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【生きづらさを感じるすべての皆さんへ】「自分の中に毒を持て」を読んだら少し気分が晴れたかも

自分自身の生きるスジは誰にも渡してはならないんだ。たとえ、他人にバカにされようが、けなされようが、笑われようが、自分が本当に生きている手ごたえを持つことが、プライドなんだ。人生を真に貫こうとすれば、必ず、条件に挑まなければならない。いのちを賭けて運命と対決するのだ。その時、切実にぶつかるのは己自身だ。己が最大の味方であり、また敵なのである。

真っ赤な表紙の上に、こんな過激な文言を添えた本が日本を代表する芸術家岡本太郎の「自分の中に毒を持て」です。

正解のない現代社会。ついつい人の目線が気になる現代社会。情報が錯乱し自分の向かいたい道、あり方がなかなか見つからない現代社会。

1993年に発表されたこの本は、そんな「今」を生きる私たちにも強烈なエールを送り続けています。


目次

まず初めにこの本の目次を紹介します。

〔1〕 意外な発想を持たないとあなたの価値は出ない ――楽しくて楽しくてしょうがない自分のとらえ方
1 .自分の大間違い
2 .“モノマネ”人間には何も見えない
3 .一度死んだ人間になれ
4 .直線と曲線の違い
5 .“捨てる主義”のすすめ
6 .らくに生きる人間は何を考えているか
7 .エゴ人間のしあわせ感覚
8 .好かれるヤツほどダメになる
〔2〕 個性は出し方 薬になるか毒になるか ――他人と同じに生きてると自己嫌悪に陥るだけ
1 .“爆発”発想法
2 .道は一本か、十本か
3 .正義の裏・悪の表
4 .成功は失敗のもと
〔3〕 相手の中から引きだす自分 それが愛 ――本当の相手をつかむ愛しかた愛されかた
1 .愛の伝え方を間違えると
2 .“その一瞬”を止める方法
3 .男と女に知的関係はあるか
4 .自分の愛とその人の愛の違い
5 .失ったときから始まる愛
〔4〕 あなたは常識人間を捨てられるか ――いつも興奮と喜びに満ちた自分になる
1 .きれいになんて生きてはいけない
2 .頭を遊ばせて世の中をみてみよう
3 .“爆発”の秘密
4 .自分を笑ってごらん
5 .むなしさの生みの親
6 .あなたは何に燃えたいか大切なメッセージ

もう、熱いですね。目次からも伝わってくる疾走感。熱量。

そして、あえていえば全くもってMECEではない。

何かの理論を整理して伝える本ではないし、特に何かの前提を整えるような章だてでもありません。

ただ、読了したあとあなたは圧倒的な熱量に包まれているはずです。

胸が突き動かされたメッセージ

「十八歳でパリに来て、画家としての夢を描いた。そして芸術運動の最前衛のグループに飛ぶ込んだ。そこに情熱も張りもあった。戦った。しかしやがて一方、人間の本当の生き方はタブローという枠の中で美を追求することだけではないのではないか。もっと広く、そしてもっとぎりぎりの、自分という人間の存在、生命それ自体が完全燃焼するような生に賭けるべきではないか、そういう自分自身への問いに全力でぶつからずにはいられなかった」

画家としての成功を願ってパリに留学した太郎は、ある日「一般的な成功」とは異なる、「自分の燃焼」に対して志を持つようになります。

多くの人には理解されないが、自分が心から認めるものに対して熱量を注ぐことを腹に決めたのです。

とにかく無条件に、とにかく心の赴くままに。三日坊主だっていいじゃないか。胸がつき動くんなら頑張ってみろ。

それで後ろ指を刺されても自分が納得して燃焼できていればそれで良い。

そんなエールが詰まっていますね。

「ぼくは口が裂けてもアキラメロなどとは言わない。それどころか、青年は己の夢にすべてのエネルギーを賭けるべきなのだ。
(中略)自分自身の生きるスジは誰にも渡してはならないんだ。この気持ちを貫くべきだと思う。」

どうせ無理じゃね。今までサボってきたから。とりあえず有名企業がいいな。親がこういうから。上司がこういうから。辛いの嫌だから。人と違うことすると疲れるから。悪目立ちするの嫌だから。こうすればモテそうだから。学歴差別があるから。出世競争があるから。

まあそうかもしれませんね。そうなんですけど、だからなんだと。

考えても仕方ないことは考えず、とかく無条件に燃焼してみれば、その燃焼の根底に自身の本当の「プライド」さえあれば、より充実するのではないか。その充実の先に「自分」を発見できるのではないか、そんな問いを太郎は我々に投げかけます。

「サービス精神が旺盛で、ついまわりの期待するようにふるまってしまったり、チャラチャラと軽口を連発し、そのくせ軽薄だと思われてやしないかと内心絶望している人がいる。近頃はテレビの番組でもふざけたり、笑わせたり、ガチャガチャやるバラエティが大流行りだ。その影響下、一般の人でもタレントみたいな喋り方をする人が結構多い。それはサービス精神かもしれないが、つまりはみんなに悪く思われたくない、自分がかわいい一念なのだ。とかくみんな自分を大事にしすぎる。自他に甘えているんだ。本当の自分の在り方を外につきだしていない。だから裏目が出てきてしまう。」

ついつい、人生を生きているといろんな、いろんな誘惑があります。それは何も就活の採用面接の場面だけではなく、日々の営みでもそう。例えば、あまり仲良くない、おそらく職場・サークルの不平不満をぶつけ合うようなグループでの飲み会の誘いを思い浮かべてください。「いきたくないなあ」なんて思いつつも「行かないと自分が何か言われちゃうかも」なんていう瞬間があったりしますよね。

確かに、時間が有り余っていれば参加しても良いでしょう。努力を向ける対象がなければ参加しても良いでしょう。そんなどうでもいい人たちよりも、大切な人と過ごす時間がないのなら参加しても良いでしょう。

ないんです、きっと。自分が挑戦するための時間や、自分が大切な人と過ごす時間よりも尊い時間なんて。

きっと我々は思った以上に「人からよく思われたい」という欲求に支配され、同質的な動き方をするように行動をがんじがらめにされています。

でもきっと、本当に尊敬される人って、よく思われる人って「自分なりの芯を持って貫いている人」じゃありませんか?(イチローも大谷翔平もきっとそうですよね?彼らがくだらない飲み会に参加してる姿を想像できますか?)


よく思われようとして自分の薄い欲求に従って、本当の欲求に逆らうと結果的に人によく思われることなんてなくなってしまう。かわいい自分に決別し、燃焼していれば美しい自分に出会える。

本来、人は皆それぞれ「違う」のだからそのまま振る舞ってみよう。

そんな「至極当たり前だけど大変勇気が必要」な挑戦を、太郎は我々に投げかけています。


最後に

紹介しようとすると、無限に筆が進むくらい大変学びが多い本です。

今なんだか停滞してんなあ
なんか気だるいなあ
人間関係も自分の人生も辛く苦しい

と感じているすべての皆さんに手に取っていただきたい一冊をご紹介しました。

Uni. News はどんな人の挑戦も決して諦めません。

絶対支えるから、一緒に頑張りましょう。


自分の中に毒を持て<新装版> (青春文庫) https://www.amazon.co.jp/dp/4413096843/ref=cm_sw_r_li_api_glt_i_051XBY3J6N7RYK8JNN43


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