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【ワットラカン】タイ人なら皆知ってるたくさんの鐘があるチャオプラヤー川沿いの有名寺院

もうすぐ暑季に入るタイ。
雨季に向けての仏教祭日の準備も徐々に行われます。

タイ国内では知らない人がいないくらい非常に有名な寺院なのですが、タイらしい豪奢な作りではない静かな寺院なので観光客の方にはあまり人気がないようです。

しかし、仏教祭日のサーイシン(聖糸)の張り方が非常に美しく、タイの旧正月・ソンクラーンも近いのでぜひお立ち寄り頂きたくご紹介いたします。

ちなみに2024年のソンクラーンは4/13(土)〜4/15(月)の3日間です。

朝夕の鐘の響きに癒される

王宮からチャオプラヤー川を挟んで王朗市場へ向かう船にのると現れる大きな寺院。
正式名称はワット・ラカン コーシターラームといい、第二級王室寺院です。

タイの仏教史上最高の霊力を持つと言われていたルアン・ポー・トー師が住職を務めたことで有名で、多くのタイ人がご利益を求め訪れています。

過去記事にも書いたオンヌットにあるワットマハーブットの、一旦封印された幽霊・メーナークがある事故で復活してしまったときに、その神通力で再度封印したのが彼だといわれています。

彼が作ったプラクルアン(お守り)は億単位で取り引きされるほど!

逆光でよく見えなくてすみません
たくさんの方がこの像の前でお祈りしていました。

「ラカン」はタイ語で「鐘」
その名前の通りたくさんの鐘があります。
ラーマ一世の時代に寺院内で黄金の鐘か見つかったことからこの名前が付きました。

タイミングが良ければ朝夕に寺院内のあちこちの鐘を鳴らす音を聴くことができます。
朝6時と夕方6時の2回です。

朝なら爽やかな風を浴びながら、夕方なら夕陽に染まるチャオプラヤー川を眺めながら、周辺に鳴り響く鐘を音を聞くのはとても贅沢な時間です。

周りに遮るものが何もないので、鐘の音が空に溶けていくようです。

寺院併設の学校がいくつかあります

寺院のすぐ前はちょっとした広場になっているので、ベンチに座ってのんびりと鐘の音に体を任せてみてください。

仏教祭日近くの本堂は必見

訪問した日は雨安居前だったので、本堂周辺には当日を迎えるための準備でたくさんのテントが設置されていました。

当日には雨安居中に出家する人や、功徳を積みに来る人で溢れかえるのでしょう。

夕方の勤行の時間帯だったので、一緒に聞かせて頂こうと中に入るとびっくり。

びっしりとサーイシン(聖糸)が張られていました。
このサーイシンはカットされ、仏教祭日に信者の手首に巻かれるものです。

天井に格子状に張ってあるのはよく見かけますが、このように一種アートとも言えるような美しい張り方をしているのを初めてみたので感激してしまいました。

なんとも神秘的な雰囲気です。

この芸術的なサーイシン越しに見る仏像やトライプームの壁画は、息を呑むほど美しかったです。

下の写真の仏像の背中から糸が垂れているのが分かりますか?
この糸がサーイシンで、木綿糸を束にしたものです。
本尊に結んだ糸を通じてご利益をお裾分けして頂くのです。

勤行の声が一粒ずつサーイシンに染み込んでいっているような、不思議な気持ちになりました。

ワットラカンの仏像は、降魔印座像でなく瞑想座像でした。
とても高貴な凛としたお顔で、優しさと厳しさを兼ね備えたとても美しい仏像です。

背面のトライプームだけでなく、本堂内一面に描かれた壁画がまた本当に素晴らしいのです。

扉にも鐘の絵

派手すぎず、穏やかな色合いで描かれた緻密な壁画からは少し日本画のような雰囲気も感じられます。

下のほうは地獄が描かれています

描かれている人々の顔付きや体は、タイの壁画によく見られる極端に吊り上がった目や弓のような眉、外側に湾曲し尖った指先などのデフォルメされた特徴は見られず、どちらかというと写実的です。

近代的な服装の人々が描かれた壁画もあります

とても古い歴史のある寺院なのですが、同じような年代でもお寺毎に様々な壁画の違いがあって、面白いなぁと思います。

とても素晴らしい壁画ですので、ぜひじっくりとご覧になってみてください。

女性のお顔が美しいです

本堂前の仏像もとても素晴らしいので、忘れずにご覧くださいね。

あの鐘を鳴らすのはあなた

プラーンの周りにはたくさんの小さな鐘があります。

これは煩悩を消す鐘なので、誰が鳴らしても大丈夫です。
ゆっくりひとつづつ鳴らしながら歩いてみると、結構時間がかかりますが、鐘を鳴らす行為に夢中になってきてだんだんと心が落ち着きます。

お寺めぐりや仏像が好きな方はプラーンの上部もご覧下さいね。

四方をぐるりと囲むガルーダ達や仏像もそれぞれ味があって、とても見ごたえのある立派なプラーンです。

洪水が多い国ならではの建築

本堂の横にはお経を保管しておく経堂があります。

中に入ることはもちろん一般人の私たちには無理なのですが、高床式の建築は洪水から大事な経典を守る昔ながらの様式です。

窓の細工など細部を見るだけでも美しいエリアです。

本当にこの寺院はよく掃除され、整備されていて気持ちが良いです。


夕方は勤行が終わると早々に色んな施設を閉めてしまうので、本当は朝の勤行の時間に行くのがおすすめです。

さわやかな朝に美しい本堂で一緒に勤行を聞き、そのあとに寺院内を散策してから、近くの王朗市場で朝ご飯を頂くコースが良いでしょう。

タイでも指折りの高僧が祀られている、由緒ある寺院でたくさんのご利益を受けて帰ってくださいね


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