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タラゴナのローマ時代の世界遺産「悪魔の橋」へ

イースターの行列のために訪れたバルセロナから南に100キロほど行ったところにあるタラゴナ

折角行くからには行列だけでなく他にもと思い、町の外れの世界遺産のローマ時代の遺跡、ラス・ファレラス水道橋に行ってみることにしました。


世界遺産のタラゴナ古代遺跡群

タラゴナは、紀元前218年からローマ帝国の支配下となり、イベリア半島で最も古く、かつ最大のローマ帝国の都市だったとされています。

西ゴート族が476年に占領するまでの間、ローマ帝国の重要な拠点として繁栄しました。

ローマ時代の円形闘技場やフォーラム、城壁、ネクロポリスなどのローマ時代の遺跡が数々残っており、2000年に「タラゴナ古代遺跡郡」として世界遺産に登録されています。

ラス・ファレラス水道橋への道のり

世界遺産に登録されている遺跡の多くはタラゴナの中心に固まっていますが、ラス・ファレラス水道橋は中心から4キロほど離れています。

グーグルマップの通りに、新市街のバス停から5番のバスで10分程度。

ドライバーに聞いたところ、帰りも降りたバス停から同じバスに乗ると先の町に行ってからまたタラゴナの中心に戻って来るので(そのため所要時間はプラス15分ほど)、それが一番便利だとのこと。確かにその通りでしたが、低所得者用の団地が並ぶ貧しいエリアを通って行きちょっとショッキング。

高速道路の脇にあるバス停を降りて右手の坂を上っていくと…

入口の門がありました。拝観料はかからないので、普通のトレイルの入口のような雰囲気。ピクニックエリアもあり、近場から来ていると思われる人が多く、外国人は他に見かけませんでした。

この先を歩いていきます。

眼の前に広がる「悪魔の橋」

2分も歩かないうちに林の中から突如と現れる水道橋は感動的です。

紀元1世紀のアウグストゥス帝時代に建造されたとされ、乙女が魂を捧げた賭けに悪魔が勝ったことから建設されたという伝説から、通称「悪魔の橋」(Pont del Diablo)と呼ばれているそうです。

この水道橋は、タラゴナの中心までの10キロほど続いた水路や水道橋のほんの一部分。現在残るのは、幅2メートル、全長217メートル、一番高い部分は27メートルの高さ。 アーチは上下の2段になっており、上部は25のアーチ、下部は11のアーチがあり、モルタルを使わずに四角い大きな石を積み上げただけだそう。

この水道橋が他の多くのローマ時代の水道橋と異なるところは、上を歩いて渡ることができること!

2,000年前に建てられたわずか幅2mの細い橋を渡るのはちょっと怖いです。ただ、スペインの現代の土木技術より信頼できると言っても過言でないほどローマ人の土木技術は優れているそう。現在は補強もされているようで、ところどころボルトが見受けられました。

当時は用を足したり、ゴミを捨てたり、死体を遺棄したりが絶えなかったため、水道橋を含めローマ帝国の水路には全て蓋がしてあったそうです。

橋の下はトレイルがあるので下りてみました。下から見る水道橋も中々見事。

このあたりは色々トレイルがあるようなので、ハイキングも良さそう。至近距離で見ると石のゴツゴツとした表面が際立ち歴史を感じます。

この「悪魔の橋」は、現存のローマの水道橋としては有名で、スペインのセゴビアの水道橋や南仏のポン・デュ・ガール等とともに必ず紹介されるようです。

保存状態もかなり良く見事な悪魔の橋。比較的空いていてのんびりと見学ができ、わざわざ市の外れまで行った価値がありました。

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