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アツアゲあそび

今回の遊び相手は厚揚げ。
あつあげ。
アツアゲだ。


厚く切った豆腐をしっかり揚げたあれ。厚揚げ。
しっかり狐色で、サッと焼くだけで美味しい、あのアツアゲだ。

あつあげ、食卓の万能選手だと思うんですよ。焼いてよし、煮てよし、揚げてある。
自身は淡白な味だけど、外側には味がしっかり絡む使いやすさ。
お手軽おかずの一品にあんまりにも便利な食卓の救世主。アツアゲ。


たとえば、格子にきれめをいれて、隙間に味醂で柔らかくした味噌にネギとすりごま、好みで砂糖を混ぜたものを詰めてオーブンで焼く(贅沢バージョンには肉そぼろも混ぜて詰める)と簡単美味しいボリューム副菜に早変わり。薄く切ってキャベツやニンジンと炒めるだけでも定番主菜にとその姿は千変万化。

商品によっても結構味が違うところも楽しいので、いつも美味しくて安いものを探しては冷蔵庫に常備するようにしています。


アツアゲ様とのオタワムレ

いい厚揚げを買ったときはオーブンで焼いてから、お醤油ををじゅっ! と。そして大根おろしとネギをのせていただきます。まさに和の「あつあげ」です。豆腐の風味が広がって、気分は武家屋敷。緊張感とともに一息でシュッ、と無駄なく「あつあげ」と、発音したくなります。

再び厚揚げに格子の切れ目を入れて、今度は緩めのトマトソースを詰めて、刻んだバジル、たっぷりのシュレッドチーズをかけてオーブンで焼きます。これはイタリアンです。「イタリアン・アツアゲ」。発音はイタリアァーン! アッツアァー ゲッ!! です。勢いをつけて抑揚と身ぶりたっぷりに発音します。イッタリゥアァーン! アッツ ァアーッ! ゲッ! 仕上げにチーズを雪のように散らしながら叫んでも気分が出ます。チーズの良し悪しよりもなりきり度が重要に思えてきたら大正解です。

今度は厚揚げを角切りにしてしまいます。それを耐熱の深皿にならべて、レンチン加熱済みの野菜とホワイトソース、そしてチーズをかけてオーブンにイン!あとはしばらく待つだけでアツアゲ・グラタンの出来上がりです。グツグツ煮えるあと魅惑的なサウンドを真似るかのようにつぶやきます。……ァッツァーゲ・デ・グラトゥンッヌ……東北弁とフランス語は似ているという話ですので、少しこもらせるように発音するとなお良いでしょう。

お次は薄切り。火をかける前のフライパンにごま油とニンニク、大人だけなら鷹の爪も適量入れて火にかけます。香りがたったら、モヤシ、厚揚げ、ニラの順に入れて炒め、鶏がらスープの素、醤油、酒、砂糖、塩、胡椒で味付けをし、水溶き片栗粉でとろみをつけて、仕上げにごま油をちょいちょい垂らしてかき混ぜます。そして、お皿に移す時にこう叫びます。「はぃいー!アツアゲジャー!デキタヨ!」ヘラで炒め鍋を叩くカンカンいう音も混ぜるとなおいい雰囲気が出ます。すぐに食卓に運んで湯気もうもうなところを皆で突き始められるのが理想です。

厚めに切った厚揚げは是非、ケチャップ炒めに。ケチャップに思い切って甘めに砂糖、酒、塩、胡椒を入れたものを作っておき、厚揚げをじっくり炒めます。少し焼き目がついたくらいになったらどかっと玉ねぎを投入。気が向けばミックスベジタブルもいれます。そしてひがとおったら先ほどのミックス調味料をドーンと入れて、水気が無くなったら出来上がり。ケチャップ味といえばアメリカン! アツァーゲ・ケチョップの出来上がりです。片手に皿を持ち、反対の手では親指を立ててサーブします。なんならバンズに挟んでアツァーゲバーガーも悪くないです。唇と舌、顔の筋肉を過剰なくらいに使って発音するとかなりイカしたかんじになれます。

皆さま、いかがでしょう
アツアゲde世界旅行は

このほかにもタイにはあつあげが元々存在していてスイートチリソースなどで食べられていますし、タジン鍋の具として使うのも個人的には楽しいです。

シンプルで、誰の色にも染まるからこそ愛される
きちんと自分の風味と性質は残していつつ、変化ができる

…なのに揚げてあるから、ヘルシーフードっぽくはあつかって貰えない


そんなアツアゲ様と、味だけではなく雰囲気と言葉で遊ぶのも、たのしいですよ!

アイラブ・あつあげー!!

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