がっかり世界遺産?トルコのパムッカレ〜前半〜
世界遺産に登録されているトルコのパムッカレ。温泉に含まれている炭酸カルシウムが白く堆積した石灰棚が有名ですが、正式には「ヒエラポリス・パムッカレ」と呼ばれ、自然遺産であるパムッカレと文化遺産である古代遺跡ヒエラポリスとの複合遺産になっています。
パムッカレはがっかり世界遺産?
パムッカレは写真を何度も見たことがあり、こんな↓景色が見れると思っていました。石灰棚に炭酸カルシウムを含んだブルーの温泉のお湯が流れ込み神秘的な景観を作っています。
そしてこういうイメージ。
ところがパムッカレに到着してからレビューを読んでいるとほとんどの石灰棚は水がなくてカラカラだということ↓
何でもパムッカレの観光開発が進んだことで、水の使用量が増え、温泉が枯渇してしまったそうです。そのため現在は水量を調節して、一部の棚にだけ温泉を張っているそうです。
ところが、ネット(特にSNS)では未だに温泉がなみなみと流れていた10-20年くらい前の写真を使っているサイトも多数。これだけ見ていたら恐らく騙された!と思うこと間違いなしです。
一部のサイトでは実情を伝え、日本語のサイトでは「がっかり世界遺産」と書かれています。
とは言っても、もうパムッカレまで来てしまったし…
びっくりインフレの拝観料!
多少のがっかりは仕方ないなと思ったのですが、入場料がびっくり700TL(€24 、3800円)。トルコ市民はかなり安いので、これはいわゆる外国人料金。円換算すると特に高く感じます。
パムッカレの敷地内にはクレオパトラプールというあのエジプトのクレオパトラが実際保養に訪れたとされる温泉があり、そちらは別料金。
イタリアやギリシャの国有の世界遺産でも20ユーロしないので、同じ国有でかなり強気の値段設定です。
前回トルコを訪れた十数年前は、どこも拝観料は米10ドルほどでした。トルコだけではないですが、本当に最近の拝観料のインフレは著しいです。
実はここ何年かトルコは通貨が随分下落していて、過去2年で対米ドルでトルコリラは3分の1になっています。
それなら入場料もやすくなると思いきや、インフレ率が高く、
2022年9月 インフレ83%(前年同月比)
2023年9月 インフレ62%
とびっくりの数字です。
2022年度の通貨とインフレの相対チャートを見ると良く分かります。ピンクがインフレ、黄色が通貨。
ただ、インフレと通貨下落で調整しても高い入場料。果たしてがっかりと言われるパムッカレに24ユーロ、3,800円の入場料を払う価値があるのか?と思ったのですが、イスタンブールならともかく、他に見どころもないパムッカレまで来てしまったので、覚悟をして行ってきました。
そして別料金のクレオパトラ・プールは実際に見てから考えようと思い、水着とタオルは持参しました。
パムッカレの入口で発覚したこと
ホテルのフロントの話では、パムッカレの町の歩いて比較的すぐのところにパムッカレの入口があり、朝8時に開場になるとのこと。
パムッカレの町の公園からは白い石灰棚のあたりが見えます。入口はこの右手。
無料の公園内にも石灰棚があり、温泉も流れています。
開場の30分前くらいに入口に一番乗りで着きましたが、警備員が「車があるなら、もう一つの入口はもう開いてるよ。」というので「えっ?」。どうやらこちらはパムッカレの町から歩いてくる人専用の入口で、大きな駐車場のある南口は朝6時半に開くそうです。
歩きだと今からでは間に合わないということなので、じっとそこで待つことにしましたが、その間何台ものバスが通り過ぎていきました。まだ人が少ない朝イチにと早起きしたのにすべてが台無しかと思いました。
歩行者専用口からの入場が正解だった理由
そしてやっと開場の8時。チケットを買うと、「ここを上がっていくと石灰の白い地面が始まるので、そこからは靴と靴下を脱いで素足で上がってください」とのこと。結局開場時点で入口にいたのは私達と子連れのアメリカ人家族一組だけ。どうやら観光バスや車で来る人がほとんどのよう。
肉眼で一番上まで見えるのですが、人は殆ど見えないので一安心。そして後で分かったことは、この歩行者用の入口から入場して正解だったこと。
グーグルマップで見ると良く分かります。歩行者専用入口からのルートは赤の矢印(↓)。南口は青の矢印。
歩行者専用の入口からのルートは、唯一人が入ることのできる温泉の流れる石灰棚に沿って登って行きます。この道がドラマチックで感動でした。
他方で南口は舗装された道で、上からカラカラの石灰棚を眺める感じになります。もちろん上から歩行者用の入口まで歩いてまた登ってくることはできますが、結構険しい道なので南口から来る殆どの人は半分行かずに戻ってきます。
まず歩行者用の入口から入場してすぐに舗装が無くなり、石灰の白い道になるのでここで靴と靴下を脱ぎます。
少し長くなったので、果たして本当にがっかり世界遺産かどうかは次回。
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