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新年そうそう強盗

新年早々銀行強盗をこころみドジって追い込まれる凸凹コンビ。
港湾地区の倉庫が立ち並ぶ一角。

子分「お、親分、どうやら袋小路に来てしまったようですぜ。
親分「ああ、見放されちまったな。四面楚歌、年貢の納め時ってやつかな。
子分「八方塞がりともいいますぜ。
親分「絶対絶命ともな。ふっ。俺も焼きが回っちまったもんだな。
子分「親分、四面楚歌と八方塞がりってどっちがより悪いんですかね。
親分「周囲がすべて敵に囲まれている四面楚歌のほうだろうな。、、そういえば八方といえば八方美人というのもあったな。
子分「八方を美女に取り囲まれているウハウハの状態をさす、まあ成句ですね。
親分「ああ、そんな状態で平静でいられるのは反町隆史ぐらいだろうなあ。
子分「、、、一般ピープルならあたふた器量のなさをさらしてしまう絶対絶命な状況ともいえますね。
親分「なかんずく反町だよ。反町なら命を得て生還すらするだろう。
子分「おおげさだなあ。警句ずきにもほどがありますよ。一般ピープルでもたとえ四面をハニートラップを仕掛けんとする色仕掛けの美女に取り囲まれたとしても、命まで、それほどまでにはなかなか成らないでしょう。
   
親分「、、、、反町とコマネチ似てるけど、どうなんだろうな。親戚?
子分「、、、、、。、、、お、親分、サイレンの音が近づいてますぜ。
親分「嗅ぎ付けるのがはええな。おいあれだな、娑婆から離れるのだと思うと生まれ育った郷里が懐かしい。お前さんはどうだい。久留米はいい街だろ。俺にとっちゃあ故郷に錦をの大志で飛び出し捨てたどうしようもねえ街なんだがな。
   、、あぶく銭で今年初めてふるさと納税をしたぐれえでさまにならねえったら不届き千万、ありゃしねえもんだなあ。
子分「え、あの納税、いわば年貢がなくなるってえ言うあれですかい。さいですかいそれは親分は立派な方だ。」
親分「そうなのかい。どうやら今年の年貢の納め時も逸したようだな。
子分「年貢の納め時がないということは、言い換えの候補にあがるほかの言葉もイコール同様で、つまり八方塞がりでもないってことになりませんかね。
親分「頓智でなんとかなるのかの登場人物らしくないがさすがにそれは言葉のあやだろう。
子分「しかるべくは親分お答えねげーてんですが、八方塞がりの空間の広さはどのくらいなんでしょうかね。
親分「ざっと96畳はあるだろう。根拠はねえが
子分「とするとエステマシーンや卓球台、男子体操競技の吊り輪やつまみの自動販売機をおいてもなお、、
親分「身体は基本円錐形だから円を描くように飽くまでゴロゴロもし続けられるだろう。荘厳で規則正しい天体の運動のようにな。天体法則の運動ができっるってことは意外と広いのかもな。それに加えて世界は塞がってるわけだから必然人目もないってわけになる。はばからずゴロゴロし放題を担保する根拠になっているな。
子分「ってことはあっしがレンコンのオカヒジキ挟み巾着包み揚げを作りながらにじり寄ったり、様式便座の上で蓋の方向に顔が向くようキッチリ90度で三点倒立をしたりしても、、
親分「ああ、頭の座りが心配だが問題ねえよ。それにしてもだな、状況を指し示す言葉ってのは、それを考えただけでキリキリお腹がいたくなってきたりするだろ。そういうことの運びになってきたわが身の出来事を振り返ったりしてな。でもなあ、今更振り返るなんていやなこった。俺達も明日には留置所の檻の中で過ごすようになるのかね。八方塞がりよりしんどいわな。
  ん、風が寒くねえな、、凪って言うんだったよなあ、、。
おい、もうお縄になる時間もそこそこまできてんだろうがどうしたものかねぇ。 
子分「娑婆に戻ったらどこかの町でキレイまっさらイチから出直そうかと。親分、これからずうっとうちら塀のなかなんですかねぇ。泣き叫んでも意味なんて変わらず、なんですかね。こ、これがバカのしおさめになるんですかね。
  親分、好きにバカしていいんだったらあっしはバカの意味無意味、そして牢獄に暮らす意味を、ここで 変えてみせますぜ!
   (中略)自主規制
   まだまだぁぁぁあっ。 
   (中略)自主規制
子分「、、、、~なんですね。よおっし、とりあえず奴らが到着するまで十字懸垂で、ムーンサルトの特訓だーーっ。なんならぁお望みとありゃあ、"月にだって"届いてみせますぜ!!

  近辺へと響いて来ていたサイレンは初詣で飲酒運転でとことん信号無視を繰り返し逃亡するまこと、めでたい車両を追跡する音であった。
  空気が澄む明けの薄紫の空そこのけの冴えた頭で
  思いつく限りのバカを話すの、
  頬杖をつき疲れた身体を預け耳を傾けるの、
  果てしない凸凹あり。

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