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ヤクルト・スワローズ 塩見泰隆選手の1年を振り返る

こんにちは、シュバルベですʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•

先日2020年のスワローズのキーマン投手編に選んだ高橋奎二投手について書きました。

ありがたいことに元プロ野球選手の岸里亮佑さんからもハートを頂きました!

畏れ多いですね、下手なこと書けません笑。書くモチベーションに繋げていこうと思います笑。

さて、今回は2020年にスワローズのキーマン野手部門で選んだ塩見泰隆選手について書いていきます。2020年頭に書いた記事はこちら↓

筆者はブレイクを確信しており、20年の勝手なKPIとして次の三つを挙げました。

・三振を減らす:19年24K%→20年20K%
・打者優位のカウントで振り切る:ボール先行時に長打率.400越え
・守備走塁でアピール:センターUZRとUBRでプラス指標

素人が言う分には楽なもんだよなぁ、と我ながら思います。ただ弁解させていただくなら、上の項目をクリアし、さらに内容次第ではオールスターにも出られるんじゃない?ぐらい期待していたのです。二軍では18年・19年ともOPS1.000越えで完全にやることが無く、一軍では貴重な足も長打もある右打者候補で出場し活躍する条件は満たしていました

2020年、まだコロナがそこまで蔓延しておらず間も無くキャンプインというところで、塩見選手は予想外のぶちかましをしてくれます。

『俺みたいな一流選手と、ドライブできて幸せだろ?』

この言葉が報じられたことで、塩見選手は「一流選手」という渾名(蔑称?w)が一部のファンの間で親しまれる(?)ようになりました。

そんな塩見選手にとって予想外のスタートとなった2020シーズンはどんな1年だったのか。以下、成績をみていきましょう。

1.総合成績

まずは比較対象となる2019年の一軍での成績はこちらです。

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二軍ではやる事なしでしたが、一軍では壁に当たり不発。出塁率も長打率も.300を切り、OPSは.500台。盗塁も4つと思ったような働きをできていませんでした。

さて、期待された2020年の成績はこちら。

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出塁率は.369、長打率は.487と強打者の成績を残してくれましたが、最も残念だったのは出場が43試合に留まってしまった点でしょう。その理由は怪我。今年は難しいシーズンだったとはいえ、いくら何でもケガでの離脱が多すぎました。以下にケガの遍歴を辿っていきましょう。

まずはシーズン開幕一軍を果たすも、6月29日に左手の突き指で登録抹消。

7月28日に昇格し、打撃好調を迎えるも8月12日に上半身コンディション不良で再度抹消。

9月1日に再昇格するも、9月14日に再々度となる上半身不良で登録抹消。

10月23日に今年3度目となる再昇格をしシーズン最終戦までは一軍に帯同しました。いくらなんでも怪我し過ぎやろ笑

既に基本的な成績で見ての通り、少ない試合数ながら8本塁打は廣岡選手と並んでチーム6位タイ。出塁率 +長打率で算出されるOPSは.85613盗塁はなんとチーム1位で成功率も86.7%。5番打者でスタメン起用されたのが18試合、1番打者では11試合と、元気なら上位のコアに組み込まれました。

一つ目の勝手なKPIであるK%については24.5K%→24.6K%とこの面では改善できませんでしたが、長打率も出塁率も大幅にアップしたので三振してもOKです!!🙆‍♂️

以降の章では打撃ー守備・走塁を順に見ていきます。

2.打撃面での成長

出場試合数は少ないものの、打撃面では飛躍できたシーズンとなりました。OPS.549→.856なのですから、フルシーズンならどれだけの成績がついてきたのかワクワクしますね。一体何が改善された結果なのかを考えてみましょう。

まずはゾーン管理能力です。ストライクゾーン/ボールゾーンでのスイング率とコンタクト率の推移はこちらです。

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19年と20年は比較的近い数値が出ています。18年はストライクゾーンのスイング率が低くどちらかと言えば待球型でしたが、19年・20年は70%となりリーグ平均クラスになりました。それに対してボールゾーンのスイング率は19年・20年ともに28%程度で改善され、ストライクゾーン/ボールゾーンの見極め自体はプロ入り後2年目から上向いていると言えます。

一方でコンタクト率は改善の余地を残しており、ストライクゾーンコンタクト率82%は規定到達選手で言えば中田翔選手(80%)やボーア選手(83%)といったスラッガータイプに近い積極的なものです。コンタクトに優れた選手の例を出すと、青木選手が93%、中村晃選手が94%などです。最も、コンタクト率が高くてもショボい打球しか飛ばないなら意味がないので、あくまで選手の傾向を掴むぐらいな気持ちで見るべき指標ですが笑

ということで次に見てみる指標は打球の強さです。塩見選手の打球の強さをSoft(弱い)/Mid(普通)/Hard(強い)に分けると次のようになります。

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ルーキーイヤーの2018年に比べ弱い打球が大きく減り、強い打球が増えています。Hard%が高い選手は好成績を残せることが多く、実際に基底到達打者のHard%ベスト3は柳田選手(46%)・吉田正尚選手(44%)・村上宗隆選手(43%)です。強いスイングをかけないと当然強い打球は生まれませんので、Hard%が2020年に大きく上がったことはプラスに捉えて然るべきでしょう。

その他、ゴロの割合や先の打球の強さなどを見ていくと、塩見選手の打球データに近い選手が規定到達選手に1人います。それは広島の堂林選手。20歳になり期待のホープとして登場した2014年以来となる14本塁打を放ち打率も.279と結果を残した堂林選手と近い打撃内容というのも悪くないですね。

2つ目の勝手なKPIである「打者優位のカウントで振り切る:ボール先行時に長打率.400越え」についてはどうだったのか見てみましょう。カウント別の成績を2019年と2020年で比べてみました。

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あまりの変わりように目を疑いましたが、ボール先行時は打率.382長打率.676と圧倒的な成績を残してくれました。打率は.382で、2本の本塁打などいう事ありません。ストライクカウント別にみてみると、ノーストライクやワンストライクでは素晴らしい成績を残している一方で、追い込まれると打率1割台と苦戦しました。ツーストライクになってから粘ったり食らいついたヒットが打てるようになると、まさに私の望むオールスター級の選手になれそうです。

最後に打球方向をみてみましょう。2019年との比較はこちら。

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元々スプレーヒッターでセンター返し中心に打ってきましたが、20年はやや引っ張り方向の打球が増えました。元々塩見選手の長所は逆方向へも強い打球を打てること。1年目のルーキーイヤーも逆方向に強いライナーを放っており不運にも野手の正面にいくというシーンを何度も見ました。

今年もそれは健在で、セリーグで最も広い名古屋ドームでもこのホームラン。

全体としては逆方向への打球割合は8%下がり、引っ張り〜センター方向への打球が増えたことは塩見選手にとってプラスだと思います。

11月にはこのような引っ張り方向に痛烈なホームランを放っており、振り切ることで最大限のパフォーマンスを発揮していることが分かります。浅いカウントでの強く振り切る狙い撃ち。先のカウント別打撃結果と合わせて考えると間違いなくより良い方向に進んでいますね。

3.守備走塁

まずは2019年と2020年の各守備位置でのイニング数、UZR、ARM指標をみてみましょう。

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UZRについてはいずれもセンター・ライトともにマイナス指標。脚があり守備範囲も広い印象ですが意外ですね。ルーキーイヤーの二軍ではこんなプレーも。

一歩目の速さや打球の目測といった部分でのマイナスでしょうか。肩は強く、オープン戦では次のような返球も見せています。

この肩がある分、今後もセンター・ライトでの守備位置を掴むことはできるでしょう。

脚は13盗塁2盗塁死で成功率87%は見事。盗塁以外の走塁指標であるUBRは昨年の+2.4からは落ちて+0.3。それでも3年続けてプラス指標をキープできているので、ヨシ!3つ目の勝手なKPIである「センターUZRとUBRでプラス指標」は半分クリアです。

4.最後に

ここまで塩見選手の20年成績を19年との比較で見てきましたがいかがでしょうか。ちゃんと私の期待通り爆発する兆しはビンビンです。来年に期待するのはもちろんオールスター出場と真の「一流選手」になることです。とにかく、一番の敵は怪我ですね。出場さえすれば相当な結果を残せると思います。

理想は一番打者にはまり、先頭打者として長打も狙えるし四球でも盗塁でセカンドに進めればチームとしての力が倍増します。今年はオスナ・サンタナが加わり中軸の厚みが増す予定ですので、先に出塁する子が増えれば勝手に順位は上がるはずです(希望的観測)。

一流選手目指して走れ、塩見!!

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