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三角筋のすすめ


 三角筋(Deltoid)は、肩関節を覆う大きな筋である。
 上肢で最も体積が大きく、肩関節のほぼ全ての動きに関与している。
 筋全体を前部・中部・後部に分けることができ、それぞれ働きが異なる。

1 分類

 三角筋は、鎖骨部・肩峰部・肩甲棘部の3つに分けることができ、前部と後部は紡錘状筋、中部は多羽状筋である。

2 機能

 日常生活動作では、鎖骨部は大胸筋とともに押す動きに働き、
肩甲棘部は、広背筋とともに引く働きがある。
 スポーツ動作では、腕でバーベルを頭上に持ち上げる動作ややり投げ
の投てき、ランニングの腕振りなどに働く。

 中・後部の起始は、僧帽筋の中・下部の停止位置とほぼ一致し、
僧帽筋が肩甲骨を固定している時に三角筋は、上腕を外転することが
できる。
 運動の支点を形成する役割をする回旋筋腱板が、若干早く働いてくれ
ることが不可欠となる。

 肩関節45°外転位から軽い内転抵抗運動を行うと前・後部線維に収縮
がみられる。
 60°以下では三角筋前部線維の走行が矢状軸下を通るため内転に作用し、60°以上では走行が矢状軸の上を通るため外転に作用するためである。

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