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痛みは我のもの《短文・詩》
痛む。
心が痛む。
身体が痛む。
この痛みを
貴方に分かってもらえるものか。
共に「痛い」と泣けど、
私たちの痛みは重ならない。
苦しみ、悲しみ、傷。
この感覚は私の世界のもの。
貴方は私の世界には来れない。
いつか貴方の世界にも行ってみたい。
私の痛みは私の痛み。
私の痛みは貴方の何?
貴方の痛みは、私の何?
分かり合うことで和らげたい。
そうして私たちは慰む。
分かち合うことで
病床にて《短文・詩》
患う
考える
健康とは何か
考える
なぜここに存在するのか
身体は動かず
まとまらない思考だけが走る
ぼんやりと眺める
身体が痩せてゆく
身体の患いは
心の患いと瓜二つ
苦しみながら痩せてゆく
もう健康には戻れないかもしれないと嘆く
また蓄えていかなければならない
来る次の病に備えて
声を出す《短文・詩》
喉ががらがらと鳴る。
しばらく声を出していなかったからだ。
深く息を吸う。
声を出すために。
生きるために。
枯れた声で歌を口ずさむ。
歌に乗せて音をつなぐ。
声は続いていく。
だらだらと続かせはしない。
緩急と高低をもって
この声はリズムとともに続く。