見出し画像

なつ、やっぱり、青空先生に お悩み相談

せんせーい!
緊急相談!
予約なしですが、いいですかー?


はいはい。
何をそんなに急いでるのかな。

いくら待っても、秋が来ないんです。
夏が、がんこに いすわっているから。

あー、たしかに暑いねー。
私は今日も、アイスと氷を食べたよ。

そうでしょ。
先生、なんとかしてよー。

なんとか、と言われてもなあ。
私には、どうすることもできないよ。
夏と秋 しだいだよ。

でも、先生ほどの人なら、
何か名案があるんじゃないの?

おー、どうしてわかったの。
実は、
考えていることが ある。

さっすがー!
青空先生、すてきー。

いやいや、それほどでもー。

早く教えてよー。

はいはい。
では、よく聞いてください。
まず、
大きな大きな袋を4つ用意します。
そして、
ひとつめの袋には 春の空気を
ふたつめの袋には 夏の空気を
3つめの袋には 秋の空気を
4つめの袋には 冬の空気を
いっぱい 入れます。
そうしたら
その袋の口を
ロープで ぐるぐる巻いて
ぎゅーっと
締めます。
中の空気が漏れないように
しっかりと閉じ込めます。
そして
私専用の大きな大きな倉庫に
しまって、鍵をかけておきます。

えー、そんなことできるの?
さーすがー!

いやいや、それほどでもー。

(とかなんとか言いながらも、
青空先生、自慢げ。ま、いっか)

それをどうするの?

春が来てほしいなあと思う頃に
春をつめた袋の口を開けばいいし、
夏が来てほしいなあと思ったら
夏をつめた袋の口を開けばいいんじゃよ。

あー、そっか。
来てほしい頃に、ね。
それなら、
待たなくていいもんね。

そうそう。
決まった頃に、必ず、
季節が交代するんじゃ。

ふーん。
決まった頃に、ね……。

なにか?
どうも、不満そうじゃのう。

うーん。
それだと、
もう春かなあ、まだかなあ、って
待つ楽しみがなくなるような気がする。
決まりきっても
おもしろくないね。

ま、まあ、
そう言われればそうだねー。
でも
早く秋に来てほしいんじゃなかったの?

それはそうなんだけどー。
まだ夏かな、
ちょっとだけ秋みたい
もうすぐ秋かな って
いろいろ思うのもいいかな。

なつさんが
そう言うのなら
それでいいけど。
また、困ったことがあったら
いつでも おいで。

はーい。
青空先生(あっ、ミスターブルースカイ)
ありがとうございました。
倉庫の袋のことは、内緒にしておきますね。





この記事が参加している募集