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銭湯でおばあがよく使っているあのドライヤーへの憧れ

「昔ドライヤー」と呼んでいたが、お釜ドライヤーと言う名前が付いていた、あのドライヤー。

ずっと憧れてはいたものの、実はまだ一度も使ったことがない。

そもそも使い心地はいいのか?

若者でいつもそっち派の人はいるのだろうか?

だがぐちぐち悩んでいる時間はない。きっとあれは今使わないと、一生使えなくなるだろう。

しかし、いざ銭湯に行き乾かす時がくると、いつも遠慮してしまうのだ…

そして、このことに対し私は悩んでいる。

やばい。このままだと、60年後孫に自慢できない。

「うちのおばあは平成一桁なんだ〜」

「え!平成一桁!すごーい長生きだね!じゃあお釜ドライヤーとかギリ使ってたのかな?」

「お釜ドライヤー?なにそれ?どうかなー。今度おばあちゃんに聞いてみるね!」

となった時、一度も使ったことがなかったら格好がつかないし、尊敬の眼差しを向けられることもなく、あの時使っていればよかったなどと後悔して、悔やんでも悔やみきれないだろう。

だが、あのドライヤーはおばあが優先って感じがするし、若者のくせに使うのが申し訳ないのだ。

また、使い方がわからないので緊張する。

もし髪の毛絡まって取れなくなったら、近くのお客さんに「すみません髪の毛が絡まって取れないんです」

なんて助けを求めなければならず

『あらやだ、あんたそこに頭いれるんじゃないわよ!』

『そこに頭入れたら絡まるに決まってるじゃない!』

などと怒られそうだし。結局壊してしまって弁償するはめになり、20万円くらいするんじゃないか…

とか

距離がわからずに近すぎて

『あんたそんなに近づいたら危ないわよ!』

『髪の毛燃えるわよ!』

などと危うく大惨事になってしまうのではないか…

とか

色々考えていたら昨日も使えなかった。

次は絶対に使うぞ


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