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#11 一番好きで、一番最低だった

-合鍵-


私がぐっすり眠っている間に、なぜか彼も私の横で寝ていたようです。
すやすやと眠っている彼。可愛い子供みたいな寝顔。
あーやっぱり好きだな。くそ、ずるい、こんなの反則だ。
と寝顔を眺めていると、彼が目を覚ましました。

彼「起きたんだ、ごめん俺も眠くなってベット入った。」

私「いや、こちらこそごめん結構寝ちゃって。
  そろそろ帰るわ。」

とベットを出ようとすると、彼がまだ寝ようよと手を引いてきたのです。
え?どうゆうこと?と思いましたが、時すでに遅し。
私は再び彼とベットに入ってしまったのです。

これは何だ?まだ彼は寝ぼけているのか?
まあ少しくらいならと思い、私も眠ろうと目を閉じました。
すると今度は彼私の体を抱き寄せてきたのです。
えー抱き枕じゃないし、なんだこの状況…と思っていると、
何やら彼の手がごそごそと動き出しました。
そこで私はやっと気づきました。
今日彼が私を家に呼んだのはこれが目的だったのだと。
私はまんまと騙されてしまった。
いや、心のどっかでは何となくそんな気がしていた気もする。
でも私は寂しさに負け、家に入った。
いざこういう状況になり、私には彼の手を振りほどいてやめてと言う
勇気も無く、断れば彼に嫌われてしまうかもしれない。
受け入れれば復縁できる可能性は限りなくゼロに近くなることは分かっている。それでも断ることは出来ず、そのまま流れに身を任せました。

ことが終わり、彼はたばこを吸いにいきました。
付き合っていた時はそんなこと無かったのに。
そしてもう一つ、キスもしなかった。
もう私は彼女ではなくセフレになってしまったのか。
こんなこと望んではいなかったけど、彼の傍にられなくなるくらいなら
こっちのほうが全然ましかもしれないと、当時の私は思っていました。

それからというもの、夜に彼とLINEをしていると今から家来る?と言われ、
誘いにのってしまう日々。
私は彼に求められてるんだと自分に言い聞かせ、
セフレの関係を続けました。
夜彼の家へ行った日はそのまま泊まり、学校へ行っていました。
彼の家は大学に激近だったので、私にとっても好都合でした。

そんな日々を送っていたある日、いつものように彼の家にいき、
ことを終え、たわいもない話をしていると、

彼「そういえば○○って、△曜日1限目からだったよね?」

私「うん、そうだよー」

彼「俺今週課題やばくて前の日徹夜の予定なんだよね、
  だから1限目行く前俺んちよって起こしてくんね?」

私「別にいいけど、ピンポン鳴らせばいいの?」

彼「んー、それで起きるか分かんないか家入って起こして。
  合鍵渡しとくから。」

私「あ、うん分かった。私も寝坊したらごめん笑」

彼「その日だけは頼む!笑」

私「頑張る笑」

彼「もしかしたらこれからちょくちょくお願いするかもだし
  そのまま合鍵もってて。」

そう言って合鍵をもらいました。

うん、わかったと言いましたが、え?合鍵もってていいの?
彼女だった時でさえ渡されなかった合鍵。
人生で初めての合鍵がセフレの合鍵だとは。
でもなんだか嬉しかったです。
ただのセフレでは無くて、特別なセフレになれたような気がして、
彼は私にそうとう心を許しているんだろうとも思いました。
またそれも嬉しくて…。

そうやって、私はさらに彼の沼にはまっていくのです。

#12 一番好きで、一番最低だったへ続く…

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