見出し画像

くたびれ日


くたびれる日がある
健やかさが芽吹かないそんな日がある

些細なもやっとが
朝からどんぶらこどんぶらこと
桃太郎のように流れて来る

桃次郎
桃三郎
桃四郎
桃五郎

とそういう日に限って連なる
兄弟多いね…とすこし途方に暮れる

引け目と負い目
自身の中で自分の在り方というものが定まらなくなる

考えだしたらきりがない

いつだって今の自分に対して言えることは
私は1人分だけを生きればいいのだから
気楽に1人分を全うしよう

その言葉を染み込ませてやることしかできない

くたびれた日には
頭を撫でてやり
目を瞑り
毛布にくるまって
ただぼーっと
光の動きをみていたり
本を読んでいたり
甘いものを際限なく食べて
洗濯物をとりこみ
はしっこを謎にとんとんしながら畳み
すこしだけ散歩

そういったものをきびだんごにしてやる

何もしなくてもいいのだけれど
すこし生活をしている方がおちつくから

いつもしていることを
いつもと同じ手順の中に
ほんの少しだけ謎な動きを加えて

きびだんごにしてやる

くたびれる原因になる自分の中の焦りと恐怖と不安という嵐を

私は1人分だけを生きたらいいのだから
その言葉で丸めてこねて

発酵させて保存して

また発酵させて保存して

第何次発酵までさせるのかわからないけれど

私といういれものの火葬とともに
焼き上げられるのかもしれない

ツヤ出しの卵も忘れないようにしたい


そんな事を考えるくたびれ日。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?