【臨床心理学】草食系男子でいいっすか?
皆様お久しぶりでございます!
恋愛が出来ねぇ腹いせはコンビニスイーツでも食べて晴らす
モミでございます(´・ω・`)
少し前、「草食系男子」という単語が大流行しましたよね
最近は聞かないのですが、聞かないだけで令和の時代でもガツガツないような草食系男子は数多くいらっしゃることでしょう
実はこの草食系男子ですが、1970年後半ごろのアメリカでもそういう男性が大量発生したようです
今回はそんな「草食系男子」についての考察を、臨床心理学の目線で考えていこうと思います
ちなみに、今回の記事は「#創作大賞2022」に応募しようと思います。というのも今回のお話、私の研究内容と結構被ってることもあり、「心理学の研究に興味持ってくれるといいなぁ」という願望を込めて書いています
こういうことを楽しく考える人が少しでも増えればいいなぁ…
アメリカ版草食系男子
アメリカで草食系男子みたいな感じのが流行したのは1970年代です
当時のアメリカは、ベトナム戦争への不満や反戦運動、学生運動の衰退といった社会的背景がありました
そんな時代なので、当時の若者には「失望感」が蔓延していたようです
一方で、女性の社会進出が本格的になったのもこの頃です
男性も女性も公平に評価されるのです
男女公平に評価するという事は、これまで能力が低くても女性より評価された男性は、相対的に評価が下がることになります
もちろん、この問題は女性に原因があるわけではないのですが、それでも男性は自信を失うようです
このような社会背景から、当時の若い男性は「失望感があり、自分に自信がない」という特徴がありました
ピーターパン・シンドローム
そんな時代に生きる男性には、自分に自信が持てない、これまでのような評価がされない社会に参加したくない、男性らしさが不足してる気がするといった思いがあったそうです
そんな男性たちの特徴を、「症候群」としてまとめたのがピーターパン・シンドロームです
ピーターパン・シンドロームになった男性はどうなるでしょうか?
ピーターパン・シンドロームの特徴
まず、「大人社会に仲間入りできない」という特徴があります
自分に自信が持てないなら、自分をもっと向上したいとは思えないでしょう
次に「恋愛や夫婦関係における未熟さ」が挙げられています
パートナーに生活を依存していたり(要はヒモ夫ってやつです)、そもそも自分から女性にアプローチできないということらしいです
これに関しては、従来型の恋愛との違いという側面もありますので、何とも言えないところです
さらに、「不安感と孤独感が強い」という特徴もあります
将来への絶望感、恋愛関係や友人関係を積極的に獲得するために行動できないため、このような不安や孤独を感じていたのかもしれません
日本ではどうなの?
このようなピーターパン・シンドロームの特徴をもった日本人男性も少しずつ増えていったのではないでしょうか?
割合として少ないにしても、目立つようになったのではないでしょうか?
草食系男子の時代背景
草食系男子という言葉が日本で流行したのは2008年から2009年ごろと言われています
この当時は、リーマンショックによる世界的な不況のあおりを受け、日本も不況の時代へと突入しました
政治面では、2010年に民主党への政権交代がありました
政治分野は素人なのですが、それまでの自民党への失望感が理由で政権交代という結果になったのかもしれません
経済面での不安感と、政治面での失望感
まさに1970年代のアメリカで起きたことですね
大人になりたくないし、なれない
そのような時代に生きた若者は、どんな心理を持っていたのでしょうか
これも、1970年代のアメリカの若者と似ています
大人社会へ出る事=社会人になる事の不安感があったのでしょう
学生としてのモラトリアム期間を延長しようとする動きがありました
その根拠に、この頃の大学進学率は50%を超えています
「自分なんかが社会人になれるのか」「不況の中で社会に出たらホームレスになるのではないか?」「そもそも働けるのか?」
そんな不安感が、モラトリアム人間を生み出したのかもしれません
モラトリアム人間
日本の臨床心理学界で有名なある先生が、「モラトリアム人間」という言葉を使っていました
モラトリアム人間について、「男女に限らず、社会人としてのアイデンティティを確立できず、義務や責任を回避し、モラトリアム状態にとどまろうとする人間」としています
ここでポイントとなるのが「モラトリアム(猶予期間)」です
高卒で働く社会人と、高卒後すぐに進学した大学生の違いは「社会人であるか否か」です
社会人=良いというものではないのですが、それでも社会人としてのアイデンティティ形成は高卒で働く若者の方が早く身につきます
モラトリアム人間のままでは、社会人らしさを身につけるのが遅くなってしまうのです
ピーターパン・シンドロームは世界を変える
ここまで、草食系男子のマイナス面に偏った考察になってしまいました
しかし、ピーターパン・シンドロームの方やモラトリアム人間も悪い面ばかりではありません
ピーターパン・シンドロームの方もモラトリアム人間の方も、共通して「没頭できる趣味がある」「他人に対してソフトに接する」という特徴もあります
文化とサービスを作る
孤独感を感じる理由は、裏を返せば「一人にしかない特性が前面に出ている」という事も考えられます
この一人にしかない特性を活かして成功した例が多くあります
Twitterを創業したジャック・ドーシー氏は、PCオタクと呼ばれていたそうです(ほんとかどうかはわかりませんが・・・)
彼も、どちらかというとピーターパン・シンドロームの特徴を持つ人物に思えますが、世界的に成功した実業家として有名ですよね
日本では、「オタク文化」がこれにあたります
アニメや漫画に熱中している間に、気が付けば世界に誇る文化であるアニメ・漫画の交流の場を築きあげました
それがコミケだったり、アキバの特有の文化だったりします
Twitterのような世界を変えるようなSNSサービスや、もはや世界に誇る文化として確立したオタク文化をここまでにしたのは、草食系の若者なのです
自分の幸せより他人の幸せを願う
また、自分から人間関係を築けないのは、問題を深めて考えると「他人を傷つけたくない」という心理が働いていると考えられます
自分の幸せより、他人の幸せの方が大切なのです
なんて奉仕的な発想でしょうか
他人を蹴落として上に這い上がる人よりも、私は立派だと思いますよ
令和時代と比べて
現代はどうでしょうか?
草食系男子という言葉がトレンドにならない時代、このような素晴らしい文化やサービスは生まれないかもしれません
しかし、令和の時代・コロナの時代というのは、心理学的に見ても「時代の転換期」だと思います
そんな時代に生きる私たちの心を見つめ、できる事をやる事が世界を変えるのかもしれませんね
ピーターパン・シンドロームの特徴を持つ人々が世界を変えたように・・・
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