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【生産者のご紹介】世界初のASCマダイを生産する「内海水産」と持続可能な生産を支える「ダイニチ」

うみとろん

愛媛県の宇和海は、美しいリアス式海岸に栄養豊富な黒潮が流れ込む、日本有数の海面養殖漁業の集積地。養殖業のトータルサポートを行う「株式会社ダイニチ」とグループ会社の養殖生産者「株式会社内海水産」は、この宇和海を拠点に、ASC認証を取得した養殖マダイの生産を行っています。ASCマダイがどうやって作られるのか、環境に優しく魚を育てる匠であるダイニチの霍川さん、内海水産の織田さんにお聞きしました。

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ASC認証とは?

はじめに「ASC認証」とはなんでしょうか?これは水産養殖管理協議会(Aquaculture Stewardship Council)が管理運営する国際的な認証制度で、養殖水産物に対するエコラベルのこと。ASC基準は、FAO(国連食糧農業機関)の「水産養殖認証に関する技術的ガイドライン」とISEAL(国際社会環境認定表示連合)の定める「社会環境基準設定のための適正実施規範」に準拠し、最善の科学的知見に基づき、水産関係者、科学者、NGOなどが協働で策定しています。自然環境や資源に負荷をかけず、労働者や地域社会に配慮する養殖業を認証します。

ダイニチと内海水産は、2020年6月にマダイとしては世界初となるASC認証を取得。また、ダイニチの海南シーフードセンター、東京営業所がCoC認証(認証された水産物が消費者に届くまでのトレーサビリティに対する認証)を取得しました。

内海水産の養殖現場

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内海水産でのマダイの養殖は、春先3~5月におよそ3万尾の稚魚を生け簀に放すところからスタート。約7cm、10~15gほどだった稚魚が2年~2年半後に約2kgの大きさに育ったところで出荷されます。ひとつの生け簀には7000~8000尾のマダイが育てられており、季節と魚のサイズによっても変わりますが、大体1回に400kgほどの餌が与えられるそう。冬場は週3回、水温が上がって魚の動きが活発化する夏場には週4回給餌を行うそうです。

内海水産の織田さんは、「餌をやる時は魚の状態を見るんです。餌食いの良さや健康状態、魚の肌がきれいか、元気に泳いでいるか。生け簀は27台ありますが、餌をやりながらずっと魚を見守っています」と言います。

養殖マダイのこだわりはたくさんありますが、その一つが、生け簀を水深約30mに沈めたところで育てる深海養殖です。マダイ本来の生息域に近く、海面よりも水温変動が少ないためストレスがない、水圧で身が締まる、紫外線が当たらず色鮮やかに育つ、など美味しいマダイとなるための条件が揃っています。しかし、深い海でマダイを育てることは非常に難易度が高いこと。それでも美味しさを追求し、挑戦と工夫を重ねながら日々魚と向き合い続けています。

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内海水産の真鯛は、どんな環境で育つ?

衛星データを活用した水産養殖向け海洋データサービスUMITRON PULSEより取得したデータで、内海水産の真鯛がどんな環境で育っているのか見てみましょう。

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水温の変化 [℃]

真鯛の生育における適正温度は、水温10~30度の範囲と言われており、内海水産の漁場は、年間を通して真鯛に適した水温となっています。

塩分の変化 [PSU] (1)

冬場は大気によって海表面の温度が下げられ、水が海表面と深い位置で混ざり合うため、水温や塩分は水深方向に一様になります。

波高の変化 [m]

波の高さは、冬場は穏やかで0.5m前後の日が多く、一方で台風の多い7~10月は波高が2mを超える日も多く、船を出せる日も限られています。

ASCマダイの特徴

ASCマダイの特徴は、安定して持続的に供給できる原料を使った餌で育てられていること。通常はアジやイワシなど天然の小魚を粉末にしたものを餌にしますが、植物原料(トウモロコシや大豆)などを使用して天然魚への依存度を低くし、また使用する天然魚も乱獲されてなく、どこで獲れたかが分かるように確保されているそうです。

ASCのガイドラインにより、抗生物質の使用にも制限があるため、餌にビタミンやミネラルなどの栄養を強化することで病気に強い魚になるようにしているとか。また、生け簀の中の魚の密度を低くすることで、マダイにストレスを与えないようにしているそうです。

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ASC認証取得の過程と想い

内海水産とダイニチの二社によるASC認証の取得に挑戦した当時は、まだマダイでの成功例がなかったため、すべてが手探りの状態で始まったといいます。ASCの基準に合うように、稚魚、餌、漁場とすべてを見直して準備するのに2年かかりました。認証を取得したからといってそれで終わりではなく、今後ずっと継続、管理していかなくてはいけません。海も魚も自然のものですから、どんな環境の変化があるかわかりません。

そのために「周辺環境のモニタリングが重要です。水温や海中に溶け込んでいる酸素濃度、海水中の窒素やアンモニアなどを定期的に調べることによって、環境の状態を把握し、変化をいち早く察知して魚に影響がないよう事前に準備するのです。海底の泥なども検査をし、どんな生物がいるか等の指標を毎年とり、養殖が環境に負荷を与えていないかを確認しています。」

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マダイの持続的な生産は一番の目標であり、今後ますますASCを精査し、ブラッシュアップして、ウミトロンのようなテクノロジーもどんどん取り入れていきたいと語ります。
手塩にかけて育てたマダイを消費者の皆さんに美味しく食べてもらえたら幸せ、と笑う霍川さん。「どんな風に過ごしてきた魚なのかということに思いを馳せてもらえたら嬉しいですね」

育てる魚へのこだわり

魚が大好きで、魚を食べると幸せになる。その気持ちを皆にも味わってもらいたい、魚で人を幸せにしたい・・・そう思って養殖の仕事を始めたというダイニチの霍川さん。「養殖で大事なことは、管理された餌で魚が育てられているということ。魚にとって一番良い餌を作って与えており、何を食べているかすべてわかるので安全、安心です。周年で旬の味を楽しめることもポイントですね。」

東京にあるダイニチの加工センターでは、愛媛県の宇和海から生きたまま運ばれるマダイを受け取り、神経〆にし、内臓と頭を落とし、三枚おろしにした後、鮮度の良い状態で真空パックにして出荷しています。神経〆にした鮮度のいい魚は、身の弾力や甘みも格別です。「うみとさち」で、その味わいをお楽しみください。

うみとさち取扱ポリシー(ASC真鯛/内海水産)

取扱ポリシーについてはこちらをご覧ください。

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■うみとさち「オンラインショップ」





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