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開幕直前!どこよりも詳しく東京六大学野球2021春季リーグの見どころ伝えます!

こんにちは、シュバルベです٩( 'ω' )و

プロ野球が3月26日に開幕し私の贔屓とするスワローズもオリックスも日々熱戦を繰り広げておりますが、東京六大学野球もいよいよ明日4月10日開幕です!

各校の伝統と威信をかけて死闘を尽くす週末が戻ってきました(*'▽'*)

本年も感染症対策が練られ、主に次のようなルールが設けられています。

・各校10試合勝ち点制(ポイント制)
・9イニング打ち切り制
・観客は10000人を上限
・応援団は外野の指定された区画で実演

詳しくはこちら↓をご覧ください。

昨年も応援団を秋から入れましたが、今年もいち早くルール設定の上で決断を下しました。無観客での開催となる大会も多い中、東京六大学野球連盟の各種ルール決めには敬意を表したいと思います。

そんな素晴らしい連盟への恩返しとして私に何が出来るか考えた時、それはnoteなりTwitterなりで六大学野球の魅力をお伝えして一人でも多くのファンを増やす事なのかなぁと。特にディープな情報含めて、沼に引きずり込めるよう多くの情報を発信したい、そのような思いで今回もnoteの形で発信いたします。

今回は今年の各チームの注目ポイントを投打に分けて書いていきます!ぜひお付き合いくださいませ🙇‍♂️

■はじめに:2020年振り返り(主要項目)

まずは2020年を簡単に振り返ってみましょう。春季リーグのスタートは真夏の8月にずれ込み、1試合総当たりの勝ち点制が導入。法政大学が優勝しました。秋季リーグは2試合総当たりでやはり勝ち点制が導入、早川隆久投手が圧巻のピッチングを毎週見せ早稲田大学が優勝しました。

NPBでよくつかわれる2つの指標を基に、各大学のポジションをプロットしてみましょう。

まずは投手部門です。防御率が一般的に知られた指標ですが、安打は相手チームの守備に強く影響を受けるため純粋な投手の能力を計るにあたっては三振率・与四球率・被本塁打率を見るのがセオリーです。六大学野球においてはホームランが出づらく、春秋合わせた全45試合で41本。秋のチーム別HR/9は最も悪い明治大学でも0.71でしたので、K%とBB%でプロットしてみました。

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早川投手に導かれるように右下(BB%・K%とも優秀。てか異常値w)に早稲田大学がプロットされ、逆に東京大学はその真逆の位置にプロットされています。それ以外の4チームについてはほぼ団子状態で、投手の戦力が昨年は拮抗していたことが分かりますね。

次は打撃の指標です。こちらは長打率と出塁率で各大学をプロットしてみました。

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長打率・出塁率ともよいのが右上、逆が左下という図になっていますが、大変興味深いことに右上から左下に並んでいる大学と全く同じ順番で昨秋の順位となっています。東京大学が他大学に大きく引き離されて出塁率・長打率とも最下位、次に法政大学が両項目とも5位で、早稲田大学・慶應大学・明治大学の3校は団子です。

これを念頭に、以下各大学の投打の見所を見ていきましょう!ついでに私の予想オーダーも掲載しています笑

1.早稲田大学

昨秋の王者早稲田大学。ドラフト競合一位となったキャプテン早川隆久投手を軸に投打とも力で押し切る戦いぶりで、秋は負けたら慶應優勝というプレッシャーの早慶戦で2連勝を飾り優勝を手にしました🏆

今年のスローガンは「一球入魂」。早稲田大学野球部初代監督の飛田穂洲氏が使い始めたとされる、早稲田野球部の精神が詰まった言葉だそうです。小宮山悟監督も過去のインタビューでこの語を使っていますね。

早速投打の見どころを挙げていきましょう。

1-1.ダブルエースを軸とした充実の投手陣

圧倒的エース早川投手が卒業したものの、早稲田大学には先発二本柱が控えています。それはともに四年生の徳山壮磨投手(大阪桐蔭)西垣雅矢投手(報徳学園)

徳山投手は昨春2試合16イニングで無失点、最優秀防御率のタイトルを獲得しベストナインにも選ばれました。秋は故障の影響もあり万全の投球とはいきませんでしたが、早慶戦2試合目にリリーフで出場するとMax149kmを記録。元々制球力は高いだけに、全体の出力が上がってくると容易にゲームメイクできるようになるでしょう。

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西垣投手は秋に5試合16イニングに登板。イニングより多い21奪三振を奪いました。サイドスローに近いアームアングルから大きなスライダー、小さいカットなど多彩な変化球を操ります。徳山投手とともに4枠しかないスポーツ推薦で入学、切磋琢磨しながら成長してきた集大成が今年見られるのではないでしょうか。

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リリーフでは卒業した柴田迅投手と同様、140km後半のフォーシームを投げ込む四年生の山下拓馬投手(早大本庄)がクローザーの役割を担うと考えられます。昨年は春秋合わせて7試合8.1イニングに登板し、11個の三振を奪い自責点は僅か1。制圧力のある好リリーバーです。

四年生の森田直哉投手(早稲田佐賀)と、昨秋登板機会はなかったもののベンチ入りを果たした三年生の原功征投手(彦根東)の二人の左腕もリリーフに控えており、後ろの厚みで言えば昨年以上かもしれません。二年生も2人登録されており、新たな力の台頭も期待されるところです。

昨年ほどのK%BB%を記録するのは難しいかもしれませんが、他大のへいきんいじょうには間違いなくやれる投手陣と言えるでしょう。

1-2.甲子園のスターが集う野手陣

金子銀佑選手(明治安田生命)・瀧澤虎太朗選手(JX-ENEOS)・吉澤一翔選手(大阪ガス)と上位打線から四年生が抜けたものの、キャプテンの丸山壮史選手(広陵)や2年秋から正捕手を担う副将岩本久重選手(大阪桐蔭)、俊足が持ち味の鈴木萌斗選手(作新学院)ら早くから起用されてきた選手が軸としてフィールドに並びます。

野手陣の予想ポジショニングマップはこちら。

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打線の中心である4番には昨年から継続して岩本選手がどっしりと座ります。昨秋の優勝キャッチャーは今年も4番(捕)岩本として攻守の大黒柱。

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高校2年の選抜甲子園では直前の怪我で記録員としての参加となり、その悔しさを胸に早稲田のユニフォームに袖を通したプロ注目の強打の捕手は順調に成長。公式戦でのホームランはこれまで1本で通算打率も.250ですが、絶不調だった昨秋も9四球とゾーン管理はできており、本来のバッティングを取り戻せばかつての慶應郡司選手(中日ドラゴンズ)のように三冠王の可能性すらあります。

個人としての目標について次のように語っています。

勝てる捕手というのが一番評価されると思うので、優勝することが何よりも大事だと考えています。というのも、結果にこだわりすぎるのも良くないと監督さんから去年の秋にお話をいただいて、その一瞬、そのプレーにどれだけいい準備をして最善を尽くすことで結果はついてくると思うので、今年は個人的な数字(の目標)はあえて立てずにチームのために取り組む姿勢を見せていきたいです。
2021年4月4日付早稲田スポーツ【連載】春季リーグ戦開幕前特集『anew』

オープン戦の東北福祉大学戦ではバックスクリーンへの本塁打も放ったそうで、リードに主軸に大変な一年ですがプロ入りに向けた猛アピールに期待です。

この岩本選手を筆頭に、四年生では昨秋5番を担い10打点を記録したクラッチヒッター丸山選手、そして三年生では早慶戦で劇的ホームランを放った蛭間拓哉選手(浦和学院)と中川卓也選手(大阪桐蔭)が控えています。いずれも高校時代は甲子園に出場し高校時代からプロ注目の評価を得た好打者たちです。

蛭間選手は2020年、春秋の12試合で6本塁打を記録。現役の本塁打ランキングで慶應の正木智也選手に並び1位に躍り出ました。パンチ力の一方で、年間通して3四球14三振とやや三振が目立ち、特に春は2試合で猛打賞も他の3試合では無安打と調子の波がありました。安定して出塁できるようになれば早稲田の打の主軸になれますし、社会人対抗戦ではJFE東日本の強力投手陣から3安打を放ち3番打者としての役割を全うしました。

一年春からレギュラーを取った中川選手はなかなか波に乗れず昨秋は公式戦出場なしの屈辱を味わいました。秋に行われたフレッシュリーグでは鬱憤を晴らすかのような3安打。同試合を観ましたが、はっきり言って一人格上のバッターでなぜ秋に出場がなかったのか不思議なぐらいでした。

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下級生でも昨年の一年時からレギュラーを掴んだ2019年選抜優勝メンバーの二年生遊撃手の熊田任洋選手(東邦)・山梨のデスパイネこと野村健太選手(山梨学院)のスポーツ推薦組は強力です。ともにタイプは異なりますが、熊田選手は逆方向への打撃も巧く春秋ともに打率.250をクリア、野村選手は秋にツーベース3本と長打力を見せ、攻撃の起点としても欠かせません。

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同じく二年生で早稲田実業時代は4番を担った生沼弥真人選手もパンチ力をアピールし登録メンバー入りを果たしました。同じく登録メンバー入りした新1年生の二人、印出太一選手(中京大中京)・吉納翼選手(東邦)も甲子園の土を踏んでおり、スタメンにはずらりと甲子園のスターが並ぶこと間違いなし。強い早稲田が帰ってきたと言えるシーズンになる予感がプンプンしますね。

1-3.予想オーダー

さて、さいごに開幕戦の予想オーダーです。直近で行われた社会人対抗戦では次のようなスタメンでした。

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うん、これとほぼ同じスタメンで行くでしょうねw事前に考えたメンバーとメンツは同じですし笑

俊足の鈴木萌斗選手が出塁し、中川卓也選手が進め、蛭間・岩本・丸山の強力クリーンアップが返す。投げては選抜優勝投手の徳山投手が高校時代より5km以上アベレージ上げてピッチングを魅せる。

え、これアマチュアオールスターですか?みたいな布陣ですね。高校野球・甲子園ファンでも絶対楽しめると思います!

2.慶應大学

先に紹介した早稲田大学に秋は最終戦で敗れ惜しくも優勝を逃した慶應大学。スワローズドラ1(!)の木澤尚文投手や、社会人の名門JX-ENEOSに進んだ瀬戸西純選手が抜けたものの、四年生以外の選手も積極的にスタメン起用・先発起用してきたことでほぼ戦力をキープして2021年を迎えます。

今年のスローガンは「繋勝〜Giving Back〜」。多くの人の想いと慶應野球部の伝統を継承し、勝利を目指すという意味とのこと。

伝統の早稲田・慶應の二校が戦力としてはやや抜けているという印象ですが、早速投打の見どころを紹介しましょう!

2-1.バリエーションに富んだ投手陣

木澤投手の抜けた投手陣を引っ張るのは、同じく慶應高等部出身の四年生右腕森田晃介投手(慶應)。

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森田投手はカーブやカットボール、ツーシームなど多彩な変化球を木澤投手も絶賛する制球で操り、1年秋から18試合77イニングを投げてきた技巧派右腕がエースとなりチームを引っ張ります。秋は10四死球と制球しきれませんでしたが、1年秋〜3年春まで54イニング7四死球と抜群の制球力を持っています。森田投手も慶應生らしく自身の投球について次のように語っています。

僕のストロングポイントは球種が多いので、打者に気持ちよくスイングさせないというところですかね。今、色々な攻め方のパターンを増やそうと練習しているのですが、それで相手に考えさせる投球の幅が少しずつ広がっているところが今年一番良くなったところかなと思います。
2020年9月15日付慶應スポーツより)

木澤投手も変化球の分析など非凡な言語化能力を在学中から見せていましたが、森田投手にもその系譜は受け継がれています。球速が上がり150kmまで達すればドラフト上位が見えてくる選手ですのでラストイヤーに注目ですね。

2試合目の先発を託されるであろう筆頭候補は三年生左腕の増居翔太投手(彦根東)です。

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1年春からクローザー起用、2年間全ての季で登板を果たし通算25.1イニングで自責点はわずか2点。左右関係なくアウトローに伸びのあるフォーシームを投げ込みスライダーを中心とした変化球のコマンドも抜群です。昨春の慶早戦では先発登板し5.1イニングを4安打1失点。適応力も見せ、左右2枚の先発として立ちはだかります。

リリーバーには右サイドハンドの四年生長谷川聡太投手(慶應)、変則的なフォーム(勝手にKポーズと呼んでいますw)から140km台後半の強いボールを投げ込む三年生左腕の生井惇己投手(慶應)の強力な慶應高校コンビがいます。馬力のある三年生右腕で昨年は計5イニングを自責点0で切り抜けた小林綾投手(松本深志)、増井投手・生井投手のインタビューで二人が注目の投手として挙げる橋本達弥投手(長田)も控えています。

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特に生井投手は最終戦で蛭間選手に決勝ツーランを浴びており、今年にかける思いは並々ならぬものがあるでしょう。

先発〜リリーフまで右・左含めてバラエティーに富んだ投手陣が慶應大学を牽引します

2−2.穴のない野手陣

2年春から正遊撃手かつキャプテンだった瀬戸西選手が卒業したことで、内野は大きく守備位置のシャッフルが行われる予定です。予想ポジショニングマップはこちら。

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打撃の面では下級生を起用してきた慶應大学の戦力はほぼキープ。外野手争いが激化する流れになると考えられます。

名門大阪桐蔭で主将、そして慶應大学でも今年主将を務めるのはキャッチャーの福井章吾選手(大阪桐蔭)がキャプテンシーでチームを牽引していきます。年末の取材では次のように抱負を語ります。

「自分は、技術よりも声かけやコミュニケーションを取ることが持ち味。大学は部員数は多いですが、その方が持ち味が出るのかなと思います。全員が輪になって、きれいな円が出来るチームにしたい」(2020年12月13日付スポーツ報知より)

技術よりも、とは言うものの、高校の先輩である森友哉選手(西武)のように小柄ながらコンタクトに長けており通算打率.320。捕手としての能力も強肩を活かした刺盗塁も何度となく見てきました。

この福井選手をチームの大黒柱に、今年の慶應大学野手陣はタイプの違う打者がズラリと並びます。

4番には副将でリーグ戦通算6本塁打の正木智也選手(慶應)が座り、チームを引っ張ります。インコースにツボを持っており、恐るべきパワーで気がつくとスタンドインしているようなライナー性のホームランは見どころでしょう。

一年秋からクリーンアップに入り、打席での雰囲気は正木選手に負けず劣らずの廣瀬隆太選手(慶應)も上位打線に入ってきます。社会人対抗戦ではHondaの赤嶺投手からサヨナラホームランを放ち相変わらずのパンチ力を発揮しました。

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脚のスペシャリストで3年間で16盗塁の四年生渡部遼人選手(桐光学園)や、一年春から優れたバットコントロールでレギュラーを勝ち取り通算打率.289をマークする三年生の下山悠介選手(慶應)、代打で結果を残し続けてきた凄まじい集中力の外野手橋本典之選手(出雲)など、タイプの異なる選手がラインナップに並びます。

2-3.予想オーダー

先日の社会人対抗戦ではこのようなオーダーを組んだ堀井監督。

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しかし昨秋45打席立った宮尾選手や、通算160打席を経験している俊足の渡部選手が故障以外で開幕戦のスタメンを外れることはあまりないのではないかと思います。

と言うことで、私が選ぶならこちらのオーダー。

1(三)廣瀬隆太②R (慶應)
2(中)渡部遼人④L (桐光学園)
3(遊)下山悠介③L (慶應)
4(一)正木智也④R (慶應)
5(捕)福井章吾④L (大阪桐蔭)
6(左)若林将平④R (履正社)
7(右)橋本典之④L (出雲)
8(二)宮尾将③L  (慶應)
9(投)森田晃介④R (慶應)

タイプの異なる打者を分散させる形で配し、どこからでもチャンスを作れる打線=相手投手にとって気の抜けないような打線を組みたいと考えます。クリーンアップの下山ー正木ー福井の並びは実現すれば3人どこからでも長打でチャンスを作れます。

特に開幕戦の対戦相手は法政大学で、右の三浦銀二投手が開幕を任せられるという予想をしていますので、左打者を多めに配置して臨むのではないでしょうか。

3.明治大学

春は5位、秋は同率2位といまひとつ昨年は波に乗れなかった明治大学。主戦投手の入江大生投手(横浜DeNA)やサードを守る主将公家選手らが抜けたものの、投手も含めて6名もの一年生が公式戦で出場するなど若くて才能ある選手が熾烈なレギュラー争いを繰り広げています。

2021年のスローガンは「逆襲」。森下暢仁投手を擁してリーグ優勝を飾った2019年春以来の優勝を目指し、新一年生も含めてチーム一丸となって戦います。

3-1.大黒柱と強力リリーフで先手必勝を期する投手陣

入江投手が卒業したものの、明治大学のエースには経験豊富な四年生の先発右腕竹田祐投手(履正社)が投手の大黒柱としてチームを引っ張ります。

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平均こそ140km台前半ながら伸びのあるフォーシームは空振りをとれる球質で、アウトコースへの制球力も1年次から抜群。大きなスライダーだけでなく、鋭く落ちるフォークも持ち球に、91イニングで82もの三振を築いてきました。明大のエースに共通する打撃面でも華がある選手で、2019年には慶大佐藤宏樹投手(福岡ソフトバンクホークス)から満塁本塁打も放っています。

先発2番手で起用されると目されているのは四年生左腕の磯村峻平投手(中京大中京)。高校時代はUー18侍ジャパンに選出され、大学入学後も1年春からマウンドに立ちましたが、故障もありここまで十分なパフォーマンスを発揮しきれていません。昨秋はリリーフとして7試合でマウンドに上がり、9.1イニングで自責1。四死球7で被安打8と塁上を賑わすものの、ピンチでも慌てることのないメンタルと140オーバーの強いフォーシームで切り抜けてきました。入江投手も三年秋までリリーフでしたが、四年生の先発登板で評価を上げドラフト1位を勝ち取ったように、先発で高いパフォーマンスを見せられればチームの上昇待ったなしです。

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先発が崩れた時も、昨年4試合で先発を経験している四年生右腕の髙橋聖人投手(小諸商)を筆頭に、四年生左腕の宮内大河投手や二年生左腕の石原勇輝投手(広陵)ら神宮の舞台を経験した投手が控えています。

ゲームを閉めるクローザーとしての制圧力ある投手にはやや欠ける印象ですが、ワンポイントリリーフなども含めた継投でその日の調子を見極めながらゲームを進めていくのではないでしょうか。

3-2.サバイバルの野手陣

昨年の四年生が卒業してもセンターラインはほぼ据え置きで基盤を作れるのが明治大学の強みです。両翼や、内野に関しては打力があれば下級生でも抜擢されスタメンを勝ち取ることができるので、チーム内で熾烈な競争が行えるのも明治の強さでしょう。

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キャプテンでセンターの丸山和郁選手(前橋育英)は二年生で侍ジャパン代表に選出されるなど早くから非凡な能力を示してきました。実際、二年春は52打席で打率.318、2番打者に固定されて8犠打を決めるなどチャンスメイクでリーグ優勝に大きく貢献しました。怪我の影響で19秋・20春とほとんど出場できませんでしたが、昨秋は復活し9打点で3番打者としての務めを果たすクラッチぶりを見せ、5盗塁を決めるなどまさに3拍子揃ったプレイヤーとしての姿を見せました。

副キャプテンで正捕手の植田理久都選手(高松商)は昨秋正捕手争いを制するとリーグ戦初本塁打を記録。さらに見所は41打席で1三振6四球の優れた選球眼で、六大学でも数少ない三振数<四球数の打者となっています。

下級生ではなんといっても昨年一年生ながら4番を任された上田希由翔選手(愛産大三河)は注目プレイヤー。昨秋は打率.340で本塁打1本を含み長打4本。早くも長距離ヒッターとしての能力を開花させました。打席に入る際のルーティーンも独特で、見ていて楽しい選手です。

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同じく一年でレギュラーを掴んだ西川黎選手(履正社)など明治大学は昨年とにかく新戦力が多く、ポジショニングマップも候補が多くて悩みました。現在は登録外ですが、試合ごとに入れ替え可能なため調子が上がってきた選手は積極的に抜擢されると考えられます。

先日の社会人対抗戦においても早々に5名の一年生が神宮の土を踏みました。

この層の厚さこそプロ野球への選手輩出人数最多たる所以でしょうね。

3-3.オーダー予想

セガサミー戦では次のメンバーで挑みました。

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1番陶山選手、3番丸山選手、4番上田選手、5番植田選手といったコアのプレイヤーの位置は昨年も試していたのでこのまま行きそうだと思いますが、それ以外のメンバーについてはかなり入れ替えがありそうです。

私のオーダー予想はこちら。

明治大学
1(右)陶山勇軌④L (常総学院)
2(左)西川黎②R  (履正社)
3(中)丸山和郁④L (前橋育英)
4(三)上田希由翔②L(愛産大三河)
5(捕)植田理久都④R(高松商)
6(一)篠原翔太④R (報徳学園)
7(遊)西山虎太郎③L(履正社)
8(二)村松開人③L (静岡)
9(投)竹田祐④R  (履正社)

気がかりは昨年レギュラーを勝ち取った西山虎太郎選手と西川黎選手がともにベンチ入りもしていなかったこと。遊撃手のレギュラー最右翼である西山虎太郎選手(履正社)の遅れ次第では、上記スタメンの松村選手だけでなく一年生の宗山塁選手(広陵)はいきなりチャンスを貰えるかもしれませんね。

4.立教大学

春は同率3位、秋は4位といまひとつ波に乗り切れなかった立教大学。ドラフトでは中川颯投手がドラフト4位でオリックスから指名され、センターラインから宮慎太郎選手(日立製作所)、竹葉章人選手(ホンダ熊本)らも卒業し、ラインナップは大きく変わる一年になりそうです。

本年のスローガンは「一進」。チーム一丸となって優勝に向けて進んでいくという意思を感じますね!

4-1.新戦力の台頭に期待する投手陣

中川颯投手・中崎響介投手(明治安田生命)の主戦投手二人が卒業し、現在の四年生以下誰もリーグ戦で先発経験のない投手陣となりました。実績ある投手はいるものの、長いイニングを誰が投げるのかは未知数で、逆に言えば新戦力の台頭に大きく依存する体制となっています。

先発の候補としては、昨年フレッシュリーグに登板し社会人対抗戦でも先発を任された二年生サウスポーの野口裕斗投手(東海大相模)。

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球速こそ130km台ですが、制球よくストライク先行でき縦に落ちるスライダーも効果的です。東海大相模では10番でしたが、大学に入り今年は大きなチャンスなのでものにできるか注目です。

本来、上級生の川端健斗投手(秀岳館)が先発で主戦を張らないと厳しいのですが、登録なし。昨年も早いイニングから継投で繋いでいくことを考えると、やはり経験あるリリーバーの活躍は必須です。

中でも三年生左腕の宮海斗投手(國學院栃木)、四年生右腕の栗尾勇摩投手(山梨学院)の二人はフル稼働でしょう。宮投手は昨年全15試合中14試合に登板するタフネスさが売りで、さらに球速も140km台前半を出せるまでにビルドアップしています。栗尾投手は真上から投げ下ろす強いフォーシームを武器に強気な投球を見せてくれます。

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もちろん、昨年早くも神宮を経験したUー18代表の池田陽佑投手(智弁和歌山)にも先発、リリーフ含めてチャンスが回るでしょうし、三年生で初めて登録された島田直哉投手(龍谷大平安)も2戦目で先発も期待されます。

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新戦力に頼らざるを得ないのは苦しい台所事情ですが、大学で突発的に進化する投手もいるので下級生含めて新たな息吹をもたらせるかにかかっていますね。

4-2.黄金世代が華開く野手陣

センターラインから捕手と遊撃手、そして4番の三井健右選手(大阪ガス)も抜けた立教野手陣は黄金世代に期待がかかります。それは現三年生。一年秋にベストナインに選出された山田健太選手(大阪桐蔭)を筆頭に、多くの選手が以下のポジションに並ぶのではないかと思います。

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特に注目したいのはセンターライン。セカンド山田健太選手をはじめ、キャッチャー黒岩陽介選手(静岡)、ショート井上剛(佐久長聖)、センター道原慧(駒大苫小牧)と全員が三年生の布陣で社会人対抗戦も臨みました

中心となる山田選手はパワーが魅力の右打ちスラッガー。2年間で早くも5本塁打を放っており、卒業した大阪桐蔭の先輩である三井選手の四年通算9本塁打は早くも今年中に射程圏内です。セカンドとしての守備も失策0で終え、神宮のセカンド山田は期待バッチリですね👍

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センターでの起用が想定される道原選手は昨年のフレッシュリーグで2打数2安打2四球。4度の打席で全て出塁し、盗塁も記録。社会人対抗戦でも盗塁を決めるなど新たなスピードスター出現の可能性に期待がかかります。

また、私の一押し選手としてこちらも三年生のサード吉岡広貴選手(広陵)はリーグ戦でも三塁打を放っており、構えはどことなく広島の松山選手に似た雰囲気のある選手です。

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社会人対抗戦では主将の太田英毅選手(智弁学園)が出場しておらずコンディションに不安を感じさせますが、同じく四年生の東怜央選手(福岡大大濠)とともにパンチ力のある選手なので、万全ならば二人とも中軸に組み込まれるでしょう。特に、立教スポーツによると3月31日~4月6日までの間に行われたオープン戦で東選手は3本の本塁打を打っているとのこと。

山田選手の後の5番を打つ東選手が打棒を発揮すると得点力は跳ね上がるでしょう。

4-3.オーダー予想

先日の社会人対抗戦では次のスタメンで臨みました。

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キャプテンである太田選手が復帰するかどうかでこの打順はかなり変更になるのではないかと思います。直近のオープン戦では復帰して出場しているとのことですので希望も込めて、私のオーダー予想はこちら。

立教大学
1(中)道原慧③L  (駒大苫小牧)
2(左)宮﨑仁斗④R (大阪桐蔭)
3(右)太田英毅④R (智辯学園)
4(二)山田健太③R (大阪桐蔭)
5(一)東怜央④R  (福岡大大濠)
6(三)吉岡広貴③L (広陵)
7(捕)黒岩陽介③R (静岡)
8(遊)井上剛③R  (佐久長聖)
9(投)野口裕斗②L (東海大相模)

フレッシュなメンバーですが、黄金世代が輝くことができれば来年もかなり見通しが立つので是が非でもこのメンバーでうまくいってほしいですね。

5.法政大学

春は優勝したものの、秋はまさかの5位と苦杯を舐めた法政大学。ダブルエースの鈴木昭汰投手(千葉ロッテ)・高田孝一投手(楽天イーグルス)がともにドラフト上位で指名されるなど、毎年個の力に優れた選手をプロ野球界に送り出している名門の意地を見せられるかというシーズンです。

今年のスローガンは「橙志」。「闘志」の字にチームカラーである橙を用いた洒落たスローガンですね。

5-1.制圧力No.1の投手陣

2人のドラフト上位投手が卒業していますが、本年の法政大学の投手陣はリーグ屈指のパワーピッチャー揃い。

エースとして期待がかかるのは一年春から登板し、40試合128イニングを経験している三浦銀二投手(福岡大大濠)。一年秋の無理な運用で二年生の秋〜三年秋まで本来のパフォーマンスが発揮できていませんが、先発中継抑えどのポジションも経験した経験値は強みになるはずです。制球力には天性のものがあるので、球威がどこまで戻り伸ばせるかでしょう。主将としての責も担い、チームの柱としてその立ち居振る舞いにも注目です。

二番手と目されているのは山下輝投手(木更津総合)。左から150kmオーバーのフォーシームを投げ込み昨年はクローザーとして起用されました。明大の磯村投手同様、前に回った時にどれだけ球の質を落とさずイニングを食えるかが"その後"を見据えた時に大事になってきます。セットポジションでの投球に昨年はやや苦しんでいたので、それがどこまで改善されているかも注目です。

この二枚の四年生先発投手に加え、同級生も左右で一枚ずつ強力な投手が控えています。右の古屋敷匠眞投手(八戸工大一)、平元銀次郎投手(広陵)です。共に高校時代からプロのスカウト注目選手で、昨年神宮公式戦のマウンドを経験しました。古屋敷投手はダイナミックなフォームから150kmを超える重いフォーシームを投げ込み、平元投手は独特なインステップから対角線へ強いボールを投げていきます。

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四年生4人ともドラフト支配下で指名されても不思議でない強力な投手陣はリーグ屈指。強いてNPBで例えれば、ソフトバンク並みの"暴力"投手陣となっています。ここまで紹介した四年生以外にも三年生の変則右サイドの石田旭昇投手(東筑)や、左のライアンフォームの二年生尾崎完太投手(滋賀学園)もいるので恐ろしいですね。

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投手陣の戦力で言えば屈指のものですし、三振のとれる投手が揃っているのは強みですね。

5-2.フレッシュで爆発力に期待のかかる野手陣

四年生主体で構成される投手陣とは対照的に、野手陣はリーグ戦での経験の少ない選手が多数起用されることになります。予想ポジショニングマップはこちら。

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副キャプテンの岡田悠希選手(龍谷大平安)は三拍子揃った外野手でラストイヤーはセンターに入るでしょう。昨秋が初出場でしたが、2本塁打を放っており、顔も良ければ打席での立ち姿も良い。一押しの選手です!

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法政も立教同様、三年生の台頭が見られる一年になりそうで、特にセカンドを守る高田桐利選手(広陵)は昨年15試合すべてに出場。小技のきく好プレイヤーです。捕手の大柿廉太郎選手(高崎健大)も二年生にして13試合に出場。正捕手としての座を射止めました。

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昨年は発展途上の二年生が多くスタメンに並び、リーグの平均より出塁率・長打率ともに落としてしまいましたが、昨年までの経験を生かした三年生中心に法政も廻るのではないかと思います。

5-3.予想オーダー

社会人対抗戦では次のオーダーを組みました。

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完全に勘ですが、ここから大きく打順は変えてくるのではないかと思います。明治安田生命の投手陣を前に5安打に抑えられたこともあり、昨年うまく行った部分を引き継ぐと考えると、私の予想はこちら。

法政大学
1(右)宮﨑秀太③L (天理)
2(二)高田桐利③L (広陵)
3(中)岡田悠希④L (龍谷大平安)
4(左)小池智也④R (八戸学院光星)
5(一)齊藤大輝④R (横浜)
6(三)松田憲之朗④R(龍谷大平安)
7(捕)大柿廉太郎③R(健大高崎)
8(遊)海﨑雄太③L (埼玉栄)
9(投)三浦銀二④R (福岡大大濠)

先取点とれば投手陣が抑えるでしょうから先手必勝打線です。初回から宮﨑→高田→岡田の並びは神経を使ういい並びだと思います(自画自賛)。4番の小池智也選手は八戸光星で4番を担った強打者で昨年の村田雄大選手(Honda)枠として収まるのではないでしょうか。

6.東京大学

現在56連敗中の東京大学。主力選手の笠原選手、早川選手、石元選手、武隈選手ら四年生が抜けたことで内野がガラ空きとなってしまいましたが、それでも新たな息吹を感じるのは贔屓目でしょうか?

東大に関してはこちらのnoteでガッツリ触れていますが、書ききれなかった内容を。

今年のスローガンは「変革」。新生東大チームにとって連敗脱出と勝ち点奪取のためにはあと一歩惜しいのその先へ。早速本年の見所を見てみましょう。

6-1.ダブルエースを支える四年生奮起に期待がかかる投手陣

先発に関しては三年生の井澤駿介投手(札幌南)と西山慧投手(土浦一)の二人がダブルエースとしてチームを牽引します。特に井澤投手は昨年最終戦で8回4失点の完投。一年時はフレッシュリーグでしか登板のなかった二人の新鋭が出てきた昨年は実りの多いシーズンでした。

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一方で、昨春初戦の慶應大学戦では最終回までリードしながらサヨナラ負け、社会人対抗戦でも9回ツーアウトから逆転負けと最後のイニングで勝ち切ることができていません。投手に関して言えば、リリーフとして出場するであろう四年生がその鍵を握ることになるはずです。

実績のある左サイドの小宗創投手(私立武蔵)と右の速球派奥野雄介投手(開成)はもちろんのこと、キレのあるスライダーが武器の大久保英貴投手(湘南)、大きなカーブで目線を外す投球が魅力の柳川貴宏投手(富山中部)の奮起が必要不可欠です。

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また、東芝戦で登板した岸野亮投手(湘南)を筆頭にリーグ戦未登板ながら楽しみな新戦力の台頭も勝利には必須になるでしょう。

6-2.コンバートの成否が鍵を握る野手陣

主力野手陣がごっそり抜け、内野を中心に一からレギュラー争いとなった布陣。予想ポジショニングはこちら。

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最大の注目ポイントは、キャプテンで昨年の正捕手だった大音周平選手(湘南)のサードコンバートと、春秋ともに打率2割を超えた外野手中井徹哉選手(土浦一)のショートコンバートでしょう。

大音選手は昨秋打率.242と比較的当たっていたものの、年間通じて長打なしに終わってしまいました。二年時は1本塁打を含む4本の長打を放っており、捕手としての守備負担を軽減させるという目的もありそうです。サードは昨年まで日本代表候補合宿にも招聘された石元悠一選手が長らく守っており、卒業による打力低下を防ぐというチームの意図も感じます。

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代わりに正捕手筆頭候補に上がるのが松岡泰希選手(東京都市大付)です。一年生の秋から大音選手とレギュラー争いを演じ、キャッチングと肩はチーム1の実力を持っています。東芝戦では幾度となく盗塁を刺していたようで、昨年の課題だったバッテリーのディフェンス強化に大きな役割を果たすでしょう。

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昨年、ABEMAの解説をしていた広澤氏から絶賛されていた中井選手は遊撃手にコンバート。外野と内野ではかなり見え方が違いますし、前年のショートが早川怜志選手だったので高いハードルはあるものの、細い身体から強烈なプル方向への打球を飛ばせる身体能力を買われてのことでしょう。高校時代も外野だったようなので、本当にチャレンジですね。

センターにはアメフト部から転部した異色の経歴をもつ阿久津怜生選手(宇都宮)が東芝戦で起用。フレッシュリーグで昨年観ましたが、足が速く打撃面もしっかり振り切れるバッターで、この抜擢は納得です。

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副キャプテンの井上慶秀選手(県長野)が見た目通りどっしりと4番に座り、肉体改造で引き締まった成果で長打を量産してくれればチームの上昇は待ったなし。チームの主軸を担うであろう二人のコンバートにより、打撃力は昨年以上が期待できる布陣となっているように思います。守備も攻撃も見逃せません!

6-3.予想オーダー

社会人対抗戦では次のオーダーでしたが、開幕もおそらくこのままいくと思われます。

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このメンバーで9回までリードできたことで自信にもなったでしょうし、内野にエラーなく終われたので。

注目は1番2番の俊足強打コンビで、この二人で得点圏を作り、クリーンアップで返せるかが鍵になります。56連敗を止めるには十分な戦力が整っていると信じて初戦から応援に行きます!

■さいごに:神宮行きたすぎるんじゃ

ここまで読んでいただいた方、ありがとうございます。私的なWebメディアという性質を活かして、インタビューはできませんが各大学の紹介を週刊ベースボールより深くやってみようという意図を持って書きましたが、いかがでしたでしょうか?全編読んでいただいた方、既に六大学通です!笑

明日から開幕、それからの2ヶ月強の戦いが本当に楽しみですし、どの大学・選手にも頑張って欲しいですね。この記事を読んで一人でも六大学観に行ってみるか〜と思ってくれれば大成功です!チケットは一般2000円に値上がりしましたが、2試合を特等席で見られると思えば安いものですよね?笑←

何はともあれ、シーズン完走できることを一に望みます。

なお、四年生のドラフト候補特集はこちらですので、ご興味ある方はぜひ〜😊

■出典

ヘッダー画像はbig6tvのポスター画像をお借りしました。








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