ぐらいの方が多いとかって。
eye:いちおう、18歳から65歳までっていうのが法律で決まってはいるんですけど。うちにいらっしゃるのはけっこう幅広くて、19歳の方から55歳の方までいらっしゃいます。
qbc:どういったところで必要とされてるんですかね。なんで、その就労支援が必要な方なんでしょうか。
eye:たとえば、若い方なんかだと発達障害があったりですとか、そういった形でちょっと一般的な就労難しかった。要は、高校とか大学とか卒業されても、就職先が見つからなかったっていう方がけっこういらっしゃって。
qbc:はいはい。
eye:それで、何か障害ある方いますよね、障害に気づかれて入られているっていう方が多いんですけど。
一般の仕事は何年かされていて、それでうまくいかなかったから来ましたっていう方もいらっしゃいますし。
あと、後天的に、元気だったけどもうつになってしまって就労移行を利用されたりだとか。
qbc:はいはい。
eye:あとは身体の方ですとか。健康だったけど、身体やられてしまって入られた方とかいらっしゃいます。
qbc:私、42歳なんですけど、31歳とかそれぐらいのときに、うつの診断になって休職してたんですけど。確かに、復職って難しいんですよね、あれね。いったん復職して、私、やっぱり退職したんですよ。で、また別のところで就職をしたっていう流れなんですけど。
どう感じてらっしゃいます? 今のお仕事の意義というか。完全に社会的なお仕事だと思うんですけど、どういうふうに。
eye:自信を取り戻していく過程を見ていくっていうのは、やっぱりうれしいですし。
もちろん就職が決まったら、本当にうれしいですし。そのあと、元気に働いてくれてるの見たら、本当に良かったなって思えるような仕事だなって思ってます。
qbc:あー、面白い。自信を取り戻させる仕事なんですね。
eye:私はそう思ってやってます。
qbc:単純に、シンプルに技術が身につく、マナーを覚えるとかそういうふうなとかで、結果的に自信を取り戻すとかいう。
自信を取り戻すんですかね。自信がつくんですか、どうなんですかね。
eye:つく方もいらっしゃいますね。ただ、私が思ってる中では、自信って、最初からなかったものではないと思うんですよ。
qbc:なるほど。
eye:幼児期か思春期かわからないですけど、どっかで崩れちゃったっていうか。そういったものだと思っていて。
その人の強みっていうのは、自信をなくした中にも絶対あるって思っているので。そういったところで、それを発掘するっていうか。あ、ここにあった、よいしょって引っ張ってくるっていうか。それが私たちの仕事なのかなって思ってます。
qbc:なるほどね。
あと、副業でライティングっていうようなところも、お話いただいたほうがいいですいかね。どういう系統のライティングなのかっていうのを。
eye:基本的には、やっぱり心理系のというか。今まで相談に応じてきたものを生かしたものを書いてまして。
たとえば、私のnoteのほうには貼り付けてあるんですけれども。がんばり屋さんのお話だったりとか。私的にはそんなに得意分野ではなかったんですけれども、ちょっと機会をいただいてHSPのお話ですとか。それっぽいなっていう方が、やっぱり中にはいらっしゃるので。ちょっとそういう方をモデルにしながら描きました。
qbc:ふーん。note大学の方ですね。
eye:あとは、出版にまではいたってないんですけども、クラウドソーシング使って、人のところのブログを書いてたりですとか。その中で出てきた、たとえばインナーチャイルドのお話だったりとか、キレる人のお話だったりとか、その辺なんかも書いてました。
qbc:どれぐらいやられてるんですか?
eye:今、これで1年近くになってますかね。
qbc:なるほど。
他の職業は、入られてたっていうと変ですけど。
eye:ほとんどないですが、つなぎつなぎで派遣の事務員とかやってました。
qbc:産業カウンセラーの資格をお持ちですけど、企業での実務経験はないってことですか?
eye:実はですね、本当は2ヶ月ぐらい企業に向けてのカウンセラーっていうのをやってたんですけども。ちょうど出産に被りまして、これから全国出張するよっていうお話になったので。
qbc:そうなんですね。
eye:なので、ちょっと難しいでしょ? って言われて辞めになったっていう。
qbc:ふーん。私がこういう心理系のキャリア、詳しいっていうわけでもないのであれですけど。けっこういろいろなところを回られてる。病院もあり、学校もあり、今のは福祉っていうんですかねっていう。けっこういろんなところを回られて、企業も経験されて、そういうものなんですか?
eye:わりと心理職って、今はもうちょっと常勤のお仕事が増えてると思うんですけど。私の時代、私はもう40代後半ですけども。20代のころなんかは、本当に非常勤の職しかなくてですね。
qbc:はいはい。あーそういうことか。
eye:週1回とか2回とか入って、いろんなところをかじりながらやってきたっていうか。
だから、私も精神科のデイケアと、スクールカウンセラーを同時にやってた時期もあったりですとか、そういった感じなんです。
qbc:あと、note大学の人って、真面目な方が多い印象なんですよ。たぶん3人目かな。
eye:たぶん、アクティブメンバーはそうじゃないかなと思いますね。かなり真面目な方が多いと思います。
qbc:では、過去のことですが。お子さんのときって、どんな子どもでしたか?
eye:いやあ、大変な子どもだったと思います。
言うことは聞かないですし。たぶん、お勉強はできたほうだと思いますが、それだけに非常に生意気な子どもだったんじゃないかなと思います。
qbc:うーん。生意気っていう意味で大変?
eye:生意気も含めですね。たとえば、理不尽だと思うと帰っちゃったりとか。
qbc:れは具体的に小学生のときにあったってこと?
eye:小学校低学年ですね。
あとは逆に、授業とかやっていて、そこで答え言っちゃだめでしょっていうところで答え言っちゃったりですとか。そんなことはありますね。
qbc:そうすると、煙たがられてた? どういう状況?
eye:どちらかというと、あんまり親しい人とかはいなかったかな? っていう感じで。小学校中学年ぐらいまでは、あんまり学校行ったり行かなかったりっていう感じだったんですけど。
qbc:はいはいはいはい。
eye:逆に高学年になってから、部活に目覚めまして。吹奏楽部だったんですけど。
いないわけにいかないじゃいですか。自分がいないと楽器のパートが回らないので。そこから音楽に目覚めて。もう音楽やるために学校に行く。
qbc:なるほどなるほど。子どものころ、何が好きでした?
eye:何が好きだったかな。本読むのは好きでした、けっこう。
qbc:どんな本?
eye:昔の岩波ジュニア文庫とか。ああいう感じの、なんとかジュニア文庫系のやつとかありますよね。そういうのはけっこう読んでたのと。あと、なんでかしらないんですけど、うちに百科事典がありまして。
qbc:はいはいはいはい。
eye:たぶん、父がもってたやつだと思うんですけど。それ読むのが好きだったんですよね。
qbc:なるほど。乗り物とかそういう分類のやつ? 生き物とか海の生き物とかそういう?
eye:もう歴史的なものから、言葉の意味からなにから載ってるやつ。
何冊も何冊もあって。それを、言葉が気になるとずーっと読んでるみたいな、そんな感じです。
qbc:勉強自体はお好きだった?
eye:科目によります。
qbc:何が好きだったの?
eye:一番好きだったのは英語ですね。
qbc:へえー。
eye:あとは、お勉強ではないですけど音楽がやっぱり好きでした。で、国語とかも読むのは好きだったので、わりと好きだったし。社会も歴史はけっこう好きでした。
qbc:音楽は、どんな? 吹奏楽だった? なんだったんですか?
eye:ピアノもずっとやってたので。最初の10年間ぐらいは、あんまりピアノ、好きじゃなかったんですけど、10歳ぐらいから好きになってきて。
qbc:そんな小さいころから?
eye:もう3歳から習ってたんで。最初の何年間は、やっぱり弾けないし、正しい姿勢しなきゃいけないし、とかいうので大っ嫌いだったんですけど。
qbc:はいはいはいはい。
eye:だんだん、右手と左手がちゃんと動いてくるようになってから、やっぱり好きになってきまして。そこからのつながりなのかな。すべての学校の楽器を制覇してやるくらいの感じになって。
qbc:えー?
eye:で、いろんな楽器を。一応メインの楽器はありましたけど。
qbc:そうか。
eye:もうありとあらゆる音楽のクラブだったりとか部活だったりとか入って。イタズラでも何でも、全部いじるっていうのが趣味になってましたね。
qbc:そうすると、知的好奇心で動いているタイプなんですか?
eye:感覚で動いているような気がします。こういうの面白いとか、こういうのいいんじゃないかなとか。あんまりすごい深く考えてないかもしれないです。
qbc:アイデアが先に立つ?
eye:アイデアっていうか、やってみよう! って思ったら、次、飛び出してますね。
qbc:なんか、やっちゃいけないものをやってしまった記憶とかあります? これほんとにやっちゃいけなかったってやつ、あるんじゃないですか?
eye:中学のときにありましたね。先生がなんか怒ってて、全然帰りの会をはじめなくてっていうことがありまして。で、みんなが「早くしろよ!」って言ってたときに、私の声がどうも一番おっきかったみたいで。
qbc:はいはいはいはい。
eye:「早くしろよ!」みたいな感じで一緒に言ってたら、私が殴られたっていう。
qbc:えー。まじか。まだ許されてましたっけ? 暴力とか。
eye:まだね、先生が暴力ふるっても、そんなに言われない時代だったので。なので、私、鼻血出して大惨事になりまして。
qbc:本当? それ本当にまずいですね。
eye:で、学年中の噂になっちゃいました。
qbc:その、大変な子どもでしたっていうのは、今の大人の目線から大変だった仰ってるじゃないですか。
子供のときの自分自身の目から見たときに、どういう子どもだったって表現されます?
eye:自分が子どもだったときは、自分の目線から言ったら、非常に素直な子だったと思います。自分に素直だったと思います。
qbc:なるほどね。その素直さっていうのは、いろんな視点から見て今も続いてます?
eye:ありますね、たぶん。やっぱりこれがやりたいって思うと、パッと飛びついてやっちゃうっていうのはいつもありますし。
qbc:はいはいはいはい。
eye:たぶん資格を取るっていうのもその一環で。あ、この資格取りたいって思ったら、もう応募してたっていう。
qbc:その部分、自分の中にある正しさみたいなもの、感覚? っていうものは、何ですかね。社会的な正義? どういうところに。取らなかったら、つまんないっていう。どうしてつまらないのか。
eye:何がつまんなかったんだろう。たとえば道徳ってありますよね。道徳っていうのはこうあるべきものっていうような。そっから外れたら、なんか違うとか。それは間違ってるからやっちゃいけません。確かにそうなんですけど。それはそうなんだろうと思うんですけど、今思えばね。
qbc:うんうん。
eye:でもそのときは「こういう方法だってあるじゃん。なんでいけないの?」とか。「絶対こう考えなきゃいけないの?」とか。みんな仲良くとか言ってるけど、仲良くしてないじゃんとか、なんでそれがいけないのとか。
qbc:ご両親はどんな方だったんですか?
eye:厳しかったですね。非常に厳しかったです。
qbc:自由に育った感じが。それ、衝突しませんか? 厳しい両親と。
eye:戦いでしたね、それはもう。
qbc:生まれ落ちたときから?
eye:うーん。生まれ落ちたときから戦ってたかっていうと、ちょっと記憶にないですけど。でも、幼稚園ぐらいのときから戦いでしたね。
qbc:でも、それは、ご両親、はぐらかさなかったでしょ? 誤魔化さなかったんじゃないですか? eyeさんが言ってくることに対して回答してくれたんじゃないですか?
eye:いやあ、違うんですよね、いきなりパンて叩かれて。
qbc:そうなんだ。そういうふうな感じで、学校に対しても先生に対しても、思ったことを言ってたみたいな感じですか?
eye:言ってましたね。
qbc:じゃあ言い方も激しかったりしたんですかね。
eye:わりと激しかったと思います。
qbc:なるほどね。インタビューの最初10分の印象と全然違う人ですね。
eye:はい。
qbc:心理職を目指されたきっかけから、そこへ進むまでっていうのをお伺いしたんですけども。
eye:まず、そういった自分に激しいところがあったので、学校っていうものに対して、やっぱり自分の奥底で思うものがすごくあったんですね。
で、スクールカウンセラーになりたいとかっていうのを、ちょっと思ってたんですよ。
qbc:心理職としては、そこが最初?
eye:資格を取らないと、スクールカウンセラーになれないっていうのは聞いてたので。じゃあ資格とろうじゃないかっていうところで目指したんですけれども。でも、いきなり経験もないのにスクールカウンセラーっていうのもできないので。まず最初に経験したのが、すぐに入れた精神科のデイケアだったっていう。そういうことだったんですよね。
qbc:その勉強自体っていうのは、スムーズに? 特になくみたいな感じですかね?
eye:まあいろいろあったんですけど、留学してて、私、高校のときに。
で、留学をして高3で帰ってきてすぐ受験だったので、全然受験についていけなくて浪人したんですね。
qbc:どこに何年いらしてた?
eye:アメリカのオレゴンに1年です。
qbc:何留学で? 学校の?
eye:そうです。行きたいから行った。それも「行きたーい!」から行っちゃったんですけど。
qbc:なるほどね。じゃあ、戻ってきて大変は大変だったんですね、受験をするっていうのは。
eye:軽い気持ちで、親にも内緒で留学の試験を受けてたんですけど。受かっちゃったから行きたいんだけどっていうところから、両親にお話しました。
qbc:英語はお好きだって言ってらっしゃいましたからね。どうでした? 留学。変わりました?
eye:すごく変わりましたね。変わったっていうか、明るくなったって言われますね。
qbc:その前から心理職やりたかった?
eye:その前は、実は全然違ってですね。高校の途中までは、ピアノで仕事をしたかったんです。音楽おバカだったんで、もうピアノしか考えてなくて。でも、私の手ってちっちゃいんですね、実は。
qbc:あー。
eye:なので、無理じゃないですか。
qbc:ピアニストはね。
eye:それで断念して留学をして。今度、留学したっていう経験から、国際的な仕事をしたいなっていう思いに変わったんですね。だけど、それには私、体力がなさすぎるので。体力があるほうではなかったので、じゃあどうしようかなって浪人のときに考えてたときに。学校っていうものに疑問を持ってた自分プラス。浪人のときに、けっこう私、人の相談に乗ることが多かったんですね。
qbc:予備校で?
eye:そうです、友達の相談に。
qbc:悩みがちですからね、予備校。
eye:予備校っていっても、パッケージっていうんですかね。クラスみたいな感じで、何とかコースってあるじゃないですか。そのコースに入って、一緒に勉強してた方たちとけっこう仲良くなって。で、その人たちのお話とか聞いてたら、そういう相談するの合うんじゃないの? っていうのが出て。そこの学校に入って、その相談するの合うんじゃないのっていうのがパチーンって合ったんですね。
qbc:ふーん。
eye:で、文学部に入りまして、人間科学っていう専攻があったのでそれしかないと思って。
qbc:なるほどね。大学時代は普通に。学生時代のモヤモヤがあって、相談が合うみたいのがあって、心理職のほうに行ってみたいな感じですかね。体系としてはそこで勉強してみたいな感じです?
eye:勉強もしてたしサークルもやってたし、教職も取ってたしみたいな感じでしたね。
qbc:ハードなeyeさんは、どこへ消えたんですかね? どうやって鎮まって。
eye:ハードですよ、今も。
qbc:そうなんですか?
eye:でも就職はしないで大学院に行きました。
qbc:あーなるほど。
eye:結局、すごい忙しい生活してたんですよ、私。普通の自分の専攻の授業やりますよね。教職は英語だったんです。英文科とかの授業受けて、自分の専攻の受けて、かつ、けっこう忙しいミュージカルのサークルとかにも入ってっていう。で、バイトもたまにして。
qbc:はいはいはいはい。
eye:バイトは塾講師やってたんですけど。
qbc:なるほどね。
eye:メチャメチャハードでした。
qbc:院のときもハード?
eye:院の1年目はバイトと院だったんですけど。2年目から、やっぱり心理分野なので研修といいますか。実際に現場に入って仕事しながら修士論文を書くみたいな。
qbc:臨床心理士って、いつ取られてるんです?
eye:2002年ですね。
qbc:へー。その後のキャリアっていうのは、自分の中で納得がいくものというか、どんな感じだったの?
eye:納得はしてますね。自分のやりたいこと
qbc:スクールカウンセラーもね。
eye:そうですね。やったんで。
qbc:なるほど。素敵な人生ですね。
eye:まあその間に、いろいろありましたけど。まあそこは、とりあえずちょっと。
qbc:どんないろいろなことが? 軽く。
eye:いや、浮き沈みがいっぱいありました。
qbc:なんで? どういう?
eye:プライベートですね、主に。
qbc:恋愛関係とか家族とか? だってそんなん20年前の恋愛とか、どうでもよくないですか?
eye:まあそこはね、ちょっと語れないんですけど。いろいろあったんです。
qbc:今でも思い出したりする?
eye:いや、そういうたぐいのものではないんですけど。
qbc:なるほどね。では、今後、5年10年とか。あるいは、もう死ぬときにこうなっていたいとかいうものでもいいんですけど。具体的なことでもいいですし、気持ちの部分、こういうふうに過ごしていたいっていうのでもいいんですけど。どうしていきたい、未来についてっていうのをお伺いしたいです。
eye:今は副業という形を取って、ちょっとずつ準備しているところではあるんですけど。最終的には、開業したいなって思ってます。
qbc:なんのお仕事で開業を?
eye:やっぱり心理の道で。
qbc:カウンセリングみたいなものでっていうことですか?
eye:はい。今、noteには書いてるんですけど。産業ソーシャルワーカーっていうのを勉強してまして。これ、何かっていうと、具体的にはメール相談なんですね。メールカウンセリングの勉強をしてるんです。そういった形の、いわゆるオンラインでできる、在宅でもできるようなカウンセリングをちょっとずつ勉強して。おばあちゃんになっても元気でいたいなって。
qbc:なるほどね。ちなみに、今、LINEで相談もします?
eye:LINEとかもいいと思いますよ。私も詳しくないので、詳しい人にレクチャーしてほしいなって思ってるんですけど。夜中までLINEが鳴るような状態じゃなくって、たとえばこの1時間だけLINEがつなげるとか。
qbc:はいはいはいはい。
eye:そういった形のやつじゃないと、たぶん私の体がもたないので。真夜中にひっきりなしに鳴ってて、しゃべりたいとか言われても困っちゃうっていう。なので、時間をきっちり区切って、でもいろんな援助の方法は考えていきたいなと思ってて。
qbc:オンラインのコミュニケーションって、特有のマナーはありますね。
eye:マナーとかセキュリティとか、そういったところを私もまだ不勉強なもんですから、ちょっと勉強させていただいて。で、そういったところに踏み切りたいなって思ってますね。
qbc:主目的としては、今の仕事を続けたいというのはあると思うんですね、心理職というので。在宅で仕事ができるようにというのは、大きいんですかね。
eye:最終的に、たぶん今の仕事も限界があるでしょうから、本当に60歳になっても65歳になっても働けるような方法を探しておきたいんですよ。
qbc:なるほどなるほど。
eye:今、ただの会社員なんで、絶対65歳には切られるんで、どんなに長くても。
qbc:うんうん。
eye:なので、それ以降。それ以降に貧乏な老人になっちゃうのも、寂しいじゃないですか。そういうのもありますし。せっかくそこまでいろいろ資格を取ってるわけだから、生かさない手はないかなと思ってて。
qbc:なるほど。メンタルな部分では、何かあります? こういうふうな気持ちでいたいとか、そういう。
eye:もっと穏やかになりたいですね。
qbc:なぜ? 穏やかではないってこと?
eye:やっぱり、昔尖ってた分、辛かったので。辛い部分もたくさんあったので。
qbc:今も尖ってるんですか? さっきもハードですよって。
eye:ときどき尖ってます。
qbc:本当に?
eye:たとえば部下とか、下には優しいと思うんですけど、自分で。上にはガンガン言います。それは部下を守るためなんですけど。これ、おかしくないですか? っていうのは。
qbc:なるほど。私、歳とって、けっこう穏やかになりましたけど。30歳後半ぐらいから。
eye:なんですかね、気性ですかね、もうしょうがないんですかね。血気盛んなんですかね。
qbc:そういう自分が、実は好きなんじゃないんですか? そうでもない?
eye:うーん。いいときもあるけど、あー世渡り下手だなって思います。
qbc:好きな自分像ってなんですか? こういうとき、自分、一番好きみたいなの。
eye:たぶん、相談してきた人が欲しい言葉がピンて見えたときは、「あ、この私でいいんだ」っていうのがありますね。
これだっていうのが見えてるときとか。
qbc:人の心がある程度見えるっていう言い方は、傲慢な言い方になっにゃいますが、そう勘違いするような感覚はありますよね。
eye:見えてるかっていったら、きっとわかってないと思うんですけど。自分もいろいろ経験してきたので、今きっとこういうふうに話しかけたらとか、こういうふうに語りかけたら響くんじゃないかなっていう。もちろん推測でしかないんですけど。それがアタリかハズレかは、本人の反応を見ないとわからないんですけど。
qbc:うんうんうん。
eye:それでも、当たった。当たったって言ったら変な話なんですけど。これ良かったんだっていうのが見えたときは、ちょっとお役に立てたかなって。
qbc:そのときは、どんな気持ちになるんですか? 目の前にいるから「ヤッター!」みたいにはなれないじゃないですか。
eye:ならないです。なんか、すごくその人に近づけたなっていう気持ちになります。
qbc:心理的に近づけたっていう気持ちですよね? その感覚って、どんな感じなんです? 手でつかんだイメージなのか、体を寄り添わせたイメージなのか。つかむ、近づくっていっても、その人を捉えたという感覚もあるし。寄り添うのも「近づく」じゃないですか。
eye:たとえば、一緒に泣きはしないですけど、じーんってくるんですよ。本当に感覚の問題ですけどね、これ。なんか、あったかいものとか、重なっているものとか。なんかじーんてくるものがあります。
qbc:近寄ってるっていうか、重なってる感じになるんですかね。
eye:一緒の空間を共有している感じ。
qbc:部屋に一緒にいるっていう感じなんですか?
eye:部屋に一緒にいるのは、それはそうなんですけど。もっと。
qbc:波長が。スピリチュアル寄りの言い方になりますけど。魂に固定の波長があって、それが共鳴する感じ?
eye:波長なんですかね。
qbc:なんなんだろうあの感じ。手で掴むとかいうんじゃないですよね。体が一緒にそばにいるっていうのとも、ちょっと違うかな。
eye:ちょっと違いますね。同じシャボン玉の中にいるようなイメージ?
qbc:なるほど。
「無名人インタビュー」では、if、もしもの未来を聞くようにしてるんですよ。
eye:もしもの未来?
qbc:もしも、心理職っていう今まで50分聞いてきたアイデンティティがなくなったらどうしますか? 心理職っていうものができなくなったらどうしますか?
eye:できなくなったら? 人としゃべれなくなったらできなくなるんでしょうね。
qbc:世の中からもうないよみたいな感じ? そういう仕事自体が存在しなくて、みんなメンタルヘルシー。で、そうなったら、さあどうしましょうってい。
eye:今さら遅いかもしれませんけど、普通にお母さんやると思います。合ってますか? 質問の趣旨。
qbc:その人自身がなんて答えるかなんで、正解はないです。
eye:たぶん、心理職以外の仕事っていうの、私はそんなに知っているわけではないので。でも、たぶん無難にいろいろできると思うんですよ。事務職もできるだろうし、やってたこともあるんで。
qbc:うんうんうんうん。
eye:夜勤なんかもやってたことありますし。
qbc:もう管理職ということ自体が、心理職から離れてると思いますよ。マネージメントスキルがあるし。
eye:まだサービス管理責任者なんで、プレイングマネージャーだと思ってますけど、自分で。ですけれど、これより上に行ったら心理職からは離れちゃうんでしょうね。
だとしたら、指導する側にまわりたいです。
qbc:何かを指導する?
eye:援助する方を指導する側。援助する人たちの先生。
qbc:精神病という概念がなくなったら?
eye:一緒にみんなで働きたいですね。フラットな状態で一緒に働きたいですね。
qbc:そういうふうな人たちと寄り添いたい気持ちがあるってことですかね?
eye:そもそも、私、障害者の地位ってもっと向上していいって思ってて。障害者雇用って、賃金が低かったりとか特定の仕事しかなかったりとかありますけど。もっと可能性があって、もっといろんなことができていいと思ってるんですよ。
qbc:そうですね。
eye:だから、本当に同じ会社を開いて、一緒に働いてるようなイメージ。そういう感じで一緒に働いていたいです。
qbc:スクールカウンセラーになりたいっていうところで就労支援に行ったじゃないですか。今のほうがやりがいを感じていらっしゃる? 学校よりも。
eye:スクールカウンセラー、良かったんですけど。ちょっと管理職と合わなかった学校がありまして。簡単に言えばパワハラを受けたんですけど。なので、ちょっとそういう管理職に、一緒にやってるとメンタルやられちゃうなと思って。それでスクールカウンセラーやめたんですけど。
qbc:ふーん。
eye:子どもたちは大好きなんですけどね。
なんで就労移行って年齢が飛んじゃったかっていうと、やっぱりスクールを卒業させるじゃないですか。そうすると、その次の未来が私たちには見えない。スクールカウンセラーには見えないわけですよ。
qbc:うんうんうんうん。
eye:でも、その先を見てみたいって思いがあって。先っていったら働くところじゃないですか。それで、就労移行に入らせていただいたっていう経緯はありますね。
qbc:なるほどね。コアにあるのって、やっぱりさっきのじーんとする気持ちっていうのは、大きいんですかね。
eye:やっぱりそれがあって、続けていけてるのかなあっていうか。だいたい普通に考えたら、人生の暗い話をいっぱい聞いて、どちらかというと凹むことが多いじゃないですか。
qbc:引きずられますよね。
eye:そういうのでうれしいっていうのは、それだけじゃうれしくないんで。それが、私とちょっと関わったきっかけで、何かが変わったっていうことがやっぱりうれしいんであって。その変われるターニングポイントっていうのが、そのジーンなんですよ。
qbc:最後に言い残したことがあれば、お伺いします。
eye:けっこう、くっちゃべった気がしますけど。
すごい、あっち行ったりこっち行ったりしちゃって、なんか上手いこと言えなかったかなっていう気もするんですけど。
スピリットだけは、伝わっててくれるとうれしいなとは思います。
qbc:ありがとうございます。
ifの未来のときに、音楽か英語かなって思いながら質問してたんですけど。どうしても心理職のほうに話が行こうとするので、離れられないんだなと思いました。
eye:そうなんでしょうね。
qbc:ガラッと変えられる方もいるんですよ。だったら違うことやりますとかね。
でも、人と寄り添ってっていうのが大きいんでしょうね、eyeさんはね。じーんとするっていうのが。
eye:それは私、全然気づいてなくって、あーそうなんだーって。逆に私が、そうなんだって感じでした。
qbc:なんでここまで心理職にこだわりがあるのかっていうところまで深掘りはできなかったですけど。
じーんって感覚なんですかね。
eye:やっぱり行く先々でその感覚があって。デイケアでもありましたし、スクールカウンセラーでももちろんありましたし。必ずあるんですよ。それを重ねていくと、もうこの道かな、やっぱりみたいな。
1回、事務の仕事に全部振り切って行っちゃえって思ったときもあって。あったんだけど、やっぱりお声がかかってその世界に戻って行ったっていうか。
そんな感じです。
qbc:ありがとうございました。
eye:ありがとうございました。
あとがき
あなたはこのインタビューをお読みいただき、誠にありがとうございました。シンプルにうれしいです。人間は、自分の道を進みます。前に進んでいきます。でも、寡黙に進んでいると、なぜその道を選んだかわからないわけです、他人には。なので、コメントであなたのご意見を私に教えてくださいね。スキをおしてあげます!(いたけだか)
心理にたずさわる、福祉にたずさわる、ってところだけで、あーまったりやさしい方なんだろうなと思ったら、案外ご自身でもいう通りハードな尖った一面もおありということで、私qbc(わたくsiキュービーsiで韻をふんでるんです)はうっかり勘違いしてインタビューをさせていただきましたわけですが、なんだか自分の道を自分できりひらくパワーフルネスな方で、うっかり自分の安易な思い込みを、なんだかなあ自信がないなあっと思った次第でしょっと。
事実の前に人は謙虚でいなさい。
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