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【ペルソナ】に学ぶ人生のレベル上げ



こんにちは。井上うまるです。
デザインをしたり、イラストを書いたり、たまにプログラムを書いたり、様々な創造のお手伝いをしています。

今回は私がゲーム『ペルソナ』を通して感じた人生のレベルを上げるということについてお話したいと思います。



私とペルソナとの出会い


2012年6月14日発売『ペルソナ4 ザ・ゴールデン(PS Vita)』 がペルソナシリーズの中で私が初めて体験したゲームです。当時の私は、社会人になって何年かが経って、ある程度責任ある役職に就き、部下を抱えるような立場になっていた頃でした。
PS Vitaの高性能で高画質なゲーム画面と、ペルソナの洗練されたデザイン性が相まって最高のゲーム体験をしたことを今でも覚えています。ゲーム体験以外にも、このゲームから与えられたことは多い。



人生は選択の連続だ


『ペルソナ』には、ゲーム内で時間の概念が存在します。何か行動をとるたびにゲーム内の時間は進んでいきます。いつどこで、何をするか、誰と会うか、あらゆる選択をユーザーに委ねられます。そして、その選択によって主人公のパラメータ(能力値)が変動していきます。

ペルソナ4では、「勇気」「知識」「伝達力」「寛容さ」「根気」という5つのパラメータがあり、これらパラメータの高い場合にしか発生しないイベントや新しい選択肢があったりするため、このパラメータを上げていくことが重要になります。(これらをあまり意識をせずにプレイをしてもゲーム自体をクリアすることはできます。)

この感覚はとても人生に似ています。人生にもあらゆる選択が存在しています。「人生が選択の連続である」ということは、ほとんどの大人や子供でも知識としては知っているかもしれません。
私も高校受験や大学受験、就職というタイミングでそれを感じることはありました。ただ、その言葉の本当の意味を強く意識させられたのは、まさにこのゲームがきっかけでした。

高校受験、大学受験、就職は、たしかにわかりやすい「人生の選択」ですが、実は日々に存在する細かい選択も自分の人生において重要で決して疎かにしてはいけない選択なのだと気付かされたのです。そして絶望しました。

例えば、会社で誰とランチに行くのか、休日の予定は何を優先するのか、平日帰宅後に何をするのか。会社でランチに一人でご飯を食べるという選択は、仕事に使う時間は稼げるが、同僚との情報共有の機会を失うことになるかもしれません。他部署の人とのランチを選択すれば、他部署における問題点を発見し、ひいては会社の業績を上げるヒントが見つかるかもしれません。休日にデートを選択すれば、心が休まるが体力は減るかもしれません。休日にインドアの趣味を選択すれば、体力は減らないが視力が下がるかもしれません。平日帰宅後にジムに行くことを選択をすれば「筋力」、図書館に行くことを選択すれば「知力」の能力値が上がるかもしれません。

ペルソナ4をプレイしたことで初めて、こういった日頃の選択にゲームの感覚を得ることができました。そう考えると大学時代は今より自由な時間があったのにも関わらず、たいして何の方向性もなく過ごしてしまったことを強く後悔して絶望したのでした。もっと早くにペルソナ4に出会いたかった。(もっと早くに出会ったところで同じような悟りを得られるかはわかりませんが)



状況によって人格を変える


『ペルソナ』の戦闘では、ペルソナ(自分の中に眠る「もうひとりの自分」が「伝来の神や悪魔」の姿となって出現したもの )を操作して敵と戦います。

ペルソナには様々な種類があり敵との相性があり、敵を倒す時はどのペルソナを使えばいいのか考える必要があります。敵(相手)に合わせて自分のペルソナを変えるという行為も人生に応用することができます。

これはすでに意識せずとも自然とやっているケースもあります。親の前で見せる自分と、友達の前でみせる自分と、彼女彼氏の前で見せる自分は多少なりとキャラクターが違うのではないでしょうか?親の前で猫なで声になったり、彼氏彼女の前で下品な振る舞いをしたりはしないでしょう。

これらの無意識に自然とやっているケース以外にも、様々な状況や色々な相手に対して適切なペルソナを使い分けることができたらどうでしょうか。良好な関係を築くことも逆に相手を遠ざけることも可能になります。適切なペルソナを使うためには、事前に相手について調べる必要があります。どんなRPGでも攻略のために、敵に「調べる」コマンドを使うのはお約束ですよね。

ただ、これを意識的にやるというのは中々難しいかもしれません。程度を間違えばリスクもあります。やり過ぎると自分を見失ったり精神分裂する人もいるかもしれません。私はそこまで極端にペルソナを変えることを推奨したいわけではありません。ただ、こういったことを意識してうまく使うことができると人付き合いはより円滑になってより楽しく過ごせるかもしれません。

私は私、ありのままの私を一切変えたくない、誰の影響も受けたくないという人は、それはそれで良いと思います。私はこのペルソナ4にもっと早く出会っていたら、もしかしたら今もっと友達が多かったかもしれないなと思ってしまいます。



複数人格複数人生


会社や学校では真面目で静かなキャラなのに、実は家に帰ればおしゃべりで人気Vtuberをやっているといったような裏の顔を持つ人もペルソナを上手に操っている人と言えます。この例は極端ですが、身近なところでいうとSNSやゲームのアカウントでは日常の自分ではない自分を演じている人はけっこう多いのではないでしょうか?男なのに女のフリをしている人もいますよね。それもペルソナを変えているということになります。なりたい自分や、みせたい自分にペルソナを変えています。

その自分がうまくいかなければリセットすることも可能です。なので何か新しいことを試すのにもペルソナは便利です。人生は何か失敗を一度でもしたらもうどうしようもないと思いがちですが以外と何度でもやり直せます。

また、複数人格を操ることで、複数の人生を並列して味わうことができるのも面白いところだと思います。もしかすると役者さんはこういう感覚を日頃持っているのかもしれません。

実態としての自分の人生は一つですが、何度でもやり直せると心で思った瞬間に勇気が湧いてくる気がしませんか?ペルソナにはそういった新しい自分を見つける後押しをする効果もあります。




日本人とペルソナ


日本語には一人称がたくさんあります。わたし、わたくし、自分、おれ、ぼく。日本人は相手や関係性によって自分の呼称を変えます。とにかくを自己を中心に考える外国の文化とはそこが大きく異なります。そういった意味でもペルソナを変えるというのはもしかしたら日本人は実は得意なのではないかなと思っています。

「人によって態度を変える」という行為は、マイナスな意味合いで取られることが世の中では多いです。私も昔、若いという理由だけで舐められた態度をとられて喧嘩をしたこともありました。

でも例えば、初対面の人で好かれたい気持ちがあるなら、ある程度相手のことを調べて、それに多少合わせたように振る舞うのは何ら悪いことではありません。何も性格を変えましょうと言っているわけではありません。

私がいう「状況によってペルソナを変える」というのは、「人によって態度を変える」といったものとは意味合いが違う気がします。

ここらへんは何が言いたいのか、ちょっとうまく話がまとまらなかったですが、自分は日本人のそういう関係性の中に身を置く慎ましさみたいのが好きですし、ペルソナを変えるのは悪いことじゃないと言いたい。なんなら楽しいとお伝えしたい。


人生のレベルあげ


『ペルソナ』のおかげで、私の日々はとてもゲームチックになりました。

自分自身にもゲームの主人公のようなレベルやパラメータが存在している感覚があります。それを常に高めたいという気持ちから私の強い向上心が生まれています。ゲームと違ってリアルでは、そのパラメータが無数に存在することもリアルの面白いところです。

人生で死にたくなるほどの失敗をしたり、うまくいかなかった時でも、それはゲームのストーリー上、盛り上げのために必要な一部であると思えると、人生がよりドラマチックに変わります。

自分の人生のレベルをあげるには、日常の細かな選択ですら後悔をしない選択をして、自分の何かしらのレベルをあげることを意識することが大切だとペルソナが教えてくれました。

私は飽きっぽい性格なので常に何かに変態していないと落ち着きません。次々にペルソナを変えています。変幻と同時に内省も繰り返すので自分を見失うことはありません。

自分には無理だ、自分には出来ない、自分は変われないと思っている人は、一度騙されたと思って、そのなりたい自分のペルソナになりきってみてください。きっと自然と実態がそちらの方に近づいていくと思います。自分の人生のレベルをあげるのは自分自身です。


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