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オスマン帝国発祥の古都、ブルサで世界遺産を巡る①~旧市街周辺~

エーゲ海のアイワルクからバスで到着したブルサ(Bursa)。イスタンブール、アンカラ、イズミルに続いてトルコで4番目に大きい都市です。

女性の服装を見ると、エーゲ海沿いやイスタンブールに比べてかなりコンサバなのがすぐ分かります。そして世界遺産に登録されている古都にも関わらず、外国人観光客が少なくびっくり!一見素朴な雰囲気のブルサですが、ローカルな雰囲気が満載で楽しめました。ここではそのブルサの世界遺産を巡ります。

トルコ・ブルサの歴史

トルコのブルサオスマン帝国の最初の首都。1363年に首都となり、東ローマ帝国のコンスタンティノープル(現イスタンブール)が陥落する1453年まで、オスマン帝国の政治的・商業的ハブとして栄えました。特にシルクの生産が盛んで、前回こちらで世界遺産の一部にもなっているシルク・バザール、コザハンを紹介しています。

ブルサは「オスマン帝国発祥の地ブルサとジュマルクズク」として2014年に世界遺産登録されています。郊外にあるジュマルクズクは前回こちらで書いています。

ここでは、旧市街とその近辺にある世界遺産を巡ります。


白で洗練されたグランド・モスク(ウルジャーミー)


旧市街にあるブルサを代表するモスク。ニコポリスの戦いの勝利を記念して、オスマン帝国の第4代皇帝バヤズィト1世が1399年に建てたモスクで、ブルサで最大規模のモスク。オスマン帝国初期のセルジューク建築様式の建物で20のドームを有します。

なんでも、バヤズィト1世は勝利の暁に20のモスク建設を約束していたらしいですが、このモスクに20のドームを作ることで約束を果たそうとしたとかしないとか。

イスタンブールのモスク群に比べるとそこまで大きいモスクではなく、外見は意外と地味です。

自分のスカーフを持参しましたが、女性はヘッド・スカーフやスカートを無料で借りることができます。イスタンブールでは買わせるところもありましたが、ブルサでは大抵入口に置いてありました。

モスクに足を踏み入れるとカーペットはとてもフカフカで、真っ白い壁や天井が印象的です。普通のモスクに比べると随分明るくて洗練された雰囲気。珍しいのは、普通は外にある手足を清める泉がモスク内中央にあること。

数あるドームで少しごちゃごちゃした感じがあります。

いたるところにダイナミックなカリグラフィーが掲げられていて見事。

正面の大きなカリグラフィーも印象的です。

この後イスタンブールでもいくつかの大きいモスクに行きましたが、やはりそれらと特徴が異なり、このグランド・モスクは印象に残っています。

トプハーネ公園とオスマン帝国の創立者、オスマン一世とオルハンの霊廟

旧市街から近い丘を登っていくと、トプハーネ公園という公園があります。そこには、オスマン帝国の創設者、初代皇帝オスマン・ベイ(オスマン1世)とブルサを制圧した第2代皇帝オルハンの霊廟があります。

坂を登っていくと途中要塞が現れます。

なかなか立派な門も。

丘を登りきるとトプハーネ公園にたどり着きました。

世界遺産の碑が建っています。

オスマン1世とオルハンがブルサにやって来た時、ビザンチン帝国によって建設されたチャペルのドームに太陽の光が当たりきらびやかに光るのを目にし、オスマン1世は自身をそこに埋葬するように遺言を残したそうです。息子のオルハンもそこへの埋葬を望み妻とともに眠っています。ところが1855年には大地震によってチャペルは倒壊し、その後今の霊廟が建てられたそうです。

オスマン1世の霊廟は意外と質素でびっくりしました。アンカラにある現代トルコの父と言われる壮大なアタテュルクの霊廟と比べると天と地との差!もともとここにどんなチャペルが建っていたのか気になるところです。

入口にスカーフとローブが置いてあるので女性は身に着けて入ります。棺はオスマン帝国創設者だけあって威厳があり立派。棺の上にちょこんと載っているのが皇帝が被る帽子のよう。誰のものなのか周りにも小さい棺が並んでいます。内装はシンプルですが、シャンデリアが見事。

こちらはお隣の建物にある息子オルハンの霊廟。

トプハーネ公園からはブルサ市内が一望できるので、オスマン帝国の歴史に興味がなくても楽しめます。

見事な時計塔も建っています。

そしてほかの世界遺産は大体二か所に散らばっています。一つは旧市街の東側にあるグリーンモスクなどがあるエリア。もう一つは西側にあるムラディエ複合建築群等があるエリア。そこまでオスマン帝国の歴史には興味がないので、今回は建築が興味深そうな旧市街の東側だけを巡ることにしました。

そちらは次回お伝えします。


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