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空は当てつけのように美しい《短文・詩》

梅雨が終わる。

夏が身支度を始めた。

また、あの空が来る。

青々とした空が。
清々しいほど白く、大きい入道雲が。

夏の空が苦手だ。
希望を与えてくるような、あの空が。

私たちの人生など知ったことではない、
とでも言いたげな美しいコントラスト。

夏の空は私たちに活力を与えようとしてくる。
人の気持ちも知らず。

人生に喜びを見出せない人ほど
あの青空が美しく見える。

まるで当てつけのかのように美しい空の下で、
美しく生きられない者たちが泣いている。

誰にでも希望はあると語りかけてくるような
あの夏の空が
また私のもとにやって来る。

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