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海野まなみ
2022年9月11日 17:54
あの女を切らない限り、あなたは幸せになれないの。でも、あなたからはもう切れないよね。今回こそ、絶対に連絡してはいけなかった。私との離婚が、最後の砦だったんだよ。これが、あの女の復讐だよ。自分に依存させて、あなたを幸せにさせないの。考えすぎだって思ってる?女が原因で、人生間違う男はたくさんいるよ。最初はみんな、軽い浮気から始まるんだよ。あなたは女という生き物を舐め
2022年9月10日 18:42
あなたは、恋愛感情がなくなっても、あの女との縁を切る気はないよね?出張ついでにこの女とデートするのは、楽しみの一つとして定着してるもんね。かといって、あの女と再婚する気はないんでしょ?あれは不倫だから楽しめたんだよ。あなたもそれはわかってるはず。この先も、腐れ縁みたいにズルズル続くと思うよ。けれどこの先、例えばあなたに、好きな女が出来たとする。真剣に付き合っていたとして
2022年9月9日 18:29
女はね、自分を見捨てた男を絶対に許さないよ。自分が幸せになってその男を忘れるか、もしくは呪って復讐するか、どちらかだよ。復讐と言ってもね、別に犯罪行為するわけじゃないよ。この女はね、あなたを、自分に依存させようとしてるんだよ。この意味わかる?あなたもこの女に対して負い目があるから、会ったら優しくするでしょ?お金だって出すでしょ?最初は女も遠慮気味かもしれない。でも、その
2022年9月8日 18:01
それなら私も親切心で一つだけ、あなたにアドバイスするよ。あなた、またあの女と連絡取ってるでしょう?もちろん今更、私が口出すことじゃないんだけどさ。どうせあなたの方から「離婚が決まった」って連絡したんでしょう?大体わかるよ。でもさ、あなたから一方的に見捨てられた女が、あなたからの連絡に再度応じる意味、わかってる?自分に魅力があるからだとか思わないでよ・笑自分を見捨てた男と
2022年9月7日 17:49
「色々迷惑かけてごめん・・・」サインをした離婚届を渡した瞬間に、彼は言った。最後はキレイに終わりたいのだろう。カッコつけたい彼の気持ちはわかるけど、今になって謝られてもね。「憎み合って別れたくないからさ・・」・・・憎み合う気はないけど、キレイゴトを言うつもりもないよ。「マナミには幸せになってほしいと、本気で思ってる」・・・あなたの親切心に水を差すようだけど、余計なお世話
2022年9月6日 18:16
前回は、離婚届を目の当たりにしてみっともないほど動揺してしまった。そこから逃げ出したくてしょうがなかった。彼がサインを急かすのにも、腹が立った。たった一枚の紙切れで、人生が変わってしまう。思い描いていた結婚生活には程遠く、悔しさと無念があふれ出た。こんなはずじゃなかったのに!でも、どんなに頑張っても、どうにもならないこともある。それを痛いほど学んだ結婚生活だった。次
2022年9月5日 17:20
彼が出張から帰ってきた。すでに私の荷物がないことに、一瞬驚いたようだったけど、全てを悟ったようだった。「荷物運んだのか。いつから新居に住むんだ?」明日の朝にはここを出ていくよ。あとは私の布団を運ぶだけだから。「そうか。 あ、昨日メールしておいたけど、保証人の件は無事に外れたから」うん、見たよ。私は敢えて、ありがとう、とは言わなかった。「じゃあ、これ」彼は離婚
2022年9月4日 16:01
彼から「出張が数日伸びます」と事務的なメールが届いた。現地で誰と何をしているのか、もう考えないことにした。この機会に、引っ越しをしてしまおう。この家にいるから、いつまで経ってもグズグズ引き伸ばしてしまうのかもしれない。大家さんに交渉したら、日割りで入居できるようになった。新居はここから車で1時間弱。大型家具や家電はないから、自家用車で3往復もすれば、ほぼ運び込めそうだ。
2022年9月3日 17:26
あれから一言も話さないまま、翌朝、彼は出張に出かけた。結局、書きかけの離婚届を持っていったのかはわからない。まさか私のサインを偽造してまで、勝手に出すことはないだろう。彼がいなくなって、改めて考える。離婚に迷いはない。むしろ、早く楽になりたいくらいなのに。けれど目の当たりにした「離婚届」に動揺した。それを見た途端、ぎゅっと胸が締め付けられて、思わず涙が込み上げてきたのだ。
2022年9月2日 18:35
続けて私は言った。不満があるなら、家庭裁判所に申し立てるよ。そこで、裁判員を巻き込んで、公平に判断してもらおう。ただそうなると、夫婦の赤裸々な話を全てすることになる。生々しい暴露合戦になるよ。私はそれでも構わないよ。本当は、法律に基づいて判断してもらったほうがいいと思ってたから。でも、そうなると、私に分があるよ。その理由はわかってるよね?彼は私を睨みつけたまま、
2022年9月1日 17:14
そこから先はまた地獄だった。「オマエはどこまで俺を苦しめれば気が済むんだ!」「少しは相手の立場に立って考えろよ!」「常識で考えればわかることだろう!」これらの言葉は、今まで何度も何度も、私が彼に向けて伝えた言葉だった。もちろん、もっと上品に話したはずだけど。ふん、ちゃんちゃらおかしいわ。あなたに「立場」だの「常識」だのを説教される覚えはない。離婚届を目の当たりにして
2022年8月31日 17:02
離婚届を見た途端、自分でもびっくりするくらい狼狽した。イヤだ、書きたくない、どうしよう・・。彼は淡々と話す。「俺が出張ついでに本籍地で出した方が無駄がないだろ。 離婚予定日の2週間くらい前倒ししたって、なんの影響もない」確かにその通りだ。でも待って。いや、ひとつだけ問題は残ってるよ。あなたの会社の保証人の件。まだ私が連帯保証人になってるよ。それが外れてからの約束でし
2022年8月30日 17:29
実は、彼が出張に行く前日に、事件があった。「今すぐに離婚届を書いて欲しい」不意に、彼が言い出した。え?まだ約束の日まで数日あるし、不本意ながらも同居は続いている。何よりも、まだクリアになっていないことがいくつかあるよ。全てが終わってからじゃないとダメだよ。「離婚届は本籍地で出した方がいいだろ。 出張の通り道だから、ついでに出してくる」確かに、本籍地以外で提出する
2022年8月29日 17:22
いつもパソコンにばっかり向いてないで、たまには肉体労働しない?そう知人に誘われて、初めて農家のお手伝いに。炎天下でフラフラになりながら野菜や果物を収穫する。70代、80代の農家さんに「若いのに体力ないねえ」と笑われながら。汗だくで、土に向かう。雑草を取りながら、畑を整える。栄養たっぷりの新鮮な野菜は、こんなにもイキイキしているのか。鳥とセミの鳴き声、目の前に飛び出してくるカ