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東京オペラシティで泣きそうになり新宿駅で叫びそうになる

昨日私はとても幸せだった。ほんとに満たされて駅のホームででっかい声で歌いだしそうになるくらいに

人の脳って幸せを忘れるようにできてるらしい

次の食料を探し棄権に備えないと生き残れなかったから
なので20時間でもう結構消え始めてるものをここに書いとこうと思う

ミシェル・プラッソン(指揮) 日本ラストコンサート Au revoir!
〈東京二期会プレミアムコンサート2024/最愛のフランス音楽~フォーレ「レクイエム」とラヴェルの名曲〉というのを発見。
詳細を見ると
ラヴェル:「マ・メール・ロワ」,「ダフニスとクロエ」より 第2組曲/フォーレ:「レクイエム」op.48

あっ二期会レクイエムというんだからダフクロ第2組曲も合唱付!?それはいかなきゃ!・・ラストコンサートという事は指揮者の退任記念公演?
マメールロアも聴きたいけど二期会なのに演目が合唱だらけになってないのはなぜ?・・・と、よくわかっていないのにどうしても聴きたい曲目当てでとにかく席を取ってあった。
月日はながれ

東京オペラシティコンサートホール

なんか木工の工芸品みたいなホールですよね
この公演私席取りに強い思い入れがあって

ステージを真横からな席の最前列

こういう所
私ここオルガンを聴きに来たことが2度あって、一度はオルガンのコンソールに最も近く楽譜の書き込みが見えるような席、2度目は一回中央の王道みたいな席できいた。
その印象を踏まえるとフォーレのレクイエムだし

絶対オルガンの近くの方がいい。
もう一つ私最近曲をベストなバランスで聴くとかより現場側の視点で聴きたいとか強く思うようになってたりして
ほんとはあそこにいたかったけどそんなわけないので
この日の主役は指揮者だったわけですが、表情や手元を含め聴き手として指揮されながら聴くことが出来た。
割と早めに来たけれど裏で木管がダフクロのあの小川の

12連符をさらってるのが聴こえてて三途の川のほとりみたいというかいきなり夢のようだったりして

チェレスタの横に鍵盤付きグロッケン、なかなか見ない楽器なのに今日は2曲続けて・・ちょっと出て来てさらってるのを見たり聞いたりするのも好き。見えない楽譜に目を凝らして・・おーとか
まあ、そんなもんやれない人がなにを言ってもというところでしょう

そして開演、オケが入ってチューニングが終わり指揮者が入場・・
なんとなく間違いないだろうくらいで何にも調べない出来たんだけど
御年90、ぎこちないけれど間違いなく自分の足で歩く姿とああフランス人のおじいさん・・ってそんなにしらないけどちょっと魔法使いっぽいお顔や・・オケが温かく迎えてる様子を見ていて昔からのフランス音楽を知る重鎮が引退されるんだなという事を悟りこれからなにが起こるかを予感する
高齢指揮者で見る半分座る椅子みたいなのがあるけどしっかり立ったままで暗譜、指揮棒は持たずにマ・メールロア

あらすじみたいに書いたって仕方がないけど弦楽器が繊細だとかって思ってたかな、やっぱりフランス的な?それはフォーレのレクイエムでまた素晴らしいことになってた。
指揮者と関係ないけどクラリネットの1番の人、外人だけど音が他で聴くのと違うというか・・他がだめってことじゃなくて
なんでもそうだけどすごいレベルの上にある人たちってほんとにっちょっとの差なんだよね。そのちょっとの差がすごく大きな印象をもたらすんだけど・・柔らかい音というのとも違うなんというか・・素晴らしいなと思いながら
去年後半から月一くらいでコンサートに通えていて、目の前にいる第2ヴァイオリンの人つい最近見たいな・・あれ・・なんの曲だっけ・・なんて考えた空けど曲進んでるんだから集中してください。
ガムラン音楽みたいなのもよかったりしながら終曲の頭の弦楽合奏でちょっと泣きそうになるけどまだ泣かない

このヴァイオリンソロをチェレスタが縁取りするところは録音じゃなくて生で聴かないとと昔思ってた。生で聴いたこともあったけど今まさにその瞬間だなと思いながら・・で出てくるヴィオラのソロも熱くって
この曲、高校生のころ毎夜聴いたんですよね、あのころ頭いかれちゃって世の中真っ暗で、音楽だけがそこにあってくれて
で最後

このページに入ったら泣けた。目頭熱くなるとかだけど君の心の中にあるその世界はこんなに多くく素晴らしく輝いているんだよ
みたいなのが言葉じゃなくドーっと押してきて考えるよりまえに
ここピアノ連弾版だと子供の音楽みたいだとオケ版だと違う
ハープチェレスタ鍵盤付きグロッケンがやってることをとか屁理屈も飛んで
前聴いた時にはこうなったっけか?

素晴らしいエンディングのあとまだ全然終わりじゃないというね、椅子が増えて弦楽器増強されいつの間にか管楽器軍団もすごい人数に・・巨大編成と思ってるのであれ意外にコンパクトに収まるんだなと思ったり合唱は少数精鋭型だなーとか
ダフニスとクロエの夜明け、6月にデュトワの指揮で聴けてあれもすごかったけどやっぱり合唱が欲しいなと思った。
で聴けるよそれが・・
指揮者今度は半分立ってる感じの椅子に腰かけスコアをめくりながら・・いま日本のオーケストラはどこもみんなすごくうまいんでしょう大好きなこの曲にはまって聴いていると最初に合唱が入ってくるところで・・
あーっ、あ?
合唱でかすぎてオケをかき消しちゃってる感がありちょっとびっくりする。
これあかんでしょうなんて思ったけどその後それは無くなった。fになるところでああやっぱり合唱あるといいなぁと思う。
また今木管の誰が何やってるかが見えて仕方がない席なのもよくて
そして

光があふれ出す奇跡のような音楽、スコアの景色は意外とシンプルだったり

そしてこの奇跡のような日の出の瞬間はやっぱりすごい。合唱があると厚みが全然違う。
魔法のようなオーケストレーション、スコアを眺めてもいいけど目の前で今あそこであれやってると思いながら聴けるのは幸せだし今更の発見がある
パントマイムもよくて全員の踊りでやっぱり木管が巧いね
この曲ダンスだけど、踊るというのから最も遠い私の体を動しちゃいそうになる音楽が聴こえてくるのはやっぱり指揮者から出てるなんかなんでしょうね
ずっと表情しぐさが見えていて
おしまいに合唱が入ってくるとやっぱり違うよね。最後にダンっ!っと終わったあの瞬間が気持ちごと耳に残ってる
ここで十分幸せなのにまだこれからレクイエムってものすごい贅沢だけど

休憩中スマホの電源を入れたら捨て身の練習動画にコメントをくださった方がいてまた泣きそうになる

宗教音楽特有のチェロとヴィオラに比重が置かれたちょっと特殊編成的なフォーレのレクイエム
ソリストとともに指揮者入場、楽譜は見て椅子に腰かけ・・すごいうなり声とともに最初のひと振り。あたりまえだけど指揮者って拍振ってるだけじゃないわけで。
導入が終わると

オルガン
この曲を知ってもう37年とか、ああ初めて実演を聴くことが出来た
耳で聴くとかじゃない、生まれる瞬間に立ち合う、遭遇、体感、
オルガン結構聴こえるんだけどでも変に前に出ないで溶け込ませる感じ。
低弦の四分音符、オルガンのペダルが重なると足を引きずりながら進むというかなんかこう・・すごいね音楽ってね
この曲ほとんどの部分でオルガンがなぞってるんだけどずーっと

コンソール

オルガン奏者見ちゃってて
あのカメラが指揮者をとらえてあそこのモニターに映ってる訳でしょ?
3段鍵盤を全部駆使して色々変えて弾いてた
そして、コンビネーションボタンだっけそのランプがどんどん変わっていくんだけど、両手は弾いてて操作できないからあしでやってんのかな?時々右足をクレッシェンドペダルみたいなのに乗せて押したり戻したりしてたあれがスイッチなんだろうか?

オッフェルトリウム

全部大好きだけど特に好きな2曲目冒頭、チェロとヴィオラのとてもとても繊細な音にああーと思う。ここに限らずそういう所がたくさんあった。
バリトンソロは小さな楽譜を持ってとか裏からだと全部見えるのね。そして声も裏側になっちゃうんだけどでもなんか大丈夫。よかったソロも。
最後のアーメンも感動的
サンクトゥースは・・とやってると収集つかないので

オルガンで静かに始まるピエイエズス、指揮者凄い振っててソプラノもすごく指揮者見てて
ソプラノの人は澄んだ声とかじゃなくて豊かで勢いのある歌い方というかオペラっぽいというか・・
私オペラ観ないのでわかってないけどオペラやってる合唱とオケが何度も降りに来てくれた指揮者の最後の演奏会をという場なんですねこれ
素晴らしく終わったけど思わず拍手をした人がいて
批判的なことが頭に浮かんでもそんなの忘れさせてくれる音楽がずっと続く

そしてまた大好きなアニュス・デイ

2小節くらいオルガンが主役

一瞬オルガンのソロがあるんだけどその直前で楽譜が見えないからずらす的なことやってるのが目に入って焦る。私が焦ったって仕方がないし何事もなく通過していくけれど
どっかでクラリネットがソロ直前までリガーチャーのねじ回してた時もあせったけどきっとああいうのを眺めて自分が焦るのも含めて音楽だと思うんですよね
片手で弾きながら譜面めくって終わったものをたたんで椅子において・・・そのときちょっとぺらっていう音がするのがここまで聞こえて来て・・そんなのどうでもいいことかもしれないけど自分も弾く人になるとかなり興味があったりして
リベラメもよくて
インパラディーソ
ほとんどの楽器はいろんな違いがあっても作曲家がしていしたその音が鳴るわけですが、オルガンだけはその場のその楽器にある音からどれを使うか奏者と指揮者が相談して決めるわけでしょだからみんな結構違う。

出だし左手の伸ばしは後光がさすような音色で右手は安息というか羊ちゃんみたいな音色で弾いてた
途中のクレッシェンドとか感動出来だったけどやっぱり指揮者、フランス音楽の重鎮て感じでそういう物が聴けたんだと思う。
とてもよかった‥とか言って手をたたいてたらオーボエ奏者がさっと乗ってくるのが目に入って
あ、アンコールあるな

指揮者が振り返ってフランス語でなんか言ってくれてる・・私わかんないんだけど
普通そういう時みんな手をたたいたりするんだけどないまま演奏に入るのは誰もわかんなかった?
そうじゃないか
演奏始まって・・・あっ
ラシーヌ賛歌だ。そうだよねー
事前にアンコールあるならラシーヌ賛歌かなんかじゃないかなんて思ったけど
そうだよねー

たべたら絶対に美味しいというに決まってるお菓子かケーキみたいなものがあると思うけれど、ラシーヌ賛歌ってそういう曲だから
聴けば感動しないわけがない訳で
合唱上手かった

いまもこのfを合唱に向かってうわーっと投げてる指揮者の様子が頭に浮かぶ。浮かぶと感動する。
ちゃんと書けてないけどあの人の演奏を聴けて、本当に幸せだった。
カーテンコールが終わってもう誰もいなくなっても拍手が続く
最近よくあるけど
だけど90歳で歩くのかなり大変そうだったし
出てくるわけないよと周りからも声が聞こえてたけど

多分とても温和な方

出て来てくださって
多分大変なのに
私何も知らずに来ちゃったけど、ここへオペラを振りに来たことが何とかあったりもするんでしょう?
そして音楽家として日本へ来るのはこれが最後で
お別れなんですよね
私そこへこれてほんとによかった

最後だけどファンになる

アナウンスなかったけど写真撮ったりしていいのかなぁなんて思うけどみんな撮ってて、
よく見ると袖?のところでソプラノソロの人もスマホ持って写真撮ってて

頭の中ラシーヌでいっぱい
駅のホームでほっとくと体が敷き始めちゃいそうになって
へたすりゃでっかい声で歌いそうになっちゃって
いつも思うけどその行き場のない思いをぶつける先として、ピアノがあることの幸せ

幸せでした。
どうもありがとう

この独りよがりな文章をここまで読んでくださった方がもしいらっしゃいましたら、本当にありがとうございました。

帰りに東名を走ってると自信が来て橋が落ちるとか変なこと考えてたけどそうならなかった。


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