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クセの強い赤子と4つのおまもり

こんにちは!私の住んでるところでは、いつの間にか早い梅雨が来て、その梅雨も開けたのか開けてないのか、蒸し暑い日が続いております。

私にとっては、前回noteで地元のコンニャク屋さんの可愛いミスをネタに書いたばかりに起こったかもしれない出来事があって、娘との絆が少し深まったかもしれなかったり、割と大きなライフイベントがあったりした1か月でした。

 ↓前回note

今回は、そんな私の1か月と少し前のおはなし。


4月末、私は36週に入った妊婦だった。お腹もかなり大きく、夜にお腹が張る事が多かった。普段は布団に入るとすぐ張りが収まるんだが、その日は張りが強く横になってもなかなか収まらなかった。

出産はこれで3人目なんだけど、私はいつも妊娠高血圧になるため、陣痛で余計に血圧が上がらないように、これまでの2人は無痛分娩していた。2人出産してから、無痛分娩できる産院のない地域に引っ越したので実は今回が陣痛初心者。

それにしても、、陣痛こんなもんじゃないやろ、きっとこれはお産1週間前くらいに起こる前駆陣痛やろ(前の出産も前駆陣痛はあって似た感じだった)とスカしていた。そもそも36週までは早産になってしまうので、もうだいぶ赤ちゃんの体は出来上がっていてリスクは少ないはずとはいえ、もう少し待っていただきたい。

そんな中、トイレに行くと破水と迷うものがあった。破水はドバッと大量に出る人もいれば、チョロチョロと出る人もいるそう。これはチョロチョロタイプの破水?とさすがに不安になってきた。

破水というのは、外界から身を守ってくれていた羊水が減っていってしまうので、赤ちゃん的にあかんわな状態で、もし起こればすぐに入院になる。検診の時に、破水か迷ったらすぐに病院へ行って診察が必要と言われていた。そのまま入院になるかもしれないので途中だった入院の準備をバタバタとした。

今回、コロナ禍で会えなかった事もあり実家からも義実家からも安産祈願のお守りが届いていて、自分で近くの神社で買ったものと合わせて3種類(合計4枚)のお守りが手元にあり、お守り収集家のようになっていた。

普段は自分が買ったのを持ち歩き、もらったのは家に置いていた。お産本番の時くらいはと棚から出したはいいが、違う神社のお守りを一緒に持っていていいのかな?と一瞬思った。3種類のうちでも、三重の義実家が送ってくれた伊勢神宮のお守りが1番大きく、神社の有名度も高く、強力そうである。なんたって、1つの神社なのに内宮と外宮で2個もある。

や、しかし、選抜するのも変なので(選ばなかったお守りの神様にも悪い)  きっと神様は心が広いから仲良くやってくれる!大丈夫!ということにして、全部キャリーケースのポケットに入れた。

準備が終わり、リビングに目をやると私のゴソゴソで目を覚ました娘が泣いていて、夫があやしていた。


もうすぐ5歳になる娘は、普段はひょうきんで元気な性格で、私が「もうすぐお母さん赤ちゃん産むから入院だからね!」と言ったら、「ばあばと暮らすから大丈夫!」(いつも仕事で帰りが遅い夫は入れてもらっていない)と気丈に答えていた。

だが、いよいよ私としばらく会えないかもしれないと察した事と、夜中に目が覚めてしまった不安もあってか、成長して前よりお姉さんになってきた最近にしては珍しくわんわん泣いていた。実家から手伝いに来てくれていた母にこのまま娘を預けると大変だし、病院までは近くてすぐ行けるので、ひとまず私が娘を落ち着かせる事にした。

※ここから数行、娘とのノロケ話になるので、「そういうのはちょっといいです」という方は読み飛ばすか、全ての文字をピヨピヨに替えて読んでください。(参考:大豆田とわ子と三人の元夫)


娘と一緒に布団に入って、「入院になっても何日かで帰ってくるから大丈夫。大好きだよ」と言って頭を撫でた。わんわん泣いていた娘はしゃくりあげた。

しばらくしゃくった後、顔を上げて私の目をしっかり見つめ、また泣きそうになるのをこらえながら

「ママ大好き」

と言ってくれた。お姉ちゃんになってきたとはいえ、まだ5歳の子が、嫌だとか寂しいとかじゃなくて(おそらくそういう気持ちもあるのにそれは抑えて)大好きと言ってくれたのだ。つい私も涙してしまった。

ちなみに娘は、普段は私をお母さんと呼ぶけど、甘えたりおねだりをする時はママとたくみに呼び方を使い分けている。我が娘ながらあざとい。や、でもこの際、呼び名はお母さんでもママでもおかんでもおしんでもいい!母は嬉しいよ!

と、私としてはおしん並の感動の別れをしたが、このタイミングでまだ入院かも分かっていない。娘はそのあとすぐ寝てくれたので、私は病院に電話して、夫に車を出してもらって受診した。


病院に着くと、産科病棟の看護師さんと先生が待っていてくれ、すぐに病棟でエコー検査してもらえた。

ドキドキ。。


先生「違いますね」

今休んでいるが一応医療従事者なので、こういう時、大変恥ずかし申し訳ない。「すみませんでした。」と謝ると先生は「破水だったら(この後すぐ処置が必要で)大変なので違ってよかったです」とにこやかだった。この先生の爪垢煎じ茶を飲んで見習おうと思う。

ただ実際本当に、後期妊婦はおりものの量も多く、チョロチョロ破水かどうか、分かりにくい時が多いそうなので、破水かも?と思った妊婦さんはすぐに産院に電話してご相談される事をおすすめします。


お腹の張りもそれ以上強まらず、入院は必要ないので家に帰ることになった。救急外来で支払いを済ませ、病院を出ると日付が変わっていた。5月1日。

待てよ、、もしやお腹の子、4月30日の深夜にかけてお産を狙った?たしかに、前のnoteに「残念ながら4月31日生まれにはならなそう」とか書いちゃったけど、、違うんや、それは振りとかじゃないんや!

4月30日から5月1日にかけて生まれても31日には生まれられへんのや!そもそもまだ早いからもう少しだけゆっくりしててー!

と帰りの車でお腹に向かって1人念じた。自分の一生の始まりからそんなインパクトを狙ってくるなんて。千鳥の番組を見てつわりが治まっていただけあって、この赤ちゃん、もしやクセが強いんだろうか。。


次の朝。ずっと熟睡していた2歳の息子が先に起きた。彼はマイペースで、2歳にしてよく言えば世渡り上手で人に話を合わせるという技を持つ。すなわちテキトーなのである。

「昨日の夜、お母さん病院に行ったんだよ」と一応報告すると、

「びょういん??僕も行ったよ!」

とまさかの返答が返ってきた。、、夢の中で付き添ってくれたのかな。まぁ、とにかく君は大丈夫だ。

そのあとしばらくして娘が目を覚ました。「お母さん、まだ入院しなくて良かったよ。昨日は心配だった?」と訊くと、私に抱きついて

「お母さんは私のおまもりだから」

私にとって、1番身近で1番強力なお守りが答えた。



その約1週間後、無事に男の子を出産しました!


夫の誕生日と同じ日に。。確かに、4月31日はゼロチャンだが、父親と同じ誕生日なら365分の1の確率でワンチャンあるもんね!

どうしてもインパクトを狙ってくるクセの強い、かわいい我が子、すくすく育っています。


#時空 #妊娠 #出産   #子どもに教えられたこと




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