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【ワットテープティダーラーム】娘への愛が随所に感じられる52体の女性修道僧像がある美しいバンコクの寺院

上座部仏教を主流とするタイでは、女性は僧侶、つまり比丘尼にはなれないのですが、そんなタイでも珍しい52体の女性修道僧像が祀られている寺院に行ってきました。

タイで良く見られるアレがない

ワットテープティダーラームはそんなに大きな寺院ではありませんが、第三級王室寺院です。
白を基調とした静謐な寺院で、観光客も少なく、ゆったりとした空気が流れています。

ところでこの寺院、今までの旅行記でご紹介した寺院と比べ、なんだかスッキリしてると思いませんか?

切妻の模様も控えめです
屋根の端っこのピンとたった飾り
「チョーファー」がありません

そう、この寺院には屋根の装飾「チョーファー」が無いのです。

タイで一般的に見られる
屋根の飾りはこんなのです。

柱もすべて面取りされていたり、切妻には控えめなカラーのタイルで鳥や花が描かれていたり、ちょっと西洋の教会のような柔らかい佇まいですね。

ラーマ3世が寵愛したヴィラース姫

この寺院はラーマ3世が長女ヴィラース姫のために建てた寺院です。

ヴィラース姫はその美貌だけでなく才女で、政務のうち財務を請け負い非常に優秀な働きをしたことで、ラーマ3世は彼女をとても可愛がりました。

ラーマ3世は治世中に3つの寺院を建てましたが、そのうちのひとつが、この【ワットテープティダーラーム】です。

愛する娘のために、専用の寺院をプレゼントするなんてすごいですね!

右がヴィラース姫です

ひしめき合う女性修道僧

この寺院の特徴のひとつは、礼拝堂内に52体の女性修道僧像があることです。

娘のために建てた寺院とはいうものの、上座部仏教が信仰されているタイ国内において、女性修道僧像を祀って女性も信仰心で救われることを表現している寺院は他には無いと思います。

さまざまな形で祈る女性修道僧が
ひしめき合っています
一体ずつじっくりと見入ってしまいます。

この52体の女性修道僧像は、よく見ると一体一体表情も仕草も異なるのです。
片膝を立てて座っていたり、胸に手を当てていたり、うつむいていたり。
それぞれの想いが伝わってくるようです。

ぜひ拡大してご覧ください。

両脇の立像はキラキラと輝く
ラインストーンで作られた
飾りを持っていました
心なしか仏陀の表情も
とてもにこやかに見えます

参拝されている方も女性がほとんどでした。

私も参拝しながら自分の姿を女性修道僧像に合わせて、一緒にお祈りしている気分になりました。

まっしろな愛らしい仏陀

本堂の壁には「プッタン」というカトレアのような花をモチーフにした模様がシックな色で描かれています。
このプッタンは礼拝堂にも本堂にも描かれています。

その中にふわんと浮かび上がるように、「ルアンポーカオ」と呼ばれる、小さな白い仏像が祀られています。

写真が白飛びしていてお顔をはっきりと見ていただけないのが残念なのですが、丸顔でとてもかわいらしい仏像です。

白い石で作られた小さな仏像の周りにも、控えめながらも精巧な作りの仏具や、華やかな花々が飾られていて、優秀で美しい大人の女性、ヴィラース姫によく似合う雰囲気です。

金色の装飾もギラギラしすぎておらず
室内の装飾に合っています。

あちらこちらに咲く花の模様

美しく、才気あふれた、愛する娘のために建てたことがよく分かる装飾があちらこちらに見られます。

花や鳥をモチーフにした壁画や窓枠、欄干などが色鮮やかに寺院内外を彩っています。
少し褪せた色合いがしみじみと美しく、ウィリアムモリスのパターンを彷彿とさせます。

お父さんから娘へ、思いっきりの愛を込めた寺院。
隅から隅までじっくりと堪能してくださいね。

礼拝堂のプッタンモチーフ
本堂のプッタンモチーフ
中華風の花瓶
門にも花輪の浮彫
窓の格子も花の模様
本堂横の花模様の穴あきタイル
窓には蓮の花がふんだんに描かれています
鳳凰と花の描かれた壁画
こんな所にも
びっしりとお花モチーフ

ワットテープティダーラームへの行き方

ワットテープティダーラームへは、MRT・サームヨット駅が一番近いのですが、ここだけをめがけて10〜15分ほど歩くのはしんどいので、サオチンチャーのあるワットスタットを見てから休憩を挟み、立ち寄るのがおすすめです。

おすすめモデルコース

9:00 SUVA CAFEでモーニングを食べる
ホットサンドとコーヒーが美味しいです!

10:00 ワットスタット見学
素晴らしい壁画と回廊を堪能してください

12:00 サオチンチャーを見てからメータムパッタイでランチ
ザルに入ってくるのがなんかいいし、ベタベタしてなくて美味しいです。

13:30 ワットテープティダーラム見学
じっくり瞑想タイム。猫さんもたくさんいます!

15:00 カッシーコーヒー
かわいい猫さんとイチャイチャしながらオヤツ

この後は、体力があればロハプラサート寺院に行っても良いですし、カフェ前すぐのマハチャイロードのバスに乗ってチャオプラヤー川方面へ行ってみるのも良いと思います。

チャオプラヤー川方面に向かうなら、王朗市場からのワットラカンならちょうど鐘撞きの時間に間に合うはず。

良ければ参考になさってください。

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