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【ワットクローンスワンキーリー・前編】ドヴァーラヴァティー時代の遺跡や博物館、ローカルマーケットまである見所たくさんのタイ寺院

さて、タイ伝統菓子でお腹を満たしたあとに向かったのはタイ国鉄ラーチャブリー駅からソンテウで約15分のラーチャブリー県クーブア地区にある、ワットクローンスワンキーリー

こちらにはお寺だけでなく、ローカルマーケットからクーブア地区に関する博物館、ドヴァーラヴァティー時代の寺院跡まである見どころ盛りだくさんの場所です。

まずは、ドヴァーラヴァティー王国の簡単な説明と、お寺と遺跡の深い関係を一緒に見て行きましょう!

ドヴァーラヴァティー王国って?

ドヴァーラヴァティー王国は、ナコーンパトムやウートーンなどチャオプラヤー流域を中心に栄えた、タイ中部から東北部にかけていくつもの都市を束ねた連合国です。
今でもその名残でドーナツのようにお堀に囲まれた環濠集落(かんごうしゅうらく)が見られます。

今から約1000年以上前にタイにあったドヴァーラヴァティー王国には大きなドーナツ状のお堀に囲まれた環濠集落(かんごうしゅうらく)の集まりでした。
引用:Paths Unwritten

ドヴァーラヴァティー王国は,クメール王国がこの地域を支配するまでの6世紀から11世紀まで続いたと言われています。

その頃からすでに交易が盛んでしたが、その当時の造船技術では長距離運行が出来なかったので、マレー半島をぐるりと回るのは大変でした。

そこで、タイ国地図でいうところの象の鼻の付け根あたりで川を使いショートカットするのが効率的だったんですね。

引用:Epic world history
Dvaravati map

その頃最も栄えていたのはラチャブリー県の東隣り・ナコーンパトム県ですが、ラチャブリー県もドゥヴァラーヴァティー期には海水面は今よりも高く、海に近かったことやメークローン川から近く、海運・舟運にとても適した場所で非常に栄えていたそうです。

グッジョブ住職!みんなで守ろう古代遺跡

時はくだり、ある僧侶が廃寺を修道院として利用しようとしたところ、木々に埋もれていた古代遺跡を発見しました。

現在の場所より少し離れたところにあったこの寺を遺跡のある場所に移し、再建します。

寺院自体は比較的新しく
現代のタイ寺院の建築様式で作られています。

重要な古代ドヴァラヴァティ時代の遺跡を管理するため、寺は敷地の一部を民俗資料館の建設用地などに提供しました。

クーブアの人々とラーチャブリー県行政機関が共同で建設し、現在では週末にマーケットも開かれる複合施設となりました。

少し遠くからも分かる黄金の大仏以外は、質素で過度な装飾も少ない、地元の方々に愛される寺院です。

にっこり笑顔の素敵な黄金の大仏が目印です。
礼拝堂内部にある仏像には
たくさんの金箔が貼ってあり
地元の人から愛されている寺院だと分かります。

レンガ積みの巨大遺跡にロマンを感じる

お寺から少し歩くと
レンガ積みの大きな遺跡が見えてきます。

本堂横のマーケットを通り過ぎると、青々とした芝生の広場に大きなレンガ積みの巨大遺跡・ムアンクーブア遺跡が現れます。

壁面の柱の形もくっきりと残っています。

空洞の多い石(砂岩かな?)の基礎の上に、レンガで建物が作られていたことがよく分かる大階段と柱の装飾があった場所が、風化せず残っていることに驚きます。

土台となる石は多分砂岩
遺跡がある場所へは近くまで寄って
触ったり見たりすることができます。

この土地周辺の土は赤く、おそらくこのラテライトの土でレンガを作ったのでしょう。

クーブアあたりの地面が露出している所は
赤い土に覆われています。

しかもこの遺跡、すぐ近くまで寄って触ったり、階段を上ることができます。

先に見物していた人が階段に上っているときに、ぱらぱらと崩れていたのを見て、遺跡を壊してしまうのが怖くて上には上がりませんでした。

ひんやりとしたレンガに触れると、煌びやかなアユタヤやスコータイよりまだ昔、約1,000年以上前の人々もこれを見ていたのだな、と思うとなんだか感動してウルッとしてしまいました。

草木に覆われて静かに眠っていた遺跡は
今は地域の人々によって綺麗に整備されています。

こちらは遺跡番号18番と名前が付けられており、この周辺には大小さまざまな遺跡があります。
中には番号があるだけで、建物は残っていない場所もあります。

また、実際に祀られていた装飾や仏像などはバンコク国立博物館を始め、タイ国内の博物館に収められています。

これらの遺跡群は全て近隣にあるため、歴史が好きな方や、じっくりとあちこち見回りたい方は泊りがけで行ってみるのもいいと思います。


芝生の手入れや遺跡に生える雑草抜きは、地元住民の方がされているそうです。
ありがたいですね。

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