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考えさせられる言葉。

『人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えているんです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。』

これは、私が大好きな小説「マチネの終わりに」のある一節である。


この言葉に出会い、大袈裟かもしれないが、私の気持ちが救われた瞬間だった。

何度も、この本を読み返したし、福山雅治と石田ゆり子という最高のキャストで創られた映画も、何度も観た。
泣くと分かってて観る映画ほど、心に深く沁みるものはない。

それでも、映像美も相まって、私の大好きパリの街が映し出されることに無条件に興奮した。


あの一節は、人間の本質を捉えているのではないかと感じた。

私はずっと、変えていけるのは、今ある意志の上での未来だけだと思ってた。過去と現在の積み重ねが未来を創ってると思ってた。
でも、ある地点に立って過去を見たとき、今起きている変化によって、その時の過去の見方が大きく変わる。良い意味でも、悪い意味でも。

私は良い意味で、過去を変えられる思考を身につけられたように感じた。
もちろんそれは、自分一人の変化で変えられるものではない。
「あのとき実は…」と言われて初めて、過去が変化するとき。周りの人間が変える場合もある。

悲しくて辛い過去が、急に明るい過去に変わることだってある。
楽しかった記憶の過去が、良い思い出として捉えられなくなってしまうこともある。


そう思うと、人は常に自分の感情だけではなく、周りの感情や出来事に左右されることもあるのだと、改めて気づかされた。

どんな過去も私の一部だから、どんな変化が起きても、未来に向かって歩いて行こうと思った。
過去に囚われないように。過去に縋らないように。


私には、なんとなく引きずっている過去がある。
思い出すと胸が張り裂けそうなくらい悲しくて、自分でもいい加減立ち直れば良いのにと思ってしまうくらい、もうあの時のような思いはしたくないと感じるほどの、どん底の過去。
いつか、笑えると良いなと。そう思う出来事が未来に起きたらいいなと。

あの時どん底だった自分を、今はもう大丈夫だよと言ってあげれる自分に。

自らの力で、立ち直ることも大事だと思う。だけど、きっかけがまだない。
だから、いつか何かのタイミングで肩の荷が降りたとき、ちゃんと過去を変えられたんだと思えるようになりたい。


ネガティブ思考な私が、ちょっとだけ前向きになれた言葉。


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