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大学授業一歩前(第120講)

はじめに

今回は食品機能学がご専門の君羅好史先生に記事を寄稿して頂きました。お忙しい中、記事を作成して頂きありがとうございました。是非、今回もご一読下さいませ。

プロフィール

Q:ご自身のプロフィールを教えてください。

A:君羅好史といいます。城西大学薬学部医療栄養学科という管理栄養士を養成する学科で教員をしています。食品成分を理解する「 食品化学」や、食品の生体調節機能を学ぶ「食品機能学」の授業を受けもっています。「コラーゲン」や「ゆず」の機能性を研究していて、食品が人々の健康に寄与する可能性について探索しています。
 読書が趣味です。大学生の皆さんにも素晴らしい本と出会って欲しいなとと思い、Twitterやnoteで #君羅文庫 のハッシュタグをつけて読んだ本を紹介しています。

オススメの過ごし方

Q:大学生におすすめの過ごし方を教えて下さい。

A:没頭できるものを見つけて欲しいなと思います。大学の外で見つけることもあるでしょう。一人の時や誰かと一緒の時にふと見つかるかもしれません。自分がそれに取り組んでいる時に時間を忘れてしまうようなことに出会えるように、色々なことに目を向けて生きて欲しいなと思います。
 没頭できるものを見つけることが、自分自身の世界を広げ、自分自身を助けてくれることにもつながると思います。

必須の能力

Q:大学生に必須の能力をどのようなものだとお考えになりますか。

A:「楽しむ力」だと思います。楽しむことは「思考すること」につながります。
 食べることが大好きな人は、美味しい料理を食べたり、自分で色んな料理を作って食べることで「食べ物」にどんどん興味が湧いて、「食べ物」についてどんどん考えるようになると思います。
 何かを楽しむ力を身につけて、思考するきっかけを得られるようになると、大学やこれからの人生で必要な学び方がどんどん身につくと思います。

学ぶ意義

Q:ご自身にとっての学びの意義を教えて下さい。

A:学びとは「わからないことを増やす営み」と言えると思います。自分が知らないことは何かを知るために学び続ける。わからないことがあるということは、それに対して問を立て、考えることができるということです。
 思考し続けることによって自分自身を、世界の見え方を更新していくことができるのだと思います。

オススメの一冊

Q:オススメの一冊を教えて下さい。

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A:苫野一徳(2013)『勉強するのは何のため?僕らの「答え」の作り方』日本評論社です。学校に通う人が一度は考えるであろう「何のために勉強するんだろう?」に対して、一緒に考えてくれる本です。
 「自分はどういう時に勉強に意味があると思えるんだろう?」と問いの立て方を変えることで勉強の意味を考えてみる。勉強することの理由に絶対の正解はないのだから、自分なりの「納得解」を求めて考え続けようと背中を押してくれます。

メッセージ

Q:最後に大学生へのメッセージをお願いします。

A:知識の断片を覚えることに終始するのではなく、没頭することを見つけ、自分で「問い」を探し、納得解を得ようともがいてみましょう。学び続けることは、今いる世界とは違うオルタナティブな世界があることを教えてくれます。目の前に広がる世界に閉じこもることなく生きていくためにも学び続ける力を身につけましょう!

おわりに

今回は食品機能学がご専門の君羅好史先生に記事を寄稿して頂きました。お忙しい中、記事を作成して頂きありがとうございました。

没頭することを見つけ、自分で「問い」を探し、納得解を得ようともがいてみましょう。

勉強をする理由を考えると確かに、何が正解か分からなくなると思います。事実、私も時々悩みます。ですが、答えが無いからこそ自分でその解を導く、言わば「納得解」を得る営みこそが実は勉強をする意義なのかもしれません。次回もお楽しみに!!


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