絶対に三億円がもらえる世界
○月□日
今日、買い物に出掛けたら、見知らぬ老人が突然わたしに大きな紙袋を押しつけてきて、
「なにがどうでも、これだけは必ず、あんたにもらってもらわねばならん」
と言ってきた。袋は三つあり、ずっしりと重く、持ち上げることすら困難だった。どう考えても犯罪のニオイしかしないので、いらんもらえの押し問答になり、挙げ句、老人の言うことには、
「昔あんたにそっくりな女を深く傷つけ不幸にしてしまったんじゃ。償ってからでないと死ぬに死ねない。この哀れな年寄りを助けると思って、これをも