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2024年5月の記事一覧

子どものような心で《短文・詩》

子どものような心で《短文・詩》

いつからだろう

つまらない大人になってしまった

昔はもっと自由だった
そう、きっと

どんなことでも楽しく遊べていた
あの頃の気持ちに戻ろう

……
いや、果たして
わたしは"あの頃"自由だったのだろうか

"あの頃"もいまと変わらず、
何かに縛られていたのではないだろうか

……
"あの頃"って、いつだ

確かなのは、わたしが
このままではいけないと
そう思っていることだ

たとえ何かに縛ら

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この火を大切に守りぬく《短文・詩》

この火を大切に守りぬく《短文・詩》

ものの魅力は"火"だ

めらめらと内から燃えている

しかし
酸素がなければ
風が強ければ
水が掛かれば
ふっと消えてしまう

この世に生まれ落ちた火が
静かに冷たくなってゆく

私は その火を守りたい

こんなに鮮やかに燃えている火を
こんなにも美しい火を

火には 優しい風が必要だ

適切な酸素を送り届ける風が

そのままでは誰にも気づかれない火を

雨が降れば傘を差そう

弱く小さくなってい

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透明に《短文・詩》

透明に《短文・詩》

グラスが置いてある。

水が半分ほど注がれている。

グラスも水も透明だ。

透き通っている。

いつかは私も透明になりたい。

身も心も透明に。

それまで溜め込んでいた
汚れや濁りを捨てて。

グラスと水は光を僅かに曲げる。

しかし、浴びた光を背後へ送っている。

私も、同じようにできているだろうか。

人から受け取った光を
そのまま自分のものにしていないだろうか。

貰った光から
少しだけ

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痛みは我のもの《短文・詩》

痛みは我のもの《短文・詩》

痛む。

心が痛む。
身体が痛む。

この痛みを
貴方に分かってもらえるものか。

共に「痛い」と泣けど、
私たちの痛みは重ならない。

苦しみ、悲しみ、傷。
この感覚は私の世界のもの。

貴方は私の世界には来れない。
いつか貴方の世界にも行ってみたい。

私の痛みは私の痛み。
私の痛みは貴方の何?
貴方の痛みは、私の何?

分かり合うことで和らげたい。
そうして私たちは慰む。

分かち合うことで

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書きつける《短文・詩》

書きつける《短文・詩》

私は文章を書いている。

日々の考えを忘れないために
こうして書きつけている。

電子の上にではあるが。

文字を入力している感覚は
実際にペンを持っているときのそれだ。

確かな"筆跡"として、残している。

誰かが書くことを"スクラッチ"(引っ掻く)と
そう表現していた。

たしか、カフカかな。

的確な表現だと思う。

文章を書くとき、書きつけるとき
紙の上もしくは電子画面の上を引っ掻き、

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淵《短文・詩》

淵《短文・詩》

いまは 夜の淵 宵の口

よいこは寝る時間

心が深く鎮まる頃

そっと夜の淵を撫でる

輪郭をたしかめる

まだ目は覚めている

果たして いつまでこうしていられるだろうか

夜の淵——

深い溝は "縁"となることで
私たちのかけがえのない友人となる

果たして いつまでこうしていられるだろうか

心が深く鎮まる頃のお話

空腹《短文・詩》

空腹《短文・詩》

飢えて 満たされて
飢えて 満たされて
また飢えて

飢えがループしているのか
満たされがループしているのか

そんな考えが
ループしている

思考はぐるぐると廻る

お腹はぐるぐると鳴る

たったいま まさに飢えている
飢えてどうにかなりそうだ

さて、どうやって凌ごうか

何を食べても これじゃない
満たされない

もはや何ものにもこの空腹は
満たせやしないかもしれない
でも、次こそ満たしてく

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雨を超えて《短文・詩》

雨を超えて《短文・詩》

雨が降っている

髪が 服が 身が 心が
ずっしりと重みを増す

誰かの歌ではないけれど

私は今、その雨を凌ぐ傘が欲しいのです

今この身を濡らす雨を
すぐにでも振り払いたいのです

いつまで振り続けるか分からぬこの雨を
なぜあなたは放っておくのでしょうか

あぁ、ついに傘もどこかへいってしまった

遠くの方で晴れ間が見えてきた気がする

例え本当でなくても

私が晴れ間を見たと思うのならば

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色のない世界にて《短文・詩》

色のない世界にて《短文・詩》

モノクロ。

濃淡。

陰が強いか弱いか。

ただ、それだけの世界。

私はモノクロが好きだ。

余分なものがないから。

質だけの空間。

感じるのは、濃淡。それだけ。

時折、世界が色褪せることがある。

心が疲れてしまった人には
目に映るもの全てがモノクロになるらしい。

私は白黒の世界は経験したことがない。

ただ、それが苦しい時間であることは分かる。

私は、この色鮮やかな世界の中で

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踊る、踏みしめる《短文・詩》

踊る、踏みしめる《短文・詩》

踊る 私は踊る

踏みしめる 私は踏みしめる

ステップを踏む

軽やかに、駆け抜けていく

目の前の不安がなんだ

見えない未来がなんだ

ただ一歩ずつ
ステップを踏むだけ

そうしている間に

次の一歩が迫ってきている

ほら、早く踏み出さないと

足がもつれる

下り坂を駆け抜けるように

延々と続くリズムに乗るように

この長く続く旅路を
当てつけのように、軽やかに

誰よりも自由に踊る

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誰かの光《短文・詩》

誰かの光《短文・詩》

誰の中にも光は宿る。

強い輝き 微かな光。
強さはそれぞれ。

光は知らぬ間に人を救う。
光は祈りである。

あなたの存在は
きっとどこかで誰かを照らしている。

今は誰も照らしていなくとも。
いつかは、いつの日かは。

一斉に辺りを照らす光。
弱り果てた人にだけ届く光。

光とは、救いである。

眠り《短文・詩》

眠り《短文・詩》

眠るまいと耐えている

眠らなければ今日がずっと続く

今日が終わってしまえば
この悲しみも憎しみもきっと忘れてしまう

眠りは現実との別れであり
現実からの逃げである

この眼に映ろうとするものたちを拒む行為である

どんな人でも
眠っている間に
5回ほど夢を見ているらしい

5回見られた夢たちは
ほとんどが忘れ去られてしまう

しかし確かに存在したのである

夢など見たくない
この現実を見てい

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等身大で《短文・詩》

等身大で《短文・詩》

歌を聴く

文を読む

素敵な言葉に触れる

この人のような文を書きたい

ふと、遠くを見てしまう。

自分の言葉を見つめることもせず。

なりたい、という気持ちだけでは
身体は前に進まない。

憧れは私に親しくしてくれる。

憧れは私が進むかどうかに興味がないから。

素敵な小説家がいたとしても
その人にとっては
小説という形式がぴったりだっただけ。

あなたにもきっと
ぴったりのものがある。

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評価は気にしない《短文》

評価は気にしない《短文》

自分がどう見られているか。
そんなのは本当にどうでもいい。

評価は物事をやり遂げた後にだけ
ついてくる。

まだ何もやっていないのなら
評価なんか気にする必要がない。

必要なのは、どう見られるかよりも
どうやるか。

一歩ずつ、着実に
自分の足を踏み出すことだけ考える。

何時に起きよう

何を学ぼう

何を考えよう

何を書こう

何を食べて、そして何時に寝よう

これだけでいい。

評価は

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