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群像《短文・詩》

街に人が入り乱れている。

互いが交わることなく、交わっていく。

この人たちとは一生関わることがないだろう。

しかし、出会っている。

この奇妙な関係がこれからも続く。

かけがえのない私は、
すれ違う人の人生の脇役にすらならない。

すれ違う人たちは、
私の人生の脇役にもならない。

しかし、こうしてすれ違っていく。

群像を眺めている私は
その瞬間、誰かの群像の一部でもある。

主体が構成になり、構成が主体に。

群像の中から私たちは
かけがえのない"私"を見つけ、
かけがえのない"あなた"を見つける。

そして、飽きることもなく
また別の人とすれ違い、出会っていく。

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