ハーバーライツ

再始動です。

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最近の記事

あくまの真似事

「俺たちはこれからどうなっていくんだ。 今度は悪魔の真似事でも始めるのか?」 モハメドはアメスピを吹かしながら、夜空を見てそう言った。 俺は、そんなのわかんねぇよ、とボソボソと言葉を煙と一緒に空に吐き出す。 でも彼の言っていることは、ある意味では正しいのかもしれない。 もし、神様がいて全ての生物を作り上げたとして、それぞれの種の繁栄を望んでいたとすれば、俺たち人類の向かっている先は彼の思っている方向ではないと思う。 神様は、そっちは地獄の門だよ〜、何してんのよ人類は、知性

    • 浮遊

      浮かれている。正直、うわついている。 久しぶりに好きな人ができた。 柄にもなく、マメに美容院に通うようになった。 自然と、ZOZOタウンのページをスクロールする時間が増えている。 5月に大学の研究室で出会った。 一目惚れと言ってもいいかもしれない。 未だにオンラインのゼミで先生の質問の返答に困る顔を見たときに、深く自覚した。 この人のことが好きになってるな。おい自分よ。 片想いが楽しいのは自分本位でいられるから。というどこかで見た誰かの言葉で、大気圏まで達しそうな僕

      • 領事のマスクは緑色

        昨日、在札幌米国領事館に行ってきた。 用事はパスポートの更新。 僕は親からの贈り物としてアメリカ国籍をもらった。生地主義をとっているアメリカは、米国内で生まれた人間に対して国籍をプレゼントしてくれる寛大な国である。日本の法律では22歳までに国籍の宣言をしなければならないらしいが、アメリカはそのような法律はない。そのおかげで2年後に日本国籍を宣言したところで、アメリカ国籍が自動的に放棄されるということはない。 ちなみにいうと、勢いで日本国籍を放棄するととんでもなくめんどくさ

        • バラのある灰色の日々

          6月に入り、本州では暑さが本格的になって行くとともに梅雨前線の訪れが予感される季節となったのではないだろうか。僕の住む札幌はとても過ごしやすい。 そんな中、緊急事態宣言の延長が発表された。行きたかった美術展の中止が延期され、期間中に行けるか危うくなった。慣れたつもりでいたが少しだけ精神的にやられている。 先日読んだ本『暇と退屈の倫理学』(国分功一郎著)にて、ウィリアム・モリスの言葉が引用されていた。 人はパンがなければ生きていけない。しかし、パンだけで生きるべきではなく

        あくまの真似事

          日記と余白

          しれっとnoteの投稿を再開している。 投稿再開します。というような決意表明的な記事を書こうかと思ったが過去の投稿を見て、同様の投稿があるのをみてやめた。 律せない自分が恥ずかしかった。 と以前の僕ならおもうだろう。 余白を楽しめ。 文脈を読め。 空気を読め。 僕はこれらの類の言葉に異様に引っかかるような気がする。俺をみて!突っ込んでよ!という下手なボケをされると無視してしまうような性根の腐った部分があるからかもしれない。あるいは、難解な雰囲気よりも単純な言葉の方が理

          何かを人に勧めること

          先日、高校時代の友達から電話がかかってきた。 以前オススメした映画が人生史上最高だったということだった。 軽い気持ちで映画の良さを語っていたと思うが、なぜだかものすごく幸せな気持ちになった。「あ、そこのシーン好き」「あの見せ方がいいよね」「主人公はさ、」とか延々と語ったあとで、彼は「ありがとう、〇〇のおかげだよ」と言ってくれて電話を終えた。 まず、彼の素直さに感銘を受けたのだが同時に自分の中の魚の骨のようなものがスッと抜けた気がした。 「人に何かを勧める」という行為は、

          何かを人に勧めること

          オシャレ

          オシャレとは何か。という問いにぶち当たることが今までの人生で往々にしてあった。 パリコレ、メンノン、友人の服装、駅で見る奇抜なファッション。 服に対して特に頓着のなかった僕は安易に「自分を着飾るもの」という斜に構えた考えを持っていたような気がする。結局カッコつけだと。 どんなに着飾っても、結局は自分の本質というか内面は変わらないのだから意味なんてないのではないかと思っていた。僕は内面と外見のギャップに弱い。それはいわゆる「ギャップ萌え」といういいものではなく、心がむずむ

          考えるのをやめたら楽になった

          「ネガティブを潰すのはポジティブじゃない、没頭である」この言葉を最近ネット上で見ることがなぜか多い。 これはオードリー若林正恭さんのエッセイに綴られた一節である。数年前にそのエッセイを読んだ時、自分の中では「あぁ、なるほど」という感じだった。 ちなみに僕はオードリーのファンである。布教しておくと、radikoで“#annkw”と検索してみてはどうでしょう。ということだけ言っておく。 再びこの言葉に触れると、なぜかいたく感銘を受けてしまった。 というのもここ最近はどうしても、

          考えるのをやめたら楽になった

          平等の春

          何やかんやと過ごしているうちにすっかり春になってしまった。 コロナという単語を聞くようになって一年が経って、今年も各所で桜の開花宣言がなされた。近所の桜も徐々に咲き始めて、いまだに咲いていない蕾達は見に来た人々に「早く咲けよ」と言わんばかりの視線を送られている。 ここ数年、僕はものすごく桜の花が好きになった。 理由はどうしてなのか、と少し考えているがちょっと言語化が難しい。 あの日、別れを惜しみながら見た花が桜だったからなのか。 新生活のワクワクを思い出させるからなのか

          丁度いいぬくもり

          まだ肌寒い三月の風が、そっと私の顔をなぜる。 耳にはお笑い芸人の陽気な笑い声が聞こえている。さっきコンビニで買ったコーヒーを啜りながら夜の公園を目指す。ダイエットの一環として彼と始めた夜の散歩は、私たちの関係が終わってしまった今も続いている。左側から聞こえる彼の声の代わりに、ラジオを聴くようになった。 歩く時間は次第に増えて、今では2時間の番組を一つ聞き終えるまで歩くようになった。体重は、目標よりも少なくなった。 なのに、全くやめられない。 散歩の時間が増え、彼との思い

          丁度いいぬくもり

          とにかくお腹いっぱいになる

          noteの投稿をサボっていたらいつの間にか二月が終わり、三月がやってきていた。しかも三月になって五日も経ってしまっている。三月初日には、卒業証書を手にした学生たちがモールをぶらついていたり、3日のスーパーには聞き覚えのある音楽が流れていた。 北海道の寒さは本州に比べまだまだ厳しいが、少しずつ少しずつ暖かくなってきている気がしないでもない。ディスプレイのマネキンはすっかり春服を召し、街を歩く人々も心なしか服装が軽くなっているように感じる。 ぼくはというと、2年後に迫る就職活

          とにかくお腹いっぱいになる

          【500字小説】苺のパックに入った桜の花びら

          昨日、スーパーで二割引きになっていた苺を買った。 もそもそと食べていると、パックの底に桜の花びらが入っていた。2月だというのに、それは綺麗な薄ピンクをしていた。 「見て、これ」 隣でゲームをしている彼の肩を叩く。 「ん?桜?」 「やっぱそうだよね」 「季節じゃないのになぁ、、あっやられた!」 再び画面に夢中になる彼の横顔を見て、私は少し寂しくなった。 「まだまだ寒いのにね」 とぽつりと呟いて、私はベランダに出た。 見上げるとオリオン座がかなり低い位置で輝いている。

          【500字小説】苺のパックに入った桜の花びら

          過去の自分を「取り入れる」

          ここ最近、過去の自分と向き合うというブームが来ている。 直近のnoteにもその様子は、なんとなく投稿した。 2年ぶりのプールそして昨日、およそ2年ぶりにプールに行って泳いだ。おかげで両肩と首が筋肉痛で、もはや頭も少し痛い。前回泳いだのは大学に入ったばかりの新歓期に一度泳いだ時だった。 僕は、高校3年の夏に引退するまでの約10年水泳をやっていた。 中学まで地元の強豪のスイミングスクールでみっちり鍛えられ、地元から離れた進学校に入ってからは、勉強との両立を図りながら部活のみで

          過去の自分を「取り入れる」

          中学生日記①【世界の終わり『EARTH』】

          あまり褒められたことではないかもしれないが、中学生くらいの時に心酔していた小説や音楽に里帰りすることにハマっている。 僕は今大学生な訳で、つまりは7年前くらいの自分について思い返そうとしているということになる。「思い出ばっかでつまんねぇ人間だ」と後ろ指を刺されかねないが、それは横においておく。 確かに思い出に浸っている部分もあるが、当時の自分と今の自分の違いがわかったり、変わらないこともあったりして普通に楽しい。 今日から長い長い春休みが始まるので、少しずつnoteに投稿

          中学生日記①【世界の終わり『EARTH』】

          新しいダウンと古い自分

          先日、ダウンジャケットを買った。 せっかく寒いところ住んでるし・・・と自分にいい聞かせて、バイトのお給料を叩いて少しいいものを買った。久しぶりにダウンを買って、少し気分が上がった。 袖を通すと、スーッとダウン特有の匂いがした。 そこで思い出されたのは、なぜか小学生の時に着ていた兄のお下がりのダウンのことだった。僕の通っていた小学校は、私服だったので寒くなってからはほぼ毎日同じダウンを着ていた。 ナイキのブラウンを基調としたもので、胸のあたりに黄色と白のラインが入っていた。

          新しいダウンと古い自分

          いいものをちゃんと

          いいものをちゃんと「いい」と示さなければいけないと思うことが増えた。 ツイッターでよく流れてくるマンガを読むのだが、いいなぁと思っても 「あれ、なんのやつだっけな」となってしまうことが多い。 なんのために「いいね」ボタンがあるのか それは「いいと思ったものを自分の中にストックするため」ではなかろうか。 いいと思ったものを「いい」と言うこと。 好きなものを「好き」だと言うこと。 大切な人に「好き」だと伝えること。 シンプルだけどこれが意外と難しい。 思っているだけでなく

          いいものをちゃんと